ONE 4.26 ルンピニー(レポ):小笠原瑛作、ONE全3戦KO勝ちのソーンスックノーイをひるませ判定勝ち。スリヤンレックは5勝目・7戦連続ボーナスで総額1千万円越え。小田魁斗判定勝ち。真美と高本奈月は黒星
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ONE Friday Fights 60
2024年4月26日(金)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C) ONE Championship
小笠原瑛作、ONE 3戦全勝のソーンスックノーイをひるませ判定勝ち
第4試合 ムエタイ 132ポンド(59.87kg)契約 3分3R
×ソーンスックノーイ・FAグループ[Sornsueknoi FA group](タイ)
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級(57.5kg)王者・元同スーパーバンタム級(55kg)王者、WPMF世界スーパーバンタム級王者、元ISKA K-1ルール世界バンタム級王者)
判定0-2
小笠原兄弟の弟・瑛作は昨年3月のKNOCK OUTで元ルンピニー3階級制覇王者のロンナチャイに判定勝ち。6月の試合もトンミーチャイに勝利すると、8月にONEルンピニーに初参戦し、ヨードウィッタヤをわずか32秒、右フック一撃でKOした。11月のKNOCK OUTではONEムエタイ同様のオープンフィンガーグローブ(OFG)の試合でウィンに延長判定負け。昨年12月の2戦目はチョーファーに2R右ストレートでKO負けし2連敗中だ。
今回の相手・ソーンスックノーイは29歳。昨年9月から今年1月にかけてONE Friday Fightsで3戦し、いずれもタイ人選手相手に2RまでにKO勝ちしている危険な相手だ。
構えは両者サウスポー。1R、ソーンスックノーイがプレッシャーをかけ、瑛作が左に回って距離を取る構図で、ソーンスックノーイが左ローを度々、瑛作も左ローを返し、時折詰めてボディと顔面へのパンチ連打につなげて応戦する。記者採点は迷ったが的確さで少し上回った瑛作。
2R、前に出るソーンスックノーイに対し、瑛作は序盤から右ストレートを当てると、ソーンスックノーイはフラついて膝をつく。すぐ立ったせいもあってか、ムエタイ式でレフェリーはダウンとは認めないが、瑛作はいい印象を作る。さらに瑛作はソーンスックノーイの左ミドルをつかんでから、左ストレートを連打する展開を2度作る。それでも執拗にソーンスックノーイは前に出るが、瑛作が左ローを随所で当てていると、ソーンスックノーイは前進のスピードが落ち、口も開きがちで、攻撃が当てられない。逆に瑛作は軽快にステップを取り続けている印象だ。記者採点は瑛作。
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3R、ソーンスックノーイが執拗に前に出て、左ミドル、ロー、ストレートを当てる。瑛作も左ロー、ストレート、右ジャブをお返しするが、中盤にソーンスックノーイが攻撃をまとめてやや優位に。中盤過ぎ、ソーンスックノーイの指が瑛作の右目に入り、一時ストップする。終盤に入り、ソーンスックノーイは倒せないと判断したか?圧力が落ち、ムエタイ式で流し気味な状態になって終了する。記者採点はソーンスックノーイ。合計29-28で瑛作。ジャッジは1者がドローとしたが、2者が瑛作を支持し、瑛作が判定勝ちした。瑛作はこれでONE 3戦2勝1敗の勝ち越しとした。
大分BRAVELY GYM所属スリヤンレックは5勝目・7戦連続ボーナスで総額1千万円越え
第12試合 メインイベント ムエタイ 132ポンド(59.87kg)契約 3分3R
○スリヤンレック・ポーイェンイン(タイ/ポーイェンインジム/BRAVELY GYM/元ルンピニー&ラジャダムナン認定スーパーバンタム級1位、元ワンソンチャイ・フェザー級王者)
×リッティデット・ソーソンマイ[Rittidet Sor.sommai]
判定3-0
スリヤンレックは19年と20年にK-1 GROUPに参戦し武居由樹と軍司泰斗に判定負け。昨年2月、大分のBRAVERY GYMのトレーナーとなり、福岡とタイでの2試合を経て、昨年7月からONE Friday Fightsに参戦すると6戦4勝(4KO)2敗の好戦績を残している。12月には武尊とも戦ったことのあるヨーキッサダーをKO。3月8日の試合ではポンペットとダウンの応酬を繰り広げ、2度のダウンを奪ったが、3Rとも1度ずつダウンを奪われ判定負けした。敗れたスリヤンレックも35万バーツ(約150万円)のボーナスを獲得したが、2か月足らずの試合間隔のため、ダメージの溜まり具合が気になるところだ。
対するリッティデットはONE Friday Fights5戦3勝(3KO)2敗と、スリヤンレックと同様にKO率が高く、3月15日の試合で2R KO勝ちしている。
1R、長身のリッティデットが右ハイ、ロー、左右の前蹴りを当て、背の低いスリヤンレックに入らせない状態が続く。終盤にはリッティデットの右ストレートも入り出す。スリヤンレックは時折詰めてパンチを振うが、ヒットは少ないまま終わる。記者採点はリッティデット。
2R、スリヤンレックは流れを変えようと圧力を強め、右フック、ボディを当てるように。リッティデットの右肘が少し当たると、スリヤンレックも一瞬フラ着いたように見えたが、すぐ持ち直す。すると中盤、リッティデットが右ローを当てた直後、詰めたスリヤンレックが右ボディと顔面へのフックのコンビネーションを決めてダウンを奪う。終盤、スリヤンレックは前に出続け、パンチを振って終える。
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3R、逆転を狙うリッティデットも最初から詰めて来たが、こうなればスリヤンレックとしては戦いやすく、逆にパンチの連打で迎撃し、リッティデットを苦しめる。リッティデットも左ハイ、フックを随所で返し、スリヤンレックにダメージを与え、今回も消耗戦に。だがスリヤンレックは変わらずパンチ、肘を何発も当て優勢を維持する。すると残り30秒、スリヤンレックは右フックの連打で、またもダウンを奪う。最後もスリヤンレックがロープに詰めて倒しにかかって終了する。記者採点合計30-25でスリヤンレック。
2ダウンを奪って判定勝ちしたスリヤンレックは7戦連続での35万バーツ(約150万円)のボーナス獲得となった。7試合総額245万バーツ、現在のレートで約1050万円と、1千万円越えを果たしたことになる。敗れたリッティデットも同額のボーナスを獲得している。
GRACHAN主戦場の小田魁斗が判定勝ち
第5試合 MMA フライ級(61.2kg) 5分3R
×クーパー・ロイヤル[Coopar Royal](オーストラリア)
○小田魁斗(CARPE DIEM福岡)
判定0-3
小田は24歳。GRACHANを主戦場としプロキャリアはまだ4戦だがONEに初出場した。対するロイヤルは24歳。アマで試合を重ねたのち、22年にプロデビューし5戦全勝で、昨年11月、今年1月とONEで試合をしフィリピンとウズベキスタンの選手相手にいずれも一本勝ちしている。
1R、序盤から小田が組んで足を掛けて倒し、ハーフで押さえる。中盤、スタンドに戻るが、小田は組み続け、またも足を掛けて倒して今度はトップポジションになる。終盤も小田はトップキープし、時折パウンドを当て主導権を維持する。
2Rも同様に小田がテイクダウンを奪いトップキープし時折パウンドを当てる。ロイヤルは背中をマットにつけたまま防戦一方だ。
3Rも小田が序盤から倒し、トップキープし、時折パウンドを当てて主導権を維持する。とはいえ動きが少なく、中盤にブレイクがかかる。終盤、ロイヤルはギロチンを仕掛けて引き込むが、ロープに引っ掛かりポジションが悪く、小田は脱出し、最後もトップキープし終了する。記者採点もジャッジ3者も小田で、小田が勝利したが、上になってから攻めあぐねる時間が長くなり、印象は十分に残せない試合となってしまった。次戦に期待したい。
真美、ガムシャラに前に出続けるも判定負け
第2試合 ムエタイ 女子ストロー級(56.7kg) 3分3R
○ジュニア・フェアテックス[Junior Fairtex](タイ)
×真美[まさみ](Team Immortal/S1世界女子ライトフライ級王者、元ミネルヴァ同級王者)
判定3-0
真美はONE初参戦。ONEには本名の「町田真美」で出場する。NJKF認定の女子部門・ミネルヴァを主戦場とし、昨年9月のNJKFではタイに本部のあるS1のムエタイ世界王座を獲得した。K-1 GROUPでも昨年はYuka☆とMOEに勝利している。菅原美優の練習パートナーでもあり、今回に備えて菅原もOFGをつけて真美のスパーリング相手を務める映像を、菅原がXにアップしていた。
対するジュニアは18歳で、昨年3月から今年2月までONE Friday Fightsで4戦全勝(1KO)と好成績を残しており、真美戦でも強さを見せつけることに。
1R、ガードを固めて真っすぐ詰めて来る真美に対し、ジュニアは左回りで距離を取り続け、左ジャブ、右ストレートを的確に当て、度々左右のミドルも絡め、主導権を握る。記者採点はジュニア。
2R、真美はガムシャラに前に出るが、ジュニアはミドル、膝、肘、ジャブを当て続ける。だが真美がひるまず前に出続け、随所で右ストレートやボディを当てていると、ジュニアは口が開きしんどそうに。記者採点はジュニア。
Junior and Masami came to THROW DOWN #ONEFridayFights60 | Live Now
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3R、真美は変わらず前に出て、右ストレート、ボディをヒット。ジュニアはしんどそうではあるが、回ってひるまず左ジャブ、右ストレートを返し続ける。とはいえ真美も次第に消耗し、終盤にはジュニアの左ジャブをもらって後ろにバランスを崩してしまう。すぐに真美は前に出るが、ジュニアは距離を取り逃げ切る形で終了する。記者採点はジュニア。合計27-30でジュニア。ジャッジ3者もジュニアを支持し、ジュニアが判定勝ちした。
高本奈月は一本負け
第1試合 グラップリング 女子ストロー級(56.7kg) 10分1R
○リーシ・ヴァート[Liisi Vaht](エストニア)
×高本奈月(TATORU)
1R 1’38” 腕ひしぎ十字固め
高本はONE初参戦。熊本のTATORUに所属するブラジリアン柔術茶帯の選手で、道着無しの試合でも、22年のJBJJF全日本ノーギオープン女子アダルト・アドバンス・フェザー級で、ONE出場経験もある山田海南江に勝利し優勝した実績がある。
ヴァートもONE初参戦で柔術黒帯。タイ・パタヤのフェアテックス・トレーニングセンターに所属する。試合はヴァートの完勝に。リーチで勝るヴァートが高本の首を抱えつつ、10秒過ぎから早速グラウンドに引き込み、膝十字を狙ってからギロチンチョークにスムーズに移行する。ヴァートは一旦立ってからもギロチン、足関と移行し、高本も足関勝負に応じていたが、ヴァートはまたもギロチン狙いに切り替えると、バックを狙いに行きつつ下に落ちてから、体を起こした高本に腕十字を極めタップを奪った。
Liisi Vaht starts off ONE Friday Fights 60 with a SLICK submission 🥋#ONEFridayFights60 | Live Now
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