ONE Championship 3.31 両国国技館:初の日本会見で青木真也「対五味、やってやろうじゃないか」「ONEに入ったからって人生は大きく変わりません」
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ONE Championshipは8月23日、新宿のパークハイアット東京で記者会見を行った。初の日本大会は来年3月31日の両国国技館大会に決まり、10月11日にも東京大会(会場未定)を開催する。会見にはONEのチャトリ・シットヨートン会長兼CEOをはじめ、日本からはストロー級王者の内藤のび太(禎貴)、元ライト級王者の青木真也、V.V Mei(山口芽生)、長谷川賢、海外からはバンタム級王者・ビビアーノ・フェルナンデス、ヘビー級王者・ブランドン・ヴェラ、女子アトム級王者のアンジェラ・リーをはじめ、ジョルジオ・ペトロシアン、ノンオー・ガイヤーンハーダオ、ゲーリー・トノン、ハウフ・グレイシー、ヘンゾ・グレイシーが登壇した。
会見冒頭、チャトリ氏はONEの歴史・特徴・近年の市場拡大ぶりをアピールし、日本大会については「来年は2大会ですが、再来年はもっと増やしたいです。個人的に日本が重要な市場です」と語った。チャトリ氏はタイ人の父と日本人の母を持ち、幼い頃に父親が破産して以降、母子家庭で育った過去があり、静岡の武家がルーツであることもアピールしていた。
青木が「日本大会らしい情緒ある試合をやるなら、青木対五味(隆典)、やってやろうじゃないかという気持ちです」と話すと、場内からは拍手。チャトリ氏は「私も見たい」と回答し、青木は「チャトリがいいのなら、9月30日のRIZINでやってやる。青木真也対五味隆典、矢地祐介、大砂嵐の1対3でやってやる」とも付け加えて笑いを取った。ただしチャトリ氏は「青木は10月6日のバンコク大会でイブ・タンに勝てば、来年3月はタイトルマッチの可能性がある」とし、「ハウフも五味とやりたいと言っていた。3人での戦いはどうか」と冗談で返した。
会見では桜庭和志と那須川天心にオファーしたいか?という質問も飛んだ。チャトリ氏は「桜庭には過去に2度オファーしましたがQUINTETの準備で忙しかったようです」「桜庭にはぜひまたオファーしたいです」と回答。これを聞いたヘンゾも「桜庭とやりたいです。無理なら仕方ありませんが、彼を尊敬しています」と話した。那須川についての質問に対してチャトリ氏は日本語で「RIZINにまだコントラクト(契約)があるからできないです」と答えたが「天心のことは信じている。(4月にシンガポールでチャトリ氏が経営する)イヴォルブでたくさん練習してびっくりした。将来世界チャンピオンになると思います。日本の一番いいキックボクサー」と絶賛した。なお、イヴォルブは那須川のスポンサーになったことが先週発表されている。
また、10月6日のバンコク大会でプロボクシングWBCスーパーフライ級王者・シーサケット・ソールンビサイの防衛戦を組むことに関連し、ボクシング界との関わり合いについても質問があり、チャトリ氏は日本語で「ONEは格闘技の家です。ボクシング、空手、グラップリング、MMA、全部見せたい。シーサケットはパウンドフォーパウンドでナンバー5に入ります」「(ONEの株式を持つ)マニー(・パッキャオ)と話しています。私は本気やりたい(=試合を組みたい)」と答え、ボクシングのビッグマッチ実現にも意欲的だった。
◆内藤のび太「こんな大きな会見に呼んでもらえて光栄です。日本大会も凄いことになると思います。そこにちょっとでも貢献できるよう頑張ります。(9月22日のジャカルタ大会でのジョシュア・パシオとの初防衛戦ではどう勝ちたい?)チョークで勝ちたいです」
◆長谷川賢「6月の試合(アウン・ラ・エヌサン戦)では負けましたが、ONEには高い評価をいただいたので感謝しています。日本大会に参加できるなら、あの日以上のパフォーマンスを見せたいので応援お願いします。(日本大会でエヌサンとやりたい?)やらせてくれるなら日本でぜひやりたいです。ミャンマーは凄く暑かったけど、いい経験ができました」
◆V.V Mei「格闘技を始めた時は女子選手が少なかったですが、続けて来て良かったです。(過去2度戦った)アンジェラ・リー選手は階級を上げるそうなので、他にいい選手がいるなら日本大会でタイトルマッチがしたいです。面白い試合ができる自信があります」
◆アンジェラ・リー「初めて日本に来れてうれしいです。ぜひ日本で試合がしたいです」
◆ブランドン・ヴェラ「色んな夢をONEでかなえましたが、格闘技の伝統のある日本で試合をするという夢もかなえたいです」
◆ビビアーノ・フェルナンデス「18年前に初めて日本に来ました。ONEで8年前から試合をして、また日本に戻って来れてうれしいです。UFCからもスターになれるからと契約を提案されたこともあります。ONEは私を信じ、人間として扱ってくれます。引退後の将来も約束してくれています。ONEはこれからもより大きくなるでしょう。青木やブランドンといった素晴らしい選手たちと一緒にONEを盛り上げたいです」
◆ジョルジオ・ペトロシアン「東京(K-1)で僕の人気が上がりましたので、また来れてうれしいです。チャトリ会長らの期待に応えられるよう頑張ります」
◆ノンオー・ガイヤーンハーダオ「ONEに参戦できてうれしいです。世界中のファンにムエタイの芸術性を伝えていきたいです」
◆ゲーリー・トノン「僕も日本で試合がしたいです。これまで僕は日本の柔術、柔道、MMAの選手から多くを学びました。米国のMMA界ではグラップリングが退屈だと言われ軽視されていますが、日本の皆さんは違う見方をしてくれるので素晴らしいです」
◆ハウフ・グレイシー「こういう場で話すのは苦手ですが、グレイシー一族の一人として日本に来ることができてうれしいです」
◆ヘンゾ・グレイシー「先月、ONEで近藤有己に勝った後、チャトリから『これは引退試合か?』と言われた後、私は『日本で試合できるなら、なぜ引退するのか?』と答えました。日本にまた来られてうれしいです。チャトリはニューヨークで私の柔術の教室の生徒でした。彼はONEをPRIDEのように大きな大会にできるでしょう」
また、記者・一般向けの席の前に用意されたVIP席には、ONEと契約している朴光哲、和田竜光、上久保周哉、若松佑弥、松嶋こよみ、阿部大治らも着席。修斗世界バンタム級王者の佐藤将光、佐藤にも勝っている齊藤曜(左下写真)らも来場し、質疑応答ではチャトリ氏にアピールする一幕もあった。その他にも多くの選手や業界関係者が姿を見せた。
“ONE景気”の恩恵に期待するムードに包まれた感のある会見の終盤には、客席にいたとある選手から、登壇した選手全員に「ONEに出場して世界が変わりましたか?」という質問が投げかけられた。「チャトリ氏のおかげで人生がいい方向に進んだ(ビビアーノ)」「お金を稼ぐ以上の目標ができた(アンジェラ)」「東南アジアの国々に恩返しができた(ヴェラ)」といった、王道な回答が続いた中、ONEの旗揚げ当時から参戦し、会場にいた日本人選手で最もMMA界で実績を残してきた青木は、他の日本人選手に警鐘を鳴らすかのように、一味違う回答を残したのが印象的だった。
「確かにONEに入ったらいっぱいチャンスがあります。でもONEに入ったからって人生は大きく変わりません。チャンスをつかむのは自分です。何をしていてもそうだと思います。誰かに人生を変えてもらおうじゃなく、自分で変えるのが人生だったり勝負だったりと思います。みんなここにいる人全員が今日からアクションしていけば必ず変わります」