ONE 3.8 ルンピニー(レポ):本田良介、ONE 2戦目はウズベキスタンの新鋭に完敗。バズーカ巧樹・羅向・鮫島大翔も黒星。在日タイ人スリヤンレック、両者計5度ダウンの応酬の末判定負けもボーナス獲得
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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ONE Friday Fights 54
2024年3月8日(金)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship
本田良介、ONE 2戦目はウズベキスタンの無敗の新鋭に完敗
第1試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
×本田良介(タイガームエタイ)
○サンジャル・ザキロフ[Sanzhar Zakirov](ウズベキスタン)
2R 3’35” TKO (レフェリーストップ:右フック)
本田は32歳。修斗2017年フライ級新人王。22年8月からのDEEPフライ級GPに出場すると、越智晴雄、松場貴志、伊藤裕樹にいずれも判定勝ちし、昨年5月の決勝では福田龍彌に判定負けしたが、準優勝の好戦績を残した。6月にタイのプーケットにあるメガジム、タイガームエタイのトライアウトを受験して合格。12月にONE Friday Fightsに初参戦すると、デイブ・バンギギ(フィリピン)に判定勝ちした。
ザキロフはMMA 11戦(4KO/4一本)全勝の20歳。昨年8月のONE Friday Fights初戦でバンギギに3R TKO勝ちし、11月の2戦目でもザユンディン・スレイマノフ(ロシア)に判定勝ちしている。その前後にもウズベキスタンやロシアの大会で積極的に試合をこなしている。
試合はザキロフがレベルの差を見せつける内容に。1R、サウスポーの本田に対し、ザキロフはオーソドックスで構える。パンチが交錯した後、両者組み付いたが、ザキロフの右膝蹴りがローブローとなり中断する。再開後、ザキロフが首相撲から右膝を今後はボディにきっちり当ててから、タックルを仕掛けて倒す。本田はギロチンで迎撃しつつ、一度立つが、ザキロフは倒して上になる。立ち際にもザキロフは右膝を当てる。中盤、ザキロフがタックルを仕掛けると、またも本田はギロチンで迎撃するが、ザキロフはお構いなしに肩で抱えて中央に運び、マットに叩きつけて落とす。スタンドに戻り、ザキロフは前に出続け、右ミドルを当てる。終盤、ザキロフは本田コーナーをを押し込んで左肘も当てる。少しひるんだ本田をザキロフは倒して上になり、パウンドと肘を当てる。最後は立ち、ザキロフが右膝を当てて終える。ここまでザキロフ優位だ。
2R、ザキロフが序盤から本田をタックルで倒し、スタンドに戻ってからも右のミドル、ハイ、バックスピンキックで本田を圧倒する。中盤にまたザキロフが倒して上になる。本田はその先の攻めを許さないものの、本田がなんとか立ちかけたところで、ザキロフはすぐ対応し、立ち際に右膝蹴りをヒットする。アゴにもらった本田が後退すると、ザキロフは追いかけ、左右のストレート、右ミドルを連打してから、首相撲での右膝をアゴに当てダウンを奪う。本田はすぐにタックルを仕掛けて難を逃れようとするが、ザキロフは切りながら立ち際にまたも右膝を当てる。下がる本田にザキロフがパンチを当て続ける。ハーブ・ディーン・レフェリーはなかなかストップしなかったが、ザキロフの右フックでフラついたところでレフェリーがストップした。本田は両手を広げ不満げだったが、ストップは妥当だろう。
12-0 Unbeaten Sanzhar Zakirov starts the show with a second-round TKO!#ONEFridayFights54 | Live Now
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バズーカ巧樹、ONE初戦はダウン先取するも2ダウン喫し判定負け
第2試合 ムエタイ 143ポンド(64.9kg)契約 3分3R
○ノンタキット・トー・モースィー[Nonthakit Tor.Morsri](タイ)
×バズーカ巧樹[齋藤巧樹](菅原道場/KNOCK OUT-REDスーパーライト級(65kg)王者、元KNOCK OUT-BLACKライト級(62.5kg)王者、元WMAF&MA日本スーパーライト級王者)
判定3-0
バズーカは昨年3月のKNOCK OUTで不可思に3R KO負け。9月大会でのREDスーパーライト級王座決定戦では良太郎に6R判定2-1で勝利したが、12月大会ではマルコス・リオスに圧倒され2R TKO負けしている。今回はKNOCK OUTからの推薦でONEに初参戦する。
ノンタキットは28歳。名門PKセンチャイムエタイジムに所属し、プロムエタイ協会と7チャンネルの王座獲得実績がある。ONE Friday Fightsでは2戦しているが、昨年9月にオーストラリアの選手に判定負けし、10月にイタリアのレニー・ブラジに3R KO負けしている
Koki Saito and Nonthakit trade early knockdowns! #ONEFridayFights54 | Live Now
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バズーカは日本での試合同様、フェイスオフで相手に顔を近付け、場内を沸かせる。1R、開始すぐからノンタキットがプレッシャーをかけ続け、随所で右ストレートやローを当て主導権を握る。バズーカはなかなか攻撃が出なかったが、中盤、左ハイを空振りさせた後、右のバックハンドブローをクリーンヒットしダウンを奪う。不意を打たれたノンタキットだが、変わらず前に出ると、残り30秒を切り、バズーカの左の蹴り足をつかんで引っ張りつつ、右ストレートを当ててバズーカを倒し、ダウンを奪い返す。
2R、ノンタキットが変わらず前に出ていると、中盤、首相撲の展開でバズーカを突き放し、左ハイを空振りさせ、ロープ際までバズーカを下がらせると、バズーカが前に出返したタイミングで右ストレートを合わせてダウンを奪う。ノンタキットは前に出続け、右ミドル、肘を当てる。バズーカは右バックハンドブローを繰り返すが、足に力が入らず、スリップを繰り返し、印象を悪くする。
3R、ノンタキットが変わらずプレッシャーをかけ、右ミドルを当てる。ノンタキットの勢いも落ちてきたが、バズーカも攻撃が返せない。終盤、ノンタキットは右ハイを当て、バズーカをフラつかせる。バズーカは挽回できないまま終了。終わってみればノンタキットの完勝だった。
羅向、ONE初戦はロシアの選手に押され続け判定負け
第3試合 ムエタイ フライ級(61.2kg) 3分3R
○ルスタム・ユヌソフ[Rustam Yunusov](ロシア)
×荒谷羅向[らむ](ZERO/NJKF&WMC日本ライト級王者)
判定3-0
日本では「羅向」のリングネームで戦う荒谷は、昨年4月のBOMでのROAD TO ONEのトーナメント決勝でレンタ・ウォーワンチャイに敗れたが、12月のRWS、1月のTOP BRIGHTSでタイ人選手にKO勝ちし、今回のONE出場につなげた。相手のユヌソフもONE初出場となる。
POWERFUL teep from Rustam Yunusov #ONEFridayFights54 | Live Now
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1R、両者サウスポーで構え、ユヌソフが右の前蹴りで羅向を吹き飛ばす。ユヌソフがプレッシャーをかけ続け、左ローや膝を随所で当てる。終盤もユヌソフが右前蹴り、左ロー、組んでの左膝蹴りを的確に当て、主導権を維持する。羅向は大きなダメージは負わないものの、思うように攻撃が出せない。記者採点はユヌソフ。
2R、羅向は前に出続けるが、攻撃を的確に当てるのはユヌソフで変わらない。ユヌソフは右の前蹴りで距離を取りつつ、近づかれれば組んで膝を当てる。ユヌソフは縦肘やパンチも織り交ぜる。羅向も右のフックを随所で当てるが、クリーンヒットにはならず、手数さは大きいままだ。記者採点はユヌソフ。
3R、後の無い羅向は序盤から積極的にパンチを振うと、ユヌソフは押され気味になりスリップする場面も。だが羅向の攻撃は中盤になると途切れがちになり、ユヌソフがまたも右の前蹴りを当て、羅向の追撃を封じる。終盤、両者消耗が激しいが、ユヌソフがやや積極性で上回ったまま終わり、羅向は反撃できないまま終わる。記者採点はユヌソフ。合計30-27でユヌソフ。ジャッジ3者もユヌソフを支持し、羅向はONE初戦は黒星に終わった。
鮫島大翔もダウン先取するもKO負け
第4試合 ムエタイ 128ポンド(58kg)契約 3分3R
×鮫島大翔[さめしまひろと](ウィラサクレック・フェアテックス荒川/WMC日本・IPCC日本・M-1日本フェザー級王者)
○ペットランプン・ムアダブランパーン[Petlampun Muadablampang](タイ)
2R 1’39” KO (右ジャブ)
ONE初参戦の鮫島は25歳。昨年はNJKFで大田拓真に判定負けし、KNOCK OUTでは栗秋祥梧にKO負けしたが、BOMでしょーいにKO勝ちしている。
ペットランプンは27歳。ONE Friday Fightsでは昨年3月・4月・6月に参戦し、いずれもタイ人対決で3戦3勝(1KO)と好戦績を残している。拳を骨折したため休養していた。
1R、両者サウスポーで構え、慎重に見合う状態が続いたが、中盤、ペットランプンの左ローのタイミングで、鮫島が左ストレートを合わせてダウンを奪う。だがペットランプンはダメージが小さく、前に出続ける。残り30秒を切り、ペットランプンは前に重心をかけてじりじりと鮫島を下がらせてから、左ストレートでダウンを奪い返す。鮫島はダメージが大きく、ペットランプンはパンチを当て続ける。最後もペットランプンの左フックで鮫島が倒れたがが、ゴング直後と判断されダウンとみなされない。
2R、ペットランプンは鮫島を倒そうとばかりに前に出付け、パンチと肘を当てつつ、首相撲の膝蹴りも増やす。鮫島は防戦一方で、ペットランプンが前に出て右ジャブでまたもダウンを奪うと、レフェリーがストップした。ペットランプンは35万バーツ(約145万円)のボーナスを獲得している。
JAB KO Petlampun moves to 4-0 at ONE Friday Fights#ONEFridayFights54 | Live Now
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在日タイ人のスリヤンレック、両者計5度のダウンの応酬の末に判定負け
第12試合 コーメインイベント ムエタイ 132ポンド(59.87kg)契約 3分3R
×スリヤンレック・ポーイェンイン[スリヤンレック・ブレイブリー/Suriyanlek](タイ/ポーイェンインジム/BRAVELY GYM/元ルンピニー&ラジャダムナン認定スーパーバンタム級4位、元ワンソンチャイ・フェザー級王者)
○ポンペット・PKセンチャイ[Pompet PK Saenchai](タイ)
判定0-3
スリヤンレックは19年と20年にK-1・Krushに参戦し武居由樹と軍司泰斗に判定負け。武居戦では計3度のダウンを奪われたが、パンチとローキックで武居を苦しめた。昨年2月、大分のBRAVERY GYMのトレーナーとなり、福岡とタイでの2試合を経て、昨年7月からONEフライデーファイツに参戦すると5戦4勝(4KO)1敗の好戦績を残し、12月には武尊とも戦ったことのあるヨーキッサダーをKOしている。
対するポンペットは昨年5月からONEに上がり4戦3勝1敗で、前回12月にはリッティデットに3R TKO勝ちしている。
FIVE KNOCKDOWNS Pompet beats Suriyanlek in a Fight of the Year contender!#ONEFridayFights54 | Live Now
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試合は壮絶なダウンの応酬に。1R、スリヤンレックは体格では劣るものの、物おじせず前に出て、随所で右のパンチを当て優位に進める。だが終盤、スリヤンレックが前に出て左右のパンチを連続で放った後、かわしたポンペットが右フックをアゴに当ててダウンを奪う。スリヤンレックが立つと、今度はポンペットが詰めて来たが、スリヤンレックはカウンターの左ストレートを当ててダウンを奪い返す。最後はスリヤンレックのパンチラッシュで終わる。
2R、スリヤンレックはローを蹴る場面もあるが、変わらずほとんどパンチ主体の攻めで前に出続け、中盤にはまたもカウンターの左フックを合わせてダウンを奪う。スリヤンレックはパンチラッシュで右を度々当て優位に進めていたが、残り30秒、今度はポンペットがカウンターの右フックを当てると、スリヤンレックが後退し、ポンペットが右のテンカオを効かせ、コーナーに詰めて右フックを連打し、ダウンを奪い返す。最後はポンペットのパンチラッシュで終わる。
3R、スリヤンレックが序盤から前に出るが、ポンペットが右フックを当てると、スリヤンレックは後退する。ポンペットはパンチだけでなく左右の肘も絡め、スリヤンレックを追い詰める。スリヤンレックも下がりながらパンチを当てていたが、ダメージが大きく、中盤過ぎにポンペットが左フックでダウンを奪う。終盤、スリヤンレックは大逆転を狙ってパンチを振うが、空振りが続き終了。3Rのダウンが決め手となり、ポンペットが判定勝ちした。場内はダウンの応酬に大盛り上がりとなり、勝ったポンペットだけでなく敗れたスリヤンレックにも35万バーツ(約145万円)のボーナスが授与された。