ONE Championship 5.10 バンコク:修斗世界王者・佐藤将光、ONE初戦から快勝。徳留一樹、ONE 3戦目で初白星。鈴木博昭、ノンオーに完敗
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ONE Champioship「ONE: WARRIORS OF LIGHT」
2019年5月10日(金) タイ・バンコク:インパクト・アリーナ
レポート:井原芳徳 Photos by ONE Championship 中継:AbemaTV
第10試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
○佐藤将光(坂口道場/FIGHT BASE都立大/修斗世界バンタム級王者)
×マーク・フェアテックス・アベラルド(ニュージーランド)
2R 1’58” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
佐藤は昨年8月のONEの東京での記者会見に観客として来場し、ONEのチャトリ・シットヨートン会長兼CEOに対してONE参戦を熱望するアピールを展開。11月の修斗で齊藤曜にリベンジし修斗世界バンタム級王座の2度目の防衛に成功。今年1月にはONEと修斗がパートナーシップ契約を結び、「2019年1月以降に新たにプロフェッショナル修斗世界王者を戴冠した選手は、自動的にONE Championshipの契約選手になることができます」と発表されていた。近年でも内藤のび太、猿田洋祐ら修斗世界王者がONEに上がり、タイトルを獲得する等実績を残しており、佐藤も順当に契約できた流れだ。
佐藤のONE初戦の相手、アベラルドはニュージーランド出身でタイ在住。グアムのPXCで成果を残し、ONEのトライアウト「ウォーリアーシリーズ」で2勝。2月16日のバンコク大会で本戦デビューし、2Rまで竹中大地に攻め込まれたが、3Rにガードポジションから肘を当てて竹中の唇をカットし逆転TKO勝ちしている。
1R、ローキックの打ち合いの後、アベラルドが蹴り足をつかんで組んでくるが、佐藤は押して脇を差して倒し、トップキープはそこそこに、アベラルドの足を振り払って横に回りアベラルドの頭に膝を入れる。アベラルドはすぐ立つが、佐藤はもう一度押し込む。しばらくして離れ、佐藤は回って距離を取って、細かくフェイントをかけつつ右ローをコツコツと当てる。佐藤は足の裏を当てる関節蹴りも織り交ぜる。佐藤は左右のハイも当てるが、その後にすぐアベラルドは蹴り足をつかんで押し込んだり倒したりしており、完全に佐藤に流れは作らせない。アベラルドは時折肘も振るい、危険なムードを漂わせる。
Shoko Sato picks up a massive win for 🇯🇵, finishing Mark Fairtex Abelardo via TKO at 1:58 of Round 2! #WeAreONE #WarriorsOfLight #Bangkok #MartialArts pic.twitter.com/oq0WKqGagr
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年5月10日
2R、佐藤は序盤から左肘を当てると、組み付いて倒し、上からパウンドを落とす。佐藤はここでも押さえ込みにこだわらず。腰を上げてスペースを作った状態から、右のパウンドをアゴにクリーンヒットする。一発でアベラルドの動きを止めると、ここぞとばかりに左右のパウンドを連打し、アベラルドが防戦一方になったところで梅木レフェリーがストップした。持前の爆発力を発揮した佐藤は、勝利直後、トランクスの修斗のマークを指さして修斗をアピールした。
第12試合 メインイベント ONEムエタイ・バンタム級(65.8kg)チャンピオンシップ 3分5R
○ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
×鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM/元シュートボクシング世界スーパーライト級王者)
判定3-0
※ノンオーが初防衛
Nong-O Gaiyanghadao kicks up a storm against Hiroaki Suzuki to retain his ONE Bantamweight Muay Thai World Title via unanimous decision! #WeAreONE #WarriorsOfLight #Bangkok #MartialArts pic.twitter.com/5Buxbsu136
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ノンオーはルンピニーで4階級、ラジャダムナンでライト級を制覇した33歳のベテラン。現在はシンガポールのONEの拠点ジムであるイヴォルブに所属し、昨年からONEに参戦し3戦3勝。2月16日のバンコク大会のメインイベントでハン・ジーハオ(中国)に判定勝利しONEの王者となった。
鈴木はシュートボクシング(SB)のエースとして活躍し、S-cup 65kg世界トーナメント2014優勝、SB世界スーパーライト級王座獲得などの実績を残し、KNOCK OUTでも好勝負を繰り広げた。昨年8月いっぱいでジムとSBから独立し、11月にONEに初参戦し、デイヴィダス・ダニーラ(リトアニア)に判定勝ち。1月25日のマニラ大会ではモハメド・ビン・マムード(マレーシア)をサウスポーからの左インローで追い詰め3R TKO勝ちし、ONE 2連勝とした
鈴木はONE 3戦目にして初メインだが、ノンオー戦はこれまで2戦よりも明らかに過酷な戦い。しかも鈴木にとってタイはアウェーの立場だ。対タイ人といえば元WMC世界フェザー級王者のタップロンに16年2月まで3戦連続で敗れており、苦手なイメージが強い。それから3年以上経過し、成長ぶりが期待されたが、今回もタイ人の蹴りに手を焼くことになる。
試合場はケージで、オープンフィンガーグローブを着けての戦い。1R、鈴木がサウスポーに構えて前に出るが、ノンオーが左に回って細かくフェイントをかけながら右ミドル、ロー、ハイを着実に当て続ける。鈴木は時折左インローを返すが、蹴り数が少ない。
2Rもノンオーが執拗に右ミドルを当て続け、主導権を維持する。鈴木は前に出るがミドルを受け続け、左腕が赤くなり、攻撃を返せない。試合後の鈴木の話によると、2R時点で腓骨(足のスネの骨)を折り、フットワークが使えなくなっていたという。また、広い円形の試合場で、四角形のリングよりも距離を取りやすい状況もノンオーにとって功を奏しているようだ。
3Rも4Rも鈴木はサンドバッグ状態でノンオーの蹴りを受け続ける。ラジャダムナンやルンピニーでのムエタイなら賭けが成立せず、レフェリーストップになっていそうな展開だ。
5Rもノンオーが蹴りを当て続け、肘も絡めて圧倒。残り1分は前蹴りも絡めて距離を取るように。鈴木は前に出るだけで攻撃を当てられないまま終了。鈴木は為す術無いまま完敗に終わった。
第11試合 コー・メインイベント(セミファイナル) ONEキックボクシング・フライ級(61.2kg)王座決定戦 3分5R
○ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)
×エリアス・マムーディ(フランス)
5R テクニカル判定3-0
※ペッダムが王者に
ペッダムは2月22日のシンガポール大会でRISEフェザー級王者の工藤政英をサウスポーからの左ミドルで苦しめ、2R左ストレートでKO勝ちし、大きなインパクトを残した。
マムーディはK-1・Krushで小澤海斗、西京春馬、村越優汰に3連敗したが、本来はムエタイを得意とし、1月のマニラ大会では小笠原裕典を首相撲からの膝、肘でも苦しめて圧倒していた。今回は肘無し、首相撲制限ありのキックルールだが、マムーディが対タイ人でどこまで通用するか見ものだ。
In a wild back-and-forth battle, Petchdam Petchyindee Academy defeats Elias Mahmoudi via technical decision to win the ONE Flyweight Kickboxing World Title! #WeAreONE #WarriorsOfLight #Bangkok #MartialArts pic.twitter.com/Px1pomlYsJ
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年5月10日
1R、サウスポーのペッダムに、長身のマムーディが圧力をかけ、右の前蹴りを放って距離を詰めながら、右の肘を当ててペッダムをひるませる。だが肘が反則のため、大成レフェリーからイエローカードが出される。ダメージ回復の時間は正味1分程度で、ペッダムはダメージが残ったまま再開する。マムーディは圧力をかけ続け、右の前蹴り、右フックで積極的に攻める。終盤、ようやくペッダムが回復し、左ミドルが当たり出すが、マムーディの勢いは止まらない。
2R・3Rもマムーディが圧をかけて右の前蹴り、左右のフックを当て、ペッダムが左ミドルを返す構図が続く。ペッダムは1Rよりは盛り返しているが、マムーディーの主導権は崩せない。マムーディはクリーンヒットはならないものの、バックスピンキック、バックハンドブローも織り交ぜ、攻勢を印象づける。
4R、ペッダムがしつこく左ミドルを当てていると、マムーディは勢いがようやく落ち、ペッダムはパンチのヒットも増やし、ようやく主導権を奪う。
だが5R開始まもなく、ペッダムの蹴りがローブローとなり、マムーディがダメージを訴える。3分間の回復時間が設けられるが、それを過ぎてもマムーディは痛みを訴えたため、そこまでの内容で判定が行われる。ペッダムによるローブローは故意では無いと判断され、イエローカードにはならない。マムーデxは最初の反則が響いたか?ジャッジは3者ともペッダムにつけたものの、不完全燃焼で後味の悪い結末となってしまった。
第6試合 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
○徳留一樹(パラエストラ八王子/元パンクラス・ライト級王者)
×エイドリアン・パン(オーストラリア)
2R 1’27” TKO (ドクターストップ:左肘打ちによるカット)
徳留はONEに昨年から参戦し、ジャダンバ・ナラントンガラグに判定負け、クリスチャン・リーに1R TKO負けし、MMAでは17年12月のパンクラスの久米鷹介戦以降3連敗中だ。
対するエイドリアン・パンは41歳、MMAで40戦近いキャリアのあるベテラン戦士。14年からONEに参戦し、一時はエドゥアルド・フォラヤンら相手に4連敗したが、昨年11月のシンガポール大会では下石康太と対戦し、下石の右まぶたのカットで1R終了時にパンがTKO勝ちしている。
Japanese warrior Kazuki Tokudome scores the TKO win against a valiant Adrian Pang at 1:27 of Round 2! @toku_0304 #WeAreONE #WarriorsOfLight #Bangkok #MartialArts pic.twitter.com/bESEJusOpY
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1R、30秒過ぎに徳留がサウスポーからタックルを仕掛け、一瞬倒すが、すぐ立たれて押し込む。中盤に離れると、パンチの攻防でパンが右ストレートを当てて徳留をぐらつかせる。その後、徳留がパンをぐらつかせる場面もあるが、若干パンが手数優位で終える。
2R、徳留は開始すぐから右ジャブと左ストレートを連続で当ててぐらつかせ、タックルで倒してハーフガードになる。スタンドに戻されるが、すぐさま徳留が離れ際に左肘を当てると、パンは眉間のあたりから出血する。ドクターチェックが入ると、ストップがかかり、徳留がONE初白星をもぎ取った。
第3試合 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
×下石康太(BLOWS)
○ピーター・バウシュト[Pieter Buist](オランダ)
2R 3’55” TKO (レフェリーストップ:膝蹴り)
下石は7月のアリエル・セクストン戦、11月のエイドリアン・パン戦とONEで2試合とも敗れており、悲願の初白星を狙う。対するバウシュトはONE初参戦で、オランダのWorld Fighting Leagueのライト級王者。Tapologyのデータでは現在5連勝中。アンディ・サワーの弟子で、下石よりも20センチも長身の190センチ。同階級とは思えない体格を駆使したファイトでインパクトを残す。
Debuting Dutchman Pieter Buist connects with a series of devastating knees to knock out Kota Shimoishi at 3:55 of Round 2! @rpd_88 #WeAreONE #WarriorsOfLight #Bangkok #MartialArts pic.twitter.com/bYEElzbx5w
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年5月10日
1R、バウシュトが圧力をかけるが、下石はサウスポーに構えて左に回り続け、右フックをヒット。その後も圧力をかけるバウシュトに対し、下石が片足タックルを仕掛け、一発でテイクダウンに成功する。下石は金網際でハーフガードで押さえ込む。肩固めを狙いながらマウントを奪うと、バウシュトのブリッジに合わせてバックを奪い、ハーフガードに戻る。バウシュトは立ち上がり際にギロチンを狙うが、下石は対処し、バウシュトに組みついて離さない。
2R、バウシュトはテンカオを放ってくるが、下石はすぐ組み付いて倒す。もがくバウシュトをハーフで押さえ続けるが、そこから先の攻撃につなげられない。するとバウシュトが3分ほどで脱出すると、下石を押してから右ストレートを当ててひるませる。亀のようになった下石にバウシュトが右の膝蹴りを連打し、動きが止まったところで梅木レフェリーがストップした。
第9試合 ムエタイ フライ級(61.2kg) 3分3R
○ロッタン・ジットムアンノン
×ソク・ティー[Sok Thy]
2R 1’36” KO (右ローキック)
Rodtang Jitmuangnon knocks out Sok Thy with a crushing combination at 1:36 of Round 2 to stake his claim to a ONE Flyweight Muay Thai World Title shot! #WeAreONE #WarriorsOfLight #Bangkok #MartialArts pic.twitter.com/hwlj3DmQlx
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年5月10日
第5試合 ムエタイ フライ級(61.2kg) 3分3R
×シントンノーイ・ポー・テラクン
○サヴァス・マイケル[Savvas Michael]
判定0-3
第4試合 ムエタイ フライ級(61.2kg) 3分3R
○スーパーレック・ギャットムーガウ[Superlek Kiatmoo9]
×ルイ・ボテーリョ
判定3-0