ONE 4.5 ルンピニー(レポ):スーパーボン、グレゴリアンとの壮絶な削り合い制し判定勝ち。麻火佑太郎、ONE 8連勝のセクサンからダウン奪い殊勲の判定勝ち
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ONE Friday Fights 58: Superbon vs. Grigorian II
2024年4月5日(金)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)ONE Championship
スーパーボン、グレゴリアンとの壮絶な削り合い制し判定勝ち
第10試合 ONEキックボクシング・フェザー級チャンピオンシップ(暫定王者決定戦) 3分5R
○スーパーボン(タイ/1位・元王者、ムエタイ同級1位)
×マラット・グレゴリアン(アルメニア/2位)
判定3-0
※スーパーボンが暫定王者に
ONEキックボクシング・フェザー級王者・チンギス・アラゾフが防衛戦を行えないことから、暫定王者決定戦が組まれた。両者は過去2度対戦し、18年にグレゴリアンが1R KO勝ちしたが、22年3月のONE Xでのチャンピオンシップでは、当時王者だったスーパーボンが判定勝ちしている。
1R、グレゴリアンはいつも通り序盤から前に出るが、スーパーボンは左のジャブ、前蹴りで距離を保ちつつ、右の膝、ローを的確に当てる。グレゴリアンも右ローを当てるが、ヒットは少ない。その状況を察してか、最後、グレゴリアンがスーパーボンをコーナーに詰めると、パンチをまとめ、右アッパーも絡め好印象で終える。記者採点はトータルの攻撃数でスーパーボンとしたが、グレゴリアンを支持するジャッジがいてもおかしくはない。
2R、スーパーボンは左ミドルを立て続けにヒット。場内はその都度大歓声に包まれる。距離が詰まればスーパーボンは右ローを当て、右膝、ハイ、ボディも絡め、どの距離でも支配する。最後、またもグレゴリアンはパンチを振り回すが、空振りが続いてしまう。記者採点はスーパーボン。
だが3R、流れが変わる。グレゴリアンがボディブローを絡めつつ右ローを当てていると、スーパーボンは少し顔をしかめるように。スーパーボンは膝は当てるものの、クリンチをレフェリーに注意され、左ミドルは減る。終盤、スーパーボンが膝のヒットを増やすと、グレゴリアンの勢いは落ちるが、中盤までの悪印象を覆すほどにはならない。記者採点はグレゴリアン。
4R、お互い消耗が激しいが、グレゴリアンがボディと顔面へのパンチと右ロー、スーパーボンが左ミドル、膝を当て、どちらも一歩も譲らぬ削り合いを続ける。首相撲で休めないルールは過酷だ。そんな中、最後、グレゴリアンが細かいパンチを当て、スーパーボンは攻撃が減るが、はっきりした差はつかない。記者採点は僅差だがグレゴリアン。
5R、スーパーボンは左ミドルを強打しつつ、細かい前蹴りや膝やジャブを絡める。グレゴリアンも攻撃を返すものの、スーパーボンはグレゴリアンをかわしつつ左テンカオを当てたり、パンチの連打からの左ミドルを当てたりと、随所で印象的な攻めを残す。記者採点は僅差だがスーパーボン。合計48-47でスーパーボン。ジャッジも3者ともスーパーボンを支持し、スーパーボンが死闘を制して判定勝ちし、暫定王座を獲得した。
ONEキックボクシング・ストロー級チャンピオンシップ 3分5R
―ジョナサン・ディベラ[DiBella](イタリア/カナダ/王者)
―プラジャンチャイ・PK・センチャイ[Prajanchai](タイ/挑戦者、ONEムエタイ同級王者)
中止
※ディベラがハイドレーションテストの検体を提出できず、計量が許可されなかったため中止、王座はく奪
第9試合 ムエタイ バンタム級 3分3R
○ノンオー・ハマ(タイ/2位・元王者、キック同級3位)
×クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ
判定3-0
麻火佑太郎、ONE 8連勝のセクサンから殊勲の判定勝ち
第8試合 ムエタイ 142ポンド(64.41kg)契約 3分3R
×セクサン・オー・クワンムアン(タイ/元ラジャダムナン認定ライト級王者)
○麻火佑太郎(PHOENIX/RISEスーパーライト級(55kg)4位)
判定0-3
セクサンは35歳のベテラン。ラジャダムナンの元ライト級王者で、15年にラジャで麻火の先輩・ 梅野源治に判定勝ち。スーパーレック、ヨードレックペット、ロッタンらのライバルとして活躍。19年のRISE WORLD SERIESのトーナメントでは大雅に勝利したが準決勝で白鳥大珠に判定負け。20~21年は負けが続いたが、22年以降は勝ちが増え、今年1月からスタートしたONEフライデーファイツでは、カリム・ベノーイらヨーロッパ勢に8連勝し、ONE参戦直前の1試合含め現在9連勝している。12月までハイペースで試合をこなしたが、4か月ぶりの試合が落とし穴に。
麻火は22戦14勝(2KO)8敗の24歳。長野出身で、テコンドーをベースとし、K-1甲子園-60kgベスト4入り。KNOCK OUTで古村匡平、大谷翔司、RISEで木村“ケルベロス”颯太に敗れたが、22年12月以降、北井智大、マサ佐藤、KENTA、野村太一相手に4連勝と勢いに乗る。今回初のONE、OFGマッチで大物セクサンの相手に抜擢され、波乱を起こすことに。
1R、長身の麻火がサウスポーで構え、序盤から素早く動きながら右ジャブ、前蹴りを度々当て、左ストレートやハイにもつなげる。次第にセクサンも距離を詰め、右フックを当てるが、麻火は回り込んで距離を取り、顔面に掛け蹴りを当て、足払いも絡め、最後にしっかり印象を作る。記者採点は麻火。
2R、麻火が右ローを当てていると、セクサンはバランスをくずしがちになる。それでもセクサンは必死に前に出るが、麻火はかわしながらパンチを返していると、右フックと左ストレートが立て続けに命中し、セクサンは真後ろに倒れ、レフェリーはダウンを宣告する。麻火は右ボディも絡めたパンチラッシュで倒しにかかるが、精度が落ちてしまう。終盤、セクサンは前に出て、時折笑顔も浮かべながら必死にパンチを振るい、驚異的なタフさを見せつける。記者採点は8-10で麻火。
3R、セクサンは前に出続け、麻火はステップで距離を取り、お互いパンチを振う。中盤、さすがのセクサンも圧力が落ち、麻火がクリンチで前進を寸断しつつ、細かくパンチ、膝、インローを当て、追撃を封じる。最後は麻火が両手を上げて勝ち誇って終える。記者採点は麻火。合計26-30で麻火。ジャッジ3者も麻火を支持し、麻火が殊勲の白星を奪った。
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ONEデビュー戦の麻火佑太郎が
セクサンを下す24歳の麻火は2ラウンドに
セクサンからダウンを奪取して判定3-0で快勝麻火はセクサンのONEデビュー連勝を8で止め
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第3試合 ムエタイ バンタム級 3分3R
○ジェイク・ピーコック[Jake Peacock](カナダ/英国)
×新城絋平[コウヘイ・ウォーワンチャイ](ウォーワンチャイプロモーション)
判定3-0
ピーコックは生まれた時から右腕が無い選手。カナダでのRoad To ONEで勝利しONEに初参戦した。対する新城は沖縄出身でONE初参戦。
1R、体格で勝るピーコックがプレッシャーをかけ、時折スイッチしつつ、左ミドル、ハイ、ストレートを的確に当て主導権を握る。ピーコックは首相撲も駆使して膝を当て、終盤には左ハイで新城をぐらつかせる。2Rも前に出続け、ミドル、膝、パンチを当て続け、右肘を当てる場面も。3R、ピーコックは左ハイで新城を度々ふらつかせ、最後まで攻め続け判定勝ちした。
Jake Peacock pops the question
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第1試合 ムエタイ 122ポンド(55.34kg)契約 3分3R
○石井寿来[ジュライ・ウォーワンチャイ](ウォーワンチャイプロモーション/WMC日本&スック・ワンキントーン・フライ級王者)
×片島聡志(Kick Life/元WPMF世界&日本スーパーフライ級王者)
判定3-0
ONE初参戦の日本人同士による第1試合。1R、リーチの勝る石井がサウスポーで前に出続け、左ミドル、膝、ストレートを的確に当て、主導権を握る。2R、石井が手数を上げるが、防御が荒くなり、片島も右ストレート、ボディ、右ミドルを返すように、とはいえ手数差は埋まらず、石井が肘も絡めて積極的に蹴り続ける。3Rも石井が手数多く攻め続け判定勝ちした。
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18歳の石井寿来が
日本人対決を制す
\石井が片島聡志を終始攻め立て
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— ONECHAMPJP (@ONECHAMPJP) April 5, 2024