RIZIN 3.30 あなぶきアリーナ香川(レポ):鈴木千裕、ダウトベックとの壮絶な打撃戦の末にスプリット判定負け、朝倉未来「ここまで激闘した選手と戦えない」。井上直樹、元谷友貴に辛勝しバンタム級王座初防衛
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RIZIN.50
2025年3月30日(日)あなぶきアリーナ香川
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)RIZIN FF
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井上直樹、元谷友貴に辛勝しバンタム級王座初防衛
第12試合 メインイベント MMA RIZINバンタム級(61kg)タイトルマッチ 5分3R
○井上直樹(キルクリフFC/王者)
×元谷友貴(アメリカン・トップチーム/挑戦者、元DEEPバンタム級&フライ級王者)
判定2-1 (石川=元谷[D 0-0/A 0-0/G 0-20]/橋本=井上[D 0-0/A 0-0/G 20-0]/柴田=井上[D 0-0/A 0-0/G 20-0])
※井上が初防衛
RIZIN 2025年の開幕戦となる今大会は、RIZIN初進出の四国で行われた。会場の「あなぶきアリーナ香川」(香川県立アリーナ)は2月にオープンしたばかりの新会場で、地元自治体も観光誘致のために大会を支援し、チケットは早い段階から完売した。
メインイベントではRIZINバンタム級王者・井上直樹の王座初防衛戦が組まれた。井上は27歳。20年の大晦日に元谷と戦った際には1R裸絞めで一本勝ちしている。21年のRIZINバンタム級日本GPでは準決勝で優勝者の扇久保博正に判定負け。22年大晦日の再起戦で瀧澤謙太で2Rアームロックで一本勝ち。23年5月の有明大会ではフアン・アーチュレッタに判定負け。昨年3月の神戸大会で佐藤将光に判定勝ちすると、9月のバンタム級王者決定戦でキム・スーチョルに1R TKO勝ちし、第7代王者となった。
元谷は35歳。21年6月のRIZINバンタム級日本GP二回戦で瀧澤謙太に敗れ、その後は金太郎、アラン“ヒロ”ヤマニハ、太田忍、倉本一真、ホジェリオ・ボントリン相手に5連勝したが、23年5月に朝倉海にKO負け。その後、フロリダの名門・ATTに加入。11月のDEEPでの再起戦ではCOROに2R TKO勝ちしたが、大晦日のRIZINでは元UFCのヴィンス・モラレスに判定負け。昨年5月のDEEPでは平松翔に2R裸絞めで一本勝ち。9月のRIZINでは太田忍に3R裸絞めで一本勝ち。
大晦日大会に井上も出場予定だったが欠場し、元谷と秋元強真で王座挑戦者決定戦が行われ、元谷が判定勝ちした。
1R、リーチで勝る井上が序盤からプレッシャーをかけ、元谷が回って距離を取る構図が続く。井上は左ジャブ、右ストレートを放つが、詰め切れず距離が遠い攻撃が多い。だが元谷は攻撃自体が少なく守勢の印象だ。終盤、元谷はタックルを仕掛けてテイクダウンを奪うと、立とうとした井上にギロチンチョークを仕掛ける。井上はマットに頭を付けてアゴを引いて完全には極めさせない。元谷はニンジャチョークに腕を組みかえつつリバースするが、井上はすぐに返して上になって首を抜き、下から足を登らせる元谷を振りほどいて立つ。そのまま猪木アリ状態で終わる。ここまで元谷がインパクトを作ったが、井上は完全に極めさせず支配時間も長かったため、評価が難しいラウンドだ。
2R、井上が前に出るが、元谷も前に出返す場面を作るように。だがすぐ井上がプレッシャーをかける展開に戻る。元谷は1Rに眉間のあたりをカットしており、血が目に入って気にする動きを見せる。中盤過ぎ、元谷がタックルを仕掛けるが、井上はロープ際でがぶって切り、逆に崩して右脇を差してコーナーに押し込む。終盤、元谷が押し返す場面もあったが、井上が押し返し、四つの攻防で押す時間が長く続く。井上がジェネラルシップでやや上回るラウンドに。だが終盤の組みの展開でバッティングがあったか?井上は右まぶたを腫らす。井上は試合後「パンチをもらってしまいました」と話していた。
3R、元谷は最初から前に出て、パンチを振って組み、倒してバックを取ろうとするが、井上は足を組ませず、すぐに立ち上がる。だが元谷は井上を押し込み、またも倒し、今度は押さえ続けることに成功する。元谷はロープ際でハーフで押さえ続け、中盤過ぎにはコーナー際でマウントを取りかける。井上はコーナーを背に背中を起こし、バックを狙う元谷を振り落とし、上を取り返す。だが井上がバックを取りに行くと、元谷は脱出して上を取り返し、ハーフで押さえてパウンドを連打する。元谷は肩固めを狙うが、足を抜けず、最後は腕を解いてパウンドに切り替え、攻めて試合を終える。明白に元谷優位のラウンドに。記者採点は元谷(D(ダメージ)0-0/A(アグレッシブネス)0-30/G(ジェネラルシップ)0-20/計0-50)。とはいえ僅差のため、ジャッジは割れ、1者が元谷を支持したが、2者が井上を支持し、井上が判定勝ちした。ジャッジは3者ともG(ジェネラルシップ)の項目のみに差をつけていた。
ベルトを巻いた井上は「しょっぱい試合をしてすみません。見ての通り、目が途中から見えなくなって、元谷選手のパンチをもらってしまいました。それで3R失速して、しょっぱい試合になっちゃったんで、王者としてKO一本のできる選手になりたいです。もっと頑張ります」と謙虚に話した。
鈴木千裕、ダウトベックとの壮絶な打撃戦の末にスプリット判定負け
第11試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
×鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺/元RIZINフェザー級(66kg)王者、KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級(65kg)王者)
○カルシャガ・ダウトベック[Karshyga Dautbek](カザフスタン/Turan Orda/タイガームエタイ)
判定1-2 (柴田=鈴木[D 0-0/A 0-0/G 20-0]/中原=ダウトベック[D 0-0/A 0-30/G 0-20]/石川=ダウトベック[D 0-0/A 0-0/G 0-20])
千裕は25歳。RIZINで5連勝後、23年6月にクレベル・コイケのフェザー級王座に挑戦するが、コイケが計量オーバーで王座をはく奪され、試合ではコイケが1R腕ひしぎ三角固めでタップを奪ったが、無効試合となっていた。7月、ベラトール王者・パトリシオ・ピットブルを1R右フックでKO。11月のアゼルバイジャン大会では、地元出身の王者・ヴガール・ケラモフを1R KOし王座奪取を果たす。昨年4月の初防衛戦で金原正徳に1R TKO勝ち。右拳の骨折の療養を経て、大晦日大会でコイケを相手に2度目の防衛戦を行ったが判定負けし、王座から陥落した。その後、静岡のボンサイ柔術でコイケとも練習を重ね、組技を強化して再起戦に臨む。
ダウトベックは31歳。ボクシングをベースとし、15年にMMAデビューし、18年9月にRIZINに初参戦すると、当時まだRIZIN 2戦目だった朝倉未来に判定負け。母国カザフスタンでのAlash Prideでは昨年3試合とも1R KO勝ち。9月には元UFCのディエゴ・ブランダオンを左フックからのパウンドで35秒で仕留めた。昨年1月のTOP BRIGHTS群馬大会では松嶋こよみに1R TKO勝ち。6月に6年ぶりにRIZINに出場すると関鉄矢を1R左ボディでKO。9月には木下カラテを1R左ストレートでKO。大晦日大会ではYA-MANと激しい打ち合いを繰り広げつつ、グラウンドで主導権を握り判定勝ちし、連勝を9に伸ばし、前王者・千裕との一戦に辿り着いた。
なお、このカード発表後、5月4日の東京ドーム大会を平本蓮が欠場し、朝倉未来の対戦相手が空白となり、千裕とYA-MANが対戦相手候補に挙がった。香川大会の前日の29日のRISEではYA-MANがキックルールで試合したが、ミゲール・トリンダーデにパンチで累計3度ダウンを奪われ3R KO負けし、約1か月後の未来との試合が絶望的となっていた。そして千裕も死闘の末に敗れ、鼻を負傷し、未来戦が絶望的な状況となる。
1R、千裕がオーソドックスで構え、サウスポーのダウトベックに対して、最初からプレッシャーをかけてパンチと膝を振るうが、ダウトベックはかわし、左ミドル、ストレート、ボディを的確に当てる。千裕はパンチの空振りが多い。中盤、ダウトベックは左ボディ、ストレートを随所で当てる。千裕は攻撃自体が減ってしまうが、右インローを当てていると、終盤にはダウトベックの足が流れるように。さらに千裕は左ミドルを当てると、詰めて来たダウトベックに左ストレートを当ててひるませる。するとダウトベックは前回のYA-MAN戦のようにタックルを仕掛け、組みに切り替え、抱え上げて倒す。ダウトベックは押さえ続けて終える。
2R、千裕は右インローを連打していたが、ダウトベックはサウスポーから左ストレートを合わせてひるませる。下がり気味になった千裕に、ダウトベックは左ボディと左ストレートを連打してぐらつかせ、千裕は中央付近からコーナーまで下がる。だが千裕はじわじわ持ち直し、パンチを返していると、中盤にはダウトベックは右まぶたをカットする。千裕は右のインカーフを随所で当てる。しばらく静かな展開が続き、終盤、ダウトベックは左ボディと右フックの連打を当てるが、詰めてパンチを振うと、千裕がカウンターで左フックを当て、ダウトベックをひるませる。だがダウトベックもすぐ持ち直し、ステップも使ってその先の攻撃を封じる。ここまで差は小さく、評価が分かれそうだ。
3R、スタンドの攻防が続き、お互い警戒し、消耗もあってか、攻撃が減る。中盤、千裕が右ハイを当てると、ダウトベックはタックルを仕掛けるが、千裕はかわす。終盤も攻撃が少ない状態が続く。残り30秒、千裕が右ハイを放つと、スリップして後ろに倒れてしまうが、すぐ立つ。すると千裕は前に出て、左フックをヒットし、ダウトベックは後退する。千裕は追いかけて右ストレートを当て、ダウトベックは組み付いて難を逃れようとしたが、千裕は反り投げ気味に倒し、がぶって頭に膝蹴りを当て、下がるダウトベックに胴回し回転蹴りを放ち、空振りになって寝転んで終わる。試合が終わると、ダウトベックは千裕に手を差し出して立たせ、抱き合って称え合う。
記者採点は千裕(D(ダメージ)0-0/A(アグレッシブネス)0-0/G(ジェネラルシップ)20-0/計20-0)。僅差だが、千裕がダウトベックをひるませる場面がわずかに多かったと判断した。ジャッジはやはり割れ、1者が記者と同じ20-0で千裕支持だったが、2者が0-50または0-20でダウトベックを支持し、ダウトベックが判定勝ちした。
マイクを持ったダウトベックは「前回の試合から準備期間は短かったですが、精一杯頑張りました。怪我をしていたので、治療もしていました。次回は万全な状態で臨みたいです。皆さんありがとうございました」と話した。
朝倉未来「ここまで激闘した選手と戦えない」
鈴木千裕とダウトベックの試合の中継の放送席には朝倉未来が座り、試合後には「滅茶苦茶いい試合でしたね。気合と根性が2人から伝わってきて。かつレベルの高い打撃戦だったと思います。刺激受けましたね」と両者を称えた。ダウトベックの判定勝ちと発表された後は「効かせた打撃がダウトベック選手のほうが多かったと思いました」と評価した。5月4日の東京ドーム大会での対戦相手について聞かれると、未来は「ここまで激闘した選手と戦えないですね。YA-MANもしかりですけど。(千裕に)あんまり無理はさせないでほしいなと思います。2回ぐらい効いていたんで」と冷静にコメントした。さらに未来は千裕について「評価は全然落ちない試合だと思います」と改めて称えた。
RIZINの榊原信行CEOは大会後の総括で未来の相手について「YA-MANと千裕、両選手がこういう結果になるのは、もちろん想定はしてましたけど、期待はしてなかったんで、まさかこの結果かよ、と思うところでは正直ありますけどね。未来も話してたんですけど、手負いの選手とやるのは未来の美学にも反すると思うんで。それであれば他にもたくさん選手はいるんで。ただ場所がドームだということですよね。かといってドームだからって、あんまり奇をてらって変なことをしてもしょうがないかなと。もうジダバタしても、これは天命ですから、今の(状況が)生まれた中で、それがベストチョイスだという相手をしっかり見極めて、マッチアップしたいと思います」とコメントした。
一方で今大会の第8試合でトビー・ミセッチに26秒TKO勝ちし無傷の萩原京平が「5月、誰と見たいですか?怪我もないんで、5月準備しとくんで、いいオファー待ってます」とマイクアピールした。試合後のインタビューで、未来と戦いたいか聞かれると、萩原は「全然やってもいいと思います。でも今日この後の鈴木千裕の試合次第で、その後ろに並んでいる状態だと思っているので。でも全然タイミングでって感じですかね」と前向きにコメントした。榊原氏は萩原の5.4ドーム出場について「本人もやる気だと思いますので、マッチメイクしたいなと思います」と語っており、人気の高い萩原も未来の相手の有力候補となりそうだ。
野村駿太、RIZIN初戦でルイス・グスタボに負傷判定勝ち
第10試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
×ルイス・グスタボ(ブラジル/エヴォルサオ・タイ)
○野村駿太(BRAVE/DEEPライト級王者)
3R 2’27” テクニカル判定0-3 (中原=野村[D 0-0/A 0-0/G 0-20]/石川=野村[D 0-0/A 0-0/G 0-20]/橋本=野村[D 0-0/A 0-30/G 0-20] )
グスタボは19年大晦日のRIZINライト級GP準決勝でパトリッキー・ピットブルに1R TKO負け。それから2年ぶりに復帰となった22年4月、矢地祐介を2R TKO。9月に大原樹理を1R KO。23年4月には武田光司に判定勝ち。昨年2月の佐賀大会のメインイベントでは堀江圭功に判定勝ちし4連勝したが、9月のライト級タイトルマッチではホベルト・サトシ・ソウザにわずか21秒でKO負けした。
RIZIN初参戦の野村は香川と同じ四国の愛媛出身の27歳。伝統派空手の全日本選手権5位入賞経験があり、21年にMMAデビューし10戦8勝2敗。昨年7月、泉武志に2Rまで寝技で攻め込まれたが、3R序盤から仕掛けてスタンドパンチでTKO勝ち。9月には過去1度敗れている江藤公洋に判定勝ちし、DEEPライト級王座を奪取した。
1R、野村はガードを低くする堀口恭司を思わせる構えから、右ストレートを放つ。野村はパンチを振いつつタックルを仕掛けるが、グスタボは飛びついてギロチンチョークで迎撃し、引き込んで下になる。野村はアゴを引いて顔を横に向けて防御する。膠着状態が続くと、柴田レフェリーはブレイクする。終盤、グスタボは前に出て、左右のフックを随所で当てる。野村は組んで押し込み、グスタボの膝蹴りがローブローとなり一時中断する。膠着状態だったため離れてから再開する。野村は距離を取りつつ、左ミドル、三日月蹴りをヒットし、グスタボも右アッパーを返し終える。
2R、野村は前に出るグスタボに対し、最初からタックルを仕掛けて倒し、展開を変えようとする。野村はロープ際で中腰でパウンドを当てる。野村はハーフガードで押さえ続ける。中盤過ぎ、野村は立つと、コーナーを背中に寝転んだグスタボを踏みつけ、サッカーボールキックも当てて追い詰める。終盤、野村はサイドを奪い、押さえ続けるだけで終わるが、アグレッシブネスとジェネラルシップで逆転するラウンドとする。
3R、グスタボがパンチと肘を振って前に出ると、野村が組んだ際にバッティングとなり、野村は右まぶたをカットし、グスタボも右眉の上をカットし出血する。一旦ストップしドクターチェックと止血が行われる。再開後、グスタボは前に出てパンチを振うが、再び右目が血でふさがり、またもドクターチェックと止血が入る。野村の止血も並行して行われるが、結局、グスタボのドクターストップが入り終了。偶発的なアクシデントによるカットとみなされ、ここまでの試合内容で判定が行われる。記者採点は野村(D(ダメージ)0-0/A(アグレッシブネス)0-30/G(ジェネラルシップ)0-20/計0-50)。ジャッジ3者も野村を支持し、野村が判定勝ちした。
マイクを持った野村は「ド派手にKOしてマイクしたかったんですけど、途中バッティングしてしまって、微妙な感じになって、すみません。これから僕がライト級、引っ張っていくんで、みんな応援お願いします。あと、地元の今治市が山火事で大変なことになっています。皆さんのご支援をいただけると助かります」とアピールした。
エドポロキング、酒井リョウの寝技に手を焼くも2R逆転TKO勝ち
第9試合 MMA ヘビー級(120kg) 5分3R
×酒井リョウ(レンジャージム/元DEEPメガトン級(体重無差別)暫定王者)
○エドポロキング[King Edokpolo](ナイジェリア/ROOTS GYM)
2R 2’32” TKO (レフェリーストップ:バックマウントパンチ)
酒井は22年11月のDEEPメガトン級暫定王者決定戦で赤沢幸典に1R TKO勝ち。23年7月に水野竜也に1R TKO勝ちし初防衛した。昨年3月、正規王者・ロッキー・マルティネスとの王座統一戦では判定負け。11月には元王者・長谷川賢に2Rテクニカル判定勝ちしている。RIZINには20年2月の浜松大会にキックルールで参戦したことがあり、実方宏介に1R KO負けしている。
エドポロキングは24歳。大阪出身で父親がナイジェリア人、母親が韓国人。204cmの長身を活かし、BreakingDownで勝利を重ね、4月に名古屋のRumbleというアマチュア大会でのプロマッチでナイジェリア出身の選手に15秒TKO勝ち。大晦日のRIZIN初戦では貴賢神を1R KOし、素質の高さを印象付けていた。
1R、長身のエドポロが距離を取りつつ、時折詰めて左テンカオ、右カーフを随所で当てる。両者組みになるが、膠着しブレイクがかかる。終盤、エドポロが組んで右膝蹴りを当てるが、酒井はすぐ両脇を差すと、足を掛けて倒し、サイドポジションで押さえる。酒井は鉄槌と膝で攻めるが、エドポロは防御を続けて終える。
2R、酒井は左右のフックを振って前に出て、組み付いて押し込み、足を掛けてまたもテイクダウンを奪う。酒井はサイドで押さえ、上四方に移ってノースサウスチョークを狙うが、エドポロはロープを蹴りつつ体をひねってサイドを奪い返す。するとエドポロはマウントポジションを奪い、一気にパウンドを連打し、最後はバックマウントからパウンドを連打したところで、豊永レフェリーがストップした。
マイクを持ったエドポロは「もうちょっとできるかと思ったけど、でけへん、悔しい。出直します。この内容は今日はパーティーできない」と反省した。RIZINでは5月4日の東京ドーム大会からヘビー級のトーナメントを開催するが、エドポロはバックステージでのインタビューで「こんな内容では出れないでしょ」とコメント。RIZINの榊原CEOも「正直、僕はないなと思っています。経験が足りない。将来性はあるけど、現状でGPに出ても彼の幻想が消される。時間をかけて育てたい」と話し、GPには出場させない方針を示している。
萩原京平、26秒TKO勝ちで連敗3でストップ
第8試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○萩原京平(SMOKER GYM)
×トビー・ミセッチ[Toby Misech](米国/ジーザス・イス・ロード/ペン・トレーニング&フィットネスセンター/元PXC・アラスカFC・Destinyバンタム級王者)
1R 0’26” TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
萩原は23年4月、カイル・アグオンに判定勝ちしたが、9月に元フェザー級王者の牛久絢太郎に判定負け。昨年3月の神戸大会ではライト級から転向した武田光司に判定負け。9月の高木凌戦では1R裸絞めで一本負けし3連敗中だ。
ミセッチはRIZIN初参戦の37歳。ハワイに住み、12年にMMAデビューし、17年までにローカルタイトルを3本獲得するが、18年のUFCのトライアウトであるコンテンダーシリーズでは判定負け。その後18年から19年にベラトールで3戦2勝1敗。約3年のブランクを経て22年に復帰し初戦は勝利したが以降は23年9月から昨年11月まで4連敗中だ。
試合は短時間決着に。1R、サウスポーのミセッチに対し、萩原がオーソドックスで構え、お互いインローを当て合う出だしだったが、ミセッチの左インローのタイミングで、萩原が右ストレートをヒット。ダウンしたミセッチに、萩原がパウンドをまとめたところでレフェリーがストップした。
連敗を3で止めマイクを持った萩原は「もう負けないんで、ここから勝ちまくって、みんなにいい景色見せます。5月、誰と見たいですか?怪我もないんで、5月準備しとくんで、いいオファー待ってます」とアピールし、5月4日の東京ドーム大会への出場を希望した。
日本拳法出身の木村柊也、RIZIN初戦は横山武司を54秒KO
第7試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
×横山武司(teamセラヴィー/スウェルズ柔術ジム/Fighting NEXUSフェザー級王者)
○木村柊也[しゅうや](BRAVE)
1R 0’54” TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
横山はブラジリアン柔術の強豪で、19年のJBJJF全日本選手権黒帯アダルト・フェザー級優勝。22年にMMAプロデビュー。23年5月にRIZINに初参戦し、山本琢也に1R腕十字で一本勝ち。9月のRIZINでは計量0.2kgオーバーの摩嶋一整に判定負けし、MMA 6戦目で初黒星。その1ヶ月後、網膜剥離となり、手術を経て、昨年8月に復帰し、岸野“JUSTICE”紘樹も1R三角絞めで一本勝ちしNEXUSフェザー級王座を防衛。今回1年半ぶりにRIZINに復帰する。
RIZIN初参戦の木村は徳島出身の24歳。3歳から日本拳法を習い、明治大学1年生のときに全日本大会で優勝し、プロレスラーの拳王と並ぶ最年少優勝を果たす。2年生と3年生のときはコロナ禍の影響で大会が中止となり、4年生のときの大会でも優勝し2連覇を成し遂げた。大学2年からBRAVEでMMAを習い、23年12月、大阪で開催されているGLADIATORでプロデビューし、GLADIATORで4戦とも1R KO勝ち。前回10月の試合では韓国のAngel’s FCの元暫定王者を1Rで粉砕した。
試合は木村が鮮烈なRIZINデビューを果たすことに。1R、横山がサウスポーから左ミドルを当てた後、低空タックルを仕掛け、今成ロールで足を取りに行く。だが木村は読んでいた様子で、すぐに離れる。横山が立つと、スライディング、タックルを繰り返し、木村は切り続ける。すると変わらず前に出て来る横山に、木村が右フックをクリーンヒットしダウンを奪う。倒れた横山に、木村がパウンドで追撃したところで豊永レフェリーがストップした。
マイクを持った木村は「RIZINファンの皆さん、格闘技ファンの皆さん、初めまして。今回1Rで一本で負けるだろうって声が多かったんですけど、どうですか?これが日本拳法です。まだまだ強くなるんでチャンピオン取ります」とアピールした。
伊藤裕樹、トニー・ララミーとの打撃戦制し5連勝
第6試合 MMA 59kg契約 5分3R
○伊藤裕樹(NEX/元THE OUTSIDER 50-55kg級王者)
×トニー・ララミー[Tony Laramie](カナダ/マキシマム・トレーニングセンター/BTCフライ級王者)
判定3-0 (中原=伊藤[D 0-0/A 0-0/G 20-0]/石川=伊藤[D 0-0/A 30-0/G 20-0]/橋本=伊藤[D 0-0/A 30-0/G 20-0])
伊藤は23年5月、山本アーセンに判定負けした後は、ヒロヤ、トップノイ・キウラム、上田将年に判定勝ち。昨年11月の名古屋大会ではイ・ジョンヒョンに3R TKO勝ちし4連勝中。今回は北米の選手と初対戦する。
ララミーはUFCで2戦しているTJ・ララミーの弟。レスリングをベースとし、17年にMMAデビュー。昨年6月、カナダのBTCのフライ級王座を獲得。11月のRIZIN名古屋大会では村元友太郎に判定勝ちし、今回2戦目を迎える。
1R、サウスポーの伊藤に対し、オーソドックスのララミーはプレッシャーをかけ、右ストレートでダウンを奪う。伊藤はすぐ立ち、ステップと右ジャブで距離を取る。伊藤は中盤過ぎから左ボディ等のパンチのヒットを増やし、終盤には右フックを当ててダウンを奪い返す。ララミーもすぐ立ち、変わらず前に出るが、最後、伊藤が左ストレートでまたもダウンを奪い、左テンカオも当てて追い詰め、いい形で終える。
2R、パンチの攻防が続き、伊藤の手数がやや上だが、ララミーも返し続け、明確な差はつけさせない。
3Rも伊藤がスタンドの打撃戦で、若干優位をキープする。終盤、伊藤が左ストレートでダウンを奪う。ララミーはすぐにタックルを仕掛けて防御しつつ、局面を変えようとする。だが伊藤は離れ、最後も左ストレートで倒して終える。記者採点は伊藤(D(ダメージ)50-0/A(アグレッシブネス)30-0/G(ジェネラルシップ)20-0/計100-0)。ジャッジ3者ともダメージはイーブンとしたが、伊藤を支持し、伊藤が判定勝ちし、連勝を5に伸ばした。
43歳の前田吉朗、故郷での復帰戦でRIZIN甲子園優勝の横内三旺に一本勝ち
第5試合 MMA 59kg契約 5分3R
○前田吉朗(パンクラス大阪稲垣組/ENCOUNTER/元DEEPバンタム級王者、元パンクラス・フェザー級王者)
×横内三旺[さんおう](フォーランバス/RIZIN甲子園2024優勝)
3R 2’55” 裸絞め
前田は香川県高松市出身の43歳。23年にプロデビューし、パンクラス、DEEP、修斗の上位戦線で長年活躍し、PRIDE・WEC・DREAMにも参戦。21年11月のRIZIN沖縄大会では砂辺光久と18年ぶりに再戦し判定勝ち。22年4月のエキシビションマッチをもってMMAを引退していたが、今回故郷で復帰する。
横内は山梨県に住む18歳でこの春高校卒業したばかり。昨年初開催されたRIZIN甲子園では一回戦でアームロック、二回戦で裸絞め、大晦日の決勝で裸絞めで3試合とも一本勝ちして優勝し、今回プロデビュー戦だ。
1R、横内が左カーフを当て、前田は片足立ちになって両手を広げて挑発すると、横内は右フックを振って前に出たが、前田はカウンターの胴タックルを仕掛け、コーナーに押し込む。横内は押し返し、足を掛けて倒して上になるが、前田はすぐに立つ。横内は前田をロープに押し込むが、右膝蹴りを放つと、前田は蹴り足を抱えて倒し、そのまなサイドで押さえる。しかしこれも横内がブリッジで返し、スタンドに戻し、両者譲らぬ攻防を繰り広げる。スタンドの攻防が続き、終盤、横内がタックルから抱え上げて倒そうとしたが、前田は耐える。その後は押し込みと離れての攻防が続くが、お互い決め手はなく終わる。前田は約4年ぶりのMMAでの実戦だが、動きは問題なさそうだ。
2R、スタンドの攻防が続き、前田がプレッシャーをかけ、やや積極的だが、お互いヒットは少ない。横内が押し込むが、テイクダウンを奪えない。すると残り1分を切り、前田が組みを織り交ぜつつ、細かくパンチや膝やサッカーボールキックで攻め、ジェネラルシップで差をつける。横内は慣れないプロの試合と大舞台で、やや戸惑いが感じられる。
3R、横内が組み付いて押し込むが、倒せずブレイクがかかる。打撃をもらった横内は口から出血して苦しそうだ。すると横内が左ハイを空振りしてスリップしてしまい、前田が上になる。横内は足を取りに行くが、前田は対処する。それでも横内は足関を狙い体をひねるが、背中を向けてしまうと、前田はバックを取ることに成功し、裸絞めを仕掛ける。横内は回って逃げようとしたが、前田は離さず、最後は絞め上げてタップを奪った。
マイクを持った前田は「香川が産んだ英雄、前田吉朗です。初めてのRIZIN・PRIDE・DREAM、その大舞台、皆さんどうですか?榊原さん、どこですか?まさかのいない?繁は?佐伯さん(=DEEP代表)。香川で、高松で、このような素晴らしい舞台を組んでくれてありがとうございました。皆さん繁に大きな拍手を。何年もここでできるよう、みなさんでこの熱を保っていきましょう。僕もできる限り力を尽くします。でもスピンオフ」とアピールし、四国の格闘技シーンを引き続きサポートする方針を示した。
泉武志、体重オーバーのカーライルに判定勝ち
第4試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
×スパイク・カーライル[Spike Carlyle](米国/キングスMMA)
○泉 武志(FIGHTER’S FLOW)
判定0-3 (豊永=泉[D 0-0/A 30-0/G 0-20]/石川=泉[D 0-0/A 0-0/G 20-0] /橋本=泉[D 0-0/A 0-0/G 20-0])
※カーライルが前日計量2kgオーバー。レッドカード50%分の減点。カーライルが勝っても引き分けてもノーコンテスト
カーライルは5連勝後、22年10月にAJ・マッキーに判定負け、23年5月にホベルト・サトシ・ソウザに判定負け、9月に堀江圭功に判定負け。だが昨年6月、キム・ギョンピョに裸絞めで一本勝ちし連敗を3でストップした。
泉は愛媛出身。グレコローマンレスリングで14年と16年の全日本選手権優勝、17年アジア選手権優勝。22年4月のRIZIN TRIGGERでMMAデビューし、グラント・ボグダノフに3R TKO負けし、それ1年ぶりのRIZIN出場となる。続くDEEPでの2戦目で野村駿太に判定負け。以降は小金翔、北岡悟ら相手に5連勝したが、昨年7月の野村との再戦でも3R TKO負けした。
カーライルは計量オーバーしペナルティが科される。セコンドにはジョシュ・バーネットがつく。
1R、カーライルが左フックでダウンを奪うが、泉はすぐ立つ。泉は組み付いて押し込むが、テイクダウンを奪えない。中盤過ぎ、離れると、カーライルが左フックを当てるが、前に詰めると、泉も右フックを当てて挽回する。終盤、泉がカーライルを押し込み、脇を差して倒し、サイドで押さえる。泉は肩固め、アナコンダチョークを立て続けに仕掛けるが、いずれも極まりは浅く、スタンドに戻って終わる。
2R、泉は繰り返しコーナーに押し込むが、体格で勝るカーライルからなかなかテイクダウンを奪えない。カーライルも減量苦のためか動きは鈍く、目立つ攻撃が返せない。
3R、泉は押し込んで倒しかけるが、倒れ際にカーライルは体をひねって上になる。カーライルは素早くバックマウントに回り込む。カーライルは落とされてからもサイド、サイドバックと動いてコントロールし、バックに戻る。残り1分、なんとか泉は立ち上がるが、疲れが溜まっている様子。カーライルが泉をコーナーに押し込み、最後は離れて終わる。記者採点は泉(D(ダメージ)0-0/A(アグレッシブネス)0-0/G(ジェネラルシップ)0-20/計0-20、カーライルの50の減点を計算に入れて0-70)。ジャッジ3者とも正味の採点ではカーライル支持だったが、減点分があったため泉を支持する形となり、泉が判定勝ちした。
万智、1年半ぶりRIZINで2R TKO勝ち
第3試合 MMA 女子52kg契約 5分3R
○万智(フリー)
×パク・ソヨン[Park Seoyoung](韓国/ROAD GUNSANジム/修斗世界女子アトム級(47.6kg)3位、修斗インフィニティリーグ2024女子アトム級優勝)
2R 4’04” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
万智は21歳。MMA 8戦6勝(4一本)2敗。柔道をベースとし、22年11月にプロMMAデビュー。HIME、キム・ユジョンらに1R一本勝ちしし、23年10月のRIZINでは修斗女子スーパーアトム級世界王者の渡辺彩華に判定勝ち。その1カ月後のDEEP JEWELSストロー級暫定王者決定戦では松田亜莉紗に判定2-3で惜敗。その後、松田が暫定王座を返上し、昨年5月の暫定王者決定戦ではパク・シウに判定1-4で敗れた。9月大会ではスーリ・マンフレディに2R肩固めで一本勝ちし、11月大会ではアム・ザ・ロケットに2Rヒールフックで一本勝ちし、1年半ぶりにRIZINに参戦する。
ソヨンは万智と同じ21歳。MMA 10戦5勝4敗1無効試合。修斗では当初3連敗したが、昨年8月から12月にかけて行われた修斗インフィニティリーグ2024女子アトム級では平田彩音、NOELに判定勝ちし、最終戦では檜山美樹子に1R腕十字で一本勝ちし、3戦全勝で優勝した。その2週間後、ROAD FCに急きょ参戦し、シン・ユジンとアトム級暫定王座戦を行い、2R裸絞めで敗れたが、ユジンの計量オーバーによる無効試合となっていた。今回RIZINに1階級上げて初参戦した。
1R、万智がサウスポー、ソヨンはオーソドックス主体でスイッチを織り交ぜる。両者攻撃が少ない状態が続き、中盤過ぎに福田レフェリーがアクションコールを出すように。終盤、万智の手数が伸びはじめ、右フックを当てていると、ソヨンが左まぶたを腫らす。打撃戦のまま1Rが終わる。
2R、万智は最初からタックルを仕掛け、20秒ほどでテイクダウンに成功する。万智はハーフからマウントにすんなりと移行し、寝技とパワーの差を示す。万智はサイド、マウント、バックを行き来し、パウンド、顔面への膝を当てて圧倒する。中盤過ぎから万智はバックマウントをキープし。最後はパウンドを連打したところで福田レフェリーがストップした。
福田は右手にマイク、左手にスマートフォンを持ち、スマホを見ながら「RIZINを見て将来の夢が決まり、RIZINがあったからこの舞台に立てています。私もたくさんの人に夢と希望を与えられるような格闘家になります。なので今日、ここにいるみなさん、万智のファンになってください。RIZINストロー級でベルトを作ってもらえるよう頑張ります」とアピールした。
越智晴雄、中務修良との四国勢対決で一本勝ち
第2試合 MMA ストロー級(53kg) 5分3R
○越智晴雄(Little Giant Gym/DEEPストロー級王者)
×中務修良(NOMAD/元WARDOGストロー級王者)
3R 1’23” フロントチョーク
越智は愛媛出身の41歳。21年11月に曹竜也に判定勝ちして以来3年半ぶりとなるRIZIN参戦。22年12月の中村真人戦以降、DEEP 5連勝中で、昨年5月のDEEPストロー級王座統一戦では川原波輝に1Rギロチンで一本勝ちしている。試合後のマイクでは「RIZINでストロー級を作りたいです」とアピールしていた。
中務は三重出身の38歳。RIZINでは22年4月にフライ級で征矢貴に2R TKO負けし、同年7月に砂辺光久に1R KO勝ちしている。12月のDEEPで越智と戦う予定だったが、中務の怪我で中止となっていた。
1R、越智がオーソドックス、中務がサウスポーで構える。中盤、越智がタックルを仕掛け、コーナーに押し込み、テイクダウンを狙う。越智はコーナーを背にして飛びついてギロチンチョークを仕掛けるが、中務は外す。終盤、一旦離れるが、またも越智がタックルを仕掛けて押し込む。最後は離れての打撃戦で終わる。ここまで越智がやや優位だ。
2R、リーチで勝る中務がニータップの形で倒し、倒れ際に膝蹴りを放ち、バックマウントを奪い形勢逆転する。中務は片足の先を越智の太腿の裏に引っかける、おたつロックの状態で捕獲しつつ、最後までパウンドをコツコツと当て続ける。中務が攻勢の印象をしっかり作る。
3R、中務が前に出て、左ストレートを随所で当てる。越智は少し消耗した様子で、なかなか攻撃を返せずにいたが、中盤、カウンターで右フックを放つ。ラリアット気味だが、中務は押される形でバランスを崩し、片膝をついてしまい、その隙を逃さずに越智が飛びついてギロチンチョークを極め、タップを奪って逆転勝ちした。
マイクを持った越智は「愛媛からたくさん応援に来ていただいて、キツい試合だったんですけど、なんとか勝つことができて良かったです。こんな試合で言うのもなんですけど、RIZINにストロー級作りたいとずっと言っているんで、他の団体のチャンピオンとも戦って、DEEPの強さを証明したいです」とアピールした。
魚井フルスイング、赤田プレイボイ功輝とのストライカー対決制す
第1試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
○魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)
×赤田プレイボイ功輝(剛毅會)
判定2-1 (石川=魚井[D 0-0/A 30-0/G 0-20]/豊永=赤田[D 0-0/A 0-0/G 0-20]/橋本=魚井[D 0-0/A 0-0/G 20-0] )
魚井は兵庫出身。21年11月にRIZINで獅庵にKO勝ちして以降は4連敗していたが、昨年9月のDEEPで梶本保希に判定勝ちし連敗を脱出。12月のDEEPでは小崎連に判定負けした。RIZINには昨年6月にキックルールで参戦し梅野源治に判定負けした。
赤田は20年にKrushでプロキックボクサーデビューし7戦4勝(3KO)2敗1分。MMAに転向し、11月のDEEPのアマチュア戦で鳥次亜流に1R TKO勝ち。大晦日の雷神番外地でのプロデビュー戦では五明宏人に判定負けしたが、赤田が勝っていたのではという評価も少なくない接戦だった。
1R、両者サウスポーで構え、序盤、赤田が右ジャブ、左カーフを的確に当てる。中盤から魚井の右ボディが当たり出す。すると終盤、赤田が左テンカオで詰めた直後、魚井が左フックを当てる。赤田は手を広げ効いていないとアピールしたが、すぐに魚井が前進して左ストレートを当てると、赤田は後ろに倒れてしまう。魚井はパウンドを当て、立たれても組んで膝を当てて追い詰める。魚井はコーナーに押し付けてからタックルで倒し、背後から押さえてパウンドを当てる。ここまで魚井が優勢で、最後の攻勢を記者採点ではダメージの50ポイントとして扱ったが、ジャッジは3者ともダメージで評価していない。
2R、赤田が右ジャブを当てると、魚井は左まぶたをカットし出血し、ドクターチェックが入るが再開する。終盤、赤田がプレッシャーをかけ続け、左ストレートを随所で当て、最後は右ジャブでダウンを奪うが、倒れた魚井は追撃を封じて終える。赤田が巻き返すラウンドに。
3R、魚井は序盤から詰め、左フックでダウンを奪い、すぐ赤田は立つ。赤田がプレッシャーをかけ続けるが、魚井はロープまで下がらず随所でパンチを当て、赤田にチャンスを与えない。終盤、魚井はタックルを切られるが、すぐに左ミドルを当てる。後の無い赤田は圧を強めてパンチを振うが、魚井は強打を許さず終える。記者採点は魚井(D(ダメージ)50-0/A(アグレッシブネス)0-0/G(ジェネラルシップ)20-0/計70-0)。魚井のカットもあったせいか、ジャッジは1者が赤田を支持したため割れたが、2者が魚井を支持し、魚井が判定勝ちした。
オープニングファイト
第5試合 キック 67.5kg契約 3分3R
○稲井良弥(TARGET大森/RISEウェルター級(67.5kg)3位、DEEP☆KICK -70kg王者)
×加古稟虎[りんと](team Bonds)
1R 2’57” TKO (レフェリーストップ:右フック)
第4試合 キック 63.5kg契約 3分3R
○吉岡龍輝(及川道場/DEEP☆KICK -63kg王者)
×切詰大貴(武勇会/INNOVATIONスーパーライト級王者)
判定2-1 (橋本30-27/中原28-29/柴田29-28)
第3試合 キック 63kg契約 3分3R
○大谷翔司(スクランブル渋谷/KNOCK OUT-BLACKライト級王者、元INNOVATIONライト級王者)
×足利也真登[やまと](Fight Club Rush./元DEEP☆KICK -63kg王者)
1R 3’00” TKO (3ダウン:右ストレート)
第2試合 MMA フライ級(57kg) 5分2R
○高岡宏気(FORCE GYM/修斗フライ級世界4位)
×飴山聖也(ENCOUNTER)
2R 3’04” 裸絞め
第1試合 キック 55kg契約 3分3R
×龍生[りゅうき](ALONZA ABLAZE)
○香川 刻[とき](BLAZE)
判定0-3 (27-28/27-28/27-28)
※1R右ストレートで龍生に1ダウン。2R右フックで香川に1ダウン。