THE MATCH 2 5.4 東京ドーム:平本蓮×朝倉未来2電撃発表。榊原CEO「ドーピング問題でケチがついた話なので公明正大に進める」、未来「マジで負ける気持ちが全くない」、平本「大人の事情で再戦です」、那須川天心「THE MATCH2 って名前だけは違う」
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RIZINの榊原CEOは2024年大晦日の「RIZIN DECADE – 雷神番外地」さいたまスーパーアリーナ大会のオープニング映像の中で、2025年5月4日に東京ドームを押さえ、平本蓮と朝倉未来の再戦を組むと発表した。大会名は「THE MATCH 2」に。サプライズ発表に場内のファンは大きくどよめき、オープニングセレモニーでは最後に登場した両選手が中央に歩み寄って握手した。その後、榊原氏、未来と平本の両選手が会見・Youtube・SNSを通じてコメントした。
平本と未来は48,117人(主催者発表)の観衆を集めた超RIZIN.3 7月28日 さいたまスーパーアリーナ大会のメインイベントで対戦し、1R左フックからのパウンドでTKO勝ちし、LMS(Last Man Standing)王座となった。だがその後、平本の練習仲間の赤沢幸典が平本にドーピング方法を指南し薬品を売ったことを明かした。平本は会見を開き「赤沢氏から購入したサプリは使用しませんでした」「赤沢氏から電話があり、信頼関係もあるので、むげにできないと思い、使用していると話を合わせていました」「アイルランドでの練習中に膝の怪我をして、帰国後にフィジカルトレーナーから注射を勧められて7月に打ちました」等と説明し、疑惑を否定した。RIZINのタイトルマッチで義務付けられているドーピング検査の結果、両選手とも陰性だったが、会見で榊原氏は「(薬品を)買ったのに飲まないって本当?ってのは思います」「『李下に冠を正さず』と言いますが、ドーピングに引っかかる恐れのある薬物を入手していた時点で(他競技の)ルールによってはアウトです。猛省して欲しいです」と警告した。朝倉に対しては「引退を懸けた一戦に泥を塗ったことは、最終的に主催者である私の責任です。僕らがドーピングに対する意識をもっと高めておくべきだったと思います」と謝罪し、今後のドーピング検査体制の強化を約束した。(詳細は昨年9月の記事参照)
榊原CEO「ドーピング問題でケチがついた話なので公明世代に進める」
大晦日のRIZIN DECADE終了後、榊原氏は平本×未来2の再戦交渉を始めた時期について聞かれ「夏ぐらいですね」と答え、「いろんな事件が世の中に賛否を含めてうずまいてしまって、ケチがついてしまったもやもや感も含めて、再戦するしかないんじゃないかなって。ドーピングの結果が出るのを待っている時から、これは再戦するしかないんじゃないかな、というふうには思ってました」「ファンからもそういう声が相当届いてて、そういうことが求められるんだったら僕はやりますよという気持ちを未来は伝えてくれて、それを平本蓮にはそのまま伝えたという感じですね。平本選手も望むところということで。ドーピング問題でケチがついた話なので、5月4日の再戦に向け、公明正大で本当にもやもや感のない形で進められるようにしたいです」
「THE MATCH 2」という大会名について榊原氏は「THE MATCHって、2022年に天心と武尊で付けさせていただいたタイトルなんですけど、これ(=平本×未来)はTHE MATCHにふさわしいと思ったんです。THE MATCHと言える際立ったカードが一つあって、アンダーカードが並んで、そういう世界観でRIZINとは別線でのメガイベントを、2022年の幻想も引きずりながら、格闘技界のお祭りをもう一回作れたらいいなと思いました」と説明。カード編成について「当然未来と蓮はMMAでやりますので、ルールは今回はキックに限定するってことはもちろん考えていないですが、かといって全部MMAにするってことでもないかなと思っています。今日の雷神番外地の出来高もTHE MATCH 2につなげていくことも考えられると思います。RIZINという世界観の中でのタイトルマッチとかグランプリとかの勝った負けたっていう垣根を超えて、ルールも超えて、アンダーカードにもインパクトのあるカードを並べたいです」「RIZINの防衛戦があってもいいのかもしれません。THE MATCH 2022の時はまず、天心対武尊を実現させる場として、世の中の人たちにご提案をしました。アンダーカードは結果、対抗戦になりましたが、対抗戦をやろうということを決めていたわけではありません。今回もまずは未来が復帰するということで平本蓮との試合を決定し、これからアンダーカードをどういう世界観で作り出していくか考えていきたいです」と述べた。
ドーピング検査について榊原氏は「お伝えしていたように、今回から既にドーピングのポリシーは変えました。ルールミーティングでもドクター陣から説明をしていただいて、厳しい一歩踏み込んだ形でのドーピングのポリシーが決まりました。これは未来と蓮の試合のみに関わらず、普段RIZINで行う試合もさらに厳しくなります。今回の未来対蓮に関してはかなり早いタイミングで、何回かに(検査を)分けるのか、その辺はまたドクター陣とも話して事前に明確にしておきたいと、両選手とも了解を取っています」と述べた。
朝倉未来「後悔ない人生にしたい」「マジで負ける気持ちが全くない」
朝倉未来は再戦発表後、自身のYoutubeチャンネルを更新し「皆さんびっくりしたと思いますけども、来年の5月4日、東京ドームで平本蓮選手と再戦です」と報告した。続けて未来は「7月、引退を掲げて試合に臨んで負けて、ここまでかなみたいな感情が強かったんですけど、2ヶ月ぐらい経って、RIZINから再戦をどうかと。自分の中でも、もやもやした気持ちもあって、20年くらい続けてきた格闘技の最後の試合があんな試合でいいのかなっていうところもあって。ちょうど今月、弟(=海)がUFCのタイトルマッチで世界最強と戦ったのをそばで見て、(自分は)終わりでいいのかなとか。自分の最近の試合は悪いところが結構出て、そこを反省して、柔術やボクシングやウエイトトレーニングだったり、自分に足らなかった部分のトレーニングをずっと続けてきてて、また自分の成長を毎日感じて、まだまだ強くなれるなと感じました。あとはSNSを通して復帰戦を楽しみにしてますとか、復帰してくれとか、そういうDMが多くて、再戦への気持ちが日に日に強くなって。ちょうど1ヶ月前くらいかな、平本選手が試合を受けてくれまして、5月4日に再戦が決まりました」と、復帰に至った心境と再戦決定までの経緯を説明した。
さらに未来は「ファンの中で『もういいでしょ』って思ってる人もいると思うし『待ってました』って思ってる人もいると思うし、特に家族は試合終わった時、体休めてほしいみたいな連絡ももらったり、色んな意見あると思うんですけど、僕自身、格闘技も人生も何でも、最終的には自己満の世界だと思ってて、とにかく後悔ない人生にしたいっていう風に生きてきて、もう一度挑戦したいなっていう気持ちが強くて」と心境を説明し「説得力ないかもしれないんですけど、マジで負ける気持ちが全くないんですよ。結構自分の中で自信があってもう一回やったら絶対勝てるっていう」「平本選手とも一回リング上で向かい合ってるんで、どんな感じかなっていうのは想像できてて。組んだ感じとかはまだ分からないんだけど、全然いけると思うし。絶対勝って大復活したいと思ってます」と、勝利に自信を示した。
平本蓮「大人の事情で再戦です」「再起不能にします」
未来は再戦のオファーを先に承諾し、平本の回答待ちだったことを明かしたが、平本はXで「再戦に興味ない格闘技ファンが多いのはわかってます。グラップラーとの試合で評価を上げたかったから自分も最初は断りましたが、大人の事情で再戦です。次に進むために、決まったからには、やる必要なかったと思われる試合をします。舐めずに前回以上の強さでしっかりと殺しに行きます。応援お願いします」と記し、その後のポストでも「シェイドラエフもダウトペックも今の俺の相手じゃないよ。それを証明するために次に進みたいのに、運営がどうしても朝倉未来を勝たせたくて再戦組まれてしまう自分が不甲斐ない。来年は圧倒的飛躍する。来年飛躍してRIZINを卒業します。UFC王者に俺はなる」と記し、不本意ながら再戦を受け入れたことを明かした。さらに未来のYoutubeの「絶対勝てる」といった発言にもXで噛みつき「2度とこんな口叩けないように、こんなクソ共の大人の思惑にすり潰されないように、初めてやる気持ちでボコボコして再起不能にします。RIZINも朝倉未来に甘すぎだろ。RIZINを俺がぶっ壊してやる」と怒りをあらわにしている。
フェザー級王者・クレベル・コイケ「蓮が持っているの(=LMS王座)は偽物のチャンピオンベルトです」
2024年から25年の年またぎでの鈴木千裕との死闘を制し、RIZINフェザー級王座を奪還したクレベル・コイケは試合後のインタビューで、平本と未来の再戦決定の感想を聞かれ「くだらない試合です。2人とも嫌いです。蓮が持っているの(=LMS王座)は偽物のチャンピオンベルトです。ここにあるのが本当のチャンピオンベルトです」と辛らつに述べつつ「ただ彼らもこの階級を盛り上げる重要な役目をしています」と一定の評価をし「RIZINのフェザー級は日本だけでなく海外からも強い選手がたくさん参戦して混とんとしています。今日印象が残ったのはYA-MANです。闘志があふれていて素晴らしかったです。武田光司もいい選手」とも話した。
大会の前半パートのラスト2試合では、同級のラジャブアリ・シェイドゥラエフ、カルシャガ・ダウトベックの中央アジア勢が存在感を示し、シェイドゥラエフは久保優太を圧倒してTKO勝ちし、ダウトベックはYA-MANとの打合いを途中から拒むように組み主体の試合に切り替え判定勝ちした。この日は1階級上のライト級でホベルト・サトシ・ソウザに挑戦し敗れた元フェザー級王者のヴガール・ケラモフは、5月のTHE MATCH 2でコイケの王座に挑戦したいとコイケに直接伝え、コイケも「約束というわけではないですが、彼とそのような話はしました」と認め「誰が相手でも試合をします。5月は良い準備期間で良いタイミングです」とコメントしており、平本×未来のアンダーカードでコイケの王座絡みの試合が組まれる可能性も高そうだ。なお、平本×未来2はRIZIN MMAルールで行われることが発表されており、LMS王座戦として行われるかは不明だ。
那須川天心「THE MATCH2 って名前だけは違う」
一方、56,399人(主催者発表)を集めた2022年6月19日の東京ドームでの「THE MATCH 2022」のメインイベントで武尊を下した那須川天心は、平本×未来2発表後のXで「THE MATCH2 って名前だけは違うと思います」と記した。天心にとって武尊戦は、武尊の名前を出した後、約7年経ってようやく実現した、RISEとK-1のトップ対決で、キックボクサーとしての引退試合であり、ボクシング転向を先延ばしにして受けた試合だった。両者の再戦自体にどうこうというより、同じ「THE MATCH」と銘打たれることに複雑な心境は隠せないようだ。