ONE 8.5 ルンピニー(レポ):チンギス・アラゾフ、マラット・グレゴリアンとの5Rの死闘制しキック70kg王座防衛
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ONE Fight Night 13: Allazov vs. Grigorian
2023年8月5日(土)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship
アラゾフ、グレゴリアンとの5Rの死闘制しキック70kg王座防衛
第10試合 メインイベント ONEキックボクシング・フェザー級チャンピオンシップ 3分5R
○チンギス・アラゾフ(王者)
×マラット・グレゴリアン(2位)
判定3-0 (49-46/49-46/49-46)
※アラゾフが初防衛
グレゴリアンは15年にK-1スーパー・ウェルター級(70kg)初代王座決定トーナメントを制すが、その後K-1を離れ、王座を返上。アラゾフは17年の第2代同級王座決定トーナメントで優勝した。それ以前の13年に両者は2度対戦しており、GLORYでの初対決ではグレゴリアンの反則の肘打ちでアラゾフが流血しノーコンテストとなり、同年末のVictoryという大会での再戦ではグレゴリアンが判定勝ちしている。K-1、ONEでもこれまで交わらな勝った二人がついに3度目の対戦を迎える。
アラゾフは21年10月から昨年3月にかけて行われたONEキック・フェザー級GPでサミー・サナとジョー・ナタウットを1RでKOし、決勝でもシッティチャイを判定で下し王座挑戦権を獲得した。今年1月に王者・スーパーボンに挑戦し、2R KO勝ちし頂点に立った。
グレゴリアンはGLORYのライト級王座を2度防衛し、20年からONEに上がり2連勝後、昨年3月にスーパーボンの王座に挑戦したが判定負け。昨年10月にタイフン・オズカンに判定勝ちして以来の試合となる。インタビューでも王者アラゾフは「ONEから初防衛戦の対戦相手候補を3人挙げられて、私はグリゴリアンを選んだ」と話している。
1R、グレゴリアンがプレッシャーをかけ、アラゾフはサウスポー主体でスイッチを繰り返し、距離を取る。アラゾフのほうがステップしつつもミドル、ロー、膝、パンチを積極的に出して当てる。強打は少ないものの手数が上。グレゴリアンは前に出るがパンチを当てさせてもらえない。記者採点はアラゾフ。
2R、アラゾフは距離を取りつつ、左右のローをヒットする。だがグレゴリアンのプレッシャーは落ちない。終盤、ようやくグレゴリアンがパンチをまとめ、左ボディを当てると、アラゾフは笑顔をみせる。だがアラゾフもひるむことなく膝 ロー、ミドルを返し、追撃を許さず終える。記者採点はアラゾフ。
3R、グレゴリアンは前に出て、右ローもヒット。アラゾフは効かされたか?スイッチの頻度が増える。アラゾフも左ミドル等を返すが、ヒット数が減り、グレゴリアンの勢いは落ちない。終盤、グレゴリアンが左ボディを当てると、アラゾフは嫌そうにして離れる。記者採点は僅差だがグレゴリアン。ジャッジ3者ともアラゾフにつける。
4R、グレゴリアンが左ボディを当てるが、アラゾフも左インローを返すと、グレゴリアンは足が流れがちに。グレゴリアンは変わらず前に出るものの、スタミナ消耗も相まって勢いが落ちる。逆にアラゾフは運動量が変わらず、パンチ、ミドル、ロー等を細かく当て続け、手数で差を広げる。記者採点はアラゾフ。
5R、劣勢のグレゴリアンは最初から強い圧をかけ攻撃を出すが、アラゾフはブロックとステップで防御する。とはいえ攻撃が減り「流し」気味になり、オリヴィエ・コスト・レフェリーから注意される。アラゾフは随所で攻撃を返し手数で上回るが、終盤、グレゴリアンが左ボディ、フックを当てると、さすがにアラゾフも苦しそうに。場内が湧き上がる中、最後はアラゾフが耐えて逃げ切る。記者採点はグレゴリアン。合計48-47でアラゾフ。ジャッジ3者とも5Rだけグレゴリアンにつけ、49-46でアラゾフを支持し、アラゾフが判定勝ちで防衛を果たすとともに、宿敵グレゴリアンへの10年越しのリベンジを果たした。
なお、今大会にはK-1スーパー・ウェルター級の現王者の和島大海と、ウェルター級王者の野杁正明も観戦に訪れた。7月にはカルロス菊田氏がK-1の新プロデューサーに就任し、7月17日の両国大会で勝利した野杁が「これから世界のトップとしかやりたくない」とアピールしており、今後K-1とONEが絡む可能性があるのか気になるところだ。
アラゾフと同階級のムエタイ王者・タワンチャイ、キックルール初挑戦で左ミドルでTKO勝ち
第8試合 キックボクシング フェザー級 3分3R
○タワンチャイ・PKセンチャイ(ムエタイ同級王者)
×ダビッド・キリア
3R 0’29 TKO (レフェリーストップ:左ミドルによる右腕の負傷)
タワンチャイはムエタイ同級王者で、キック王座も狙ってのキックルール初戦。GLORYの元王者・キリアと対戦し、しっかり強さを見せつける。
1R、タワンチャイはサウスポーで構え、ステップして距離を取り、随所で左ミドルを強打し主導権を握る。キリアはパンチを当てさせてもらえない。2Rもタワンチャイが左のミドルをキリアのボディと腕に何発も当て続ける。すると3R序盤、タワンチャイが左ミドルをキリアの右肘あたりに当てると、キリアは右腕の痛みに耐えられなくなり顔を背けて後退し、オリヴィエ・コスト・レフェリーがストップ。タイ人の観客は大喜びした
Tawanchai lands a CRUSHING kick to stop Davit Kiria in his kickboxing debut!
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ムスメシ、MMA王者ブルックスを圧倒
第9試合 コーメインイベント ONEサブミッショングラップリング・フライ級チャンピオンシップ 10分1R
○マイキー・ムスメシ(王者)
×ジャレッド・ブルックス(挑戦者、ONE MMAストロー級王者)
7’30” 腕ひしぎ三角固め
※ムスメシが3度目の防衛
コーメインは米国人対決。ブルックスが1階級上のグラップリング王座に挑んだが、ムスメシの完勝で終わった。
開始すぐからムスメシはブルックスのタックルのタイミングで、自ら倒れて引き込んで下になる。ムスメシが足を登らせ三角絞めを狙うと、ブルックスは解くが、すぐムスメシは足をつかんで膝十字を狙い、これもブルックスが対処し、ムスメシがガードポジションに戻す。再び膝十字を狙うと、ブルックスは離れるが、ブルックスが上になろうとすると、ムスメシはまたも足を取る。もがくブルックスに対し、ムスメシはバックに回り込み、4の字ロックでしっかり捕獲し、裸絞めを狙う。だが1分半ほど膠着すると、シャオリン・レフェリーはブレイクをかける。
だがすぐにムスメシはまたも下になると、三角絞めを仕掛ける。しばらくブルックスは耐えたが、最後はムスメシがアームロックも極めるとブルックスはタップした。
計量失敗のリネカー、3R最後に逆転TKO勝ち
第7試合 MMA 68.5kg契約 5分3R
○ジョン・リネカー(バンタム級1位)
×キム・ジェウォン
3R 4’56” TKO
※リネカーはバンタム級(65.8kg)を2.7kgオーバー。ファイトマネーの25%を対戦相手に譲渡
1R、リネカーの右フックに合わせ、ジェウォンがタックルを仕掛けて倒して上になる。ジェウォンはハーフで押さえ、マウントに近い位置でパウンドと肘を当てて圧倒する。終盤にはバックと行き来しつつパウンドを当て続ける。最後、リネカーが返して上になるが、いつものパワフルさが無い。計量失敗も体調不良が理由かもしれない。
2R、今度はリネカーが序盤から上になるが、ジェウォンが下から腕十字を狙う。リネカーは対処し上になって押さえるが、その先に持ち込めず、ジェウォンがスタンドに戻す。中盤、ジェウォンのタックルをリネカーは切り、パンチを返す。終盤、スタンドの打撃戦はほぼ均衡状態だ。リネカーが盛り返したものの、印象的な攻めが乏しいことは変わらず、ここまでで判定するならジェウォンだろう。
John Lineker knocks out Kim Jae Woong with left in the fight!
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3R、スタンドの攻防が続き、お互いパンチを出すが強打はなかなか出ない。中盤、ジェウォンが長身を活かしての右膝蹴り、左ジャブを的確に当てやや優位に。終盤、リネカーはしんどそうな表情を浮かべ、敗色濃厚だったが、まさかの展開に。残り15秒、ジェウォンが下がりながらも左ジャブを当てたが、巻き返したいリネカーは前に出ると、左ボディを当ててから、カウンターの左フックをクリーンヒット。ジェウォンはダウンし、ロープを背にして倒れ、リネカーがパウンドをまとめたところでハーブ・ディーン・レフェリーがストップした。敗れはしたがジェウォンも強さを印象付ける試合だった。
第6試合 キックボクシング 女子53.5kg契約 3分3R
○スーパーガール・ジャルーンサック
×ララ・フェルナンデス
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第5試合 MMA ヘビー級 5分3R
×マーカス・アルメイダ
○オマール・ケイン
判定0-3
第4試合 ムエタイ 61.3kg契約 3分3R
○エリアス・マムーディ(ムエタイ・フライ級5位)
×エドガー・タバレス (60.9kg, 1.0140)
1R 1’38” TKO (3ダウン:左膝蹴り)
※マムーディがフライ級(61.2kg)を0.1kgオーバー。ファイトマネーの25%を対戦相手に譲渡
第3試合 サブミッショングラップリング 81.6kg契約 10分1R
○タイ・ルオトロ
×ダギ・アサラナリエフ
2’39” 裸絞め
スタンドの探り合いの後、ルオトロが脇を差してから、払い腰を狙いつつ、相手の足をつかみながら倒れる。足関を対処されると、三角絞めに移行し、これも対処されるが、再び足関を狙うと、ヒールフックが極まる。アサラナリエフがルオトロの体を1度叩き、ギブアップの意思を示し、ルオトロはヒールフック解除したが、シャオリンレフェリーはタップアウトと認めず試合は続く。アサラナリエフに続行意思は無く、ルオトロに握手を求めるが、ルオトロはすぐにアサラナリエフのバックを取って裸絞めを極め、アサラナリエフが2度ルオトロを叩いたところでようやくシャオリンレフェリーは試合をストップした。その後は両選手とも抱き合って事なきを得た。ONEルールの詳細は不明だが、一般的にタップアウトは2回以上叩く必要があるため、シャオリンレフェリーの判断は一概に間違いとはいえなさそうだ。
第2試合 ムエタイ 78.9kg契約 3分3R
○ルーランウィー・シッソンピーノン
×ナウゼット・トルヒーリョ
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
※ルーランウィーがライト級(77.1kg)を1.8kgオーバー。ファイトマネーの25%を対戦相手に譲渡
第1試合 MMA バンタム級 5分3R
×ジャンロ・マーク・サンジャオ
○エンク・オルギル・バータルフー
2R 2’53” アームロック