RWS 2.12 後楽園ホール(後半戦レポ):吉成名高、正規王者プレーオプラーオから1Rダウン奪い判定勝ち、タイ人以外初のラジャダムナン3階級制覇
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ラジャダムナンワールドシリーズ(RWS)
2024年2月12日(月/祝)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※大会前半のプレリミナリーファイト、RWS JAPANのレポは別記事に掲載します。
新時代のムエタイイベント、RWSが日本初上陸
ラジャダムナン・ワールド・シリーズ(RWS)は2022年からスタートした、タイの国技・ムエタイの外国へのアピールを目的とした大会。派手な舞台演出が特徴で、タイ人と他国の選手の交流戦が主体で、旗揚げ当初にはブアカーオと三浦孝太のエキシビションマッチが話題となった。昨年2月からラジャダムナンの王座獲得実績のある吉成名高が参戦し、3戦全てKO勝ち。8月の2戦目ではラジャダムナン認定フライ級王座を防衛し、12月23日の3戦目では同スーパーフライ級暫定王座を獲得した。3戦目は大会のメインイベントとなっていた。
これまで他にも日本からは石井一成、伊藤紗弥、奥脇竜哉、城戸康裕、福田海斗らが参戦し、日本はRWSで最も存在感を示している外国となっている。名高の所属するエイワスポーツジム(BOMプロモーション)の中川夏生代表は、RWSへの選手派遣をきっかけに運営サイドと交流を深め、今回のラジャダムナンスタジアム以外での初のRWSに全面協力することになった。
「格闘技の殿堂」同士の交流という要素もあるためか、東京ドームシティの運営会社も今大会に協力し、シティの各所にRWSを宣伝するデジタルサイネージが大会前に表示されていた。場内のリングのデザインはもちろん、装飾や照明も本場ラジャでのRWS同様に洗練されたものになっており、試合中に流れるタイの民族音楽も生演奏だった。
RWSはタイトルマッチ以外は3R制。大会後半の本戦カードはインターバル2分。どちらかに必ず優劣をつけるラウンドマスト制、ラウンドごとに採点が公開されるオープンスコアリングシステムが採用されている。終盤ラウンドで優勢な選手が防御に徹する、いわゆる「流し」はマイナス評価材料となっている。一般的なムエタイよりも、K-1やUFCといった他競技を見慣れた人にも馴染みやすいのが特徴だ。
吉成名高、正規王者プレーオプラーオから1Rダウン奪い判定勝ち、タイ人以外初のラジャダムナン3階級制覇
第7試合 ラジャダムナン認定スーパーフライ級(52.16kg)タイトルマッチ(王座統一戦) 3分5R
×プレーオプラーオ・ペップラオファー[Praewpraw PetchPrawFah](タイ/王者・元ミニフライ級王者、元WMC・WBCムエタイ世界・True4Uミニフライ級王者/51.82kg)
○名高・エイワスポーツジム[吉成名高](エイワスポーツジム/暫定王者・フライ級王者・元ミニフライ級王者、プロムエタイ協会・WPMF世界・BOMフライ級王者、WBCムエタイ・ナイカノムトム・スーパーバンタム級王者、元ルンピニー・WMC・WBC・IBFムエタイ世界ミニフライ級王者/52.12kg)
判定0-3 (44-50/44-50/44-50)
※名高が正規王者に
名高は23歳。昨年7月のBOM渋谷大会で王者・ウェウワーに判定勝ちし、ラジャダムナン認定フライ級王座を獲得し、タイ人以外では初となるラジャダムナン2階級制覇を達成した。バンコクのラジャダムナンスタジアムでの8月のRWSでは、同級5位のルンヴィッタヤーを終始圧倒して4R TKO勝ちし同王座を初防衛した。その後も3連続KO勝ちし、12月23日のラジャでのRWSではラジャダムナン認定スーパーフライ級10位のシューサップに2R KO勝ちし、同級暫定王者となった。1月21日のTOP BRIGHTS群馬大会ではジャオクントーン戦をKOしている。名高は現在28連勝中だ。
プレーオプラーオは25歳。元ラジャのミニフライ級王者で、昨年6月にスーパーフライ級王座を獲得し2階級制覇を達成。10月のRWSのメインイベントでディヌアトンに判定勝ちし王座初防衛した。その試合は1R目に左フックでダウンを奪われたプレーオプラーオが、2Rから猛反撃して3Rに左肘打ちでダウンを奪い返し、4Rは休みつつも5Rもポイントを取り判定勝ちする内容で、プレーオプラーオのタフさと試合運びの巧さが光った。だが12月27日のラジャダムナン創設78周年大会でのリマッチではディヌアトンに3R KO負けし、それから約1か月半の間隔の試合となる。構えは名高と同じくサウスポーだ。
1R、両者サウスポーで構え、プレーオプラーオは前に出て来るが、名高は距離を取りつつ、左ロー、ボディを当てていると、左ボディが効き目を発揮する。プレーオプラーオが後退し、名高はロープに詰め、左ボディ等のパンチラッシュを仕掛け、最後は左ローでダウンを奪う。その後も名高がパンチを当て続けるが、最後はプレーオプラーオが持ち直して終える。記者採点もジャッジ3者も8-10で名高。
2R、プレーオプラーオは開始すぐから前に出て反撃を狙うが、名高は回って距離を取りつつ、左右の肘、ストレートを当て続ける。だがプレーオプラーオは前進を止めず、必死にパンチを振るう。最後はプレーオプラーオも右膝を強打するが、名高もパンチと肘を返し、一歩も引かない激闘に。記者採点もジャッジ3者も名高。
3R、プレーオプラーオは2分のインターバルで回復し、前に出続け、パンチを必死で振るう。名高は猛烈な圧力に押されるものの、被弾せずかわし続け、自分のジャブやローを随所でヒットする。終盤には名高が左ハイを2発当て、プレーオプラーオをひるませる。プレーオプラーオは終了10秒前の拍子木をゴングと勘違いして動きを止める場面もあり、意識を保つのが限界に来ている可能性がある。記者採点もジャッジ3者も名高。
4R、プレーオプラーオは変わらず前に出るが、名高がかわし続ける3R同様の構図が続く。プレーオプラーオもつかまえきれないが、バックステップを延々と続ける名高もさすがに疲れて来た様子で、ジャブやハイを返すが、ヒットは減る。とはいえ危ない場面は作らず、名高が優位を維持する。記者採点もジャッジ3者も名高。
5Rも同様にプレーオプラーオが前に出るが、名高は距離を取り続け、パンチを随所で当て、反撃を封じ終了。さらに点差を広げて判定勝ちし、スーパーフライ級の正規王者となり、タイ人以外初の2階級制覇に続く3階級制覇を達成した。
正規王座のベルトを巻いた名高は、リング上のインタビューで、1階級上のバンタム級のラジャの王者となったクマンドーイと戦う可能性を聞かれ「タイでするんじゃないか言われています。チャンピオンを取って第1章で、これからの第2章に注目して欲しいです」と話し、前向きな姿勢を示した。クマンドーイは12月16日のRISEの-54kgトーナメント決勝で田丸辰に判定負けしたが、1月20日のRWSでパントーに判定勝ちし、ラジャのバンタム級王座を獲得し、スーパーフライ級との2階級制覇を達成している。
バックステージのインタビュースペースに、名高は「あー、くそー」と叫びながら登場し、倒せなかったことへの悔しさを露わにした。名高は「プレーオプラーオ選手は僕の想像をはるかに超えたタフさでした。2・3Rの相手の勢いに気圧(けお)されて悔しいです。1Rにボディストレートを効かせられて、そこからラッシュしたんですけど、3階級目を意識して、力が入りすぎてしまいました」と振り返った。
改めて対クマンドーイに関して聞かれると「スーパーフライ級に落とせるならやりたいですし、作戦を練れば勝てると思います」「バンタムだと簡単に上げて勝てる次元じゃないので、会長や先生と相談し、次の道を考えたいです」と答えた。
今後について名高は「12月にプレーオプラーオを倒した選手(=ディヌアトン)とやる話もあるし、これから試練が続くと思います」「これからこの選手より上のランクが来ると思うので、そこで戦いますし、武尊選手のONEの試合を見て、世界の舞台の大会にも興味があります。連戦が続いたんで、ちょっとゆっくりしてから、次の活躍を見て欲しいです」と語った。(詳細は以下の記事に掲載)
RWS 2.12 後楽園ホール:吉成名高、ラジャ3階級制覇直後インタビュー「僕の想像を遥かに越えるタフさだった」「クマンドーイ選手がスーパーフライ級まで落とせるならやりたい」「ONEにも興味がある」
レンタ、ラムナムーンレックへのリベンジならず
第6試合 ライト級 3分3R
○ラムナムーンレック・オーアチャリア[Lamnamoonlek Or.Atchariya](タイ/ラジャダムナン認定ライト級1位、RWS同級トーナメント’22 ’23優勝、元WMC世界同級王者)
×レンタ・ウォーワンチャイ[松井蓮汰](ウォーワンチャイプロモーション/ラジャダムナン認定ライト級15位、BOM・WMCインターコンチネンタル・WPMFインターナショナル同級王者、Road to ONE JAPANムエタイ日本トーナメント2023同級優勝)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
レンタは昨年4月、Road to ONE JAPANムエタイ・ライト級日本トーナメント決勝で羅向をKOし優勝。11月のBOMライト級王者決定戦でも羅向に判定勝ちした。ラムナムーンレックとは7月のRWSで対戦し判定負けしている
ラムナムーンレックはRWSのライト級トーナメントを2蓮連続制覇しているトップ選手。昨年2月のシュートボクシングに参戦し、笠原弘希を左ミドルで苦しめたがジャッジに評価されず、延長3R目(6R)にシュートポイントで差をつけられ判定負けしている。
試合前日の昼の公式計量で、ラムナムーンレックはライト級リミットを1.1kgオーバーした。その後の主催者からのアナウンスは無かったが、関係者の話によると、ラムナムーンレックはその後も減量を続けたという。ラムナムーンレックは試合前日20時過ぎの再計量でも0.2kgオーバーしていたが、レンタ陣営が了承し、ペナルティ無しで試合が行われたとのことだ。
1R、開始すぐからレンタが前に出て、サウスポーのラムナムーンレックに右ミドル、ストレート等を当て、積極的に攻める。だが中盤からラムナムーンレックも前に出て、左ミドルやフックを返して巻き返し、やや優位で終える。記者採点もジャッジ3者もラムナムーンレック。
2R、ラムナムーンレックは左ミドルを度々当てる。レンタも左ボディ、右テンカオを当てるが、ラムナムーンレックはひるまず前に出て、左ボディをお返しし、左フック等のパンチも増やし、差をキープして終える。記者採点もジャッジ3者もラムナムーンレック。
3R、ラムナムーンレックは距離を取って回り続ける逃げ切りモードで、左ミドルのヒットが減る。レンタは左ボディや右テンカオを時折当て、場内を沸かせるが、ラムナムーンレックを捕まえきれず終了。記者採点はレンタ。ジャッジ3者はラムナムーンレックにつけ、ラムナムーンレックのフルマークでの判定勝ちとなった。
馬渡亮太、ラジャ3位カムバックに判定負け
第5試合 128ポンド(58.05kg)契約 3分3R
○カムバック・TKユッタナ[Comeback TK.Yuttana](タイ/ラジャダムナン認定フェザー級3位)
×馬渡亮太(治政館/WMOインターナショナル・スーパーバンタム級王者、元ジャパンキック&チェンマイ認定バンタム級王者)
判定3-0 (30-26/30-26/30-26)
馬渡はジャパンキックボクシング協会の主力選手。22年には5戦5勝3KOの好戦績を残し、ジャパンキックの年間表彰で最優秀選手賞(MVP)・KO賞・最高試合賞の3冠を達成した。BOMが主催した「Road to ONE JAPANフェザー級ムエタイ日本トーナメント」では一回戦を突破したものの、昨年4月の決勝で吉成士門に接戦の末に判定負けした。5月と6月、タイの大手プロモーター・ペッティンディー主催興行でタイの選手に判定勝ち。10月のジャパンキックではビン・リアムタナワットに2Rに肘で切られTKO負けしている。
カムバックについて大会主催の中川夏生氏は「当初ラジャダムナンの現役フェザー級王者のチャイラー選手を招へいしようと思っていたんですが、12月27日のラジャダムナンの創設記念大会で、カムバックがハイキックでチャイラーをKOしました。今、タイで一番強い選手で、馬渡選手にカムバックに変わると伝えると、『カムバックの方が強いんでやらせてください』と二つ返事で受けてくれました」とカード発表会見で話していた。
1R、カムバックはサウスポーで構え、開始すぐから前に出て左ミドルを連打すると、馬渡をロープに詰め、左ストレートで序盤からダウンを奪う。その後もカムバックは左ミドル、ストレートを当て圧倒する。終盤、馬渡も右ハイや膝を返すようになるが、流れを変えるほどにはならない。10-8でカムバックにつく。
2R、カムバックは変わらず左ミドルを当て続ける。馬渡は前に出て、右膝、肘を返すが、カムバックはクリンチで攻撃を寸断し続け、反撃を許さない。記者採点もジャッジ3者もカムバック。
3R、馬渡は必死に前に出て、右フックやミドルを放つものの、カムバックは逃げ切りモードで、左ミドルを当てつつ、クリンチとバックステップで馬渡の反撃を封じ、点差を広げて判定勝ちした。
重森陽太、ラジャトップクラスのサミンデットに判定負け
第4試合 ライト級 3分3R
○サミンデット・ノーアヌワットジム[Samingdet Nor.Anuwatgym](タイ/ラジャダムナン認定ライト級8位、RWS同級トーナメント’23準優勝、元ラジャダムナン・WBCムエタイ世界・True4Uスーパーフェザー級王者)
×重森陽太(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDライト級(62.5kg)王者、元WKBA世界同級王者、元新日本フェザー級&バンタム級王者)※Eight Weaponsから所属変更
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
重森は昨年2月の新日本キック後楽園大会で、ラジャダムナン認定ライト級王者・ジョームに挑戦したが判定負け。5月に新日本キックおよび伊原道場稲城支部から退会。その後、KNOCK OUTへのレギュラー参戦を表明し、8月の後楽園で2年ぶりにKNOCK OUTに参戦したが、ONEにも参戦しているバットマンに判定負けした。11月のKNOCK OUTでのOFGマッチでは元ルンピニー認定スーパーバンタム級王者のルンペットに2R肘でTKO勝ちしている。今回はKNOCK OUTからの派遣でRWS JAPANに参戦する。また、KNOCK OUTの総本山ともいえるクロスポイント吉祥寺に移籍しての初戦にもなる。
サミンデットは昨年5月のRWSでレンタに判定勝ち。9月のRWSのライト級トーナメント決勝でラムナムーンレックに敗れたが、大会主催の中川夏生氏は「タイのライト級の5本の指に入る選手です」と評し「もし重森選手が勝った場合は、ラジャダムナンのタイトルマッチも全然ありうると思います」と会見で話している。
1R、開始すぐからサミンデットがサウスポーからの左ミドルを度々当てて先手を取る。中盤から重森が右ミドルを返し、サミンデットの左ミドルをかわしてから右インローを当てるようになるが、蹴り数の差を埋めきるほどにはならない。記者採点もジャッジ3者もサミンデット。
2Rも基本的に同じような攻防で、サミンデットが左ミドルを的確に腕とボディに当てて攻勢を維持する。重森が右ミドル、ローを返す頻度は1Rより上がるものの、それでもまだ逆転するには遠い。記者採点もジャッジ3者もサミンデット。
3R、後の無い重森は蹴り数を上げ、右ミドルを当てる場面もあるが、サミンデットは下がりながらも左ミドルを当て続け、重森の逆転を封じ判定勝ちした。
MIKE JOE、ラジャミドル級1位ペッチマイに完敗
第3試合 ミドル級 3分3R
○ペッチマイ・シアダムムーパラーラジャムダン[Petchmai Siadam Mhooprara Rajadamnern](タイ/ラジャダムナン認定ミドル級1位)
×MIKE JOE(フィリピン/BATTLE FIELD/TEAM J.S.A/WPMFインターナショナル&WMCインターコンチネンタル・ミドル級王者、元Bigbangスーパーウェルター級王者)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
MIKE JOEはBOMとK-1に並行参戦している選手。BOMで2本の王座を獲得し、昨年6月のK-1初代ミドル級王座決定トーナメントでは一回戦でムスタファ・ハイダに判定負けした。対するペッチマイは12月のRWSでのラジャダムナン認定ミドル級王者決定戦で英国人のジョー・ライアンに判定負けしているが、中川氏は「タイ人のミドル級で一番強い選手です」と評する。
1R、サウスポーのJOEに対し、ペッチマイが右ミドルを度々当てて主導権を維持する。JOEはほとんど攻撃が返せない。 2R、ペッチマイはより積極的になり、右肘、ストレートも度々あて、右ミドルも当て続け、JOEを圧倒する。
3Rもペッチマイが右肘、ミドル等を当て続け圧倒し、点差を広げ判定勝ちした。
永澤サムエル聖光、攻撃型のイサンヌアに手を焼き判定負け
第2試合 63kg契約 3分3R
○イサンヌア・チョーパンセン[Isannua Chotbangsaen](タイ)
×永澤サムエル聖光(ビクトリージム/WMOインターナショナル&WBCムエタイ日本統一ライト級王者、元ジャパンキック同級王者)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
馬渡同様にジャパンキックの主力の一人である永澤は、7月にケンナコーン・ダブランサラカム(True4Uライト級7位)を2R左ローキックでKO。11月のジャパンキック後楽園大会では ベテランのピンサヤームと引き分けたものの、3Rにダウン気味に倒される場面が2度あり苦戦した。今回の相手のイサンヌアはタイのTrue4Uのテレビマッチのメインイベンターだという。
1R、開始すぐからイサンヌアが前に出て右ストレート、ミドル等を積極的に放ち先手を取る。だが永澤は強打をもらわず回り続け、次第に左ボディのヒットを増やすと、イサンヌアの勢いはじわじわ落ちる。記者採点はイサンヌア。ジャッジ3者も同じだ。
2R、イサンヌアは前に出て、変わらずパンチ、ミドルを当てる。永澤も攻撃を返すが、イサンヌアは序盤からの勢いを最後までキープし、1Rよりもはっきり差をつけて終える。
3R、イサンヌアは時折ミドルやパンチを当てるが、基本的には回って距離を取り、前蹴りで永澤を突き放し、詰められれば首相撲でその先を寸断する形で、逃げ切り判定勝ちした。
伊藤紗弥が第1試合でKO勝ち
第1試合 女子アトム級 2分3R
×ノンミン・トールソンキアット[Nongmin Tor.songkaite](タイ)
○伊藤紗弥(尚武会/WBCムエタイ&WMC世界女子ミニフライ級王者、BOM女子ライトフライ級王者、IPCC世界女子アトム級王者、元WPMF世界女子ピン級王者)
2R KO (右膝蹴り)
伊藤は昨年9月のRWS初戦ではモンクットペットに判定負けしたが、12月22日のラジャダムナンでの試合ではペットプライフォンに判定勝ち。1月21日のTOP BRIGHTS群馬大会ではサネーガームに判定勝ちした。ノンミンはプロ45戦35勝10敗の17歳。アマチュアムエタイでは2019、2021年、2022年にはユースの部で金メダルを獲得している。
1R、ノンミンが序盤、タイミングよく右ストレートを当てていたが、中盤から伊藤が前に出て、右ロー、ミドルを当てつつ、詰めて右ボディを効かせ、右ストレートにもつなげて、いい流れで終える。記者採点は伊藤。ジャッジ3名も伊藤につける。
2R、ノンミンの右ミドルに合わせ、伊藤が右ストレートを当ててスリップさせる。伊藤は前に出てパンチ、肘、ミドルを当て続けると、終盤、右のボディストレートを効かせ、そこから連打して右膝につなげてダウンを奪う。最後も右ボディを効かせ膝でダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。