RIZIN.49 12.31 さいたま(レポ/後半):クレベル・コイケ、鈴木千裕との死闘制し判定勝ちしフェザー級王座奪還。堀口恭司、ズールーに判定勝ちし初防衛。ホベルト・サトシ・ソウザ、ケラモフに1R一本勝ちしライト級王座4度目の防衛
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RIZIN DECADE – RIZIN.49
2024年12月31日(火)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
レポート:井原芳徳 写真:井原芳徳、(C)RIZIN FF(鈴木×コイケ)
※RIZIN.49前半戦のレポート、雷神番外地のレポートは各リンク先に掲載しています。
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クレベル・コイケ、鈴木千裕との死闘制し判定勝ちしフェザー級王座奪還
第14試合 MMA RIZINフェザー級(66kg)タイトルマッチ 5分3R
×鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺/王者、KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級(65kg)王者)※2度目の防衛戦
○クレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術/挑戦者・元王者、元KSW・REBEL FC同級王者)
判定0-3 (石川=コイケ [D 0-0/ A 0-30/ G 0-20]/豊永=コイケ [D 0-50/ A 0-30/ G 0-20]/松宮=コイケ [D 0-50/ A 0-30/ G 0-20])
※コイケが王者に
「RIZIN DECADE(ディケイド)」は2015年末、さいたまスーパーアリーナで旗揚げしたRIZINの10周年を記念した大会。昼1時からはRIZINが生んだナンバーワンスターの朝倉未来がプロデュースした「雷神番外地」、夕方5時からは通常のナンバーシリーズの「RIZIN.49」という2部構成で開催された。主催者発表では23,010人の客入りだった。大晦日と元旦をまたぐRIZIN.49のメインイベントには、鈴木千裕とコイケのリマッチが置かれた。
千裕は25歳。RIZINで山本空良、平本蓮、萩原京平、今成正和、中原由貴相手に5連勝後、昨年23年6月の札幌大会でクレベル・コイケのフェザー級王座に挑戦する。ところがコイケが計量オーバーで王座をはく奪され、試合ではコイケが1R腕ひしぎ三角固めでタップを奪ったが、無効試合となっていた。7月の埼玉大会では、ベラトール王者・パトリシオ・ピットブルを1R右フックでKO。11月のアゼルバイジャン大会では、地元出身の王者・ヴガール・ケラモフを、下からの蹴り上げとパンチの連打でKOし、まさかの王座奪取を果たした。今年24年4月の防衛戦で金原正徳に1R TKO勝ち。6月のKNOCK OUTでの五味隆典とのボクシングマッチで右拳を再び骨折し、7月の超RIZIN.3でのマニー・パッキャオとボクシング形式の非公式戦を欠場し、8カ月ぶりのRIZINが2度目の防衛戦となる。
コイケは35歳。海外で2冠達成後、20年大晦日からRIZINに参戦し、22年10月に牛久絢太郎に2R裸絞めで一本勝ちし6連勝でRIZINフェザー級王者となる。大晦日大会ではベラトール王者・パトリシオ・ピットブルに判定負け。昨年6月の初防衛戦では計量オーバーし王座をはく奪され、鈴木千裕から1R腕ひしぎ三角固めでタップを奪ったが、無効試合となっていた。9月には金原正徳に判定負けし、王座戦線から一歩後退したが、大晦日には元王者の斎藤裕に3Rダースチョークで一本勝ち。今年6月にはフアン・アーチュレッタを1Rヒールフックで下すと、千裕と舌戦を繰り広げ、両者とも王座戦を承諾していた。このやり取り後、千裕はパトリシオらとの舌戦もあったが、結局当初の予定通り、千裕とコイケの再戦に落ち着いた。
カード発表時にRIZINの榊原信行CEOは「迷いました。千裕の前には俺と戦えというファイターが列を作って待っています。ですがやっぱりRIZINが10年かけて作り上げた極上のカードにすることにしました。RIZIN 10回目の大晦日を締めくくるのにふさわしいメインカードと思っています」と説明していた。試合は榊原氏の期待通り、締めくくりにふさわしい、両者とも持ち味を出し切る死闘となる。
1R、千裕は出入りしつつプレッシャーをかけ、捕まらない距離をうまくキープし、右のフックとカーフキックを当てる。コイケはタックルを仕掛けるが、やや距離が遠く、千裕は切る。中盤、千裕が右カーフを強打すると、コイケは足を引きずり気味に。終盤、コイケがタックルを仕掛けると、千裕は切って上になるが、コイケは下から千裕の足を両足で挟んでおり、リバーサルに成功し、ハーフガードで押さえる。コイケは肘を当てつつパスガードを狙うが、千裕はすぐ近くのセコンドの塩田歩氏の指示を聞きながら対処する。千裕は左眉の上をカットする。30秒を切り、コイケは足関節技を仕掛け。ヒールフックを取りかけるが、千裕はカカトでコイケを何発も蹴って強引に脱出して終える。
2R、コイケは左ジャブを突きつつ前に出て組もうとすると、千裕に対処されそうになるが。すぐにコイケは引き込んで下になり、押さえられる前に返して立ち、千裕をコーナーに押し込む。コイケは執拗にテイクダウンを狙い、コーナー際で寝かしてマウントを奪う。中盤、コイケはハーフガードに戻りつつ、マウント狙いのプレッシャーをかけ続ける。終盤、コイケはマウントを奪いつつギロチンを狙い、パウンドを当てる。コイケはハーフ、サイド、トップと動きつつも攻め続ける。千裕は防戦一方のラウンドに。
3R、年越した直後のタイミングでゴングが鳴る。コイケはコーナーとロープを背負うが、千裕は組みを警戒し詰めすぎず、慎重にパンチと蹴りを放つ。中盤、コイケはタックルを仕掛け、切られるとすぐに引き込んで下になる。コイケは下から千裕の右手を捕まえるが、千裕は腰を上げ手左肘を当て、コイケは額をカットする。コイケは血だるまになりながらも、繰り返し三角絞めを狙う。終盤、コイケの三角が極まりかけるが、千裕は体をひねって防御する。
コイケは三角を解除すると、すぐにマウントを奪い、パウンドを連打して猛反撃する。千裕はブリッジするがコイケは脱出を許さず、パウンドを当て続け、最後は肩固めを狙って終える。記者採点はコイケ(D(ダメージ)0-0/A(アグレッシブネス)0-30/G(ジェネラルシップ)0-20/計0-50)。ジャッジ3者もコイケを支持し、コイケが判定勝ちでフェザー級王座奪還を果たし、第6代王者となった。コイケは千裕の手を上に掲げ、敗者の健闘を称えた。
ベルトを巻いたコイケは「みんな、ハッピーニューイヤー」と叫び、家族とチームメイトと神に感謝を述べた。続けて「千裕、あなた強いじゃん。今日試合ありがとうございました」と称えた。最後は「1、2、3、ポペガー」と叫んだ。最後は出場選手達がリングに勢揃いし、「We are RIZIN」と叫んで、延べ11時間越えの大会を締めくくった。
敗れた千裕は「ここであきらめたら無駄になっちゃうんで、1年で取り返しますよ」と話しつつも、「さっきクレベルに『あんたのジムに行って教えてくれよ』とお願いしました。彼に勝つために彼に技を教えてもらいます。クレベルが引退しないでチャンピオンでいてくれたら、教えてもらって、それを(試合で)当てて、チャンピオンになる」と話し、直接コイケから技術を吸収するという奇抜なプランを口にしている。
堀口恭司、ズールーに判定勝ちし初防衛
第13試合 MMA RIZINフライ級(57kg)タイトルマッチ 5分3R
○堀口恭司(アメリカントップチーム/王者、元UFC同級3位、元RIZIN・ベラトール・修斗世界バンタム級王者)※初防衛戦
×エンカジムーロ・ズールー[Nkazimulo Zulu](南アフリカ/CITパフォーマンス・インスティチュート/挑戦者、元EFCフライ級&バンタム級王者)
判定3-0 (橋本=堀口 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]/松宮=堀口 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]/石川=堀口 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0])
※堀口が初防衛
堀口は34歳。22年4月のベラトールでパッチー・ミックスに敗れ、9月のRIZINでは金太郎に2R肩固めで逆転一本勝ち。体格差に苦しむ試合が続き、大晦日のRIZINの扇久保博正戦から、UFC時代と同じフライ級に戻し判定勝ち。昨年7月のベラトール埼玉大会では神龍誠とベラトール・フライ級初代王座を争ったが無効試合に。大晦日のRIZINでは神龍との再戦がRIZINフライ級初代王者決定戦として行われ、2R裸絞めで一本勝ち。今年6月には元ベラトール・バンタム級王者のセルジオ・ペティスとのバンタム級でのリベンジマッチで判定勝ちしている。今回フライ級に戻り王座の初防衛戦に臨む。
ズールーは35歳。現UFCミドル級王者ドリカス・デュ・プレシと同門。極真空手やムエタイの経験を経て、13年にMMAプロデビューし、南アフリカのEFCで2階級を制覇。16年、南ア出身選手として初めてThe Ultimate Fighter(TUF)に出場したが、初戦で扇久保博正に2R一本負け。その後もEFCを主戦場とし、23年7月にEFCバンタム級王座を奪還し、3月にフライ級王座を防衛している。9月にRIZIN初参戦し、新井丈に1R TKO勝ちし、2戦目で王座に挑戦する。
1R、堀口がタックルを仕掛け、肩で抱えてマットに叩きつけ、バックを奪うなどコントロールする。ズールーは脱出すると、逆にタックルを仕掛けて倒す。だが堀口はスタンドに戻す。終盤、コーナー際で組み合った際、離れ際にズールーが右フックを当て、堀口はひるむ。だが堀口も右フックを返してひるませ、最後はグラウンドで三角絞めを狙って、優位で終える。
2R、堀口が序盤から倒して、ハーフで押さえ続け、パウンドをコツコツ当てて手堅く攻める。終盤、膠着すると、福田レフェリーがブレイクする。打撃戦に戻り、ズールーの左フックで堀口はひるむが、すぐにタックルを仕掛けて倒し、上で押さえて終える。
3R、またも堀口は序盤から倒し、ハーフで手堅く押さえる。ズールーは脱出するが、堀口は前に出て左右のフックを当て、またもタックルで倒して上で押さえる。堀口は終盤も押さえ続け、随所でパウンドを当て、ブレイクを許さないまま終える。記者採点は堀口(D 0-0/A 0-0/G 20-20/計20-0)。ジャッジ3者も堀口を支持し、堀口が判定勝ちで王座初防衛を果たした。
打撃を警戒してか、途中から前回のセルジオ戦同様に手堅い試合運びで勝利をもぎ取った堀口。マイクを持つと「大晦日にしょっぱい試合をしてすみません。KOとか一本で勝って上を目指したかったんですけど、しょっぱかったのでもっと精進していきます」と反省した。大会後のインタビューで堀口は「ズールー選手の反応が良かった。パンチが見えなくて、なんで俺がフラフラしてるんだろうと思った」と振り返り、今後については「自分は世界一を目指しているので、そこに挑戦したいです。UFCに挑戦した方がファンのためになると思っています」と述べ、改めてUFC復帰を希望した。
ホベルト・サトシ・ソウザ、ケラモフに1R一本勝ちしライト級王座4度目の防衛
第12試合 MMA RIZINライト級(71kg)タイトルマッチ 5分3R
○ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術/王者、元REALスーパーライト級(74.2kg)王者)
×ヴガール・ケラモフ[Vugar Karamov](アゼルバイジャン/オリオン・ファイトクラブ/挑戦者、元RIZINフェザー級王者)
1R 4’45” 三角絞め
※ソウザが4度目の防衛
サトシは35歳。22年大晦日のRIZINでのベラトールとの対抗戦でアントニオ・マッキーに判定負けし、連勝と連続一本勝ちが5でストップ。昨年は5月の有明大会でスパイク・カーライルに判定勝ちしたが、7月のベラトール・ライト級GP一回戦に緊急出場しパトリッキー・“ピットブル”・フレイレに3R TKO負け。今年は3月の神戸大会で中村K太郎に右ハイからのパンチ連打で103秒TKO勝ち。9月にはルイス・グスタボを左ストレートからのパウンドでわずか21秒で仕留めて王座3度目の防衛を果たしたばかりだ。
ケラモフは32歳。昨年7月のRIZINフェザー級王座決定戦で朝倉未来を1R裸絞めで仕留めて王者となり、11月の母国アゼルバイジャン大会で初防衛戦を行ったが、鈴木千裕にわずか88秒でKOされた。ケラモフは2月の佐賀大会でを摩嶋を相手に再起戦を予定していた。だが、アゼルバイジャン大会の前日計量での関係者同士のトラブルの和解の最終的な手続きが済んでいないことから、アゼルバイジャン政府から出国が認められず欠場していた。11月17日の名古屋大会での1年ぶりの試合では摩嶋一整を右フックからのグラウンドでの肘の連打で28秒でTKO勝ち。フェザー級王座挑戦を希望しているが、千裕はクレベル・コイケと防衛戦を行うため、試合が待てないことから、今回1階級上げ、2階級制覇を狙う。
1R、ケラモフが右のローを空振りし、背中を向けてしまうと、すぐさまサトシはタックルを仕掛けて倒して上になる。ケラモフは防御し、立ち上がるが、サトシは再び倒し、マウントを奪う。ケラモフは返して上になるが、サトシは下から三角絞めを極めタップを奪った。4度目の防衛を果たしたサトシは「このベルト日本にずっとで頑張ります」と宣言した。
伊澤星花、1Rでアプデルガリムに一本勝ち
第11試合 MMA 女子スーパーアトム級(49kg)(ノンタイトル戦) 5分3R
○伊澤星花(Roys GYM/JAPAN TOP TEAM/RIZIN女子スーパーアトム級王者、RIZIN同級トーナメント2022優勝、DEEP JEWELSアトム級&ストロー級王者)
×ルシア・アプデルガリム[Lucia Apdelgarim](アルゼンチン/ピカンテ・ファイトクラブ)
1R 2’21” 腕ひしぎ三角固め
伊澤は27歳。レスリングと柔道をベースとし、20年にMMAを始め、プロ3戦目でDEEP JEWELSストロー級王座を獲得。21年大晦日のRIZIN初戦で浜崎朱加に2R TKO勝ちし、22年4月の再戦でも浜崎に判定勝ちし、RIZIN女子スーパーアトム級王者となる。7月からの同級GPではラーラ・フォントーラ、アナスタシア・スヴェッキスカに一本勝ちし、大晦日の決勝ではパク・シウに判定勝ちし優勝。昨年5月のDEEP JEWELSではアム・ザ・ロケットに一本勝ちし、7月のクレア・ロペスとのRIZIN王座初防衛戦でも64秒フロントチョークで一本勝ちし、大晦日のRIZINでは山本美憂に2R裸絞めで一本勝ち。今年3月のDEEP JEWELSではパク・シユンを2Rニンジャチョークで下しDEEP JEWELSアトム級王座を獲得。9月のRIZINでは浅倉カンナの引退試合の相手を務め判定勝ち。デビュー以来14戦全勝(1KO/7一本)の快進撃を続けている。今回、RENAとの防衛戦が計画されたが、RENAの怪我により実現せず、ストライカーとのノンタイトル戦が組まれた。
アプデルガリムは20歳。テコンドーがベースで、キック15戦11勝2分2敗。4月末に行われた巌流島のスタジオマッチでは、ぱんちゃん璃奈から右ストレートでダウンを奪って判定勝ち。6月のKNOCK OUTではNA☆NAに判定負け。MMA 5戦2勝3敗で、今回1年ぶりにMMAの試合に臨む。
試合は伊澤の完勝に。1R、伊澤が序盤からタックルで倒すと、もつれて下になってしまうが、すぐに足を登らせ三角絞めを仕掛ける。途中で三角のまま腕十字を狙いつつ追い詰め、最後は腕を伸ばしてタップを奪った。
マイクを持った伊澤は「お伝えしたいことがあります。2025年、伊澤星花、もう泣きません」と話して観客を笑わせつつ「RENA選手、今日会場にもいないんですけど、この試合見たらもっと怖くなってビビって出てこないと思います。格下の相手とやってもしょうがないんで、もっと強い世界の選手とやらせてください」とアピールした。
元谷友貴、秋元強真を寝技で完封し3.30 香川で井上直樹の王座挑戦
第10試合 MMA RIZINバンタム級(61kg)王座次期挑戦者決定戦 5分3R
○元谷友貴(アメリカン・トップチーム/元DEEPバンタム級&フライ級王者)
×秋元強真(JAPAN TOP TEAM)
判定3-0 (石川=元谷 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]/松宮=元谷 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]/橋本=元谷 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0])
元谷は35歳。21年6月のRIZINバンタム級日本GP二回戦で瀧澤謙太に敗れ、その後は金太郎、アラン“ヒロ”ヤマニハ、太田忍、倉本一真、ホジェリオ・ボントリン相手に5連勝したが、昨年5月に朝倉海にKO負け。その後、フロリダの名門・ATTに加入。11月のDEEPでの再起戦ではCOROに2R TKO勝ちしたが、大晦日のRIZINでは元UFCのヴィンス・モラレスに判定負け。今年5月のDEEPでは平松翔に2R裸絞めで一本勝ち。9月のRIZINでは太田忍に3R裸絞めで一本勝ちすると「ベルトお願いします」と王座戦を希望していた。同大会では井上直樹がキム・スーチョルに1R TKO勝ちし第7代バンタム級王者となり、大晦日も出場予定だったが、怪我により欠場し、今回王座挑戦者決定戦が組まれた。
秋元は18歳。中学卒業後にパラエストラ柏(現在のTHE BLACKBELT JAPAN)に加入し、22年のプロデビューから7戦全勝(4KO/1一本)。今年春、憧れの朝倉兄弟のいるJAPAN TOP TEAMに移籍。5月の「格闘代理戦争 -THE MAX-」に朝倉未来推薦で出場し、アラン“ヒロ”ヤマニハに2R右ボディフックからのパウンドでTKO勝ち。9月にRIZINに初参戦すると、金太郎に1R TKO勝ち。11月17日の名古屋大会にはフェザー級に階級を上げて出場し、鈴木博昭に判定勝ち。RIZIN 3戦目で早くもバンタム級上位勢との試合が組まれた。
試合はベテランの元谷がホープの秋元を寝技主体で完封する内容に。1R、スタンドの打撃の攻防で、秋元はスピードのあるパンチと蹴りを放つが、元谷は対処し、タックルで倒しバックを奪う。一旦立たれてもすぐ元谷が倒し、ハーフで押さえ続ける。最後、元谷が下になるが、ギロチンを仕掛け、返してもギロチンを狙い続け、寝技の展開で秋元を圧倒する。
2Rも序盤から元谷がバックを取ると、足4の字で捕獲し、執拗に裸絞めを狙い続け、鉄槌も当てて主導権を維持する。
3R、秋元はサウスポーからの左ボディ、テンカオを度々放つが、元谷は防御し、中盤にはまたもタックルで倒しバックを奪う。元谷はバックキープして裸絞めやツイスターを仕掛け、鉄槌を当て、最後まで攻め続け終了。元谷が判定勝ちした。記者採点は元谷(D 0-0/A 0-30/G 0-20/計0-50)でジャッジ3者と同じだった。
マイクを持った元谷は「しょぼい試合してしまって。でも秋元選手が本当に強くて、18歳でこんな大きなもん背負ってああいう試合して凄いなと思います。秋元選手が成長するきっかけになってもらえばと思います。次、タイトルマッチですか、井上選手、元谷じゃ物足りないと思われそうですが、お願いします」と話した。その後、榊原CEOが、来年3月30日の香川・あなぶきアリーナ大会でバンタム級タイトルマッチを組むと発表し、リングに上がった王者・井上も「やりましょう」と了承し、揃って記念撮影した。