RIZIN 11.17 ポートメッセなごや(レポ):ケラモフ、1年ぶり復帰戦は摩嶋一整を28秒で粉砕しフェザー級王座奪還宣言。浜崎朱加も2年ぶり復帰戦で一本勝ち。芦澤竜誠、昇侍を2R KO。秋元強真、鈴木博昭を圧倒しRIZIN 2連勝
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RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA
2024年11月17日(日)愛知・ポートメッセなごや 第1展示館
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)RIZIN FF
中継:ABEMA、U-NEXT、RIZIN 100 Club、RIZIN LIVE(前売5,00円/当日5,500円/アーカイブ3,300円)、スカパー(5,000円)
元フェザー級王者ケラモフ、1年ぶり復帰戦は摩嶋一整を28秒で粉砕
第12試合 メインイベント MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○ヴガール・ケラモフ[Vugar Karamov](アゼルバイジャン/オリオン・ファイトクラブ/元RIZINフェザー級王者)
×摩嶋一整[まじま かずまさ](毛利道場/元Rebel FCフェザー級王者)
1R 0’28” TKO (レフェリーストップ:グラウンド肘打ち)
ケラモフは32歳。昨年7月のRIZINフェザー級王座決定戦で朝倉未来を1R裸絞めで仕留めて王者となり、11月の母国アゼルバイジャン大会で初防衛戦を行ったが、鈴木千裕にわずか88秒でKOされた。ケラモフは2月の佐賀大会でを摩嶋を相手に再起戦を予定していた。だが、アゼルバイジャン大会の前日計量での関係者同士のトラブルの和解の最終的な手続きが済んでいないことから、アゼルバイジャン政府から出国が認められず欠場していた。今回、晴れて出国が認められ、1年ぶりに復帰する。
摩嶋は33歳。修斗・パンクラス・海外の試合で6連続一本勝ちの後、20年からRIZINに参戦し、斎藤裕、クレベル・コイケ、金原正徳に敗れたが、昨年5月に芦田崇宏に1Rヴォンフルーチョークで一本勝ちし、9月に横山武司に判定勝ち(摩嶋は計量0.2kgオーバー)。2月に今成正和に2R腕十字で逆転一本負けを喫したが、7月の超RIZIN.3では新居すぐるに2R裸絞めで一本勝ちしている。
ケージ使用のRIZIN LANDMARKは3月の神戸大会以来で、前回のメインイベントではライト級王者のホベルト・サトシ・ソウザがグラップラーの中村K太郎に2分足らずでTKO勝ちした。今回もトップ選手のケラモフが短時間決着で強さを見せつけることに。
1R、サウスポーで中央側で構える摩嶋に対し、ケラモフはオーソドックスで外側で構えて前後にステップし、右フック、ミドルを軽く放って距離を探る。するとケラモフは左の前手を突き出しつつ、じりじり下がって、摩嶋を誘ってから、突然前に出て右フックを振う。摩嶋は全く反応できず、アゴにもらって真後ろにダウンする。ケラモフがハーフガードで押さえながら右肘を落とす。一発後頭部にも当たったが続行し、引き続きケラモフが右肘を当て続け、摩嶋が防戦一方となったところで、長瀬レフェリーがストップした。
健在ぶりを示したケラモフはマイクを持つと「日本が大好きです。RIZINでまた戦うのを願っていました」と話し、アゼルバイジャンのスポーツ省とセコンドに感謝を述べると、最後はカメラ目線になり、鈴木とクレベルに対戦を要求し「ベルトを取り戻す」と宣言した。バックステージでのインタビューでも「大晦日に鈴木とクレベルが戦うので、その勝者と戦ってベルトを奪い返したい」とコメントした。
浜崎朱加、2年ぶり復帰戦は2R一本勝ち
第11試合 MMA 女子スーパーアトム級(49kg) 5分3R
○浜崎朱加(AACC/元RIZIN女子スーパーアトム級王者、元INVICTA世界アトム級(47.6kg)王者、元JEWELSライト級(52kg)王者)
×シン・ユリ[Shim Yuri](韓国/チーム・ジーニアス/元ROAD FC女子アトム級王者)
2R 1’15” アームロック
浜崎は42歳。22年4月、伊澤聖花に判定負けしRIZIN女子スーパーアトム級王座から陥落。7月の同級GP一回戦ではジェシカ・アギラーに判定勝ちしたが、9月の準決勝ではパク・シウに判定負けした。シウ戦で左腕を骨折し、療養を経て、今年2月の佐賀大会で復帰予定だったが、再び左腕を骨折して欠場し、今回2年2ヶ月ぶりに復帰する。
ユリは30歳。21年9月にパク・ジョンウンに判定勝ちしROAD FC女子アトム級王者に。昨年末に王座を返上し、同王座戦以来1年半ぶりの試合で今年3月、RIZINに出場すると、RENAに判定負けしている。
1R、浜崎がサウスポーで構え距離を取り、中盤に入り前に出ると、右手でユリの首を抱え、大内刈りで倒して上になる。浜崎はハーフで押さえ、足を抜いてマウントを奪う。だがその先に持ち込めず、ユリはブリッジして脱出する。終盤、ユリはプレッシャーをかけ続け、リーチ差を活かして右ストレート、ローを当てて、やや優位で終える。浜崎は少し鼻血を出し、ステップで逃げて終えて印象が悪い。年齢を重ね、打撃への反応能力が低下している恐れもある。
2Rもユリは右ストレートをヒット。浜崎はまたも組むと、腕を抱えつつ、大内刈りを仕掛けて倒すが、そのままユリは一回転しつつ金網にぶつかり、浜崎のバックにつくことに成功する。だが浜崎は立っていた時からつかんでいたユリの腕を外さずにいると、下からアームロックを仕掛けつt、リバースして上に乗り、最後はキムラロックでタップを奪った。
マイクを持った浜崎は「大きな舞台に戻って来れて幸せです。対戦してくれたシン・ユリ選手ありがとうございます。またこれからも盛り上げていきたいと思いますので、応援お願いします」と話し、現役続行に意欲を示した。
芦澤竜誠、昇侍を2R KO「彷徨ってるキックボクサーがMMAに転向するなら俺に言ってください」
第10試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
×昇侍(KIBAマーシャルアーツクラブ/元パンクラス・ライト級王者)
○芦澤竜誠(フリー/元INNOVATIONフェザー級(57.15kg)王者)
2R 1’05” KO (右膝蹴り)
昇侍は41歳。21年9月に鈴木千裕を20秒でKO。その後は萩原京平、鈴木博昭にKO負け。22年7月の沖縄大会では練習仲間の朝倉海の代役でフェザー級で出場し、ヤン・ジヨンに3R一本負けした、試合はそれ以来2年4カ月ぶりとなる。セコンドには朝倉海らJTT勢がつく。
芦澤は29歳。22年6月のTHE MATCHでのYA-MANとのオープンフィンガーグローブマッチで1R KO負け。同年12月にK-1を離脱し、昨年4月の大阪大会で皇治とキックルールで対戦し判定勝ち。昨年大晦日大会でMMAデビューしたが太田忍に1R KO負け。今年7月の超RIZIN.3では皇治とMMAルールで再戦し判定勝ちしている。
試合は芦澤が得意の膝蹴りを主体とした打撃スキルを活かす内容に。1R、前に出る昇侍に対し、芦澤は距離を取りつつ、パンチのフェイントを絡めつつ、左テンカオや右フックを当てる。昇侍は中盤、左右のワンツーをヒットする。お互い攻撃が少ないが、残り30秒、昇侍がタックルで倒して上で押さえ、印象を作って終える。
2R、昇侍は序盤から圧を強め前に出て来るが、芦澤は左ミドルを当てつつ、右ストレートからの左ストレートをクリーンヒットし、昇侍をひるませる。それでも前に出る昇侍に対し、芦澤は右テンカオを放つと、ローブローとなり、ファウルカップに当たった音が響くが、昇侍はアピールせずパンチを返して応戦する。とはいえ流れは芦澤で、首相撲からの膝を連打し、さらにパンチを振い続けると、右のテンカオをボディにクリーンヒット。昇侍が崩れ落ちると、すぐさまレフェリーがストップした。
マイクを持った芦澤は「みんな、練習してないと思っただろうけど、見せないところでバチバチ練習してるからな。その辺のファイターより練習してるぞ。キックボクシングからMMAに来ましたけど、久保優太選手みたいに、俺ら打撃は一流なんで、MMAの選手だと歯が立ちません。テイクダウンディフェンスだけすればこっちの勝ちです。キックボクサーの若い選手も彷徨っていると思う。世界で一番盛り上がっているのはMMAです。もしキックボクサーがMMAに転向するなら俺に言ってください。手伝いできることが何かあるかもしれないです。絶対ストライカーが強いから。俺はこのまま上まで目指すぞ。ピース」とアピールした。
スダリオ剛、加藤久輝を肘で切りTKO勝ち
第9試合 MMA ヘビー級(120kg) 5分3R
○スダリオ剛(HI ROLLERS ENTERTAINMENT/PUREBRED)
×加藤久輝(ALIVE/元HEAT MMAミドル級王者)
3R 1’11” TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる額のカット)
スダリオは27歳。22年大晦日、ジュニア・タファに1R TKO負け。昨年4月、ロッキー・マルティネスに判定勝ち。10月の名古屋大会でイム・ドンファンに3R TKO勝ちし2連勝としたが、大晦日大会では上田幹雄に2R TKO負けしている。
加藤は愛知在住の42歳。16年4月、RIZIN.1名古屋大会で悠太に1R KO勝ちして以来のRIZIN出場。18年からはK-1 GROUPで10戦4勝(3KO)6敗。22年12月にAKIRA JrにKO負けした後、引退を表明していたが、MMAルールで復帰する。
前日計量での体重はスダリオが118.40kg、加藤が97.65kgで、20kg以上の差がある。スダリオは120kgのリミットを下回るよう減量したはずで、試合ではさらに差があるだろう。
1R、スダリオがオーソドックスで構え、体格差を活かしてサウスポーの加藤にプレッシャーをかけ、中盤には押し込み、離れ際に左フックを当てる。その後もスダリオが中央で構え、パンチの手数で上回る。とはいえ詰め切れず、終盤になると加藤も少し前に出て左ミドルやパンチを返すように。
2R、加藤は左ミドル、ハイを当て、スダリオは右フックを当てるが、お互い手数の少ない状態が続く。終盤、加藤がタックルを仕掛けるが、スダリオはすくい投げで倒し、上になって押さえる。終了間際にスダリオが右肘を当てると、加藤は額から大量に出血する。インターバル後に諌山和男ドクターのチェックが入るが再開する。
だが3Rに入ると、時間が進むにつれ、加藤の出血が激しくなる。お互いパンチを当て、加藤も返したが、1分過ぎにドクターチェックが入ると、加藤にストップがかかり、スダリオのTKO勝ちとなった。
秋元強真、鈴木博昭を圧倒しRIZIN 2連勝
第8試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
×鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM/元シュートボクシング世界スーパーライト級(65kg)王者)
○秋元強真(JAPAN TOP TEAM)
判定0-3 (橋本=秋元/石川=秋元/松宮=秋元)
鈴木は12月6日で40歳になるベテランで愛知在住。シュートボクシングの主力として活躍し、ONEでの5戦を経て、21年10月のRIZINでMMAデビュー。昨年6月の札幌大会では西谷大成に左フックからのパウンドで56秒TKO勝ち。今年2月の佐賀大会では芦田崇宏に1R TKO勝ち、7月の超RIZIN.3ではYA-MANに1R左フックでKO負けしている。
秋元は18歳。中学卒業後にパラエストラ柏(現在のTHE BLACKBELT JAPAN)に加入し、22年のプロデビューから6戦全勝(4KO/1一本)。今年春、憧れの朝倉兄弟のいるJAPAN TOP TEAMに移籍。5月の「格闘代理戦争 -THE MAX-」に朝倉未来推薦で出場し、アラン“ヒロ”ヤマニハに2R右ボディフックからのパウンドでTKO勝ち。9月29日の埼玉大会でRIZINに初参戦すると、金太郎に1R TKO勝ちした。RIZIN 2戦目の今回、フェザー級に階級を上げて戦う。
試合は秋元が圧倒する内容に。1R、秋元は序盤からタックルを仕掛けて押し込んで足を掛けて倒し、ハーフ、立った状態を行き来しながらパウンドを当てる。鈴木は度々金網をつかみつつ、蹴り上げや脱出を狙うが、秋元はパウンドを当て続ける。終盤、スタンドに戻ると、両者サウスポーで構え、秋元がプレッシャーをかけ、リーチ差を活かして右ジャブを当てる。最後は秋元が押し込んで終える。秋元は1階級上での戦いだが、パワー負けしていない様子だ。インターバル後、鈴木に金網つかみの反則で警告が出される。
2R、秋元がプレッシャーをかけ続け、右ジャブ、左ボディストレートを当て、中盤以降はワンツーからの左ストレートも当てる。鈴木は経験豊富なストライカーだけあり、強打はもらわないものの、秋元の防御能力も高く、攻撃をなかなか返せない。左ミドルを出すが、秋元に蹴り足をすくわれ続ける。最後は秋元がタックルで倒し、パウンドを当てて終える。
3R、秋元は片足タックルで倒し、立たれてもすぐ胴タックルで倒し、上からコントロールしパウンドを当てる。中盤、秋元は立ってスタンド勝負に戻し、右ジャブを随所で当て、左ストレートにもつなげる。残り1分を切り、ようやく鈴木は左フックを当てるが、秋元はすぐ距離を取り追撃を許さない。最後、鈴木が右ミドルを放つと、秋元が蹴り足をすくい、鈴木がバックハンドにつなげるが空振りして倒れ、秋元が上になって終了する。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス0-30、ジェネラルシップ0-20で合計0-50で秋元。ジャッジ3者も秋元を支持し、秋元が判定勝ちした。
マイクを持った秋元は「この短期間で試合をするのは色々言われたんですけど、受けたのも理由があって、目標にした2人(=朝倉兄弟)が作ってくれたRIZINよりも、もっと盛り上がるRIZINを作れるんで、皆さん俺についてきてください」とアピールした。その後はセコンドについた朝倉海らと共に記念撮影した。
第7試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
○キム・ギョンピョ[Kim KyungPyo](韓国/レッドホースMMA/元HEAT MMAライト級王者)
×倉本大悟(JAPAN TOP TEAM)
1R 3’59” TKO(レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
ギョンピョは32歳。名古屋が拠点のHEATの元王者。22年のRoad to UFCでは準決勝でインドの選手に判定負け。昨年4月の大阪大会でRIZINに初参戦し、宇佐美正パトリックに1R裸絞めで一本勝ち。11月のアゼルバイジャン大会では地元の選手に21秒でTKO勝ち。今年2月の佐賀大会で矢地祐介と戦う予定だったが、左膝の靭帯を部分断裂し欠場。6月のスパイク・カーライル戦では2R途中まで優位に進めていたが、次第に失速し3R裸絞めで一本負けしている。
倉本はRIZIN初参戦の30歳。極真空手をベースとし、22年9月にMMAプロデビューし、DEEPに上がり続け7戦6勝(3KO)1敗。3月に川名雄生に判定勝ち。5月に北岡悟に1R右テンカオからのパウンドでTKO勝ちすると、試合後のマイクでRIZIN参戦を希望していた。
1R、ギョンピョが序盤からタックルで倒し、バックを取るが、すぐスタンドに戻る。倉本は左ハイを放つが、ギョンピョはブロックする。お互い見合う状態が続くが、中盤過ぎ、ギョンピョが右ミドルを強打してから右ストレートにつなげ、さらに胴タックルを仕掛け、抱え上げて倒す。ギョンピョはすぐバックに回って裸絞めを狙い、無理だとわかると、マウントと中間のポジションでキープを優先しながら、パウンドと肘を当てる。するとハーフとバックの中間で裸絞めを狙い、解いてから左のパウンドを連打すると、倉本の意識が飛び、すぐさま豊永レフェリーがストップした。ギョンピョは連敗を阻止し、対日本人での連勝を5に伸ばした。
フライ級“堀口恭司包囲網”強化。初参戦のダゲスタン人・ガジャマトフ、カナダ人・ララミーが日本勢を圧倒
フライ級では「堀口恭司包囲網」をテーマに、王者・堀口との対戦候補を今後絞り込むことを狙いとしたカードが4試合組まれた。カード発表会見でRIZINの榊原信行CEOは「大晦日参戦の契約を恭司としているところです」と話しており、来年のフライ級GP開催案もあるという。
第1試合 MMA フライ級(57kg) 5分3R
×北方大地(パンクラス大阪稲垣組/元パンクラス・ストロー級王者)
○アリベク・ガジャマトフ[Alibek Gadzhammatov](ダゲスタン/KHKダゲスタン)
1R 3’20” TKO(レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
北方は33歳。22年3月に村元友太郎に判定勝ちし、RIZIN 2戦目でRIZIN初勝利。だが7月、パンクラス・ストロー級王座防衛戦で山北渓人に判定負け。昨年4月のRIZIN大阪大会では神龍誠に圧倒され2R肩固めで一本負けしている。
ガジャマトフはRIZIN初参戦の23歳。ハビブ・ヌルマゴメドフを筆頭に近年強豪を多数輩出しているダゲスタン・マハチカラ出身。中国発祥でキックボクシングに似たルールの散打(さんだ)を120試合以上経験し、21年にMMAデビューし4戦全勝(3KO/1一本)。4試合ともロシアのACAの育成大会で、サウスポーにスイッチしてからの左三日月蹴りでKO勝ちしたり、グラウンドで攻め続け裸絞めで一本勝ちしたりと、立っても寝ても高い技術をACAでは見せていた。
試合は予想通り、ガジャマトフが今回のフライ級8選手の中で最もインパクトを残す。1R、体格で勝るガジャマトフがプレッシャーをかけ、中盤にはバックスピンキックを胸に当てて北方の動きを止めると、左ボディも連打する。ガジャマトフは北方を金網際に詰め、左ジャブを効かせてから右ストレート、飛び膝を当て、首相撲で捕まえて突き放してからの左フックもヒットする。さらに首相撲からの膝蹴りを連打してから、右フックを当ててダウンさせると、左のパウンドを連打したところでレフェリーがストップした。
第4試合 MMA フライ級(57kg) 5分3R
×村元友太郎(ALIVE)
○トニー・ララミー[Tony Laramie](カナダ/マキシマム・トレーニングセンター/BTCフライ級王者)
判定0-3 (石川=ララミー/松宮=ララミー/橋本=ララミー)
村元は石川出身、愛知在住の30歳。昨年5月のDEEPでビョン・ジェウンに判定勝ちし、10月のRIZIN名古屋大会では元UFCフライ級ランカーのホジェリオ・ボントリンに判定負け。今年5月のDEEPではKENTAに判定勝ちしている。
ララミーはRIZIN初参戦の25歳。UFCで2戦しているTJ・ララミーの弟。レスリングをベースとし、17年にMMAデビューし11戦9勝(6KO)2敗。6月の試合ではスイッチを繰り返してからの左フックでKO勝ちし、カナダのMMA大会BTCのフライ級王座を獲得している。
1R、ララミーは序盤から左ミドル、右ロー、フック、ボディを的確に当て、村元を苦しめる。終盤、ララミーが背後からしがみついてコントロールし、パウンドを当てる。スタンドに戻ってからもララミーが攻勢をキープする。
2R、序盤こそ村元もパンチを返し、ララミーの勢いは少し落ちたが、村元も消耗しており、ララミーが前に出て積極的にパンチを振う構図は変わらない。終盤、鼻血を出す村元に対し、ララミーは左ミドルも効かせ、着実に追い詰める。
3R、村元が序盤にタックルでテイクダウンを繰り返すが、ララミーに立たれ続ける。ララミーはこれまでのラウンド同様、前に出て的確にパンチを当てる。終盤、ララミーは金網に押し込み、テイクダウンも奪う。すぐスタンドに戻るが、ララミーがパンチを当て続ける。最後、村元が下から腕十字を狙い、上になってパウンドを振うが、どちらも浅い状態で終わる。
記者採点はダメージ0-50、アグレッシブネス0-30、ジェネラルシップ0-20で合計0-100でララミー。ジャッジ3者もララミーを支持し、ララミーが判定勝ちした。
第6試合 MMA フライ級(57kg) 5分3R
○伊藤裕樹(NEX)
×イ・ジョンヒョン[Lee Junghyun](韓国/チームAOM)
3R 2’59” TKO(レフェリーストップ:グラウンド肘打ち)
伊藤は地元愛知の27歳。昨年5月から今年2月までRIZINで4連戦中で、山本アーセンに判定負けした後は、ヒロヤ、トップノイ・キウラム、上田将年に判定勝ちし3連勝中だ。
ジョンヒョンは22歳。キックボクシングをベースとし、韓国のROAD FCで22年に山本聖悟に1R KO勝ちし、秋葉太樹に判定勝ち。昨年はRoad to UFCに参戦しフライ級一回戦でマーク・クリマコに判定負け。今年4月にRIZINに初参戦し、神龍誠に1R肩固めで一本負けしている。
1R、伊藤はサウスポーで構え、慎重だが随所で左ミドルやローを当てる。ジョンヒョンもオーソドックスからの右ミドルや左右のフックを返す。時折組みの展開となるが、グラウンドにはならない。まだはっきりした差はない。
2R、伊藤が左ストレートを当て、ジョンヒョンは少しひるむ。中盤、伊藤の左ボディがローブローとなり一時中断する。終盤、伊藤はクリンチしてからの左肘の連打やパンチの連打で攻め込む場面を作り、その後もパンチで攻勢を維持する。
3R、伊藤は左ボディストレート、右ジャブを当て、金網に詰めて右膝を当ててから、首相撲で崩して上になる。伊藤はサイドから顔面に膝を連打し、パウンドも当てて追い詰める。伊藤はバックを取ると、背中に乗る体勢でジョンヒョンの右腕を抱えたまま左肘を顔面に当て続ける。ジョンヒョンが逃げられない状態で顔をしかめると、長瀬レフェリーがストップした。マイクを持った伊藤は大晦日参戦を希望した。
第5試合 MMA フライ級(57kg) 5分3R
×柴田“MONKEY”有哉(Team KIZUNA)
○ヒロヤ(JAPAN TOP TEAM)
判定0-3 (石川=ヒロヤ/松宮=ヒロヤ/橋本=ヒロヤ)
柴田は32歳。DEEPで和田竜光、越智晴雄、神龍誠と王座を争ったがいずれも敗れている。約3年のブランクを経て22年4月のDEEPで復帰し渋谷カズキに、12月のDEEPで杉山廣平に、いずれも三角絞めで一本勝ち。3月の神戸大会でRIZINに初参戦すると、山本アーセンを膝十字固めで2分足らずで仕留めた。
ヒロヤは26歳。DEEPで試合を重ね、昨年7月、RIZINに初参戦し、伊藤裕樹に判定負け。10月には中村優作に判定負けし2連敗を喫したが、大晦日大会では新井丈に2R TKO勝ち。7月の超RIZIN.3では59kg契約に体重を上げて所英男に1R TKO負けしている。
試合はヒロヤが柴田の得意の寝技を見事に封じることに。1R、ヒロヤはプレッシャーをかけ、慎重にタイミングをうかがいつつ、右フック、ストレート、テンカオ、インローを時折当てて、やや優位に進める、柴田は金網を背負う時間が長い。最後、柴田が内股で倒すが、すぐ時間切れに。
2Rも柴田のタックルをヒロヤが切ってスタンドに戻し、自分の右ロー、フックといった打撃を随所で当てる。最後、柴田はタックルを仕掛けるが、ヒロヤは潰して上に。柴田は足関や三角の動きを見せるが、ヒロヤは対処して攻めさせず、上で押さえて終える。
3R、ヒロヤが左フックを当て、柴田はダウンするが、ヒロヤは寝技に付き合わず、スタンドに戻す。ヒロヤは変わらずプレッシャーをかけ続け、右ハイ、フックを当てる。攻めあぐね続けた柴田だが、終盤、ようやくタックルからテイクダウンに成功し、金網際で上で押さえる。ヒロヤは下からしがみついて防御する。残り30秒、柴田がパスガードし、マウントを奪い、鉄槌を当てる。最後はハーフに戻りつつ鉄槌を連打し、巻き返して終える。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス0-0、ジェネラルシップ0-20で合計0-20でヒロヤ。最後、柴田が巻き返し、アグレッシブネスを獲得しそうな展開だったが不十分で、それまでの長時間の劣勢を跳ね返すほどの内容ではなかったと考え、ジェネラルシップで差をつけた。ジャッジ3者もヒロヤを支持し、ヒロヤが判定勝ちした。
バンタム級はアゼルバイジャンから初参戦のガサンザデが完勝
第3試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
×白川ダーク陸斗(JAPAN TOP TEAM)
○マゲラム・ガサンザデ[Magerram Gasanzade](アゼルバイジャン/チーム・アルファメール)
判定0-3 (橋本=ガサンザデ/松宮=ガサンザデ/石川=ガサンザデ)
白川は33歳。めまい症の手術後、療養を続け、22年7月にウガール・ケラモフ戦が組まれたが負傷欠場。昨年9月の2年ぶりの復帰戦では中原由貴に判定負け。今年2月のRIZIN佐賀大会では1階級上のライト級で矢地祐介と対戦し一本負け。7月のDEEPではフェザー級で中村大介に判定勝ちしている。今回はバンタム級に下げて戦う。
ガサンザデはRIZIN初参戦の28歳。同郷のケラモフの練習仲間。フリースタイルレスリングでアゼルバイジャン王者となり、19年にMMAデビューし11戦10勝(5KO)1敗。ロシアのAMCを主戦場に試合を重ね、現在3連勝中。米国の名門チーム・アルファメールに所属する。
試合はガサンザデが高いレスリング能力を発揮することに。1R、ガサンザデは右に回って距離を取りつつ、右のカーフ、ミドルを当て、白川がパンチを振ったタイミングでタックルを仕掛けて一発でテイクダウンに成功する。ガサンザデはケージ中央付近で押さえ、時折パウンドと肘を当てるが、少し膠着すると長瀬レフェリーがブレイクする。だがまたもガサンザデは白川のパンチに合わせてタックルを仕掛け、金網際で背後からしがみついてコントロールし続ける。
2R、ガサンザデはまたもタックルから押し込むが、白川は耐えブレイクがかかる。ガサンザデは左の後ろ上段廻し蹴りをヒットする。少し動きは落ちたが、終盤、タックルで倒し、上で押さえて少しパウンドを当てて終える。
3R、ガサンザデがタックルを繰り返し、白川は2度切ったが、3度目テイクダウンに成功する。だがこれも白川はすぐ立つ。ガサンザデは左インロー、フックを当て、少し打撃戦をした後、タックルを仕掛け、金網際で倒して上で押さえる。白川が脱出しようとしても、ガサンザデはしがみつき、随所でパウンドを当て、攻勢を印象付ける。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス0-0、ジェネラルシップ0-20で合計0-20でガサンザデ。ジャッジ3者もガサンザデを支持し、ガサンザデが判定勝ちした。
第2試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
○アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル/ボンサイ柔術)
×山本聖悟(フリー)
2R 3’07” 裸絞め
ヤマニハは愛知在住の38歳。21年のRIZINバンタム級日本GP2回戦で朝倉海に判定負け。22年は3月に手塚基伸に2R裸絞めで一本勝ちし、4月に元谷友貴に判定負けし、11月に河村泰博に判定勝ち。昨年10月の名古屋大会での1年ぶりの試合では所英男に判定勝ち。5月の格闘代理戦争 THE MAXのワンマッチでは秋元強真に2R TKO負けしている。
山本は愛知出身の29歳。21年3月に村元友太郎にKO負けして以来2度目のRIZIN参戦。その試合から藤田大和、石司晃一ら相手に6連敗を喫したが、今年に入ってから韓国のBLACK COMBATで韓国の選手相手に3連勝している。今回は練習仲間の芦澤竜誠と同じ大会に出場した。
試合はヤマニハが打撃に苦しみつつも得意の寝技で差を示す内容に。1R、見合う状態が続き、中盤に山本が右フックを当てたのをきっかけに、パンチと膝を立て続けに当ててヤマニハを追い詰める。ヤマニハは左まぶたを腫らし、眉から出血する。だが終盤、山本が右のカーフキックを空振りし少し背中を向けてしまうと、ヤマニハがパンチを振って前に詰め、金網際で倒すと、そのままバックマウントを取って形勢逆転し、裸絞めを狙って追い詰める。
2R、山本が回転肘を放つが、ヤマニハはタックルを合わせて倒し、序盤からバックを取ることに成功する。ヤマニハはマウントに移行し肩固めを狙う。山本は金網を蹴って返して上になり、立って猪木アリ状態にしブレイクでスタンドに戻す。山本はパンチを振うが、ヤマニハはまたもタックルを仕掛けて、押し込んでから外掛けで倒し、ハーフで押さえると、山本が逃げる動きに合わせてバックを奪い、裸絞めを極めてタップを奪った。マイクを持ったヤマニハは大晦日大会参戦と太田忍との対戦を希望した。
オープニングファイト
第4試合 MMA バンタム級(61kg) 5分2R
○窪田泰斗(フォーランバス)
×日比野“エビ中”純也(ISHITSUNA MMA)
2R 0’26” TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)
第3試合 MMA ヘビー級(120kg) 5分2R
○稲田 将(ISHITSUNA MMA)
×佐々木克義(GLORIA MMA GYM)
1R 1’38” アームロック
第2試合 MMA フェザー級(66kg) 5分2R
×TATSUMI(NEX)
○平松 翔(THE BLACKBELT JAPAN)
2R 2’53” TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる額のカット)
第1試合 キック 55kg契約 3分3R
×としぞう(フリー)
○JIN(楠誠会館/MA日本&ジャパンカップキック・バンタム級王者)
判定0-3 (長瀬27-30/豊永27-30/松宮28-29)