KNOCK OUT 4.27 後楽園ホール(レポ):龍聖、シュートボクシング日本フェザー級1位の川上叶に判定勝ち。SB同級王者・山田彪太朗が龍聖に対戦要求
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MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.2
2024年4月27日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※BLACKルールは肘無し・ワンキャッチワンアタックのキックルール。REDルールは肘有りキックルール
龍聖、SB日本フェザー級1位の川上叶に判定勝ち。SB同級王者・山田彪太朗が龍聖に対戦要求
第11試合 メインイベント BLACK フェザー級(57.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○龍聖(MAJESTIC/Team KNOCK OUT/KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者)※Team KNOCK OUTから所属変更
×川上 叶[きょう](龍生塾/シュートボクシング日本フェザー級1位・元王者、元同バンタム級王者)
判定3-0 (少30-28/大沢30-29/和田30-28)
KNOCK OUT王者の龍聖とシュートボクシング(SB)の元王者の川上は2月の後楽園大会で戦う予定だったが、龍聖がインフルエンザでドクターストップがかかり、大会3日前になって4月大会への試合延期が発表されていた。
龍聖は16戦16勝(11KO)の23歳。昨年3月の代々木大会ではラジャダムナン王者のペットセーンセーブに延長判定勝ち。6月の後楽園大会では中国のチュームーシーフーと対戦し、キャリア初のダウンを喫したが、延長に持ち込み辛うじて判定勝ちした。9月大会は怪我の影響で欠場。その後クロスポイント吉祥寺とKNOCK OUTジム高幡不動に練習拠点を移し、心機一転臨んだ11月大会では、K-1王者・軍司泰斗とも戦い判定負けしたことのあるファク・スアレスを3R左膝蹴りでKOした。外国勢との試合の続いた龍聖だが、それ以前から軍司やRISEの門口佳佑ら同階級の王者たちとX上で挑発合戦を繰り広げ、日本フェザー級最強を証明したい思いを示しており、SBの前王者・川上という絶好の相手が用意された。
川上は20戦13勝(5KO)7敗の24歳。22年12月のRISEとSBの合同大会で安本晴翔とSBルールで対戦し判定勝ち。昨年4月のSBでの王座初防衛戦で山田彪太朗に判定負けして王座陥落し、7月のRISE大阪大会でも門口に判定負けしたが、12月のK-1大阪大会では斗麗にサウスポーからの左カーフキックを効かせ、2Rに右フックでダウンを奪い判定勝ちし、国内フェザー級上位の実力を示している。
1R、龍聖がオーソドックスで構え、サウスポーの川上に対してプレッシャーをかけ、川上は左に回る状態が続く。龍聖が右ミドル、三日月、ストレート、ボディストレート、インローを当て、川上も左ストレート、ミドル等を返す。やや龍聖の手数が多いが、川上も劣らず随所で返し、はっきりした差はつけさせない。記者採点はイーブン。
2R、パンチの打ち合いで川上も左ストレートを当てる場面があるが、中盤からは龍聖の右のミドル、三日月、テンカオ、カーフキックののヒットが目立つようになり、川上は一瞬だが表情を崩したり動きが止まる場面が目に付くように。川上はすぐ持ち直し大崩れはしないが、やや印象が悪い。記者採点は龍聖。
3R、龍聖のジャンピングしての右ミドルのタイミングで、川上が左フックを当てて倒すが、秋谷レフェリーはスリップと判断する。龍聖は変わらず右のミドル、カーフを当てるが、これまでよりもヒットが減り、しんどそうな表情を見せるが、川上も追撃につなげられない。すると最後、龍聖が右のバックハンドブローをクリーンヒットし、良い形でラウンドを終える。記者採点は龍聖だがイーブンもありうる。合計30-28で龍聖。ジャッジ3者も龍聖を支持し、龍聖が判定勝ちした。
龍聖はこれでプロデビュー以来の連勝が17に。マイクを持った龍聖は、2月大会の欠場をSBサイドに謝罪した後、「KOで勝ちたかったんですけど、差は見せられたと思います。6月、代々木で会いましょう」と、6月23日の代々木第二体育館大会への出場を表明した。
するとリングサイドで試合を見ていたSB日本フェザー級王者の山田彪太朗がリングに入った。彪太朗は昨年4月、川上に勝ってSB王者となった後、タイ人相手に3連勝し、4月13日のSB後楽園大会では、この日の龍聖のセコンドにもついた栗秋祥梧に判定勝ちしたばかりだ。
マイクを持った彪太朗は「メインイベントがこの試合でいいのか」と龍聖を挑発すると、龍聖は「うるせえ」と言い返した。さらに彪太朗が「川上選手に勝ってSBに勝ったと思って欲しくないんで」と話すと、龍聖は「こいつね、川上選手とタイトルマッチやってるけどシーザーポイントで勝ってるから」とツッコむ。彪太朗は「いやいや」と否定し「SBの一番は自分なんで、本当のSB対KNOCK OUT、やりましょう」と対戦を呼びかけた。龍聖は「わかりました。ありがとうございました」と言い、彪太朗と拳でタッチし、対戦を承諾した。龍聖は大きな怪我は無い様子で、両者の対戦は早ければ6月の代々木大会で実現しそうだ。
壱・センチャイジム、負傷判定で古村光に勝利しベルト奪還
第10試合 セミファイナル KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級(55kg)タイトルマッチ 3分5R(延長1R)
×古村 光(FURUMURA-GYM/王者)※初防衛戦
○壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/挑戦者・元王者、元ルンピニー日本バンタム級王者)
5R 0’28” テクニカル判定 0-3 (和田48-49/大沢48-49/秋谷48-50)
古村兄弟の弟・光と壱は過去に2度、KNOCK OUTで対戦し、22年3月の初対決ではキャリアで勝る壱が判定勝ちしたが、昨年8月のタイトルマッチでの再戦では光が判定2-1で勝利し、壱からベルトを奪取した。光はその後、12月の古木誠也戦を練習中の怪我(鼻骨2箇所骨折)で欠場し、試合をしていないが、今年1月から兄の匡平と共に佐賀から上京し、龍聖のいるKNOCK OUT GYM調布に練習拠点を移した。壱は11月に片島聡志に、12月に古木に判定勝ちし2連勝している。
1R、両者サウスポーで、距離を取って慎重に探り合う状態が続く。終盤になりお互いの左ストレートの頻度が上がるが、まだ差はつかない。記者採点はイーブン。
2R、どちらも3度目の対戦で手の内をある程度把握しているせいもあるだろうが、攻撃が少ない状態は続く。壱の攻撃が若干多いが、どちらもミドルは当てるが単発止まりで、なかなか膠着状態を打破できない。
3R、お互いロー、ミドルのヒットがこれまでよりも少し増え、これからといった雰囲気になったが、終盤、壱がパンチを振って前に詰めた際にバッティングとなり、古村は右まぶた、壱は額から出血する。両者ドクターチェックという異例の展開となり、古村は視界のチェックも入る。再開するも、少しお互いボーっとしたような表情で、首相撲の展開の後にゴングが鳴る。
4R、どちらも出血はおさまる。お互いミドルやローを当てる場面もあり、少し壱の攻撃が多いが、今一つどちらも力の入りきらない状態で、なかなか差は付かない。
5R、序盤にまたも壱が左ストレートを振って前に出た際にバッティングとなる。今度は古村のほうだけダメージが大きく、右まぶたを閉じたままドクターチェックを受ける。結局古村はドクターストップとなり、ここまでの内容でのテクニカル判定となる。非常に僅差ながらやや優位に進めた壱をジャッジ3者とも支持し、壱の判定勝ちとなった。
ベルトを巻いた壱は「チャンピオンは俺じゃないといけないんで。KNOCK OUTは俺が背負います。山口元気代表が55kgで今年大きい動きがあると言ってて、肘有りの選手を全員集めてくれれば、俺がチャンピオンなります」とアピールした。
重森陽太、タイ人選手とのダウンの応酬制し判定勝ち
第9試合 RED 62kg契約 3分3R(延長1R)
○重森陽太(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDライト級(62.5kg)王者、元WKBA世界同級王者、元新日本フェザー級&バンタム級王者)
×セーンダオレック・Y’ZD[Saengdawlek Y’ZD](タイ/Y’ZD GYM/元タイ国イサーン地方王者)
判定3-0 (大沢28-26/少28-26/秋谷28-25)
重森は昨年2月のラジャダムナン認定ライト級王座挑戦を最後に新日本キックと伊原道場稲城支部から離れると、年の後半はKNOCK OUTで2戦し、8月にバットマンに判定負けし、11月のOFG-REDルールの試合でルンペットに2R肘でTKO勝ちした。その後、クロスポイント吉祥寺に加入し、2月12日のラジャダムナンワールドシリーズ(RWS)後楽園大会では元ラジャダムナン認定スーパーフェザー級王者で現在ライト級8位のサミンデットと対戦したが、サミンデットのサウスポーからの左ミドルに手を焼き判定負けしている。
今回も相手はサウスポーのタイ人。セーンダオレックは東京のY’ZD GYMのトレーナーで21歳。200戦以上のキャリアがあり、昨年6月のスック・ワンキントーンでは吉田敢を圧倒し2R左肘打ちでKO勝ちしている。その試合ではナチュラルウェイトに見える67kg契約だったが、今回62kgまで絞る。
1R、重森がサウスポーのセーンダオレックに対し、随所で右ミドル、ストレートをヒットする。セーンダオレックも左ミドルを時折返すが、終了間際、セーンダオレック左ミドルのタイミングで、重森が左フックを合わせてダウンを奪う。
2R、お互いミドルを蹴り合う中で、中盤過ぎに重森がプレッシャーをかけ、セーンダオレックの右前蹴りを左手ですくいつつ、右の縦肘を振ると、パンチのコンビネーションにつなげて左ストレートを当てて、またもダウンを奪う。だが終了間際、重森が右ボディストレートを放ち空振りした直後、セーンダオレックが左ストレートを当ててダウンを奪い返し、試合をわからなくする。とはいえ重森はダメージ自体は小さい様子だ。
3R、逆転を狙うセーンダオレックが前に出続け、左ミドル、ストレートを随所で当てる。重森はしんどそうだが、最後まで強打は打たせず終了。1Rにつけた点差を守り切る形で重森が判定勝ちした。
古木誠也、内田晶に判定勝ち
第8試合 BLACK 56kg契約 3分3R(延長1R)
○古木誠也(G-1 TEAM TAKAGI/KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級(55kg)王者)
×内田 晶[しょう](チーム・タイガーホーク)
判定3-0 (少30-28/北尻30-28/板倉29-28)
古木は昨年3月の代々木大会では松下武蔵に1R KO負けしたが、8月の王座防衛戦では小倉尚也を1R左フックでKOした。9月大会では森岡悠樹を1R右フックでKOしたが、12月大会では壱・センチャイジムとダウンの応酬の末に判定負けを喫している。
K-1 GROUPの内田は昨年8月に森岡悠樹に1R KO負けして以来となるKNOCK OUT再登場。12月のKrushでは岩尾力の相手に抜擢され判定負けしている。
1R、古木がプレッシャーをかけ続け、パンチを強振し、右のロー、カーフを当て、ハイにつなげる展開。内田はひるむことはないが、回って防戦が続く。
2R、古木は執拗に前に出続け、度々内田をコーナーやロープに詰め、左ボディ、フックを随所で強打する。さすがに内田も苦しそうな表情を浮かべるように。
3Rも同様で、古木が前に出続け左ボディ、フックを度々当て、主導権を維持し判定勝ちした。
第7試合 BLACK 71.5kg契約 3分3R(延長1R)
○渡部太基(TEAM TEPPEN/元Krush&WPMF日本ウェルター級王者)
×CAZ JANJIRA(Team JANJIRA/NKBウェルター級王者、元蹴拳同級王者)
2R 1’42” KO (右ストレート)
渡部は56戦24勝(13KO)30敗2分、36歳のベテラン。2月大会では漁鬼に判定負けし4連敗中だが、年内での引退を決めており、年内のKNOCK OUTの本戦シリーズ毎大会出場を目指す。
今回、YUYAと対戦予定だったが、YUYAが繊維筋痛症により欠場し、試合2日前にCAZ JANJIRAへの変更が発表された。CAZは43戦20勝(4KO)16敗7分で渡部と同じ36歳。構えはサウスポー。KNOCK OUT関連の試合では19年6月のREBELS 67kg王座決定戦でUMAに1R KO負けし、22年10月にクボ マサヤに2R TKO負け。近年はNKBの主力として活躍し、4月20日のNKB後楽園大会ではタイ人選手のテーパプットと3R引き分けたばかりで、1週間間隔で後楽園のリングに上がる。
1R、両者サウスポーで構え、渡部が左ローを執拗に当てる。終盤になるとCAZも左ストレート、ハイを返すようになり、手数で巻き返す。
2R、次第に渡部もパンチで打ち合うようになり、中盤過ぎ、前に出てCAZを下がらせると、左の飛び膝蹴りでダウンを奪う。CAZはダメージが大きく、最後は渡部が左と右のストレートを連打し、CAZをマットに沈めた。試合後のマイクで渡部は6月23日の代々木第二大会出場を希望した。
第6試合 BLACK 女子57kg契約 3分3R(延長1R)
○鈴木万李弥(クロスポイント吉祥寺)
×NA☆NA(エスジム/ミネルヴァ・スーパーフライ級1位・元王者)
4R 判定3-0 (北尻10-9/和田10-9/板倉10-9)
3R 判定1-0 (北尻29-28/和田29-29/板倉30-30)
鈴木は昨年7月のK-1両国大会で後にK-1女子フライ級(52kg)王者となる☆SAHO☆に判定負け。10月のKrush女子フライ級王座決定トーナメント一回戦では麻央に判定負けした。今回は減量の少ない57kg契約で、クロスポイント勢のホームリングとなるKNOCK OUTに初参戦した。
今回は浅井春香戦が組まれていたが、浅井が練習中の怪我により欠場し、代わってNA☆NAが鈴木と対戦することが、大会の9日前に発表された。NA☆NAは4月14日のミネルヴァでのスーパーフライ級王座決定戦で上野hippo宣子に判定勝ちしたばかりだが、計量オーバーにより王者に認定されなかった。
両者ミドルを絡めつつも、基本的にパンチ主体の攻防で、どちらも強打する場面があり、一進一退の状態が続く。どのラウンドも僅差で、試合は延長へ。序盤こそNA☆NAの積極性が少し目立ったが、中盤からじわじわと鈴木がパンチと左ミドルのヒットを増やし終了。マスト判定により鈴木がジャッジ3者から支持され判定勝ちした。
第5試合 RED 66kg契約 3分3R(延長1R)
○ペッカデイ・クンクメール[Pheakdey Kunkhmer](カンボジア)
×柴田真吾(フリー/WMC日本スーパーライト級王者、元NJKF同級王者)※真吾YAMATO 改め。大和ジムから所属変更
3R 3’00” KO (右フック)
ペッカデイは立ち技戦績88戦74勝(25KO)11敗3分の23歳。KNOCK OUTが最近、カンボジアのクンクメール(ムエタイに近いルールの立ち技競技)に選手を送り込み、交流戦を行っている縁からKNOCK OUTに逆上陸した。
柴田は28歳でKNOCK OUT初参戦。昨年はONEフライデーファイツで3戦し1勝2敗。今回、バズーカ巧樹(KNOCK OUT-REDスーパーライト級(65kg)王者)との試合が組まれていたが、バズーカがが3月8日のONEフライデーファイツで鼻骨を骨折したため欠場し、ペッカデイに変更となっていた。
1R、柴田がバックハンドブロー、右ロー等を当てる場面もあるが、ペッカデイは組んだ状態で肘を当て、終盤には右フックを当てて柴田を下がらせ好印象を作る。
2R、柴田は左の縦肘、ハイ等を随所でしっかり当て好印象を作る。ペッカデイもパンチと肘を返す場面があるがヒットが減ってしまう。
3R、お互い疲れが見え、攻撃が減るが、終盤、パンチが交錯した場面で、柴田は片膝をマットにつく。柴田はダメージが溜まっており、終了間際、ペッカデイが柴田をロープ際に下がらせ、右フックをクリーンヒットしダウンを奪う。柴田は立とうとしたが力が入らず、ペッカデイのKO勝ちとなった。
第4試合 BLACK バンタム級(53.5kg) 3分3R(延長1R)
×工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)
○星野航大(TORNADO)
1R 0’59” KO (左フック)
4連敗中の工藤と2連敗中の星野の一戦。星野が開始早々右ストレートでダウンを奪う。工藤は立ったもののダメージが大きく、星野がパンチラッシュで再びダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。マイクを持った星野は「53.5kg(バンタム級)のBLACKルール、まだベルト無いと思うんで作ってください」とアピールした。
第3試合 BLACK スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○小森玲哉(ONE’S GOAL)
×河崎鎧輝[かいき](真樹ジムオキナワ)
1R 2’37” KO (左フック)
第2試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○利根川仁(Realiser STUDIO)
×祐輝(OU-BU GYM)
4R 判定3-0 (10-9/10-9/10-9)
3R 判定0-1 (28-30/29-29/29-29)
第1試合 BLACK 女子アトム級(46kg) 3分3R
○Kiho(KNOCK OUT GYM調布)※Team K.O.Garageから所属変更
×KAI(フリー)
判定3-0 (30-28/30-28/29-28)
プレリミナリーファイト BLACK 54kg契約 3分3R
×川野龍輝(クロスポイント吉祥寺)
○蒔[まくと]・センチャイジム(センチャイムエタイジム)
2R 0’16” KO (右フック)