平本蓮、超RIZIN.3の朝倉未来戦でのドーピング疑惑を否定「赤沢幸典氏から受け取ったサプリは使用していない」「電話ではむげにできず使用していると話を合わせた」「膝を怪我してフィジカルトレーナーから勧められた注射を打った」

　超RIZIN.3 7月28日 さいたまスーパーアリーナ大会のメインイベント、LMS（Last Man Standing）タイトルマッチ・朝倉未来 vs. 平本蓮のドーピングを巡る騒動について、平本が9月2日、東京都内で記者会見し、「ドーピングに違反することはやっていません」等と話した。

　RIZINの榊原信行CEOは8月21日の東京での記者会見の冒頭、「世間で平本選手の疑惑について色々SNSで取り沙汰されていますが、RIZINのタイトルマッチとグランプリの場合は全選手厳正なる（ドーピングの）審査を行っております。その結果が全てです。来週中には出てくるということです。平本選手も朝倉選手も尿を採取しアメリカの検査機関に送っています」等と話した。
　28日には、平本の練習仲間の赤沢幸典がXの投稿で、20日にXの匿名アカウントが流した、薬品の摂取と注射について話す電話の音声は、自身と平本の通話であることを認め、未来戦の前に平本から相談を受け、ドーピング方法を指南したと証言した。さらに翌29日にも、赤沢は薬品の代金を平本が振り込んだ証拠だとする画像をアップし、波紋を呼んでいた。
　31日、榊原氏は「ドーピングの検査結果を踏まえて、来週後半までには記者会見を必ず実施します。時間がかかっていますが、今暫くお待ち下さい」とXに投稿した。
　この間、平本は沈黙を続けていたが、9月2日、のぞみ総合法律事務所の吉野弦太弁護士、成豪哲［ソン・ホチョル］弁護士と共に記者会見を行った。会見はRIZINではなく、平本と弟の丈と練習仲間の篠塚辰樹をマネジメントするVOICEの主催で行われた。

平本蓮「サプリは使用していない」「電話ではむげにできず使用していると話を合わせた」「膝を怪我してフィジカルトレーナーから勧められた注射を打った」

　平本は「ドーピングに関することはやっていないですし、自分からドーピングについてお願いした事実はありません」と冒頭に明言し、「5月にフィジカルトレーナーとジムでトレーニングしている際、赤沢氏から『ドーピング検査が大丈夫なサプリがある』と言われ、赤沢氏を信頼していたので購入しました。6月に受け取って自宅に置いていたのですが、所属事務所の人間に『今は風邪薬でもドーピングに引っかかるから使用しないほうがいい』と言われたので、そのままにして使いませんでした。録音を聞いた方もいると思いますが、赤沢氏から連絡があり、信頼関係もあるので、むげにできないと思い、使用していると話を合わせていました。注射に関してですが、アイルランドでの練習中に膝の怪我をして、帰国後にフィジカルトレーナーから注射を勧められて7月に打ちました。試合後、赤沢さんからいきなり電話でステロイドの錠剤の名前の話があり、なんかモヤッとするなと思ったら、SNSに音声が公開されて、正直信じられませんでした。（平本をおとしめないといけない）なにか特別な事情が赤沢さんにあるんじゃないかと心配しています。この肉体はフィジカルトレーナーのもとで死ぬ気でトレーニングして作りました。尊敬する朝倉未来選手を相手に、自分からそんな馬鹿なことは一切するわけがありません。検査結果はまだですが、シロだと信じています。今はRIZINの結果を待ちたいです」等と説明した。

平本「怪しい点があればRIZINの指示に従います」

　その後の質疑応答で、赤沢から詳細を聞かずにサプリメントを購入したのかと聞かれ「トレーニングの効率を上げるとしか聞いていませんでした」と平本は答えた。赤沢が公開した銀行振り込みの画像も平本は本物だと認め、自分の名前で振り込んだことについて聞かれると「やましいことは何もないですし、赤沢さんを信頼していたので、自分の名前で振り込みました」と説明した。
　膝の怪我の注射について平本は「フィジカルトレーナーを信頼して打ちました。アスリートとして、自分で調べる必要があったんじゃないかとは思います」と話し、仮にRIZINの検査がクロだった場合、赤沢氏から購入したサプリメントではなく、注射が原因となる恐れを示唆した。
　赤沢や匿名アカウントとの法廷闘争にについて、平本は「弁護士の先生に相談します。回答は差し控えたいです」とだけ話し、今のところ消極的な様子だった。弁護士と相談した理由について平本は「赤沢さんの背後に大人がついていると思い、一人で対処できないと思い、相談させていただきました」と説明した。
　RIZINの検査結果が仮にシロだったとしても、追加検査を求められれば受けるかという質問に、平本は「怪しい点があればRIZINの指示に従います」と答え、未来との再戦については「いつでも何回でもやります」と話した。

　会見は18時から約70分に渡って行われ、約50人の記者やカメラマンが来場した。日頃RIZINの試合を報じているメディアだけでなく、朝日新聞、AERA dot.、FRIDAY、KAI-YOUといった一般メディアの記者も参加していた。メディアによる動画撮影・中継は禁止で、録画はスタッフのみが行った。