RIZIN 3.7 有明アリーナ(レポ/後半):秋元強真、10代ラストファイトでパッチー・ミックスに2R TKO勝ち「これから10年、俺がRIZIN背負っていく」。グスタボ、桜庭大世を2R KO。緊急出場の武田光司、コレスニックに判定勝ち

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RIZIN.52
2026年3月7日(土)東京・有明アリーナ
レポート&写真:井原芳徳 ※前半戦は別記事でお伝えします。
中継 ABEMA、U-NEXT、RIZIN 100 Club、RIZIN LIVE(当日6,000円 アーカイブ4,400円)、スカパー(6,000円)
秋元強真、10代ラストファイトでパッチー・ミックスに2R TKO勝ち「これから10年、俺がRIZIN背負っていく」
第12試合 メインイベント MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○秋元強真(JAPAN TOP TEAM)
×パッチー・ミックス[パトリック・ミックス/Patrick Mix](米国/エクストリーム・クートゥア/元ベラトール・バンタム級王者)
2R 0’37” TKO (レフェリーストップ:右サッカーボールキック)
RIZINの榊原信行CEOは1月29日の記者会見で、元ベラトール・バンタム級王者・パッチー・ミックスの参戦と秋元強真との一戦を2026年のRIZINの開幕戦となる3.7 有明大会のメインイベントとして発表すると共に「RIZINとしての今年の一つの大きなテーマは海外進出です。年内に韓国大会はもちろんですけど、北米でも開催したいです。PFLも体制が変わりました。海外の大会にRIZINの選手を参戦させるだけでなく、王座挑戦も視野に入れたいです。北米でもっとRIZINのプレゼンス(=存在感)を高めたいです。そのためには日本人が外国勢相手に結果を出していく(ことも必要です)」と今年のビジョンを語った。
今年のRIZINの開幕戦となる今大会では12試合中9試合が国際戦で、4月12日の福岡大会も大半が国際戦となっている。
ルール面でも今年の今回の開幕戦より、トータルマストからラウンドマスト主体の「デュアル・マストシステム」に移行し、海外進出を意識した変革が施された。
(※編集部注:今回の新最低基準のRIZINでも記者採点は載せますが、ラウンドごとの採点に留めます。もう1本の柱の「3Dトータルマスト」は、基準を十分理解できていない恐れもありますので採点を見送ります。追々JMOCからも詳細な採点が公開されれば、それを見て研究して、次回以降どうするか考えます。)
(※追記:RIZINの競技運営を担当するJMOCは大会2日後に採点の詳細を公開している)
強豪ミックスの相手に抜てきされた秋元は19歳。試合翌日の3月8日に20歳になる。24年9月にRIZINに初参戦し、バンタム級で金太郎に1R TKO勝ち。11月にはフェザー級で鈴木博昭に判定勝ち。大晦日大会のRIZINバンタム級王座次期挑戦者決定戦では元谷友貴に判定負けし、デビューからの連勝が7でストップした。その後はフェザー級の試合が続き、昨年5月、高木凌に判定勝ち。7月、赤田功輝に1R裸絞めで一本勝ち。11月、萩原京平に2R TKO勝ち。大晦日、新居すぐるに1R左膝蹴りでKO勝ちし4連勝中だ。
ミックスは32歳。柔術黒帯でMMA 23戦20勝(2KO/13一本)3敗と高い一本率を誇る。16年にMMAデビューし、19年よりベラトールに参戦し、同年大晦日のRIZINとの対抗戦で元谷友貴に1Rフロントチョークで一本勝ち。20年9月、ベラトール・バンタム級王座決定戦でフアン・アーチュレッタに判定負けしプロ初黒星。22年4月のベラトール・バンタム級GP一回戦で堀口恭司に判定勝ち。GP準決勝、決勝も勝利し、バンタム級暫定王座を獲得。23年11月、セルジオ・ペティスに2R裸絞めで一本勝ちし王座統一。24年5月、マゴメド・マゴメドフに判定勝ちし初防衛したが、ドーピング陽性が判明した(ベラトールの記録では勝利のままだが、フランスの競技認定組織のFMMAFの記録では敗戦扱いに変わった)。昨年はUFCに参戦したが、6月にマリオ・バティスタに判定負け、10月にヤクブ・ヴィクワチに判定負け。2連敗するとUFCから契約を切られ、フェザー級への転向を視野に入れていた中、6年前に参戦し好印象だったRIZINからのオファーを受けた。
秋元はミックスの寝技対策で青木真也とマンツーマンで練習し、倒されても大丈夫という自信となったようで、得意の打撃を駆使し完勝することに。1R、両者サウスポーで構え、開始すぐにミックスが組みに来るが、秋元は突き放す。お互い右ジャブを突き、中央付近でお互い出方を伺う状況が続く。中盤から次第に秋元がプレッシャーをかける時間が増える。すると終盤、少しずつ秋元のパンチのヒットが増え、残り1分を切り、秋元が左ストレートを立て続けに当てていると、ミックスがダウンする。秋元はがぶって押さえて頭に膝蹴りとサッカーボールキックを当てる。ミックスに立たれてもパンチで倒し、同様に膝蹴り、パウンド、サッカーボールキックで追い詰める展開を繰り返し、レフェリーストップ寸前まで追い詰めて終える。記者採点は10-8で秋元。ミックスは最後に秋元にがぶりで押さえられた場面で繰り返しコスチュームをつかむ反則を犯したため、インターバル中に減点1が科され、10-7となる。ジャッジ3者も同じ採点だ。
2R、ミックスは最初から組んで来るが、試合開始の時のような勢いは無く、秋元は余裕をもって突き放す。秋元が左ストレートを3連打すると、ミックスはダウンし、秋元が右のサッカーボールキックを連打したところで、植松レフェリーがストップした。
マイクを持った秋元は「日本人が誰も勝ったことのない相手で、正直怖かったんですけど、最高の日に最高の舞台で勝てて良かったです。今日で10代最後の日になるんですけど 高校に行かないことになって、バイトもせず、格闘技に専念させてくれた家族、ありがとう。これから10年、俺がRIZIN背負っていくんで期待してください」とアピールした。敗れたミックスもマイクを持ち「秋元は素晴らしい相手でした。35試合目で初めてフィニッシュされました。誕生日おめでとう。日本が大好きですし、RIZINで戦うことも大好きなので、またRIZINに出たいです」と話した。最後、秋元はセコンドの朝倉海らと記念撮影した。
秋元強真「UFCに行こうという考えは無い」
バックステージでのインタビューで秋元は「寝技の要素が不安だったんですけど、青木さんと(練習)できて、もちろん青木さんだけではないですけど、寝技になっても自信があったので、思いっきり打撃で行けました」と試合を振り返った。
リング上での「RIZINは俺が背負っていく」という発言に関連し、「いずれは世界最高峰の舞台で強豪と戦いたいか?」という質問が飛んだが、秋元は「UFCに行こうという考えは全く無いんで。大きい言い方だと、僕とやりたいんだったら日本に来いっていう感じです」と答えた。
次戦について聞かれた秋元は「(榊原)社長からもさすがに『休め』と言われたので休みます。次は9月ぐらいでお願いします」とコメントした。日付を超えると20歳になるが、祝勝会で酒を飲むかと聞かれた秋元は「そうですね。二日ぐらい寝ずに遊びたいです」と答えて笑顔を見せ、20代の目標については「格闘技もプライベートも充実させてベルトを巻きたいです」と話した。
RIZINの榊原信行CEOは大会後の総括で、秋元について「最初から距離が近くて、グラウンドで青木真也とやったことが自信となったのか、臆することなく、あれほどの強者に挑んで、RIZINの未来を感じました。日本の若者も捨てたもんじゃないですね。物が違います」「『10年RIZIN背負う』と言ってくれて『お願いします!』と言いたくなる勝ちっぷりでした」等と絶賛した。今後の起用については「年内に絶対王者のシェイドゥラエフとの試合というのも、完全に背中が見えたというか、視界に入ったんじゃないんですか。このまま一気に行くのか(元王者の)クレベル(・コイケ)とのマッチアップがあってもいいと思います。まだ2026年、今日始まったばかりなので、あんまりスピード速くページをめくらず、しっかり戦いのドラマを紡いでいきたいです」と慎重にコメントした。
今大会の観客数は13,307人。ソールドアウトとはならなかったが、満員と言える客入りで、秋元の勝利時には会場が割れんばかりの大歓声で包まれた。大会中にはRIZIN LANDMARK 6月6月(土)ゼビオアリーナ仙台大会、7月18日(土)広島グリーンアリーナ大会の開催も発表された。榊原氏は大会後の総括で「夏にもとんでもないお祭りを構想中です。今年の夏にも真夏の格闘技の祭典としてぶち上げたいです」と話しており、秋元の次戦はその夏の大会となる可能性が高そうだ。
グスタボ、桜庭大世を2R KO
第11試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
○ルイス・グスタボ[Luiz Gustavo](ブラジル/エヴォルサオ・タイ)
×桜庭大世(サクラバファミリア)
2R 2’32” TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
グスタボは29歳。19年大晦日のRIZINライト級GP準決勝でパトリッキー・ピットブルに1R TKO負け。それから2年ぶりに復帰となった22年4月、矢地祐介を2R TKO。9月に大原樹理を1R KO。23年4月には武田光司に判定勝ち。24年2月の佐賀大会のメインイベントでは堀江圭功に判定勝ちし4連勝したが、9月のライト級タイトルマッチではホベルト・サトシ・ソウザにわずか21秒でKO負け。昨年3月、野村駿太に3Rテクニカル判定負けし、1年ぶりの試合に臨む。
桜庭は27歳。ゼロ年代のPRIDEブームを築いた桜庭和志の長男。柔道をベースとし、グラップリング大会のQUINTETやK-1アマチュアで試合を重ね、24年大晦日のRIZINでのMMAデビュー戦では矢地祐介に26秒でTKO勝ちし番狂わせを起こす。昨年5月の東京ドーム大会では中村大介に2R腕十字で一本負け。11月には宇佐美正パトリックに3R膝十字固めで一本勝ちしている。
グスタボはRIZIN参戦を推薦してくれたヴァンダレイ・シウバ、桜庭は父のかつての入場テーマで花道を歩きリングインし、紹介VTRもヴァンダレイと和志のPRIDE時代の因縁に焦点を当てる内容となったが、試合は約25年前をトレースするような展開となる。
1R、長身のサウスポーの桜庭が左ミドルを序盤から的確に当て続ける。グスタボは時折距離を詰め、右フックを振るう。桜庭もパンチを振り回し、グスタボのパンチをかわして応戦する。グスタボの右ミドルが当たり、桜庭は蹴り足をつかんで倒そうとするが、グスタボは倒れない。終盤、パンチの打ち合いで桜庭は被弾する場面もあるものの、ある程度かわしてみせ、場内を沸かせる。お互い決定打の無いラウンドのため、判定は割れそうだ。記者採点は顔面へのパンチのヒットのやや目立ったグスタボ。ジャッジは割れ、2者が桜庭、1者がグスタボにつける。
2R、スタンドの勝負が続き、桜庭も左ミドルを当てるが、グスタボが1Rよりも圧を強めて積極性を増す。すると中盤、グスタボの右ストレートのヒットが目立ち始める。グスタボは右ハイを桜庭のガードの上に当てると、真っすぐ下がった桜庭を追いかけ、グスタボが右ストレートをクリーンヒット。桜庭はダウンし、グスタボが追撃のパウンドを当てたところで、福田レフェリーがストップした。
マイクを持ったグスタボは「試合前に話した通り、レベルの違いを見せました。次はタイトルに挑戦したいです」とアピールした。
高木凌、木村柊也相手に不完全決着もTKO勝ち
第10試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○高木 凌(フリー/元パンクラス・フェザー級1位)
×木村柊也[しゅうや](BRAVE)
1R 終了時 TKO (ドクターストップ:左フックによる右目の負傷)
高木は26歳。21年にパンクラスでデビューし、フェザー級ランキング上位で活躍。23年10月の名古屋大会でRIZINに初参戦しビクター・コレスニックに判定負け。24年4月に西谷大成に1R KO勝ち。9月には萩原京平に1R裸絞めで一本勝ち。昨年5月、秋元強真に判定負け。9月、パンクラス王者の三宅輝砂に判定勝ちした。
木村は25歳。3歳から日本拳法を習い、明治大学時代に全日本大会で2度優勝。23年12月、GLADIATORでプロMMAデビューし、GLADIATORで4戦とも1R KO勝ち。昨年3月、RIZINに初参戦し、横山武司を54秒でKO。6月のヴガール・ケラモフ戦では寝技で攻め込まれ判定負けし、プロ6戦目で初黒星を喫した。11月には摩嶋一整に2R裸絞めで一本負けし2連敗中だ。
1R、木村がプレッシャーをかけ続け、高木が外側に立つ構図が続く。木村はスイッチを織り交ぜつつ右ローを当てる。静かな場面が長いが、時折パンチが交錯すると、高木が時折少しフラつく。終盤の打ち合いで、木村が少しフラつく。高木が左フックを当てた際、木村が右目を負傷した模様で、目に入ったか?木村はアピールし、まもなくラウンドが終わる。インターバル後に木村にドクターチェックが入ると、ストップがかかる。ストップの要因となった高木のパンチは有効打と判断され、高木のTKO勝ちとなった。
マイクを持った高木は「納得いく勝ちじゃないですけど、木村選手ありがとうございます」と話し「武田(光司)、俺から逃げるなよ。次、俺とどう?」とアピールした。
緊急出場の武田光司、コレスニックに判定勝ち
第9試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
×ビクター[ビクトル]・コレスニック[Viktor Kolesnik](ロシア/タイガームエタイ/クズニャ/セルビアンBC&ロシア・オープンFCフェザー級王者)
○武田光司(TRIBE TOKYO MMA/元DEEPライト級王者)
判定0-3 (橋本28-29/石川28-29/豊永28-29)
コレスニックは今日で30歳となった。13年にMMAデビューし、ロシアやセルビアの大会で5連勝後、23年5月にRIZINに初参戦し、ライト級で岸本篤史にTKO勝ち。10月の2戦目からフェザー級に階級を下げ高木凌に判定勝ち。24年4月に中原由貴に判定勝ち。10月の武田光司戦はコレスニックが感染症を罹患し緊急手術を行い欠場。昨年6月の札幌大会ではSASUKEに1R左ボディでTKO勝ちし、RIZINでの連勝を4に伸ばした。9月にフェザー級王者のラジャブアリ・シェイドゥラエフに挑戦したがわずか33秒でTKO負けした。
武田は30歳。22年大晦日のガジ・ラバダノフ戦以降は海外強豪相手に苦戦が続き、勝利は萩原京平、新居すぐるら対日本人相手のみ。24年6月には後にRIZINフェザー級王者となるラジャブアリ・シェイドゥラエフのRIZIN初戦の相手を任され1R一本負け。大晦日の新居すぐる戦も精彩を欠く内容でローブローでの途中終了によるテクニカル判定勝ち。昨年5月の韓国大会でジ・ヒョクミンに2R TKO負け。12月のDEEPで奥山貴大に1R裸絞めで一本勝ちした。
今回は相本宗輝の欠場により、武田は試合4日前に試合が決まった。そのため両選手とも本来のフェザー級より1階級上のライト級での試合となる。武田は試合に飢えていると先週の段階でRIZINの榊原信行CEOに伝えており、相本の欠場を知り、「これは自分にとってチャンスだし、ぜひやらせてほしい」と名乗りを上げたと榊原は明かしている。コレスニック戦は過去に一度決まって流れたカードのため、お互いある程度対策ができた状態で試合に臨むことになる。
1R、サウスポーの武田に対し、オーソドックスのコレスニックが右のミドル、ローを度々当て、ガードの上だが右ハイも当て、主導権を握る。残り1分、武田がタックルを仕掛け、打開を図るが、コレスニックは倒れない。武田はコレスニックをコーナーに押し込んだまま終わる。記者採点はコレスニック。
2R、コレスニックの右インローが軸足払いになり、武田はスリップするが、すぐタックルに切り替える。武田がコレスニックをコーナーに押し込む状態が続く。終盤、ようやく武田がコレスニックを倒し、すぐさまバックに回り、オンブとなり、裸絞めを狙うが、コレスニックは対処して振り落とす。最後も武田がコレスニックをコーナーに押し込んで終わる。記者採点は武田。
3R、緊急出場の武田はさすがに疲れが見え始め、コレスニックが武田を押し込んでテイクダウンを狙う状況が続く。離れればコレスニックが左右のストレートを当て印象を作る。終盤、予定外のレスラーとの試合となったコレスニックも疲れの色が濃くなり、お互い倒せずにいたが、残り30秒を切り、武田がコレスニックを押すとコレスニックがスリップし、武田ががぶった状態から頭に膝を連打し、好印象を作って終える。記者採点は終了間際に差を見せた武田。合計28-29で武田。ジャッジ3者も同じ採点で武田を支持し、武田が判定勝ちした。
マイクを持った武田は「ヤバいね。去年5月に負けて、首の手術とかもあったんですけど、また帰って来れたっすね。緊急でオファーもらって、これはチャンスだと思って(TRIBE代表の)長南亮に滅茶苦茶否定気味に怒られたんですけど、やって良かったです。ありがとうございます。水曜、プロ蓮終わって飲みに行こうと言った矢先に決まったんで、今日飲みに行きますわ」と話し、最後は長南代表らと記念撮影した。




















