RIZIN 朝倉未来×平本蓮、ドーピング検査結果は両選手陰性。榊原信行CEO「平本選手は疑惑を起こしたことを反省してほしい」。今後は検査体制・罰則強化へ
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RIZINの榊原信行CEOは9月5日、RIZINのリングドクター3名と共に東京都内で記者会見を行い、超RIZIN.3 7月28日 さいたまスーパーアリーナ大会のメインイベント、LMS(Last Man Standing)タイトルマッチ・朝倉未来 vs. 平本蓮のドーピング検査結果について、両選手とも陰性だったと発表した。結果は会見前日の4日の朝、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)の検査を担当する米国のSMRTL(スポーツメディシンリサーチ&テイスティングラボラトリー)から届いたという。
榊原氏は今後のドーピング検査体制の強化を約束し「これまではどちらかといえば性善説の立場でしたが、罰則を厳しくします」と話した。平本に対しては「(薬品を)買ったのに飲まないって本当?ってのは思います」「『李下に冠を正さず』と言いますが、ドーピングに引っかかる恐れのある薬物を入手していた時点で(他競技の)ルールによってはアウトです。猛省して欲しいです」と警告した。朝倉に対しては「引退を懸けた一戦に泥を塗ったことは、最終的に主催者である私の責任です。僕らがドーピングに対する意識をもっと高めておくべきだったと思います」と謝罪した。
(諫山和男・RIZIN医療部長によるドーピング検査についての説明は別記事に掲載しています)
これまでの朝倉未来×平本蓮ドーピング騒動の経緯
8月21日のRIZINの記者会見で榊原CEOは「世間で平本選手の疑惑について色々SNSで取り沙汰されていますが、RIZINのタイトルマッチとグランプリの場合は全選手厳正なる(ドーピングの)審査を行っております。その結果が全てです。来週中には出てくるということです。平本選手も朝倉選手も尿を採取しアメリカの検査機関に送っています」等と話した。
28日には、平本の練習仲間の赤沢幸典がXの投稿で、20日にXの匿名アカウントが流した薬品の摂取と注射について話す電話の音声は、自身と平本の通話であることを認め、未来戦の前に平本から相談を受けドーピング方法を指南したと証言した。さらに翌29日にも、赤沢は薬品の代金を平本が振り込んだ証拠だとする画像をアップし波紋を呼んでいた。
9月2日、平本が弁護士2人と共に記者会見を開き、ドーピング疑惑を否定し「赤沢氏から購入したサプリは使用しませんでした」「赤沢氏から電話があり、信頼関係もあるので、むげにできないと思い、使用していると話を合わせていました」「アイルランドでの練習中に膝の怪我をして、帰国後にフィジカルトレーナーから注射を勧められて7月に打ちました」等と説明した。
9月5日の記者会見での榊原信行CEOの談話(要約)
ドーピング検査は朝倉選手、平本選手、両選手、陰性という結果が返ってきました。
今後、ドーピングのルールを抜本的に見直します。先生や有識者の方たちと話し合い、検査体制を厳しくします。抜き打ち検査や血液検査を今後取り入れたいと思います。日本の(格闘技の)各団体に声をかけ、全体的にレベルアップした基準を設けられればと思います。
ドーピングについて知識が備わっていない選手・関係者もいると思いますので講習会を行います。
これまで我々はどちらかといえば性善説の立場でしたが、罰則を厳しくします。これも先生方にどういう罰則が正しいか(相談します)。
いずれにせよ、世間を騒がせたことですので、罰金や規制を強化します。いろんな国内のプロスポーツの基準を学び、格闘技にフィードバックします。
「李下に冠を正さず(人に疑われるような紛らわしいことはするな、という意味のことわざ)」と言いますが、平本選手はドーピングに引っかかる恐れのある薬物を入手していた時点で(他競技の)ルールによってはアウトです。平本選手は猛省をして欲しいです。平本選手と話しましたが、誤解を招く行動を取ったことを反省しています。大晦日までに血液検査を受けてもらい、陰性と確認できたところで、大晦日の出場の相談をしたいです。平本選手の歯に衣着せぬ発言は魅力ですが、彼が起点で起きた疑惑です。疑惑を起こしたことを反省し、行動規範を変えるきっかけにしてもらえたらなと思います。
このような形で朝倉未来が引退を懸けて戦った一戦に泥を塗ったことは、最終的にRIZINの主催者である私の責任です。この場を借りて、朝倉未来にとって最後の試合がこのようになったことをお詫びしたいです。ドクター、スタッフ、記者の皆さん、ファンの皆さんにもお詫びしたいです。僕らがドーピングに対する意識をもっと高めておくべきだったと思います。
RIZIN 10年目で与えられた課題で、次の10年を目指すRIZINとしては、この問題に積極的に取り組み「あの問題がきっかけで変わったよね」と言ってもらえる機会にしたいです。
さっそく9月29日のRIZIN.48から、改善できるところは改善して取り組みます。
<以下、質疑応答>
(検査結果を聞いた未来の反応は?)未来は落ち着いていて、まあそうですか、という感じで、何か文句を言う感じではなかったです。
(疑わしい薬品を買ったり注射を打った平本のモラルについて)主催者なのでアレですけど、まあ、疑惑です。「(薬品を)買ったのに飲まないって本当?」ってのは人間ですから思います。朝倉信者や朝倉選手の関係者が「むっちゃ怪しいじゃん。絶対飲んでるよ」と思っても仕方ないです。でもこれ以上は水掛け論になりますし、僕らの現状の決めたルールで裁くしかないです。
(平本が購入したサプリの物的な確認は?)契約にないので、そんな権限は無いです。今後のルールで選手のドーピングポリシーの意識を強めたいです。
(赤沢や匿名アカウントへの開示請求等のアクションは?)赤沢選手のことは知っていましたが、面識がなく、会ったことも話したことも無いです。ただ、ふざけんな、とアクションを起こす気はないです。
(ドーピングの新基準導入の目途)大晦日が新しいポリシーで始まる大会にすることを目標に、施策を具体化したいです。
平本蓮はXにて改めて謝罪
榊原氏の会見後の同日夜、平本はXに投稿し「今回の騒動でご心配をおかけしたファンの皆様並びにご迷惑をおかけした関係者の皆様本当にお騒がせして申し訳ございませんでした 今後より一層プロアスリートとしての自覚を持って日々精進して参ります」と改めて反省を述べた。
RIZIN 諫山和男医療部長がドーピング検査について説明「WADAの検体の9割は尿。尿検査で十分がWADAの考え」「試合前の採血はリスクが非常に高い」「毛髪検査はWADAの検査項目に入っていない」