RISE 7.26 後楽園ホール(レポ):宮﨑小雪、元ボクシング王者サムサンを2R KO。麻火佑太郎、フランクちゃんをKOし9.8 横浜BUNTAIでのチャド・コリンズorイ・ソンヒョン戦希望
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RISE 180
2024年7月26日(金)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
宮﨑小雪、元ボクシング王者サムサンを2R KO
第11試合 メインイベント 女子アトム級(46kg) 3分3R(延長1R)
○宮﨑小雪(TRY HARD GYM/RISE QUEENアトム級王者)
×サムサン・C2Mムエタイアンドフィットネス[Samsan][シリポン・タヴィースック/Siriporn Taweesuk](タイ/C2Mムエタイ/プロボクシング元WBC女子世界ライトフライ級(49kg)王者、元WIBA世界ミニマム級(47.63kg)王者)
2R 2’17” KO (左ハイキック)
宮﨑姉妹の妹・小雪は16戦14勝(2KO)1敗1分、12連勝中の21歳。22年12月にシュートボクシング王者のMISAKIに判定勝ちすると、昨年は韓国とタイの選手相手に3連勝。3月のK-1ではK-1王者の菅原美優に延長戦の末に判定勝ちし、RISEのリングに凱旋した。
サムサンは41歳のプロボクサーでボクシング戦績49戦43勝(25KO)6敗。刑務所の服役中の07年にタイ人女子初のWBC世界王者となり、刑期が短縮され釈放された過去がある。多くの日本人選手と王座を争い、6月10日には4年ぶりに復帰し、バンコクで天海ツナミとWBCシルバー女子ミニマム級王座決定戦を行ったが判定負けしたばかりだ。6月25日のカード発表記者会見でサムサンはムエタイの経験について「3試合です」と話し、肘無し・首相撲制限ありのルールは「初めてです」とコメントしていた。
試合は一方的な展開に。1R、サウスポーの小雪に対し、サムサンが右ストレートを振るいつつ、右ミドルを連打して先手を取ろうとするが、動きはぎごちなく短時間で終わり、その後は小雪が左ローを当て続けてペースを握る。サムサンは重心が低いボクサーの構えのままで、ローをカットできず、終盤には足元がふらつくように。小雪は左ミドル、ハイも絡めて圧倒し、終了間際にはサムサンの右の蹴りをすくってから右フックでダウンを奪う。試合後のサムサンのインタビューによると、サムサンは1Rの最初の右ストレートを連打したところで脱臼し、パンチを打てなかったという。
2Rも小雪が左ミドルを当て続け、サムサンを圧倒する。小雪はなかなか倒せなかったが、終盤、サムサンをコーナーに詰めると、左ロー、左ストレート、左ハイを立て続けにヒットする。サムサンは倒れなかったが、秋谷レフェリーはサムサンの脱臼を察知していたか?ここで試合を止め、小雪の勝利となった。公式記録はKO扱いとなっている。
マイクを持った小雪は、改めてRISEの女子アトム級世界王座設立を希望した。バックステージで小雪は「相手が未知数で、一発が来るんじゃないかと警戒して、硬くなってしまいました」と試合を振り返り、世界王座設立に向けて「もっと強い相手と戦っていきたいです。オーストラリアや台湾にも強くて上手い選手がいると思うので、そういう相手とも試合を組んでもらいたいです」と話した。
麻火佑太郎、フランクちゃんをKOしチャド・コリンズorイ・ソンヒョンとの試合を希望
第10試合 セミファイナル スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○麻火佑太郎(PHOENIX/4位)
×フランクちゃん(タイ/TRY HARD GYM/ラジャダムナン認定ボクシング・スーパーフェザー級&ライト級王者)
2R 0’27” KO (右フック)
麻火は23戦15勝(2KO)8敗の24歳。長野出身でテコンドーをベースとし、KNOCK OUTで古村匡平、大谷翔司、RISEで木村“ケルベロス”颯太に敗れたが、22年12月以降、RISEで北井智大、マサ佐藤、KENTA、野村太一に勝利。4月にONEフライデーファイツに初参戦すると、ONE 8連勝中だった元ラジャダムナン王者のセクサンからダウンを奪って判定勝ちし評価を高めた。現在5連勝中で、今回は元RISEライト級王者・直樹の復帰戦を務める予定だったが、直樹の欠場により相手がフランクに変わった。
フランクは25歳。TRY HARD GYMのトレーナーで、ムエタイで100戦以上のキャリアがあるほか、プロボクシングでラジャダムナンの王者になる。昨年12月のRISE後楽園大会で日本デビューし、ミドル級上位陣の憂也に判定負け。5月の後楽園大会にはスーパーライト級に落として出場予定だったが、対戦相手のチャッピー吉沼が試合前々日に病院に搬送され欠場し、フランクは前日計量をクリアし不戦勝となっていた。今回は大会2週間前決定の代打で、スーパーライト級で出場する。
RISEでは12月21日の幕張メッセ大会で、GLORYとの共同でスーパーライト級の世界トーナメント開催を予定している。9月8日の横浜BUNTAI大会ではその予選にあたる試合を予定している。査定試合の査定試合といえる一戦で、麻火がしっかりKO勝ちすることに。
1R、麻火はサウスポーで構えて距離を取り、右ジャブ、前蹴りを細かく出し続けつつ、左ミドルを時折当てる。フランクは前に出続け、右フックを振るう。ヒットは少ないが圧力は落ちず、終盤には右のミドルとローを強打して、やや優位で終える。
だが2R、試合は一気に動く。変わらず詰めてくるフランクに対し、麻火はかわしつつ首相撲で捕まえると、左膝蹴りをボディに強打する。これで下に意識が向いたフランクに対し、麻火は右フックをクリーンヒット。ダウンしたフランクは動けず、麻火のKO勝ちとなった。
マイクを持った麻火は「代打で急遽試合を受けてくれたフランクちゃん選手ありがとうございます。僕はRISEでまだ結果を出していなくて、世界はまだ無理だと思われているかもしれませんが、9月に査定試合を組んでいただき、チャド・コリンズ選手、イ・ソンヒョン選手の相手が決まっていなければ、是非やらせていただきたいです。絶対に僕が世界取るので楽しみにしてください」とアピールした。
バックステージで麻火は「フランクちゃん選手は気持ちが強くて、1R目に飲まれそうになって、2Rに右フックでダウンを奪えて良かったです。インターバルにセコンドから硬いよ、リラックスしろと言われ、2R目はリラックスできて良かったです。ボディが効いた中で右フックが当たったんですけど、感触は無かったです」と試合を振り返った。
試合後のマイクでコリンズあるいはソンヒョンとの試合を希望したが、あえて過酷な相手を指名したことについて、麻火は「自分が誰に勝ったら世界に行けるのかって考えた時に、中途半端と言ったらアレですけど、そういう相手に勝っても、他の選手が上がってしまう可能性があるので、そこは気を引き締めて、偉大なチャンピオンの名前を出させていただきました」と意図を説明した。
大会後のインタビューでRISEの伊藤隆代表も「ああいうコメント、カッコいいですね。ああいう発言は好きなので、どちらか組めたらと思います」と話し、コリンズあるいはソンヒョンとのマッチメイクに前向きな姿勢を示している
戸井田大輝、宮崎就斗に判定勝ち
第9試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×宮崎就斗(TARGET/8位、元DEEP☆KICK -57.5kg王者)
○戸井田大輝(TOP LEAD GYM/9位、MA日本スーパーバンタム級王者)
判定0-3 (秋谷28-29/大沢28-29/北尻28-29)
宮崎は4月大会で山元剣心に判定勝ちして以来の試合。戸井田は3月のK-1で兼田将暉に2R KO負けして以来の試合。
1R、サウスポーの宮崎に対して、戸井田がプレッシャーをかけ続け、随所で右ストレート、フックを強打して主導権を握る。
すると2R、戸井田が右フックで序盤からダウンを奪う。だがその後、宮崎が左ミドル、右ジャブを当てつつ、左ストレートでもひるませて挽回する。
3Rも宮崎が途切れず攻撃を当て続けるが、戸井田も声を上げながらパンチを返し、宮崎に決定打を許さず、戸井田が判定勝した。
末國龍汰がTEPPEN新鋭平山裕翔に判定勝ち
第8試合 フライ級(51.5kg) 3分3R(延長1R)
○末國龍汰(フリー/4位)
×平山裕翔[ゆうと](TEAM TEPPEN/6位)
判定3-0 (秋谷28-27/長瀬28-27/大沢28-27)
19歳の末國は2月に麗也に延長判定勝ちして以来の試合。平山は昨年9月にプロデビューし3連勝中の22歳。
1R、両者サウスポーで構え、平山がプレッシャーをかけてパンチ、ミドルなどで攻め続ける。中盤に平山が押し倒すと、末國はマットに頭を打った模様で、すぐ立てず、和田レフェリーはダウン扱いとする。その後も平山が前に出続けパンチ、ミドルを随所で当て主導権を維持する。
2Rも序盤こそ平山がパンチラッシュで末國を追い詰める。だがダウンを奪えず、ステップが止まると、末國が次第にパンチのヒットを増やし、最後は平山を下がらせ攻勢で終える。
3R、序盤のバッティングで平山が右まぶたを負傷し一時中断する。再開後、末國が右フックなどのパンチ主体で攻め続け平山を苦しめる。中盤には累積でバッティングが多いとして平山に減点1が科される。これが響き、末國の判定勝ちに。ダウンも減点も正味の有効打以外となってしまったが、経験で勝る末國の底力が光る一戦だった。
第7試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○伊東龍也[りょうや](HAYATO GYM/10位)
×福井萌矢[ともや](建武館/12位)
判定3-0 (秋谷30-28/大沢30-28/長瀬30-28)
伊東がサウスポーで構えて細かいフェイントを織り交ぜながら左ミドルとストレートを的確に当て続け主導権を握る。3Rは伊東が左ストレート、フックのヒットも増やして福井を追い詰め判定勝ちした。
第6試合 女子フライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
○YAYAウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックス/4位)
×瑠華(team未来)
判定3-0 (長瀬29-28/和田29-28/豊永30-28)
キャリアで勝るYAYAが18歳の瑠華に対し、1Rから右ロー、左右のミドルを当てつつ、右のオーバーハンドフックも随所で当てて主導権を維持する。3Rはスタミナで勝る瑠華が巻き返したが、終盤にYAYAが左右のフックを当てて反撃を封じ判定勝ち。YAYAは連敗を3で止め約3年ぶりに勝利した。
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×山元ケンシ(PHOENIX/12位)※山元剣心 改め
○久津輪将充(RMC/9+ nine plus lab./CKC 2023 -57.5kgトーナメント優勝)
2R 1’30” KO (左フック)
1R終盤、サウスポーの山元に対し、久津輪が右フックを聞かせてから、コーナーに詰めてのボディと顔面へのパンチの連打でダウンを奪う。2Rも久津輪からパンチの連打で2ダウンを奪ったところで秋谷レフェリーがストップした。
マイクを持った久津輪は「ランキング十何位じゃ相手にならないんで、一桁のランカーと組んでください。見とけや、フェザー級のランカーども、怖がって待っとけ」と強気にアピールした。
第4試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○指田 烈(TEAM TEPPEN)
×岩KING(心将塾)
判定3-0 (北尻30-28/秋谷30-27/豊永30-27)
第3試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
○細越竜之介(team AKATSUKI)
×勝野雅也(TRY HARD GYM)
1R 0’29” KO (左膝蹴り)
第2試合 女子アトム級(46kg) 3分3R(延長1R)
×小林穂夏(NEXT LEVEL渋谷/3位)
○風羽[ふう](龍生塾ファントム道場)
4R 判定0-3 (大沢9-10/和田9-10/長瀬9-10)
3R 判定1-0 (大沢29-28/和田29-29/長瀬29-29)
第1試合 女子アトム級(46kg) 3分3R
×山﨑愛琉[あみる](TEAM TEPPEN)
○島田知佳[はるか](team VASILEUS)
判定0-3 (28-30/27-30/27-30)