Krush 1.28 後楽園ホール(レポ):中島千博、友尊と横山朋哉を下しスーパー・フェザー級王者に。近藤魁成、復帰戦は1R KO勝ち
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Krush.133
2022年1月28日(金)後楽園ホール
レポート:井原芳徳 写真:(C)K-1
第10代Krushスーパー・フェザー級(60kg)王座決定トーナメント
第2試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○中島千博(POWER OF DREAM/極真会館2017全日本ウェイト制軽重量級優勝)
×友尊(TEAM K/BLUE DOG GYM/元NJKFスーパーフェザー級王者)
1R 2’56” KO (2ダウン:左膝蹴り)
レオナ・ペタスが返上したKrushスーパー・フェザー級王座を懸けたトーナメントが10月31日の大会で開幕し、一回戦を突破した4選手による準決勝と決勝が今回行われた。
中島は10月の一回戦でSATORU成合を3R左フックでKO。友尊は佐野天馬の計量失格により一回戦は不戦勝で、昨年3月のSATORU成合戦で判定勝ちして以来10カ月ぶりの試合となる。
1R、サウスポーの友尊が圧を掛け積極的にパンチとローを出すが、中島はオーソドックス主体で時折スイッチし回って右ロー、前蹴りを放ち続けて距離を取る。中盤、友尊が左インロー、ボディを立て続けに当てると、友尊はパンチの手数を上げる。だが中島は右のテンカオと右フックの連打で勢いを止めると、友尊の左ミドルをかわしてから、左フックを当ててダウンを奪う。
友尊は立ち上がるが、中島はさらに左フックでひるませ、右ミドル、右テンカオも効かせる。最後は右ストレートと左前蹴りで下がらせると、ロープに詰めてのパンチの連打から顔面へ左膝蹴りを叩き込み、2ダウン目を奪取。トーナメントは2ノックダウン制のため、中島のKO勝ちとなった。
第3試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×山本直樹(優弥道場)
○横山朋哉(リーブルロア)
2R 1’32” KO (2ダウン:パンチ連打)
山本は一回戦で伊藤健人を右のカーフキックで2R KO。横山は松本涼雅を2R左フックでKOしている。
1R、サウスポーの横山が左ミドル、ストレートを出し、山本もオーソドックスから右ミドル、ストレートを返す。中盤、山本が左フックを効かせると、横山はパンチを増やし応戦するが、山本は落ち着いて防御。さらに山本が右の三日月蹴り、左ボディの連打を効かせると、横山のやや苦し紛れな感のある左の飛び膝蹴りにカウンターの右フックを合わせてダウンを奪う。山本は再び右の三日月を効かせるが、横山はステップでかわし時間いっぱいまで逃げ切る
2Rも山本が圧を掛け右の三日月を当て、主導権を維持する。だが横山は山本の右三日月をかわしてから左のローを返すと、流れが変わることに。圧力が一時的に止まった山本に対し、横山は前に出て右ストレートを効かせ、左インローも絡めてからの左ストレートの連打でダウンを奪う。横山はこの勢いのままパンチを連打し、山本が防戦一方となったところで梅木レフェリーがストップ。横山の逆転KO勝ちとなった。
第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R)
×野田哲司(PURGE TOKYO)※TETSU 改め。月心会チーム侍から所属変更
○斎藤祐斗(JK TRIBE)
1R 1’11” KO (左ハイキック)
1R、斎藤が両手でブロックを固めながら圧をかけ、野田は周りながらパンチの連打、左テンカオを積極的に出す構図。野田が左ボディを当ててから、さらに圧を強めて来るが、野田はかわしてから不意打ちの左ハイをクリーンヒット。野田は立ち上がるがフラついたため、レフェリーがストップした。
第9試合 メインイベント 決勝 3分3R(延長1R)
○中島千博(POWER OF DREAM/極真会館2017全日本ウェイト制軽重量級優勝)
×横山朋哉(リーブルロア)
判定3-0 (豊永30-28/梅木30-28/岡田29-28)
※中島が王者に
※3R左フックで横山に1ダウン
フルコンタクト空手の極真会館出身の中島は、19年にKrushでキックデビューし、3戦目の20年2月、横山相手にプロ初黒星を喫しているが、今回ベルトを懸けた戦いでリベンジに成功する。
1R、横山がサウスポーに構え、じわじわ前に詰めようとするのに対し、中島が細かいフェイントをかけて時折スイッチして距離を取る構図。お互い蹴りを出すがまだ慎重で手数は少ない。
2R、横山がボディから顔面へのパンチの連打で先手。すぐ距離を取った状態に戻ると、中島も伸びのある右ストレートをお返しする。その後もスイッチを織り交ぜつつ左フックをヒットする。だが横山も終盤手数を上げ、クリーンヒットまでにはならないがパンチを度々当てるように。記者採点はここまで2Rともイーブンだ。岡田ジャッジのみここまでで横山に1ポイントをつけている。
すると3R、序盤から試合が動く。中島がサウスポーで左ローを打ってからオーソドックスに戻す。そして左ジャブを連続で振ってから、横山が右ミドルを出したタイミングで、左フックをクリーンヒットしダウンを奪う。中島はその後もスイッチを繰り返し、前足でフェイントをかけ、軸足刈りも絡め、横山に付け入る隙を与えない。終盤、横山はパンチを連打するが、力が入らず、中島は難なくブロック。最後も右ストレートを当てて終了する。結局、3Rのダウンが決め手となり、中島が判定勝ちで王座獲得を果たした。
ベルトを巻いた中島はトーナメント出場選手や練習仲間に感謝の言葉を述べつつ「4歳からずっと空手を教えてくださった相見(秀樹)先生ありがとうございます。また、キックボクシングを一から教えて下さったPOWER OF DREAM古川(誠一)会長、ありがとうございます。この2人の師匠がいなければ今の僕はいないと思っています」と話し、「このベルトに恥のないよう精進します。まだK-1のベルトが残っているのでそこも目指していきたいと思います」と宣言し、現在、武尊の持つK-1同級ベルトを目標に掲げた。
近藤魁成、66.5kg契約戦でソアレスを40秒KO
第8試合 セミファイナル 66.5kg契約 3分3R(延長1R)
○近藤魁成(大成会館/キックボクシングジム3K/K-1甲子園2017・2018 -65kg王者)
×アラン・ソアレス(ブラジル/ブラジリアンタイ/FIGHT DRAGON 67kg王者、GOLD RUSH 67kg王者)
1R 0’40” KO (膝蹴り)
近藤は昨年3月のK-1東京ガーデンシアター大会でマキ・ドゥワンソンポンに判定勝ちしたが、右拳を負傷し、療養を経て10カ月ぶりの試合。ウェルター級(67.5kg)からスーパー・ライト級 (65kg)に階級を下げるため、今回は間の66.5kg契約で戦う。ソアレスは名古屋在住でダニロ・ザノリニ率いるブラジリアンタイに所属。HEATを主戦場とし、9月の第2代K-1ウェルター級王座決定トーナメントでK-1系の大会に初登場したが、安保瑠輝也にKO負けしている。
試合は近藤のワンサイドゲームに。1R、前に出るソアレスに対し、近藤はステップでかわしつつ左右のテンカオをヒット。さらに右のローも当てる。ソアレスは安保戦同様、相手の動きに全く反応できない。近藤が左右のテンカオの連打で棒立ちになると、梅木レフェリーはダウンを宣告。ソアレスはその後崩れ落ち、レフェリーがストップした。
近藤は「65kgに来た意味をしっかり見せれたと思うんで、ベルトをしっかり取ります」とマイクアピールした。65kgのスーパー・ライト級のリミットで、もう少しレベルの高い相手との戦いからが正念場となりそうだ。
山内佑太郎&牧平圭太が揃って引退の10カウントゴング
牧平圭太 引退エキシビションマッチ 2分2R
―野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPウェルター級王者・元同スーパー・ライト級王者、元Krushウェルター級王者)
―牧平圭太(HALEO TOP TEAM/Krushウェルター級王者)
勝敗無し
牧平は07年にプロデビューし、14年に故郷広島時代の先輩・山本優弥に勝利しKrushウェルター級王者に。15年の初代K-1スーパー・ウェルター級王座決定トーナメントでは日本人として唯一のベスト4進出を果たした。19年12月に加藤虎於奈に敗れて以降は試合から遠ざかり、ダメージの蓄積により引退を決めた。現在K-1系の同じウェルター級のトップに君臨する野杁とは12年8月のKrush名古屋大会で対戦し、牧平は判定負けしている。牧平は現在33歳。通算戦績37戦20勝(7KO)15敗2分。
牧平は引退エキシでサウスポーに構え、野杁にミドル等の蹴りを当て続ける。1R終盤あたりから野杁が右インロー、左ボディ、スイッチしてのミドル、カーフ等を当て続けて圧倒。トップ選手の高いスキルを見せつけた。引退セレモニーではかつてベルトを争ったライバル、渡部太基、塚越仁志、そして家族が花束を贈呈し、牧平はいったんリングを降りる。
さらに続けて、山内佑太郎(HALEO TOP TEAM/元全日本ウェルター級&スーパーウェルター級王者、元WBCムエタイ日本スーパーウェルター級王者)の引退セレモニーが行われた。
山内は1月25日で44歳になったばかり。02年に全日本キックでプロデビューし、全日本では2階級を制覇し、中量級のエースに君臨。09年からKrushを主戦場とし、王座奪取はならなかったが、主力の一人として活躍。18年1月のKrushでジョーダン・ピケオーにKO負けして以降、試合から遠ざかっていた。昨年11月のK-1での3年8カ月ぶりの試合をもって引退を決意し、城戸康裕と戦ったが2R KO負けに終わっていた。通算戦績は52戦28勝(11KO)19敗5分。
山内には山本優弥、城戸康裕が花束を贈呈。同門の後輩・牧平も再びリングに上がり、2人の所属するHALEO TOP TEAMの三崎和雄代表が2人に花束を贈呈した。両選手とも関係者に感謝の言葉を述べ、牧平は「格闘技は生きること、死ぬことを身をもって感じる、激しく厳しいスポーツです。だからこそ人に感謝でき食べ物のありがたみを感じられる素晴らしいスポーツです」「こんなに学びの多い格闘技を1人でも多くの人がやりチャンピオンを目指してもらえれば」とも話し、山内は「みなさんが見守る中、ずっと一緒にやってきた牧平とリングを降りることができ、ファイターとして最高の終わりを迎えられました。このリングで戦って来れて本当に良かったです」とも話した。最後は2人揃って10カウントゴングを聞くという、異例の引退式となった。
兼田将暉、K-1 JAPAN GROUP初戦で判定勝ち。國枝悠太はKO勝ち
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×龍斗(team NOVA)
○兼田将暉(RKS顕修塾/ACCELフェザー級王者、元HEATライト級王者、元RKSスーパーフェザー級王者、K-1甲子園2017 -60kg優勝)
判定0-3 (岡田28-30/島村28-30/山根27-30)
地元関西と愛知の大会を主戦場としてきた兼田が、プロとしてはK-1 JAPAN GROUP初参戦。1R、ミドルの応酬が続き、サウスポーの兼田が、中盤から少し手数を上げるが、まだ大差はない。
2R、龍斗が前に出るが、兼田は左インロー、ボディブローを細かく当て続けて、やや優位に。終盤には左ストレート、右アッパー、左ハイも絡める。初参戦だが相手を押して距離を作るのも上手い。
3R、龍斗は挽回を狙って前に出続けるが、中盤、兼田が突き放してから、不意打ちの右バックハンドブローを当てて龍斗をひるませる。その後も左ストレートを的確に叩き込み、最後は連打で下がらせ終了。2R以降のポイントを取り、兼田が判定勝ち。高い技術を印象付けた。
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×桝本翔也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○國枝悠太(二刃会)
3R 1’52” KO (3ダウン:右ストレート)
1R、ベタ足で圧をかける桝本に対し、國枝は距離を取り続けると、中盤、桝本の右ストレートをかわしてから、右ストレートでダウンを奪う。
2R、國枝は変わらずステップを駆使しつつ、ボディ、顔面にパンチをヒット。中盤、桝本も詰めて左ボディを強打するが、國枝はひるまない。終盤も桝本が圧をかけ続けるが、國枝は強打はもらわず随所でパンチを返す。
3Rも桝本が出て来るが、國枝は踏みとどまってパンチを連続で振るい、左ストレートを立て続けてに当てて、10秒足らずでダウンを奪う。桝本はダメージが溜まっており、國枝が右ストレートで再びダウンを奪う。桝本の足元がおぼつかないようにも見えるが、芹沢レフェリーは続行。桝本はフラフラでも前に出るが、國枝は落ち着いてかわし、最後は右ストレートをクリーンヒットして3度目のダウンを奪い、試合を終わらせた。
第5試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
×橋本裕也(K-1ジム五反田チームキングス)
○中澤誠弥(PITBULL)
判定0-3 (27-28/27-28/27-28)
※1R中澤に左フックで1ダウン。2R橋本に右フックで1ダウン
第4試合 女子アトム級(45kg) 3分3R(延長1R)
○チャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)
×Kiho(TeamK.O.Garage)
判定3-0 (30-28/30-28/30-27)
プレリミナリーファイト第2試合 スーパー・バンタム級 3分3R
○冨澤大智(K-1ジム総本部チームペガサス)
×内田竜斗(チーム・タイガーホーク/K-1カレッジ2021 -55kg優勝)
判定3-0 (山根30-28/岡田29-28/島村30-28)
プレリミナリーファイト第1試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R
×水上陽生(ポゴナ・クラブジム)
○坂本優輝(PURGE TOKYO)
1R 0’52” KO (右ストレート)