巌流島バーチャルファイト 5.3 YouTube配信(レポ):ぱんちゃん璃奈、アルゼンチン人選手に判定負けし18戦目でプロ初黒星。木村“フィリップ”ミノル、ボクシングマッチで63秒KO勝ち
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巌流島バーチャルファイト
2024年5月3日(金) 巌流島YouTubeチャンネルで配信(東京・日活調布撮影所 Virtual Line Studiosにて4月末に収録)
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)巌流島
元K-1イベントプロデューサーの谷川貞治氏がプロデュースする「巌流島(がんりゅうじま)」が、22年12月の「INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国」以来、1年半ぶりに開催された。
巌流島は寝技制限あり・場外転落失格ありの変則MMAルール大会。選手は袖の無い道着を着用して帯を締め、入場ゲートに鳥居があり、ラウンドガールは巫女姿だったりと、伝統的な日本をイメージさせる演出も特徴だ。
今回は組まれたのはワンマッチ4試合。従来の巌流島ルールは1試合のみで、他はキックルール2試合、ボクシングルール1試合。試合場は従来の巌流島のような円形ではなく正方形。ロープが無いのはこれまでの巌流島と同じだ。
これまでの巌流島との最大の違いは無観客・マスコミ非公開のスタジオマッチという点。グリーンの背景の中で試合が収録され、巌流島Youtubeチャンネルでの映像公開時には、これまでの和風とは異なるオリエンタルな雰囲気の寺院や遺跡を思わせるCG映像が背景に入り、格闘ゲームのような世界となる。番組はインタビューを挿入して約1時間にまとめられ、ぱんちゃん璃奈、木村“フィリップ”ミノルという、スキャンダラスな人選ということもあり、5月3日の公開から1日で10万再生を突破している。
谷川氏は近年KNOCK OUTに深く関わり、大会中継の解説者も務めており、日本勢は前回の両国での巌流島同様、KNOCK OUTを主戦場としたり最近参戦した選手が主体となった。スクリーンに大きく写されたスポンサーロゴもKNOCK OUTと同じで、ボクシンググローブはKNOCK OUTのものを使用している。レフェリーは谷川K-1時代の競技統括プロデューサーだった角田信朗氏が務める。
ぱんちゃん璃奈、アルゼンチン人選手に判定負けし18戦目でプロ初黒星
第2試合 キックボクシング(肘無し・つかんでからの攻撃は1回) 女子49.5kg契約 3分3R(延長1R)
×ぱんちゃん璃奈(フリー/元KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級(47.5kg)&アトム級(46kg)王者)
○ルシア・アプデルガリム(アルゼンチン)
判定0-2 (29-29/29-30/29-30)
ぱんちゃんは3月20日のK-1で平岡琴に判定勝ちして以来の試合。前回はRISEの46kgのランカーの平岡と47.5kg契約で戦ったが、今回は49.5kgで、普段スーパーフライ級(52.16kg)近辺で試合をしているアルゼンチンの選手が相手となり、パワー差に手を焼くことに。
試合場で向き合った両者を見ても、明らかにアプデルガリムが1~2階級大きい印象だ。1R、アプデルガリムがプレッシャーをかけ、ボディ狙いの膝やパンチ、左ジャブをヒットする。ぱんちゃんは攻撃が少ない状態が続いたが、中盤、アプデルガリムがパンチの連打を放ってきたタイミングで、左右のストレートを立て続けに当て、少しアプデルガリムをひるませて好印象を作る。だがすぐアプデルガリムは持ち直し、終盤はどちらもパンチをほぼ互角に当て合う状態に戻る。記者採点はイーブン。なお、インターバル中のセコンドが選手に支持やマッサージをしているシーンは非公開で、1分の時間中に、選手の試合後のインタビュー映像が挿入されていた。
2R、アプデルガリムが積極性を強め、少しずつパンチを当てていると、ぱんちゃんは鼻血を出すようになり、ドクターチェックが入る。その最中、ぱんちゃんのセコンドの良太郎のインタビュー映像が挟みこまれ、ドクターチェックの様子は映像では残念ながら非公開だった。ドクターの診断・施術の様子、チェックの長さはどれぐらいだったか不明だ。すると再開後、アプデルガリムの右ストレートがクリーンヒットし、ぱんちゃんは少しひるんでしまう。終盤に入っても度々アプデルガリムの左右のパンチがぱんちゃんの顔面を捉え、ぱんちゃんは攻撃が返せない。記者採点はアプデルガリム。
3R、ぱんちゃんは前蹴り、ジャブを当てるようになり、少し持ち直す。中盤、ぱんちゃんが首相撲でアプデルガリムを捕まえ、膝蹴りを5発ほど当て続けたが、なぜか角田レフェリーはブレイクしない。ぱんちゃんは距離を取り続け、蹴りを当て続け、アプデルガリムは入れなくなるが、終盤、ワンツーでの右ストレートをクリーンヒットし、ぱんちゃんを少しひるませる。最後の打合いでぱんちゃんも右フックを返すが、アプデルガリムも左右のパンチを返し、挽回を許さず終える。記者採点はイーブン。合計29-30でアプデルガリム。ジャッジの名前は非公開で、1者が29-29でイーブンとしたが、2者は記者と同じ採点で、アプデルガリムが判定勝ちした。ぱんちゃんはプロデビュー以来の連勝が17でストップすると、拍手して潔く負けを受け入れた。
試合映像の後のインタビューで、ぱんちゃんは右目を腫らした状態で涙を流しながら「アマチュア入れて7年ぶりに負けたんですよ。もちろん悔しいんですけど、前回の試合(=平岡戦)より出し切れたと思うんで、最後まで戦えたってことは、自分頑張れたなって思います」と、前向きにコメントしていた。
木村“フィリップ”ミノル、ボクシングマッチで63秒KO勝ち
第4試合 ボクシングルール 無差別級 3分3R
○木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/Battle Box/元K-1スーパー・ウェルター級(70kg)王者、元Krushウェルター級(67.5kg)王者)
×アマドゥ・ディア(セネガル)
1R 1’03” KO (左フック)
木村は22年12月末の「INOKI BOM-BA-YE×巌流島」で矢地祐介を相手にK-1離脱後初戦を行い、昨年3月のKNOCK OUTではクンタップ・チャロンチャイと対戦し、6月のRIZIN札幌大会ではロクク・ダリと対戦した。だがダリ戦の際にRIZINが実施したドーピング検査で陽性と判明し、9月に無効試合に裁定が変わり、禁止薬物使用中だったと木村が明かした矢地戦、クンタップ戦も、各プロモーターが無効試合に裁定を変更した。今年3月23日のRIZIN神戸大会の5日前、RIZINの榊原信行CEOが記者会見を行い、木村のドーピング再検査が陰性だったと報告し、ブアカーオとの一戦を発表。試合ではブアカーオが2R右ストレートでKO勝ちしている。試合時のドーピング検査の結果待ちであり、KO負けから1か月と少ししか経過しない状況だが、谷川氏が早くも試合を組んだ
今回はボクシング形式のルールの試合で、相手のディアは木村より20kg重い95kg。セネガル相撲の選手とのことだが、動きを見る限り、ボクシングかキックボクシングかMMAの打撃系格闘技の経験はある様子だった。試合は短時間決着に。1R、サウスポーのディアが右ジャブを振りつつ、左右のフックを振り回して詰めて来たが、木村が下がりながら左フックをディアの耳の後ろあたりに当てると、ディアは前のめりでダウンする。ディアは立ち上がったがダメージが大きく、前に出た木村が右と左のフックを連打し、再びダウンを奪い、角田レフェリーが7カウントまで数えたところで、試合をストップした。
第3試合 巌流島ルール 3分3R
○渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)
×ミケーレ・ベルギネリ(イタリア)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第1試合 キックボクシング(オープンフィンガーグローブ着用) 無差別級 3分3R(延長1R)
○江畑秀範(フリー)
×クリスティアン・エスクリグ(スペイン)
2R 2’10” TKO (ドクターストップ:右ストレートによる右まぶたのカット)