Krush 10.31 後楽園ホール(レポ):璃明武、決勝で鬼山桃太朗をKOしスーパー・バンタム級王者に。スーパー・フェザー級王座決定T準決勝は中島千博×友尊、山本直樹×横山朋哉に
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格闘技医学会
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Krush.130
2021年10月31日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第7代Krushスーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント
第2試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○鬼山桃太朗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangスーパーバンタム級王者)
×内田 晶[しょう](チーム・タイガーホーク)
判定3-0 (西村30-28/岡田30-28/山崎30-27)
玖村将史が返上したスーパー・バンタム級王座を懸けてのトーナメントは、8月大会で一回戦4試合が行われ、4選手による準決勝と決勝が今回行われた。鬼山は一回戦で愛瑠斗に判定勝ち。内田は下馬評を覆し小倉尚也に判定勝ちした。
1R、鬼山がプレッシャーをかけ続け、積極的にパンチを振るい、終盤に右フックでダウンを奪取する。2Rも鬼山が終盤に左フックを強打。内田は左ミドルを当て続けるが、流れを変えられない。3Rも鬼山がプレッシャーをかけ続ける。終了間際に内田が打ち合いでパンチを当てるが、逆転ならず、鬼山が決勝に駒を進めた。
第3試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)
○璃明武[りあむ](K-1ジム総本部チームペガサス)
判定0-3 (西村28-30/三浦28-30/伊藤28-30)
黒田は8月の一回戦で小巻海斗に延長の末に判定勝ち。璃明武は一回戦の相手・吉岡ビギンが計量オーバーし、自動的に準決勝に上がると共に、試合も判定勝ちしている。
1Rはお互い見合う時間の長い慎重な立ち上がり。ロー、ストレートを両者当てるが、はっきり差はつかない。2Rもお互い慎重だったが、中盤過ぎ、黒田の右フックのタイミングで、璃明武が右の膝蹴りを顔面にクリーンヒットしダウンを奪う。3R、後のない黒田は圧をかけ続けるが、璃明武は回って距離を取りつつ、右のカーフキックも当てて黒田の反撃を封じ判定勝ちした。
第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R)
×三井大揮(WIZARDキックボクシングジム)
○永坂吏羅[りら](K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)※吏羅 改め
1R 1’03” KO (左フック)
第10試合 メインイベント 決勝 3分3R(延長1R)
×鬼山桃太朗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangスーパーバンタム級王者)
○璃明武[りあむ](K-1ジム総本部チームペガサス)
2R 2’58” KO (3ダウン:左フック)
※璃明武がスーパー・バンタム級王者に
1Rは慎重な立ち上がり。お互いロー、インローを蹴り合うが、まだ深追いしない。終盤、璃明武が左ジャブを起点にパンチを増やすが、まだ鬼山は崩れない。記者採点はイーブン。
2R、璃明武が左ジャブのヒットをじわじわ増やすと、中盤過ぎから鬼山はもらいっ放しで抵抗できなくなる。すると璃明武はボディへの左の膝蹴りでダウンを奪う。璃明武はさらにパンチで追い詰め、左フックでダウンを奪取。鬼山は立ち上がるがダメージが大きく、最後は璃明武が左フックで鬼山をひるませて動きを止めたところで、芹澤レフェリーがストップした。
初のベルトを巻いた璃明武は「準決勝は判定でしたが、決勝はKOしたかったのでベルトを巻くことができてうれしいです。皆さんの応援のおかげで勝てました。目標はK-1チャンピオンですので、これからはそれを狙います」とアピールした。
バックステージでのインタビューで璃明武は「黒田選手はリーチが長くて左ジャブが当てにくかったんですけど、鬼山選手には当たってくれて、KOにつなげられたと思います」と話し、セコンドについたフィジカルトレーナーのニック永末氏については「自分のレベルを上げたくて教えてもらっています。前回の吉岡戦の後から行くようになって、効果は滅茶苦茶出ています」と明かし、師匠の梶原龍児氏に新たなベルトをもたらしたことについては「KOしたら肩車して滅茶苦茶喜んでくれて、何年も見てもらってるんで滅茶苦茶うれしいです」と話した。
第10代Krushスーパー・フェザー級(60kg)王座決定トーナメント・一回戦
第6試合 一回戦(1) 3分3R(延長1R)
×SATORU成合(K-1ジム総本部チームペガサス)
○中島千博(POWER OF DREAM)
3R 1’05” KO (左フック)
レオナ・ペタスが返上したスーパー・フェザー級王座を懸けたトーナメントが今大会からスタートした。成合と中島の1R、お互い慎重だったが、中盤から中島の右ハイが当たりだす。終盤には左ハイや顔面への前蹴りも当たり、終了間際には右ハイの2連打でダウンを奪う。
2R、中島が右の飛び膝を当てると、成合は額がパックリと割れドクターチェックが入る。再開後も中島が膝、ミドル、ハイ、軸足刈り等の等の足技を自在に決め、パンチも効かせ圧倒する。極真会館の全日本ウェイト制で優勝したことのある中島の蹴りが冴えわたる。
3Rも中島が蹴り主体で圧倒しつつ、最後は右フック、左アッパーで下がらせ、左フックでダウンを奪ったところで西村レフェリーがストップした。
第7試合 一回戦(2) 3分3R(延長1R)
×佐野天馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Bigbangフェザー級王者)
○友尊(TEAM K/BLUE DOG GYM/元NJKFスーパーフェザー級王者)
不戦勝 (佐野の計量失格)
不戦勝となった友尊は勝ち名乗りを受けた後マイクを持ち「今回のトーナメント、格闘技人生で一番懸けてます。今までで一番強いです。今回試合できず悔しいです。でも切り替えて、来年1月、絶対優勝します」と宣言した。
第8試合 一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○山本直樹(優弥道場)
×伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)
2R 2’54” KO (右カーフキック)
1R、伊藤が序盤から右のカーフキックを効かせ先手。だがバッティングで山本が額をカットしたため一時中断し、流れが途絶えてしまう。すると再開後、山本が負けじと右のカーフを連打し挽回する。記者採点はイーブン。
2R、山本が右のカーフを執拗に当てると、伊藤はバランスを崩すように。さらに右の飛び膝も当ててひるませると、右のカーフでついにダウンを奪う。伊藤が出血したためドクターチェックが入るが、再開後も流れは変わらず、山本が右のカーフの連打で2ダウン目を奪ったところでレフェリーがストップした。山本は「まだまだこんなもんじゃないんで、もっと仕上げます」とアピールした。
第9試合 一回戦(4) 3分3R(延長1R)
○横山朋哉(リーブルロア)
×松本涼雅(team ALL-WIN)
2R 2’40” KO (左フック)
1R、横山がサウスポーに構え、左のインローを当て続け、時折左ボディストレートを絡める。とはいえまだ攻撃は少なく、松本も随所で右ハイ、右ローを返し、印象を残す。記者採点はイーブン。
2R、横山が随所で左ボディを効かせてから、左ストレートも当てるようになり優勢に。松本は少し表情が歪む。横山は左ボディ、左ストレートを当て続け、終盤に左ハイで下がらせると、コーナーに詰めての右ストレートでのけぞらせてから、最後は左フック一撃でマットに沈めた。横山は「優勝候補と言われていますが、もちろん優勝します」と宣言します。
一回戦は試合の流れた友尊を除き、勝った3人ともKO勝ちで準決勝へ。これにより1月28日の後楽園大会で行われる準決勝の組み合わせは中島千博 vs. 友尊、山本直樹 vs. 横山朋哉となった。1日で決勝まで行われる。
松谷綺、Krush初戦はダウン奪い完勝
第4試合 女子アトム級(45kg) 3分3R(延長1R)
×森川侑凜(GRES 8Mile GYM)※サポートスクールグレスから所属表記変更
○松谷 綺[きら](ALONZA ABLAZE/ミネルヴァ・ピン級(45.36kg)4位)
判定0-3 (豊永26-30/三浦26-30/伊藤26-30)
1R、サウスポーの森川に対し、松谷がプレッシャーをかけ続け、右ミドルを主体にしつつ、左ストレートも随所で叩き込み主導権を握る。
2R、松谷が右ローを効かせ、終盤にはオーソドックスになった森川に左ミドルを連打。最後は左膝をボディに効かせてから、左フックでダウンを奪う。
3Rも松谷が右ローを効かせ、左の三日月蹴りで動きを止めてから、右ローで倒す。岡田レフェリーはダウンとしなかったが、その後も松谷が顔面、ボディ、足に何発も当て続けて圧倒し判定勝ちした。
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○林 勇汰(FLYSKY GYM)
×水津空良[そら](優弥道場)
1R 2’50” KO (パンチ連打)
1R、林が序盤からプレッシャーを強め、中盤に右ボディを効かせつつ、パンチ連打からの左フックでダウン奪う。その後もパンチを当て続け、左と右のフックの連打で倒したところでレフェリーがストップした。林は「怪我で長い間できんかったんですけど、勝てて良かったです」と話しながら涙を流した。