Krush 8.21 後楽園ホール:璃明武、計量オーバーの吉岡ビギンを蹴りで完封。内田晶、下馬評覆し小倉尚也を撃破
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Krush.128
2021年8月21日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 第7代Krushスーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・一回戦(4) 3分3R(延長1R)
×吉岡ビギン(team ALL-WIN/元Krushバンタム級王者)
○璃明武[りあむ](K-1ジム総本部チームペガサス)
判定0-3 (西村28-30/岡田28-30/梅木28-30)
※吉岡が計量500gオーバーで1R減点1、グローブハンデ(吉岡10オンス、璃明武8オンス)、報酬20%減額。勝敗に関わらず璃明武が準決勝進出
玖村将史が返上したKrushスーパー・バンタム級王座を懸け、8選手参加のトーナメントが今大会からスタートする。今大会では一回戦4試合を行い、準決勝と決勝は10月31日のKrush後楽園ホール大会で予定している。
今大会はKrush女子アトム級タイトルマッチ・菅原美優(王者)vs. MIO(挑戦者)がメインイベントとなる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で菅原が出場できなくなり中止に。この吉岡×璃明武はあくまで大会の最終試合で、「メインイベント」とは銘打たれていない。だが、上記の通り吉岡が計量オーバーし、主催者的には「泣きっ面に蜂」といった状態に。吉岡は前回の試合、3月のバンタム級(53kg)王座防衛戦の際にも計量を1.3kgオーバーする前科があった。
吉岡は頭を坊主にして入場。リングイン直後に四方に頭を下げ、ルール説明の対面時も璃明武に再三頭を下げる。1R、璃明武は圧力をかけ、執拗に右のカーフキックを放ち続ける。吉岡はある程度ブロックしているが、左足のふくらはぎは真っ赤に。吉岡もローを返すが蹴り数の差は明白だ。計量オーバーの失態への反省もあってか、吉岡からはいつものような攻めに行く気迫が伝わって来ない。記者採点は璃明武。
2Rも璃明武は左ミドルを絡めつつ、右のカーフを執拗に当て続けると、終盤、ついに吉岡はスリップするように。吉岡はセコンドの指示に従い、時折スイッチし難を逃れる。記者採点は璃明武。
3R、吉岡はカーフを嫌ってサウスポーに固定するが、璃明武はリーチ差を活かして右ミドルを当て続け主導権を維持する。最後、吉岡はバックハンドブローを当てるが、攻めきれないまま終了。記者採点は璃明武。合計27-30で璃明武。ジャッジ3者とも28-30で璃明武を支持し、璃明武の勝利となった。
璃明武は「KOできなかったですけど、元王者を完封できたので、実力を見せられたと思います。10月31日は2試合ともKO勝ちでベルトを巻きます」とアピールした。
第7試合 第7代Krushスーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・一回戦(3) 3分3R(延長1R)
×小巻海斗(真樹ジムAICHI)
○黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)
4R 判定0-3 (箱崎9-10/西村9-10/太田9-10)
3R 判定1-1 (箱崎30-29/西村28-29/太田29-29)
1R、小巻が圧力をかけ続けるが、黒田は回って攻撃を許さず、終盤に左ミドル、右ハイなどを当てて、若干優位で終える。記者採点は黒田。
2Rも黒田が左右のミドル、ロー、右テンカオを度々当てて主導権。だが小巻も中盤から左右のボディのヒットを増やして巻き返す。記者採点は僅差だが黒田。
3Rも黒田の蹴り、小巻のパンチの構図。これまでより小巻はボディブローを増やすが、黒田は決定打を与えず蹴りを当て続ける。記者採点はイーブン。合計28-30で黒田。ジャッジは蹴りとパンチの評価で分かれ、三者三様で延長へ。
延長Rも黒田は蹴り主体で左ミドル、ハイも当てるが、右ストレート等のパンチも随所でヒットし、トータルの手数で上回る。小巻はパンチ主体だがなかなか当てられず、終盤に左ボディ、右フックを当てるが攻めきれず終了。記者採点は黒田。ジャッジも3者揃ってようやく黒田を支持し、黒田の勝利となった。
黒田は「試合前におばあちゃんが亡くなりました。絶対に負けられませんでした。黒田兄弟でチャンピオンになります」とアピールした。
第6試合 第7代Krushスーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・一回戦(2) 3分3R(延長1R)
×小倉尚也(スクランブル渋谷)
○内田 晶[しょう](チーム・タイガーホーク)
判定0-3 (豊永28-29/太田27-29/箱崎28-29)
1R、小倉が圧力をかけ続け、時折左ボディや右フックを強打する。内田はロープやコーナーを背にしつつも、左ミドル、ノーモーションの右ストレート、左ジャブを的確に当て続け、手数で上回り、試合を支配する。記者採点は内田。
2R、序盤にバッティングで内田がダメージを負うが、再開後、左右のストレートを効かせると、止まった小倉相手に前に詰めてパンチを連打し、右ストレートでダウンを奪う。小倉は右まぶたをカットする。記者採点は8-10で内田。
3R、小倉は前に出続け、右アッパーを立て続けにヒット。内田はダメージが大きく下がり続けるが、随所で右ハイ、ストレートを返し、猛攻を耐え終了。記者採点はイーブン。合計27-30で内田。内田がなんとか逃げ切る形で判定勝ちした。
下馬評を覆した内田は「俺が勝つと思った人、いないでしょ。俺が覆します。今年のKrushのリングの主役は俺です」と、シンプルながらも力強くアピールした。
第5試合 第7代Krushスーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・一回戦(1) 3分3R(延長1R)
○鬼山桃太朗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangスーパーバンタム級王者)
×愛瑠斗[えると](健成會)
判定3-0 (梅木30-27/岡田30-27/豊永30-28)
1R、鬼山が圧力をかけ続け、中盤に右ローを効かせてから、右フックでひるませる。終盤にも左右のフックをまとめ追い詰める。
2Rも鬼山が圧をかけ、ボディブローも絡めつつ、右フックを時折クリーンヒットし、優位を維持。3R、愛瑠斗はダメージが溜まり、バックハンドブローやハイを放つが力が入らず。鬼山がボディと顔面に的確にパンチを当て続け、優位を維持し判定勝ちした。記者採点は3Rとも鬼山で合計30-27で鬼山。
これで10月31日の後楽園での準決勝の組み合わせは鬼山桃太朗 vs. 内田晶、黒田勇斗 vs. 璃明武となった。鬼山はパンチャー、他3選手は蹴り主体といった印象。一回戦は4試合とも判定だったが、1日2試合となれば早めにKOしたほうが当然有利となる。10月31日、各選手はどういう戦いをするか?
エキシビションマッチ 2分2R
―MIO(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元シュートボクシング日本女子ミニマム級(48kg)王者)
―松谷 綺[きら](ALONZA ABLAZE)※VALLELY KICKBOXING TEAMから所属変更
勝敗無し
Krush女子アトム級(45kg)王者・菅原美優がコロナの影響で出場できなくなり、MIOとの防衛戦が中止となり、MIOは松谷綺とエキシビションマッチを行った。綺は兄の桐と共に昨年までRISEを主戦場にしていたが、NJKFのVALLELY KICKBOXING TEAMを離れ、卜部功也代表のALONZAに移籍し、K-1 JAPAN GROUPの大会に初登場する。18歳の高校3年生で戦績5戦3勝2分。相手は後日発表だが、10月31日のKrushでの初戦を予定している。
エキシはMIOが圧をかけ続けるが、綺は細かく左右のローを当て続け、ミドルや上段後ろ廻し蹴りをヒット。綺のヒットがやや目立ち、綺の素質の高さを印象付ける内容となった。
綺は「今回対戦して、トップ選手の強さを身をもって体験することができました。10月31日の試合に向けて、しっかり練習して、自分の動きができるようにして、1年以内にベルトを取りたいです」と今後の抱負を述べた。
MIOは「タイトルマッチが流れてしまい、応援してくださった皆さんには申し訳ないですが、エキエキシビションマッチを組んでもらいうれしく思います。急遽受けてくれた綺選手、ありががとうございます。こうやって素質のある選手も参戦し、アトム級はもっと面白くなると思います」と話した。
第4試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○池田幸司(ReBORN経堂/K-1カレッジ2019 -55kg優勝)
×峯 大樹(若獅子会館/元RKSバンタム級王者)
判定3-0 (箱崎30-27/梅木30-27/岡田30-26)
1R、お互いまだ探り合うような状態が続いていたが、中盤、長身の池田が二段式の飛び膝で詰めてから、下がった峯に右ストレートを当ててダウンを奪う。峯はダメージが大きく、10カウントギリギリでポーズを取る。
2R、池田が右ローを随所で当てて効かせ、飛び膝で勢いよく攻める場面もありやや好印象。峯はローブロー、バッティングでダメージを負い、中断する場面が2度ある。
3R、峯が圧力を強め、左フックで池田をひるませるも、中盤以降は池田も右フック、右膝のヒットを増やし挽回。池田が峯に1ポイントも与えず判定勝ちした。
第3試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×遠藤信玄(Capture the flag/WPMF日本&J-NETWORKライト級王者)※K-1ジム目黒TEAM TIGERから所属変更
○齋藤祐斗(JK TRIBE)
2R 1’33” KO (左フック)
1R、齋藤が圧力をかけ、大振りのフックを放ち続け、時折左を強打すると、遠藤は少しひるむ。だが遠藤も随所で右フック、右アッパーなどを返し、終盤はやや優位に。
しかし2Rもしつこく齋藤が前に出続けると、ロープに詰め、遠藤の右ミドルの後、左フックをクリーンヒット。遠藤は立ち上がれず。齋藤のKO勝ちとなった。
第2試合 女子ミニマム級(48kg) 3分3R(延長1R)
○C-ZUKA(T-GYM/元ミネルヴァ・アトム級王者)
×KAI(ファイティスジムMSC)※リバーサルジム立川ALPHAから所属変更
4R 判定2-1 (山崎10-9/豊永10-9/西村9-10)
3R 判定1-1 (山崎30-28/豊永29-30/西村29-29)
MMAのベテラン・KAIがKrush初参戦。前に出続けると、C-ZUKAが回ってミドル、ローを当て続けてやや優位だったが、1R終盤にはKAIもボディと顔面へのパンチのヒットを増やして巻き返す。2Rも同じ構図でほぼ互角だが、ややKAIのパンチが目立つか。3RもKAIが随所で右フックを当てるが、C-ZUKAも終盤にパンチをまとめる。
ジャッジは三者三様で延長へ。KAIは前に出続け、パンチを積極的に出し、随所で右フックを当てる。C-ZUKAは蹴り主体で当てつつ、終盤にはパンチも増やす。僅差だが記者採点はC-ZUKA。やはりジャッジは割れ、2者がC-ZUKAを支持しC-ZUKAの判定勝ちとなった。
第1試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×斉藤雄太(K-1ジム五反田チームキングス)
○大野祐志郎(ALL-WIN team 華王州)
3R 1’28” KO (右フック)
※1R左フックで斉藤に1ダウン