ONE Championship 1.28 シンガポール(レポ):フェザー級キックGP アラゾフとシッティチャイが決勝進出。箕輪ひろば、ブルックスに完敗。和田竜光と手塚裕之は完勝
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ONE Championship「ONE: ONLY THE BRAVE」
2022年1月28日(金)シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship
ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング ワールドグランプリ準決勝。アラゾフ&シッティチャイが決勝へ
第8試合 コーメインイベント 準決勝 3分3R
×ジョー・ナタウット(ムエタイ同級3位)
○チンギス・アラゾフ(ベラルーシ/ONEフェザー級キック4位、元K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級(70kg)王者)
1R 1’55” KO (左ストレート)
フェザー級キックGPは同級王者(現在はスーパーボン)への挑戦者を決める8人トーナメント。10月に一回戦4試合が行われ、アラゾフはサミー・サナをわずか39秒、左ボディフックでKO。一回戦でアンディ・サワーをKOしたマラット・グレゴリアンとの元K-1王者同士の準決勝が決まっていたが、グレゴリアンが大会直前に新型コロナウイルスに感染したため欠場し、リザーブ枠のナタウットに相手が変わった。
1R、アラゾフはパンチのコンビネーションからの左ミドル、単発の左ハイをヒット。中盤には接近戦で左アッパーと横から入る左膝蹴りを連続で当て、早速ダウンを奪う。左ミドル、前蹴りの連打でスリップさせると、パンチと左ミドルの連打からの左フックで2ダウン目を奪う。ナタウットは座ったまま動けず、アラゾフのKO勝ちとなった。
第9試合 メインイベント 準決勝 3分3R
○シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/ONEフェザー級キック3位、元GLORYライト級(70kg)王者、元ルンピニー認定ウェルター級王者)
×ダビット・キリア(ジョージア/元GLORYライト級王者、クンルンファイト70kg世界トーナメント2018優勝)
判定3-0
シッティチャイは一回戦でタイフン・オズカンに判定勝ち。キリアは一回戦でエンリコ・ケールに1R TKO勝ちしている。
1R、シッティチャイがサウスポーで構え、ガードを固めプレッシャーをかけるシッティチャイに左ミドルを的確に当て続ける。中盤には左ストレートを当ててスリップさせる。以降もジャブ、ロー、ハイも散らしつつミドルを当て続け、キリアに付け入る隙を与えない。
2Rもシッティチャイペース。右ジャブで距離を取り、左の蹴りを何発も当て続ける。終了間際に左ハイを当ててダウンを奪う。
3Rもシッティチャイが左ミドルを主体にしつつ、左ボディ、左膝も絡め、キリアを圧倒。ほとんど攻撃をもらわず完勝した。
これでGP決勝はアラゾフ対シッティチャイとなった。
箕輪ひろば、強豪ブルックスに圧倒され判定負け
第4試合 MMA ストロー級 5分3R
×箕輪ひろば(総合格闘技道場STF/4位、修斗世界王者)
○ジャレッド・ブルックス(米国/3位)
判定0-3
箕輪は20年のONE参戦以降、リト・アディワン、アレックス・シウバ相手に2試合続けて判定勝ち。今回は約1年ぶりの試合だ。対するブルックスはパンクラス、UFC、RIZINに出場し、19年末のベラトール日本大会で越智晴雄に判定勝ち。10月にONEに初参戦すると、パワーに定評のあるアディワンを寝技で圧倒し、2R肩固めで一本勝ち。箕輪にとってキャリア最強の相手との戦いだ。勝者は王者・ジョシュア・パシオへの挑戦に向けて大きく近づくだろう。
1R、開始すぐからブルックスがプレッシャーをかけ、パンチラッシュから右ストレートをアゴにクリーンヒット。箕輪はひるみ、タックルで防御しようとするが、ブルックスは潰してバックを取り、落とされればすぐトップをキープする。ブルックスが上から右肘を当てると、箕輪は左眉の上をカットし出血する。箕輪は下から足を登らせようとするが、ブルックスはパワーで潰す。出血は止まるが、箕輪は血が目に入り視界が定まらない様子だ。ブルックスは肘、パウンドを随所で当て、主導権を維持。そして終了間際、ブルックスは箕輪を金網に押し付けたまま、膝をヒット。さらにギロチンを狙い、フィニッシュに持ち込もうとするが、時間切れとなる。箕輪はブルックスに圧倒される内容に。
2R、箕輪はブルックスとパンチを打ち合うが、左フックの相打ちの後、ブルックスがタックルで倒し、またも上になる。ブルックスはパウンドを当て、サイド、バックと移り、裸絞めを仕掛ける。箕輪は間一髪で防御するが、ブルックスは固執せず、トップに戻し、最後までポジションをキープする。
3R、ブルックスは開始すぐにタックルを仕掛け、肩から抱えて倒し、箕輪が立とうとすれば再び同じように倒し、実力差をアピールする。ブルックスはレスリング技術を活かしトップをキープ。時折パウンドを落とす。箕輪は金網を背にして座ったまま脱出できない。終盤、立ち上がるが、ブルックスが押し込んで右膝蹴りを放つと、ローブローとなる。既に通常のダメージの大きい箕輪は、うめき声を上げるが、3分ほどで再開。最後は離れた状態で、箕輪は右の飛び膝を2発放ち、逆転を狙うが、最後はブルックスが組み付いて終了。記者採点はブルックス。ジャッジ3者も当然ブルックスで、ブルックスの完勝に終わった。勝利者インタビューでブルックスは「ジョシュア・パシオ、準備はできているか?」と王座挑戦を熱望した。
和田竜光、終始主導権維持し判定勝ち
第2試合 MMA 61.5kg契約 5分3R
○和田竜光(フリー/元DEEPフライ級王者)
×ワン・シュオ(中国)
判定3-0
※ワンが計量とハイドレーションテストでオーバーし、61.2kgのフライ級から変更
和田は19年のONEフライ級GPの準決勝で元UFC王者のデメトリアス・ジョンソンに判定負けするも、寝技で追い詰める場面を作り印象を残した。20年12月のヨッカイカー・フェアテックス戦は微妙な判定で敗れたが、昨年10月のRoad to ONE渋谷大会のメインイベントでは竹中大地に判定2-1ながらも勝利している。今回の相手、ワン・シュオは中国のGlory of HeroesやシンガポールのRebel FCで試合を重ね、昨年4月のONEではキム・キュサンに3R右肘打ちでKO勝ちしている。
1R、和田は序盤から右ボディストレートをヒット。片足タックルで倒し、立たれても金網に押し込み、両脇を差して倒し、金網際でハーフで押さえる。ワンは下から少し肘を連打し、金網を背に立ち上がるが、すぐに和田は立ったままバックを取り、そのまま倒れ、金網際でバックマウントを取る。ワンは肘を当て、体をひねって上になると、和田は三角絞め、オモプラッタを狙うが、ワンは引き抜いて立ち上がる。和田は右のカーフキックを当てると、ワンは一瞬バランスを崩し、サウスポーに少しの時間切り替える。ここまで和田ペースだが、ワンも対策はできている様子だ。
2R、和田はタックルを仕掛けるが、ワンは耐え、右膝、右肘を当てて突き放す。中盤、再び和田がタックルで仕掛けると、今度はテイクダウンに成功し、サイドで押さえるが、これも数十秒でワンがスタンドに戻す。ワンは右のカーフキック、右フック、和田は右のボディストレートを当て、打撃戦が続く。
3R、和田が圧を掛け、右ボディストレート、ロー、ミドルを随所でヒット。ワンはパンチを振るうが、空振りが続き、息が上がり気味だ。中盤、和田がタックルから押し込み、足を掛けて倒し、ハーフで押さえる。終盤、スタンドに戻り、和田が右ローを少し当てて終了する。記者採点は和田。ジャッジは今回は3者とも順当に和田を支持し、和田の判定勝ちとなった。
勝利者インタビューで和田は「素晴らしいパフォーマンスからは程遠かったんですけど、勝ててホッとしています」と話し、戦いたい相手はいるかという質問には「DJとやる夢はかなったので、あとは一人ずつやっつけるだけです」と答えた。
手塚裕之、3R KO勝ちで2連勝。秋山成勲戦を熱望
第5試合 MMA ウェルター級 5分3R
○手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC/パンクラス・ウェルター級王者)
×エドソン・マルケス(ブラジル)
3R 1’05” KO (左フック)
手塚は19年10月からONEに上がり2連勝後、20年10月にムラド・ラマザノフに判定負けしたが、昨年10月の1年ぶりの試合では、アギラン・ターニとの打撃戦を制し2R TKO勝ちしている。今回対戦予定だった元ONE同級王者・ゼバスチャン・カデスタムが体調不良で欠場し、マルケスに変更。マルケスはブラジルのMMA大会で勝利を重ねていたが、20年1月のONE初戦ではレイモンド・マゴメダリエフに1R KO負けしている。
1R、圧を掛ける手塚に対し、長身のマルケスは距離を取りつつ、右のカーフキック、左ボディストレートを当てる。中盤、手塚は胴タックル一発でテイクダウンに成功する。手塚がハーフで押さえていると、マルケスは下からしがみつき、膠着を誘発しているとしてレフェリーから注意される。終盤、手塚がバックを狙うが、マルケスはスタンドに戻す。手塚が左ボディを2発当てて終える。
2R、手塚はタックルを仕掛けるが、マルケスは耐えて突き放す。だがマルケスの右ローのタイミングで、再びタックルを仕掛けテイクダウンに成功する。ケージ中央で手塚はトップをキープする。マルケスは下から密着して防御を続け、最後は手塚が腕十字を狙うが、マルケスは防御しスタンドに戻して終える。
3R、スタンドの展開が続き、手塚は左ボディを散らしつつ、マルケスの左フックのカウンターで左フックをクリーンヒット。マルケスがダウンし、鉄槌で追い打ちをかけようとしたところですぐさまレフェリーがストップした。
完勝の手塚は英語で「次はカデスタムか秋山成勲と戦いたいです。なぜなら僕のほうがセクシーだからです」とアピールした。
その他ワンマッチ
第7試合 MMA ライト級 5分3R
×ルスラン・エミベック・ウフール
○ジャン・リーポン
1R 0’32” KO (左ストレート)
第6試合 キックボクシング ヘビー級 3分3R
○ラーデ・オパチッチ
×フランシェスコ・エクシャジャ
2R 2’00” KO (左ボディフック)
第3試合 71.65kg契約 3分3R
○イヴァン・コンドラチェフ
×ドビダス・リムクス
3R 0’35” KO (左ストレート)
※フェザー級GPの交替試合(=リザーブファイト)として組まれていたが、リムクスが計量とハイドレーションテストでオーバーし、70.3kgのフェザー級から71.65kg契約の通常ワンマッチに変更
第1試合 MMA バンタム級 5分3R
○プレブ・オトゴンジャンガル
×ミカエル・デ・ジェズウス
判定3-0
MMA フェザー級 5分3R
―キム・ジェウォン(1位)
―タン・カイ(4位)
中止
MMA 108kg契約 5分3R
―ポール・エリオット
―アンデウソン・シウバ
中止