ONE 10.7 ルンピニー(レポ):青木真也、ムスメシとのグラップリング戦は一本負け「近い将来にONEで最後の試合を」。手塚裕之、2年ぶり試合は1R腕十字で快勝「日本で秋山選手と戦いたい」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム中野
本場のムエタイ、教えます。初心者、ダイエット目的の方も大歓迎!まずは見学・体験を!
ONE Fight Night 15: Le vs. Freymanov
2023年10月7日(土)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship
青木真也、ムスメシとのグラップリング戦は一本負け「近い将来にONEで最後の試合を」
第7試合 サブミッショングラップリング 無差別級 10分1R
○マイキー・ムスメシ(米国/ONEサブミッショングラップリング・フライ級(61.2kg)王者)
×青木真也(フリー/ONE MMAライト級(77.1kg)5位で元同級王者)
3’05” アキレス腱固め
ムスメシは27歳。米国人ながらIBJJFブラジリアン柔術世界選手権(ムンジアル)の黒帯で5度優勝(道着あり4回、道着なし1回)。昨年4月からONEに参戦し、今成正和に裸絞めで一本勝ち。続く10月のクレベル・ソウザ戦で判定勝ちしONEグラップリング・フライ級王座を獲得。その後3度の防衛に成功している。8月5日のONE Fight NightではONE MMAストロー級王者のジャレッド・ブルックスを終始圧倒し一本勝ち。相手探しも難航している中、なんと3階級も上の青木との試合が用意された。
青木は40歳。昨年3月で秋山成勲に2R TKO負けし連勝が4でストップ。その2カ月後のONEにはグラップリングルールで参戦し、ムスメシ同様にグラップリング界のトップ選手であるケイド・ルオトロに終始攻め込まれ判定負けしている。11月にはハビブ・ヌルマゴメドフの練習仲間であるザイード・イザガクマエフとMMAルールで対戦し86秒でTKO負け。現在3連敗中、MMA 2連敗中で、MMAライト級ランキングでも圏内ギリギリの5位という厳しい状況に立たされている。
8月中旬にムスメシ戦が発表された直後、青木はnoteでのコラムをアップし「グラップリングのパウンドフォーパウンドとも称されるマイキームスメシと試合のオファーを頂けることは名誉なことなのは十分承知な上で、それも青木真也だからこそできることであるのは分かった上で、MMAファイター青木真也にとってMMAのオファーが届かず、グラップリングマッチとなるのは屈辱にほかなりません」等と葛藤を記しつつ、それでも試合を引き受けた理由を説明し、「損得や筋や理屈などは度外視、リング上で青木真也を表現したいから試合をしてきます」等と決意を述べていた。
前日計量での体重はムスメシが154ポンド(69.85kg)、青木が167.75ポンド(76.09kg)で、青木が1階級相当大きかった。ムスメシはタイに到着後、屋台のスイカを食べて食中毒になり、一時は試合中止も検討されていた。
試合はムスメシの完勝に。ムスメシが倒してくださいと言わんばかりに右足を前に出し、青木が足をつかんで倒し、青木が上、ムスメシが下という構図になる。ムスメシは下から青木の手と足をつかもうとしてプレッシャーをかけ続け、青木の右足をつかみ、ヒールフックを狙う。青木はしばらく防御するが、ムスメシが「アオキロック」とも呼ばれることのある変形のアキレス腱固め(ストレートフットロック)を極めてタップを奪った。
Mikey Musumeci 🇺🇸 submits the legendary Shinya Aoki with an "Aoki lock"
Tune in to Prime Video NOW to catch the rest of ONE Fight Night 15!#ONEFightNight15 | Live Now
🇺🇸🇨🇦 Watch live on Prime https://t.co/LF67g9KCVe
Live TV broadcast in 190+ countries (check local… pic.twitter.com/xD0SOS767B— ONE Championship (@ONEChampionship) October 7, 2023
試合後のムスメシはインタビューで「青木さんがこの技の先駆者ですので、彼が先生で僕が生徒です。40代になってもこの競技を続けている青木さんを尊敬しています」「ムエタイを練習してますので、将来的にはここルンピニーでMMAにも挑戦したいです」と話した。ムスメシは5万ドル(約700万円)のファイトボーナスを獲得している。
敗れた青木はバックステージに戻り、大会を中継したABEMAのインタビューを受けた。ムスメシと戦った感想を聞かれた青木は、少し考えてから「いや、船木誠勝のほうが強かったなって」と、プロレスで肌を合わせた船木氏の名前を出して煙に巻いた。今後について聞かれると「このリーグで厳しくなっていることは自分自身わかっていますから、近い将来にONEで最後の試合をすることは自分自身考えていかなきゃならないし、その相手を誰にするかは自分の中では決まっていますから、もうちょっとここで頑張ってやりたいなと。まあ選手を辞めるってことは僕は無いですから、ONEのトップリーグで戦えなくなる未来はあると思います」と話し、ONEラストマッチを視野に入れていることを明かし、ONE離脱後の現役続行にも前向きな姿勢を示した。最後は「本当に応援に助けられました。2カ月頑張って来れたんで。みなさんのおかげです」と感謝の言葉を述べた。
手塚裕之、約2年ぶり試合で1R腕十字で快勝「日本で秋山選手と戦いたい」
第2試合 MMA ウェルター級 5分3R
○手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC/元パンクラス・ウェルター級王者)
×ジン・テホ[Jin Tae ho](韓国)
1R 4’45” 腕ひしぎ十字固め
手塚は33歳。米国でMMAの練習を積み、15年にパンクラスでプロデビューし、19年6月に高木健太に勝利しウェルター級暫定王者に(後に正規王者に)。19年10月からONEに上がり2連勝後、20年10月にムラド・ラマザノフに判定負け。21年10月の1年ぶりの試合では、アギラン・ターニに2R TKO勝ちし、22年1月にはエドソン・マルケスに3R左フックでTKO勝ちし2連勝していたが、足を怪我しブランクが続き、約2年ぶりに復帰する。今回は試合9日前の緊急オファーだった。
テホは34歳。MMA戦績17戦11勝(3KO/4一本)6敗。韓国のRoad FC、Double Gを主戦場にしつつ、日本でも試合をし、16年にDEEPで大原樹理に、18年に修斗で川名雄生に判定負けしている。昨年4月にONEに初参戦し、ターニに1Rアームロックで一本勝ちしたが、その3か月後の試合ではヴァミール・ダ・シウバに2Rギロチンで一本負けしている。尊敬する桜庭和志と同じオレンジのスパッツで戦うことでも知られ、ターニ戦でも桜庭を彷彿とさせるアームロックで勝利していた。
手塚のセコンドには岡田遼がつく。1R、スタンドで見合った状態の後、テホが左ミドルを放ったタイミングで、手塚が蹴り足をつかみ、そのままテイクダウンを奪う。手塚はハーフで押さえる。膠着状態になると、ハーブ・ディーン・レフェリーがアクションを促す。
手塚は肘を少し当て、テホはアームロックを狙うが、極めには至らない。残り1分を切り、手塚はパスガードに成功すると、素早く逆サイドに動きながら、腕十字を極めてタップを奪った。手塚はバック宙とブレイクダンスで大喜びした。
Hiroyuki Tetsuka submits Jin Tae Ho with a powerful first-round armbar!
Tune in to Prime Video NOW to catch the rest of ONE Fight Night 15!#ONEFightNight15 | Live Now
🇺🇸🇨🇦 Watch live on Prime https://t.co/LF67g9KCVe
Live TV broadcast in 190+ countries (check… pic.twitter.com/dnMwzbXJdt— ONE Championship (@ONEChampionship) October 7, 2023
勝利者インタビューで手塚は英語で「長い間この瞬間を待っていました。もっと試合をしたいです。日本でセクシーヤマ秋山(成勲)選手と戦いたいです。寝技は得意です。アームバー、イージー。彼は桜庭(和志)さんが好きで尊敬していますが、僕のほうが強かったです」と話した。
タン・リー、ONE MMA フェザー級暫定王者に
第10試合 ONE MMA フェザー級暫定王者決定戦 5分5R
○タン・リー(1位、元王者)
×イリヤ・フレイマノフ(3位)
1R 1’02” ヒールフック
※リーが暫定王者に
第9試合 ONEキックボクシング・ストロー級チャンピオンシップ 3分5R
○ジョナサン・ディベラ(王者)
×ダニエル・ウィリアムス(挑戦者)
判定3-0
※ティベラが防衛
第8試合 キックボクシング フェザー級 3分3R
○タワンチャイ・PKセンチャイ(5位、ONEムエタイ同級王者)
×スモーキン・ジョー・ナタウット
判定3-0
第6試合 MMA ストロー級 5分3R
○ジョシュア・パシオ(1位、元王者)
×マンスール・マラチエフ(5位)
判定3-0
第5試合 MMA ライト級 5分3R
×ティモフィ・ナシューヒン
○ジャン・リーポン
1R 3’18” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第4試合 MMA フライ級 5分3R
×エコ・ロニ・サプトラ
○フー・ヨン
1R 1’03” TKO (レフェリーストップ:左フック)
第3試合 ムエタイ 121ポンド(54.88kg)契約 3分3R
○ペッディージャー・ルクジャオポーロントン
×セレステ・ハンセン
3R 1’01” TKO (ドクターストップ:右ハイキックによる額のカット)
第1試合 ムエタイ 174.5ポンド(79.15kg)契約 3分3R
×シャーキル・アルタクレティ
○バムパラ・クヤテ
判定0-3
※アルタクレティが計量4.5ポンド(2.04kg)オーバー