INOKI BOM-BA-YE×巌流島 12.28 両国国技館(レポ):アントニオ猪木氏追悼大会、木村“フィリップ”ミノル、矢地祐介を66秒左フック葬「大晦日も空けている」。イゴール・タナベ、ロバトJr.、宇佐美秀メイソン、龍聖ら快勝
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INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国
2022年12月28日(水) 両国国技館
レポート&写真:井原芳徳
10月1日に死去した元プロレスラー、アントニオ猪木氏を追悼する大会「INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国」が開催された。元K-1プロデューサーの谷川貞治氏がプロデューサーを務め、猪木氏のマネジメント会社だった「猪木元気工場(IGF)」が協力する。谷川氏は近年、寝技制限あり・場外転落失格ありの変則MMAルール大会「巌流島」をプロデュースし、RIZINにシビサイ頌真、関根“シュレック”秀樹らを派遣している。
11月1日の開催発表時、谷川氏は大会コンセプトについて「これから活躍しそうな若い選手を選んで、令和猪木軍を作りたい。格闘技で猪木さんの魂を見せられるような試合を実現したい」と発言。猪木氏の弟子・小川直也を令和猪木軍の「総監督」に据え「令和猪木軍 vs. 世界格闘技軍9対9」と銘打った9試合を組み、イゴール・タナベ vs. メルヴィン・マヌーフ、木村“フィリップ”ミノル vs. 矢地祐介などが並んだ。RIZINは矢地を今大会に派遣し、榊原信行RIZIN CEOは大会の「スーパーバイザー」に就任している。
この対抗戦とは別枠で、メインイベントとして、柴田勝頼とトム・ローラーによる新日本プロレス提供のプロレスが行われた。終了後には猪木氏の追悼セレモニーも行われ、最後は猪木氏の弟子・藤原喜明の音頭で「1、2、3、ダー」の掛け声が行われ、大会は幕を閉じた。谷川氏による次回大会は来年春となる模様だ。
イゴール・タナベ、マヌーフから足関で一本
第9試合 令和猪木軍 vs. 世界格闘技軍9対9 大将戦 MMA 92kg契約(ライトヘビー級相当) 5分3R
○イゴール・タナベ(ブラジル)
×メルヴィン・マヌーフ(オランダ)
1R 1’58” ヒールフック
※肘無し、サッカーボールキック禁止
かつて日本のDREAM等でも活躍した46歳・マヌーフは、9月のベラトールで引退したが、谷川氏が声をかけたところ、日本でも引退試合がしたいという意向を示し、今回出場が決まった。ブラジリアン柔術の強豪・タナベは昨年10月のHEATで1試合だけMMAを経験し1R三角絞めで勝利し、今回が2戦目となる。
1R、マヌーフが打撃のプレッシャーをかけるが、タナベは被弾せず距離を保ち、足元へタックルを仕掛ける。マヌーフは切ったものの、すぐにタナベは後方に倒れて寝転んで、グラウンドに引き込むことに成功する。マヌーフはスペースを作ってパウンドを落とそうとするが、タナベはマヌーフの腕をつかみつつ足を登らせ、腕十字を仕掛ける。マヌーフは間一髪で防御したものの、すぐに足を取り、足関節技に移行する。するとヒールフックがガッチリと極まり、マヌーフはタップした。
勝ったタナベは「毎日死ぬのが怖かったです。死んだらどうしようとずっと思っていましたが、練習仲間のおかげで勝てました。一番隣にいた奥さんのおかげです。来年も格闘技を盛り上げます」とアピールした。
木村“フィリップ”ミノル、矢地祐介を66秒左フック葬「大晦日も空けている」
第8試合 令和猪木軍 vs. 世界格闘技軍9対9 副将戦 MIXルール 71kg契約 1R3分(キック)+2R5分(MMA)
○木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/フリー/元K-1スーパー・ウェルター級(70kg)王者、元Krushウェルター級(67.5kg)王者)
×矢地祐介(フリー/元修斗環太平洋&PXCフェザー級(65.8kg)王者)
1R 1’06” TKO (レフェリーストップ:左フック)
※キックルールは肘無し・つかんでからの攻撃は1回。MMAルールは肘有り・サッカーボールキックあり。2Rが終わって決着がつかない場合はドロー
(9月6日追記) 木村がこの試合前に禁止薬物を使用していたことを明らかにし、無効試合に裁定が変更となっている。(※詳細はこちらの記事参照)
矢地は昨年大晦日のRIZINでホベルト・サトシ・ソウザの持つライト級王座に挑戦し2R一本負け。今年4月はルイス・グスタボに2R TKO負けしたが、10月の福岡大会ではボイド・アレンをグラウンドで押さえ続け判定勝ち。今年末は大晦日恒例のさいたまスーパーアリーナ大会ではなく、猪木氏追悼大会に送り込まれた。
木村は猪木氏が少年時代を過ごしたブラジルと日本のハーフ。昨年12月のK-1大阪大会での和島大海戦でK-1スーパー・ウェルター級王座から陥落した試合を最後にK-1を離れ、今年2月にはボクシング転向を表明していた。K-1との契約が11月21日で切れ、4日後の会見で今大会参戦が発表されると「格闘技でやり残したこともたくさんあるので出場を決めました」とコメントした。16年9月のRIZINでMMAに1度だけ挑戦し、チャールズ・“クレイジー・ホース”・ベネットにわずか7秒でKO負けした過去もあり、公開練習では今回の一戦を「カルマの解消」と位置付けていた。
試合はMMAのラウンドに行くことなく、キックルールの1Rで決着がつくことに。開始すぐから木村が前に出て矢地をコーナーに詰め、サウスポーの矢地に対し、左右のパンチを当てる。矢地はクリンチしたり、コーナーから離れてステップで逃れる場面もあるが、もらい続けているとダメージが溜まり、背中を向けて逃れるように。
すると中盤に入り、木村が矢地をコーナーに下がらせると、パンチを振り回す矢地に対し、右ボディを軽く当ててから、左フックをクリーンヒット。アゴにもらった矢地はダウンする。矢地はコーナーを背にして座ってグッタリとしており、梅木レフェリーがすぐストップ。木村のKO勝ちとなった。
完勝の木村は「俺の試合は間違いないですね。一応なんですけど大晦日も空けているんで何かあったら呼んでください」とアピール。大晦日のRIZINでは同じK-1出身の平本蓮がボクシングに準じたルールの試合を予定し、相手はXで未発表となっていることから、木村は7年前にKOした平本との再戦にも前向きな姿勢を示した形だ。
ラファエル・ロバト・ジュニア、MMA復帰戦で岩﨑大河に一本勝ち
第7試合 令和猪木軍 vs. 世界格闘技軍9対9 七鋒戦 MMA 88.5kg契約 5分3R
×岩﨑大河(大道塾/パラエストラ東京)
○ラファエル・ロバト・ジュニア[Rafael Lovato Jr.](米国/元ベラトール・ミドル級王者)
1R 2’10” アームロック
ロバトは39歳。ブラジリアン柔術でブラジル人以外初となるブラジル選手権優勝、米国人ではB.J.ペン以来2人目となる世界選手権優勝といった実績を残し、14年のMMAデビュー後は10戦全勝の快進撃を続け、17年からベラトールに上がると、19年にゲガール・ムサシに判定勝ちしミドル級王者となった。20年に脳海綿状血管腫を発症し、米国各地のアスレチックコミッションからMMAの試合を禁止されたことから王座を返上し、グラップリングの大会で活躍していた。MMAの試合を希望し、規制の無い日本で復帰する。
岩﨑は25歳。着衣総合武道の空道(くうどう)の全日本大会で度々優勝し、今年も11月13日に仙台で行われたアジア選手権で優勝し大会の最優秀勝利者賞(MVP)も獲得。20年からMMAにも進出し、現在は修斗を主戦場にして8戦全勝中で、将来の世界進出の期待される選手の一人だったが、いきなり大物のロバトと戦うチャンスが巡ってきた。試合決定時に岩﨑は「自分の目標はUFC王者になること。初期UFCで(大道塾の)市原海樹先輩が、そして加藤久輝先輩がベラトールでメルヴィン・マヌーフにKO負けしている。その忘れ物を取りにいく」との談話を発表していた。
試合はロバトが打撃をもらわず組み技だけで圧勝する形に。1R、ロバトが左の二段式の前蹴りを放ち、空振りながらも岩﨑をコーナーまで下がらせると、すぐにタックルを仕掛けてテイクダウンを奪う。岩﨑は防御し、立つものの、すぐにロバトは倒す。岩﨑が立っても倒す展開を繰り返すと、中盤、ハーフで押さえながらアームロックを仕掛ける。そのままパスガードに成功し、上四方に回って身動きを取れなくしてからアームロックをよりしっかり極め、最後はタップを奪った。
マイクを持ったロバトは「二人の赤ちゃんと日本に来られてうれしいです。二度と戦えないと言われましたが戻ってきました。大河選手ありがとう。この日のことは一生忘れません」と喜びを語った。
宇佐美秀メイソン、キックルールでクラウスを圧倒し判定勝ち
第6試合 令和猪木軍 vs. 世界格闘技軍9対9 六鋒戦 キックボクシング 72.5kg契約(ミドル級相当) 3分3R
○宇佐美秀メイソン(Battle Box)
×アルバート・クラウス(オランダ)
判定3-0 (島田30-27/山崎30-27/梅木30-28)
※肘無し・つかんでからの攻撃は1回
谷川氏プロデュース時代のK-1で魔裟斗のライバルとして活躍したクラウスは現在42歳。2年前に引退したが谷川氏からのオファーを受け復帰した。
メイソンは21歳。日本人の父親とカナダ人の母親を持つハーフで、子供の頃から兄のパトリックと共に空手を習い、新極真会、正道会館、新空手等のジュニアの全国大会で優勝。キックの大会でも優勝し、兄同様ボクシングにも挑むと、西日本U15大会で準優勝した。その後ドロップアウトし、カナダの刑務所に約2年入った過去もあるが、更生のため格闘技を再開。兄と共にLDHのオーディションに参加し、今年4月のLDH主催POUND STORM両国大会でプロMMAデビューし、KRAZY BEEのスソンに判定負けした。キックのプロの試合は今回が初だ。
試合はクラウスはさすがに衰えを隠せなかったものの、メイソンがセンスの良さを印象付ける内容に。1R、メイソンが開始すぐからパンチを連打。クラウスはブロックして耐え、パンチを返すが、メイソンはサウスポーからの左ハイ、テンカオ、ボディフックを絡めクラウスを削ると、終盤には左ストレートでのけぞらせ好印象を作る。記者採点はメイソン。
2R、メイソンは少し疲れて来たものの、随所で左アッパー、ストレート、膝を強打し、クラウスを苦しめる。クラウスもパンチを返すが、メイソンの勢いを止めるほどにはならない。クラウスは右まぶたの出血でドクターチェックを受ける。記者採点はメイソン。
3Rも序盤にクラウスはドクターチェックを受ける。クラウスは前に出てパンチを当てるが、メイソンはブロックして耐え、自分のミドル、前蹴り、アッパー、フック等を的確に当てて優勢を維持して終える。記者採点はメイソン。合計30-27でメイソン。ジャッジ3者もメイソンを支持し、メイソンが判定勝ちした。完勝のメイソンは「お兄ちゃんが年末に試合を控えているんで、そっちの応援もよろしくお願いします」とアピールした。
巌流島ルールでジョシュ・バーネット、シュレックら快勝
第5試合 令和猪木軍 vs. 世界格闘技軍9対9 中堅戦 巌流島ルール 無差別級 3分3R
×シビサイ頌真(パラエストラ東京/巌流島)
○ジョシュ・バーネット(米国/パンクラス無差別級王者)
1R 2’20” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
巌流島ルールは一般的なMMA同様オープンフィンガーグローブを着用。道着・帯を着用しても良い。グラウンドは15秒以内で、関節技・絞め技は立った状態のみ可能。試合場の周りにロープやケージは無く、相手を1Rに3回落とせば「合わせ一本」となる。一緒に落ちた場合は転落と認められないが、攻撃性が伴えば「有効」と認めらる場合もあり、2度の有効で転落1回と同等となる。時間切れの場合は試合内容全体で判定し、ラウンドごとに採点しない。なお、試合によっては特別ルールも設定される。
45歳のバーネットは16年9月のUFCでアンドレイ・アルロフスキーに一本勝ちして以降、MMAの試合は行っておらず、QUINTET等のグラップリング大会に出場していた。ルールはバーネットの希望で巌流島ルールとなる。シビサイは巌流島を主戦場にした頃からRIZINに上がり、昨年大晦日には関根“シュレック”秀樹に敗れたが、以降はリハーズ・ビギス、カルリ・ギブレインに1Rで勝利している。
1R、開始すぐからバーネットが右フックをクリーンヒットし、シビサイを後退させる。シビサイは組み付き、右膝を連打するが、当たりは浅く、逆にバーネットがボディへの左膝蹴りを一発強打して当て返すと、シビサイはあっけなく腰から崩れてうずくまり、バーネットが押さえつけながら鉄槌を連打し、島田レフェリーがストップした。
バーネットはマイクを持つと「猪木さんの魂は不滅です」と英語でアピールし、「猪木さんありがとうございます」「誰でもかかってこい。お前はもう死んでいる」と日本語で叫び、観客を喜ばせた。なお、この試合の後、30分の休憩に入り、試合場がロープの無い巌流島用の闘技場から、正方形のリングに作り変えられた。
第4試合 令和猪木軍 vs. 世界格闘技軍9対9 四鋒戦 巌流島ルール 無差別級 3分3R
○関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア)
×ヤン・ソウクップ(チェコ)
3R 1’04” 一本 (転落3回)
※グラウンドは30秒
関根はONEを主戦場としていた時代、巌流島にも参戦していた。ここ1年はRIZIN参戦で知名度を上げ、シビサイ頌真、貴賢神に連勝したが、7月にはスダリオ剛に1R KO負けしている。ソウクップは07年の極真会館(松井章奎館長)全世界空手道選手権大会準優勝の43歳。09~11年には谷川体制のK-1や、RISEにも上がっていた。
1R、ソウクップがロー、ミドルを当て、関根はタックル等で倒し、アキレス腱固め等の足関節技を狙う展開が繰り返される。
2R、ソウクップがローを当て続けるが、関根は押し出して一緒に落ち、有効を得る。だが関根は再びタックルで場外を狙うと、ソウクップは巴投げのような形で逆に関根を先に落とすことに成功し、有効を得る。
3R、今度は関根がソウクップを場外に落とし、自分は場内に戻る形を繰り返し、2度の転落を奪うことに成功。次はソウクップに落とされ、蹴りを浴びたものの、関根は耐えると、最後も転落を成功させ、3度の転落に成功し一本勝ち。ルールの特徴を存分に見せて勝利した。
関根は「俺の人生はアントニオ猪木によって作られました。子供の頃、プロレスラーに憧れ、猪木さんの『一歩踏み出せば道となる』の言葉に後押しされ静岡県警を辞めました。コロナとか大変なことがあるけど、『元気があればなんでもできる』で一緒に頑張りましょう」とマイクアピールし、観客が拍手を送った。
第3試合 令和猪木軍 vs. 世界格闘技軍9対9 三鋒戦 巌流島特別ルール 84kg契約(ミドル級相当) 5分3R
○マーカス・レロ・アウレリオ(ブラジル)
×江畑秀範(フリー)
1R 0’25” 一本 (転落時のダメージ)
※場外転落3回の合わせ一本は無しで、判定にのみ影響する
イギリス在住の元UFC選手・ガロア・ボファンドがビザの問題で来日できず、カポエィラ使いのアウレリオの相手はテコンドーの強豪・江畑に変更となった。江畑は20年11月のRIZINでプロ格闘家デビューし、キックルールで佐野勇海にダウンを奪われ判定負けして以来のプロでの試合となる。
1R、両者サウスポーで構え、アウレリオが前に出ると、江畑は左の飛び膝で迎撃する。MMA経験もあるアウレリオはそのままタックルを仕掛け、大会後半戦用に既に設置されているコーナーポストに江畑を押し込み、股の下から抱え上げると、そのまま高く飛んで場外に頭の方から落とす。江畑は受け身は取っていたものの、ダメージを負って動けず、アウレリオの一本勝ちとなった。場外にはマットが敷かれていて、江畑に怪我は無かったが、より安全面に配慮し、今後はルールや設備が改善されることを期待したい。
第2試合 令和猪木軍 vs. 世界格闘技軍9対9 次鋒戦 巌流島ルール 無差別級 3分3R
○貴賢神(フリー/猪木・相撲軍団)
×ジミー・アンブリッツ(米国)
1R 0’44” 一本 (転落3回)
2001年大晦日のINOKI BOM-BA-YEのメインイベンターとして名を上げた元プロレスラー・元力士の安田忠夫氏の推薦で、相撲界の後輩・貴賢神が参戦した。貴賢神は今年4月のRIZINでMMAデビューして以降、11月の試合と合わせて2連敗中だ。対戦相手は「ミスターX」とされ、登場まで明らかにされなかったが、かつてHERO’S、DREAM、巌流島に上がっていた元KOTC世界スーパーヘビー級王者の45歳・ジミー・アンブリッツが務めた。
試合は貴賢神が相撲のバックボーンを活かし、開始すぐから3度アンブリッツを場外に押し出し、わずか44秒で終わらせた。
龍聖、ダウサコンを左ボディで秒殺KO
第1試合 令和猪木軍 vs. 世界格闘技軍9対9 先鋒戦 巌流島特別ルール 58kg契約 3分3R
○龍聖(NOPPADET GYM/KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者)
×ダウサコン・BANG BANG GYM(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元ラジャダムナン認定スーパーフライ級3位&元WPMF世界スーパーバンタム級王者)
1R 0’32” KO (左ボディフック)
※場外転落3回の合わせ一本は無しで、判定にのみ影響する
龍聖はポスト天心世代で期待されるキックプロ13戦全勝の21歳。7月にRIZINに初参戦し魁志に3R TKO勝ち。9月のKNOCK OUTでは小笠原裕典をわずか66秒でKOし、11月19日のKNOCK OUTでも韓国のグ・テウォンを圧倒し2R左ハイでKO勝ちしていた。この試合の中継の解説を谷川氏が務めていた。
ダウサコンは32歳。ゲーオ、ゴンナパーらと同じウィラサクレック軍団の一人。タイのラジャダムナンスタジアムで活躍後、日本を主戦場とし、通常の肘有りのキックルールで18年に小笠原瑛作にKO負け、20年に馬渡亮太と引き分け、栗秋祥梧に判定勝ち。昨年3月のK-1では玖村将史に2R KO負けした。今年5月のHEATでは普段より大幅に重い61kg契約で皇治と対戦し、延長判定勝ちしたものの、ルールに無い延長ラウンドを実施していたことが明らかになり、皇治の本戦判定勝ちに結果が覆っていた。今回は適性体重での試合となるが、龍聖がレベル差をまざまざと見せつけることに。
龍聖は昭和の名選手・ベニー・ユキーデを意識したか?レトロなパンタロンスタイルで登場。1R、開始すぐから龍聖が左右のローをダウサコンの前足に連打し、左ミドルも散らすと、左ボディもヒット。さらに右ボディを当ててダウサコンの動きを止め、左ボディも当てるとダウサコンが倒れる。ダウサコンは顔をしかめたまま動けず、龍聖のKO勝ちとなった。
マイクを持った龍聖は「世代でもない僕がアントニオ猪木さんの追悼大会に出ることを受け入れてくれたファンの皆さんありがとうございます。小学生の頃から猪木さんの異種格闘技を見て育ちました。出場できて光栄です。闘魂を継承できるよう頑張ります。僕の本職も見に来てください」とアピールした。
オープニングファイト 巌流島ルール(グラウンド時間無制限) 75kg契約 3分3R
×奥田啓介(フリー/巌流島第1回全日本武術選手権2018優勝)
○中谷優我(フリー)
2R 1’03” 肩固め
中谷は19歳。5歳の時からパラオ共和国にある「猪木島」に猪木氏と共に行くなど家族ぐるみで交流があり、その頃から始めた柔道は3段で、高校卒業後は宮田和幸代表のBRAVEに入門。GRACHANのアマ大会等でMMAの試合経験を積んでいた。今回がプロ格闘家デビュー戦。セコンドには青木真也がつく。奥田は巌流島でも活躍してきたプロレスラーで、最近はRIZINに上がっているが、鈴木博昭、久保優太相手に連敗が続いている。
試合は体格で勝る中谷が圧倒する内容に。1Rからテイクダウンを繰り返し、終盤にはマウントパンチで追い詰める。2Rもテイクダウンを奪うと、肩固めを極めて勝利した。