ONE 4.6 ルンピニー(レポ):手塚裕之、5連続フィニッシュ勝利でMMAウェルター級王座戦熱望。内藤大樹、デッドゥアンレックとの再戦も判定負け
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ONE Fight Night 21
2024年4月6日(土)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)ONE Championship
手塚裕之、5連続フィニッシュ勝利でMMAウェルター級王座戦熱望
第3試合 MMA ウェルター級(83.9kg) 5分3R
○手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC/元パンクラス・ウェルター級王者)
×ヴァミール・ダ・シウバ[Valmir Da Silva](ブラジル)
2R 3’34” ノースサウスチョーク
手塚は34歳。15年にパンクラスでプロデビューし、19年6月に高木健太に勝利しウェルター級暫定王者に(後に正規王者に)。19年10月からONEに上がり、20年10月にムラド・ラマザノフに判定負けした。だが以降は4連勝・4連続フィニッシュ勝利中で、21年10月にアギラン・ターニに2R TKO勝ち、22年1月にエドソン・マルケスに3R左フックでTKO勝ち、昨年10月にジン・テホに1R腕十字で一本勝ち、今年2月17日にアブラーオ・アモリムも1R腕十字で一本勝ちしている。ダ・シウバとは2月の試合で戦う予定だったが直前に変更となっていた。
ダ・シウバはMMA 12戦9勝(8KO/1一本)3敗の28歳。ブラジルの大会で経験を積んだ後、22年からONEに上がりONE戦績3戦1勝2敗。ゼバスチャン・カデスタムとイシ・フィティケフに1Rで敗れたが、テホには2Rフロントチョークで一本勝ちしている。テホ戦ではフィニッシュに至るまでに左フックや右ローを効かせていた。
手塚のセコンドには今回も岡田遼がつく。1R、手塚がタックルを仕掛けるが、ダ・シウバは突き放す。手塚が右ローを当てれば、ダ・シウバは蹴り足をすくって倒す。手塚は右フックを放つが、ダ・シウバはそのタイミングで詰めて手塚を押し倒す。ダ・シウバは上になり、ハーフで押さえるが、すぐ手塚は脱出する。スタンドの打撃戦で、お互い慎重だが、手塚の左ボディ、ミドル、右ローが少しずつ当たるように。終盤、ダ・シウバが右ローを放つと、テツかはタックルを合わせて倒す。ダ・シウバは下から手塚の首を抱えるが、絞めには至らず、膠着したまま終わる。
2R、手塚は序盤から片足タックルで倒し、中央付近でハーフで押さえる。またもダ・シウバは首を抱えるが、手塚はこれも絞めさせず外す。手塚はハーフで押さえ、密着して肩パンチで嫌がらせをする。ハーフ・ディーン・レフェリーは手を叩いてアクションを促すが、手塚は少しずつ体を起こし、ブレイクを阻止する。そして終盤に入ると手塚はパスガードに成功し、上四方まで移ると、素早くノースサウスチョークを極めタップを奪った。
手塚はこれで5連続フィニッシュ勝利。今回はさすがにインタビュータイムがあり、手塚は英語で「5連勝で全てフィニッシュしています」「チャンピオンのクリスチャン・リーはどこだ?リーが戦わないなら、ゼバスチャン・カデスタムとタイトルマッチをやらせてほしい」等とアピールした。だがボーナスは出ず、手塚は「出ないの?」と言いたげに苦笑していた。
内藤大樹、デッドゥアンレックとの再戦も判定負け
第4試合 キックボクシング フライ級(61.2kg) 3分3R
○デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ/ONEムエタイ・フライ級3位)
×内藤大樹(BELLWOOD FIGHT TEAM/ONEキック・フライ級3位、元シュートボクシング日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
判定3-0
※デッドゥアンレックが計量1ポンドオーバーしファイトマネーの30%を内藤に譲渡
内藤は28歳。RISE等で村越優汰、原口健飛に勝利し、那須川天心には2度KO負け。19年からONEに参戦し11戦7勝4敗(Road To ONEの1試合除く)。21年には元ONEキックフライ級王者のペッダムに判定勝ち。22年はムエタイ・フライ級GPに参戦したが、一回戦でスーパーレックに判定負けした。9月の再起戦ではアミール・ナセリに判定勝ち。昨年はONE Friday Fightsで2戦し、7月にデッドゥアンレックに判定負けし(下動画)、10月にゴントラニーに判定負けしている。ムエタイルールの試合が続いていたが、3月15日のONE Friday Fightsでは2年半ぶりにONEキックルール(肘無し、つかんでの攻撃制限あり、ボクシンググローブ着用)で試合をし、シャーゾット・カブトフから左ハイでダウンを奪い判定勝ちしている。今回はデッドゥアンレックとキックルールで再戦する。
デッドゥアンレックは21歳。昨年から始まった2ONE Friday Fightsにレギュラー参戦し、初戦はテミルラン・ベクムルザエフに、2戦目はシャフリエル・ジョラエフにいずれも判定勝ちし、3戦目で内藤に勝利。9月にコンスックに判定勝ちしたが、12月にナックロップに3R右ボディをもらいTKO負けしている。今回キックルールには初挑戦だ。
試合も今回も前回と似たような構図に。1R、内藤が左右のロー、デッドゥアンレックがミドルとローを放つ、蹴りの攻防となる。中盤からデッドゥアンレックは右ストレートも絡めるが、執拗に内藤はローをデッドゥアンレックの前足と後ろ足に当てる。後ろ足へのインローは前回のカブトフ戦でも多用していた。終盤、内藤は左ボディ、ジャブも当てるように。記者採点は僅差だが内藤。ジャッジは3者ともデッドゥアンレックにつける。
2R、デッドゥアンレックが左右のミドル、内藤はインローと、お互い蹴りで削り合う展開が続く。次第にデッドゥアンレックの足が流れ出し、終盤には少しバランスを崩すように。デッドゥアンレックは焦ったか?蹴り足をすくって倒してしまい、オリヴィエ・コスト・レフェリーから注意される。流れは内藤だが、デッドゥアンレックがミドルを当てる都度、場内に大歓声が響くため、ジャッジの評価に響いている可能性はある。記者採点は僅差だが内藤。ジャッジは3者ともデッドゥアンレックにつける。
3R、内藤は序盤から前に出て、ローを当てつつもパンチの比重を上げ、左右のボディを強打する。それでもデッドゥアンレックは左右のミドルを随所で返し、はっきり差をつけさせない。すると終盤、変わらず内藤は前に出るが、デッドゥアンレックはステップでコーナーから逃げつつ、左右のミドルを的確に当て続け、最後は左テンカオを当て、やや好印象で終える。記者採点はデッドゥアンレック。ジャッジも3者ともデッドゥアンレックにつける。合計29-28で内藤。ジャッジはやはりデッドゥアンレックのミドルを評価したようで、3者ともデッドゥアンレックを支持し、内藤は今回も判定負けした。
第10試合 ONEキックボクシング・ライト級チャンピオンシップ 3分3R
×レギン・アーセル(王者、ムエタイ同級王者)
○アレクシ・ニコラ(挑戦者)
判定0-3
※ニコラが王者に
第9試合 コーメインイベント ONEサブミッショングラップリング・ウェルター級チャンピオンシップ 10分1R
○タイ・ルオトロ(王者)
×アイザック・ミシェル(挑戦者)
4’43” 裸絞め
※ルオトロが防衛