Krush 3.27 後楽園ホール:壬生狼一輝、吉岡ビギンに判定勝ちしバンタム級王者に。K-1同級トーナメント開催を希望。大岩龍矢の終了直前KO勝ちに武尊「良いバトンもらった」
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Krush.123
2021年3月27日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第7試合 メインイベント Krushバンタム級(53kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×吉岡ビギン(team ALL-WIN/王者)※初防衛戦
○壬生狼一輝(力道場静岡/挑戦者)
判定0-3 (豊永28-29/梅木28-28/西村28-29)
※壬生狼が王者に
※吉岡が計量1.3kgオーバーし減点2、ファイトマネー30%減額。吉岡10オンス、壬生狼8オンスのグローブハンデ。吉岡は勝っても引き分けても防衛とはならず王座が剥奪される。
吉岡は安保瑠輝也率いるteam ALL-WINに所属する20歳で、K-1 JAPAN GROUPでは5戦全て判定勝ち。昨年12月の第6代王座決定トーナメントの準決勝で黒田斗真、決勝で橋本実生を下してタイトルを獲得した。
対する壬生狼は19歳。九州で行われている「大和」で王者になり、昨年4月に力道場静岡に移籍し、8月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2戦目では元バンタム級王者の晃貴に判定勝ち。今年1月のKrushでは松本日向との無敗対決で判定勝ちし、無敗記録を9に伸ばすと共に、タイトル挑戦権を掴み取った。壬生狼はプロレスファンで、会見や公開練習での大仁田厚のものまねや、プロレスラーの名言の引用でも話題を振りまいてきた。
なお、上述の通り、前日計量で吉岡は体重をオーバーしたためペナルティが科される。計量後の会見には壬生狼だけが出席した。
吉岡は入場時、コーナーの下で観客に頭を下げたが、試合はいつも通り積極的なファイトを展開。1R、吉岡が圧力をかけ、壬生狼が細かくステップして距離を取る構図。お互い右のカーフキックを当てつつ、パンチの打ち合いになると、吉岡が左右のフックを最後に正確に当て続け、好印象を残す。記者採点は吉岡だが、減点分も計算に入れると8-9で壬生狼。
2Rも吉岡が圧をかけ、壬生狼が回る構図。吉岡が打ち合いでパンチを当てるが、1Rよりはヒットが減り、壬生狼も当て返す。吉岡は左ミドルも強打するが、壬生狼も随所で右ローを返し、蹴りでもほぼ互角だ。記者採点はイーブン。
3R、吉岡は圧をかけ、パンチの打ち合いで左フックを的確に当て、左ミドルも当てる。だが壬生狼も右フック、右ローを随所でお返し。終盤になっても壬生狼のステップは止まらない。逆に吉岡は減量苦の影響もあってか、口が開きしんどそうで、パンチの空振りが増えてしまい、詰め切れず終える。記者採点はイーブン。合計28-29で壬生狼。ジャッジ1者は28-28のドローだったが、2者が28-29で壬生狼を支持。減点2が無ければ吉岡が勝っていた計算になるが、計量体重が1.3kg重かった分、圧力をかけやすかった可能性もあるだろう。壬生狼に勝利が告げられると、吉岡は改めて頭を下げ、壬生狼と陣営にも謝りリングを降りた。
ベルトを巻いた壬生狼は「静岡に来て1年で、ベルトを巻くことができたのは、力道場静岡の先生とみんなのおかげです」と話して涙を流した。続けて「もうそろそろK-1のバンタム級のトーナメント、開いてもいいと思うので。役者は揃っていると思います」と、まだバンタム級の無いK-1での王座決定トーナメントを希望した。最後は挨拶の恒例フレーズ「やる気、元気、一輝」を、観客に呼びかけて一緒に唱和して大会を締めくくり、セコンドの石井一成らと共に記念撮影した。なお、力道場静岡の深澤史和会長(右端)が持っているのは、2年前に亡くなった静岡出身の格闘家・花井岳文のパンクラスでの試合の写真だ。
第6試合 セミファイナル ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)
×川﨑真一朗(月心会ラスカルジム)
4R 判定3-0 (岡田10-9/西村10-9/梅木10-9)
3R 判定0-0 (岡田30-30/西村30-30/梅木29-29)
1R開始すぐ、サウスポーの大沢の左ローがローブローとなり一時中断する。再開後は、お互い距離を取り、蹴り主体の攻防で、攻撃は少ない。川崎が右のカーフキックを当てるが、まだ大沢は問題なさそうだ。
2Rも同様の構図だが、またも大沢の左ローがローブローとなり中断する。再開後、大沢が右のボディフックを強打するが、それ以外はお互い目立った攻撃が無い。
3R、川﨑は圧力を強め、左右のストレートのヒットを増やす。大沢はある程度ブロックしているが、手数の少ない状態が続く。しかし終盤に右ロー、左ボディのヒットを増やし、印象を良くする。
ジャッジは3者ともイーブンで延長へ。
延長Rも川崎は圧をかけるが、攻撃がなかなか出せない。逆に大沢は随所で右ロー、左ボディ、左ジャブを正確に当てて好印象を残し判定勝ちした。
第5試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×山本直樹(優弥道場)
3R 3’06” KO (右ストレート)
レオナ・ペタスに王座戦で負けた選手同士の顔合わせ。1R、低目に構え圧をかける大岩に、山本は右のカーフキックを度々ヒット。大岩も終盤にカーフを返して、右ストレートでも少しふらつかせ好印象を残す。
すると2R、接近戦が続き、少しずつ直樹の息が荒くなってくると、大岩が中盤過ぎに右のカーフキックを効かせ、足の止まった山本に、大岩が右のフックを連打してダウンを奪う。その後も大岩がパンチの連打で追い詰める。
3R、山本は息を吹き返し、左右のボディ、顔面狙いの右膝蹴り、左ハイを効かせ、大岩を下がらせる。だが終了間際、大岩が右ストレートをクリーンヒット。ダウンした山本はダメージが大きく、梅木レフェリーがストップ。大岩が危機を乗り越えKO勝ちした。
なお、武尊は翌日のK-1武道館大会でのレオナ戦を控えているため、盟友・大岩のセコンドに付かなかったが、試合直後、ABEMAの中継での大岩の勝利後の姿を載せ、「良いバトンもらった!!俺も勝つ。」とツイートしている。
龍矢KO勝ち@tatsuya_box
良いバトンもらった!!
俺も勝つ。 pic.twitter.com/H1peNqMgIq— 武尊 takeru (@takerusegawa) March 27, 2021
第4試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×SATORU成合(K-1ジム総本部チームペガサス)
○西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
2R 1’39” KO (パンチ連打)
1R、西元が序盤から圧力をかけ続け、左右のパンチを随所で当ててダメージを与え、中盤にスリップ気味ではあるが左のストレートでダウンを奪う。だが成合もダウン以前の打ち合いでパンチを当てて効かせており、終盤には左フックでダウンを奪い返し、五分に戻す。
だが成合のダメージは溜まっており、2R、西元が右のロングフックでダウンを奪う。成合は立ち上がるが、西元のパンチをもらい続けて下がり、最後は棒立ちになったところで芹沢レフェリーがストップした。マイクを持った西元は「これで10勝10KOになりました。チャンピオンなるんで。これがKrushでしょ」とアピールした。
第3試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×SEIYA(MAD MAX GYM)
○竜樹(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)※ウィラサクレック・フェアテックス九州から所属変更
判定0-2 (豊永29-30/箱崎30-30/三浦29-30)
1R、SEIYAが圧力をかけ、左ミドル、右ロー、左ジャブ等を当て続け主導権を握る。だが終盤、竜樹が右ストレート一発でSEIYAを少しふらつかせる。印象を五分に戻したか。2Rも同じような展開となり、竜樹が試合をわからなくする。3RはSEIYAが左ハイも絡めやや好印象ではあるが、少しパンチをもらう場面も。ジャッジはSEIYAの手数よりも竜樹の一発のダメージを重視した模様で、竜樹の判定勝ちとなった。
第2試合 女子フライ級(52kg) 2分3R(延長1R)
×ファエゼ・ウィラサクレック [Faezeh Weerasakrec](イラン/ウィラサクレック・フェアテックス・イラン)
○RAN(MONKEY☆MAGIC KICKBOXING STUDIO)
判定0-3 (28-30/28-30/27-30)
両者ともKrush初参戦。18歳のRANが圧力をかけ、左右のフックで2Rと3Rにファエゼをぐらつかせて好印象を残し判定勝ちした。
第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×林 京平(湘南格闘クラブ/Bigbangライト級王者)
○國枝悠太(二刃会)
1R 1’47” KO (左フック)
1R開始間もなく、國枝が打ち合いでカウンターの左フックを当ててダウンを奪う。林が立ち上がるがダメージが大きく、再び國枝がカウンターの左フックを当てて2ダウン目を奪うと、レフェリーがストップ。國枝がK-1 JAPAN GROUP 2戦目で初白星を獲得した。
プレリミナリーファイト第2試合 女子53kg契約 2分3R
×小澤聡子(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○池内紀子(POWER OF DREAM)
判定0-3 (27-30/28-30/28-30)
プレリミナリーファイト第1試合 56kg契約 3分3R
○渚(K-1ジム五反田チームキングス)
×輝久(月心会チーム侍/K-1カレッジ2020 -55kg優勝)
2R 1’20” TKO (レフェリーストップ:左肩の負傷)