ONE Championship 5.18 シンガポール:V.V Mei、アンジェラ・リーを追い詰めるも連敗。青木真也、華麗な一本勝ち
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ONE: UNSTOPPABLE DREAMS
2018年5月18日(金) シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 photos by ONE Championship
ONE世界女子アトム級(52.2kg)チャンピオンシップ 5分5R
○アンジェラ・リー(シンガポール/王者)
×V.V Mei [ヴィー・ヴィー・メイ/山口芽生](RIKI GYM/和術慧舟會GODS/HybridFighter/Team Teppen/挑戦者)
判定3-0
※リーが3度目の防衛
両者は16年5月の同王座決定戦で対戦し、アンジェラが判定勝ちし、その後も2度防衛している。Vはその後もONEに上がり、16年10月にイステラ・ヌネス(ブラジル)には判定負けしたが、その後はジェニー・ファン(台湾)にチョークで一本勝ちし、14年に一度敗れているジーナ・イニオン(フィリピン)に判定勝ちでリベンジして2連勝し、ベルト挑戦に辿り着いた。Vは3月末からカリフォルニアのチェックマット、チーム・オーヤマ、ジョシュ・バーネットのジムなどで練習し、日本ではTEPPENジムで那須川天心とも練習を重ね、大一番に備えた。セコンドには天心の父・弘幸氏がつく。
1R、長身のアンジェラが中央に構え、1分半過ぎには押し込み、膝、肘を当てるが、Vは突き放して右フックを返す。Vは右回り主体で距離を取りながら、時折右フックを当てる。終盤、Vがタックルから押し込むが、最後はアンジェラが押し返す場面も。まだ大差は無いが少しアンジェラ優勢か。(ONEはラウンド毎に採点はせず、試合全体で評価する)
2RもVが回り続けていたが、アンジェラが1分足らずでタックルを仕掛けて、足を掛けてテイクダウンに成功。Vは金網を背にして座った状態からスイープを狙うが、アンジェラは潰してトップキープしパウンドを落とす。Vが返して脱出しかけると、アンジェラが腕十字を極めたが、Vは立って振り落としてピンチをしのぐ。終盤はVがトップキープするが、腕十字を仕掛けられた印象が悪い。
3R、中盤にアンジェラの右ローをVがすくって右ストレートをヒット。しばらくVが圧力をかけていたが、次第にアンジェラが持ち直すと、3分半過ぎに押し込んでテイクダウンに成功。Vが立とうとすれば背後から抱え上げて倒し、バックマウントを奪う。パウンドを連打し、最後はチョークを狙い終了。アンジェラが印象差を広げる。
Angela Lee overcame all fears and insecurities she had from her car accident, scoring a unanimous decision win over Mei Yamaguchi and retaining ONE gold! #UnstoppableDreams #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/rC6Kxr9Z5O
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2018年5月18日
4R、Vは時折パンチを振り回して前に出るが、なかなか打開が図れない。3分半過ぎ、またもアンジェラの右ローをすくって、右のパンチを振るいながら倒して上に。だがアンジェラは下から足を登らせるなどしっかりディフェンスする。
5R、またもVがアンジェラの右ローをすくって倒しテイクダウンに成功する。Vは中央付近でトップをキープ。アンジェラも足と腰を動かして抵抗し、Vにその先の攻めを許さず、3分過ぎには下から腕十字を仕掛ける場面も。Vは対処して防御すると、上からパウンドを落とすが、アンジェラも金網を背にして立ち上がる。終盤、Vがタックルを仕掛けて倒すも、すぐ立たれて終了。アンジェラは両手を上げて勝ち誇る。
記者採点はアンジェラ。4Rと5RにVが挽回したが、2Rと3Rのアンジェラのチャンスの好印象を拭うほどの内容にはならなかった。ジャッジ3者も順当にアンジェラを支持し、アンジェラが王座防衛と返り討ちに成功した。Vは敗れたが、最後まであきらめず、逆転の糸口を必死に探る好ファイトを繰り広げた。
ONEスーパーシリーズ・ムエタイ・世界フライ級(61.2kg)王者決定戦 3分5R
○サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ/元ルンピニー2階級王者)
×セルジオ・ヴィールセン(オランダ/元IT’S SHOWTIME 61kg王者)
4R 2’47” KO (右肘打ち)
※サムエーが初代王者に
4月からONEで始まった立ち技部門。当初はリングの中で通常のボクシンググローブをつけての試合が行われていたが、この試合はケージの中でオープンフィンガーグローブをつけての試合となる。階級名称はONEのMMAに準じている。
1R、サウスポーのサムエーが右ジャブで距離を取り、右前蹴りでもフェイントを仕掛けつつ、左ミドルを的確にヒットし続け主導権。2R以降も同様で、ヴィールセンの攻撃を軽々とかわしながら左ミドルを当て続け、首相撲からの膝、肘も時折織り交ぜてヴィールセンを翻弄する。
4Rもサムエーが左ミドルを当て続けた後、左肘でダウンを奪取。最後は左肘を縦横無尽に駆使した後、右肘で2ダウン目を奪ったところで、ヴィールセンは座ったまま試合を放棄し、大成レフェリーがストップ。サムエーの完勝に終わった。
ONE世界フェザー級(70.3kg)チャンピオンシップ 5分5R
○マーティン・ヌグエン(オーストラリア/王者)
×クリスチャン・リー(シンガポール/挑戦者)
判定2-1
※ヌグエンが防衛
両者は16年8月に対戦し、ヌグエンが1Rギロチンチョークで勝利している。
1R、ヌグエンが右ストレートを当て、プレッシャーをかけ続けるが、中盤、アンジェラ・リーの弟・クリスチャンがタックルを仕掛けてテイクダウンを奪取。マウントを奪うが固執せず、立ちあがってから前回のお返しとばかりにギロチンを仕掛ける。極まりは浅く、ヌグエンが突き放しスタンド勝負に戻す。お見合いのままラウンドが終わる。
2Rもヌグエンが圧力をかけ、右フックを時折当て、クリスチャンのタックルを切り続け、主導権を握る。
3R、ヌグエンの圧力が少し落ち、お見合いが続くと、島田裕二レフェリーが両者に注意するが、お互い決め手の乏しいラウンドに。
4Rもお互い慎重だったが、3分過ぎにヌグエンがタックルからテイクダウンを奪い、金網際で上に。時折パウンドを当て、最後はスタンドに戻るが、好印象を残すことに。
5R、クリスチャンは反撃を狙ってタックルを仕掛けるが、倒せず離れる。両者ともスタミナが切れ、お見合い状態が続き終了する。2Rと4Rにチャンスを作ったヌグエンが判定勝ちし防衛を果たしたものの、今一つ攻めきれない内容となってしまった。
ONEスーパーシリーズ・キックボクシング 72.5kg契約 3分3R
○ヨードセングライ・IWEフェアテックス(タイ/元ルンピニー2階級王者)
×クリス・ンギンビ(コンゴ)
判定3-0
近年は中国のKunlun Fightを主戦場にしていたヨードセングライは現在32歳。1R、サウスポーからの左ミドルを序盤から当てるが、ンギンビも伸びのある右ストレートをお返し。だがヨードセングライは変わらず左ミドルを当て続け、パンチも絡めてじわじわと痛めつける。2R以降も同様の内容で圧倒し、ヨードセングライが完勝した。
ライト級(77.1kg) 5分3R
○青木真也(イヴォルブMMA/元王者)
×ラスール・ヤカイエフ [Rasul Yakhyaev](ロシア)
1R 3’15” 腕固め
青木は1月20日のジャカルタ大会でのグラップリングマッチでマラット・ガフロフにチョークで一本勝ち。MMAルールでの出場は昨年11月に1階級上のウェルター級王者・ベン・アスクレンの引退試合の相手を務め、1R TKO負けして以来となる。ヤカイエフはロシアが拠点のMMA大会・ACBを主戦場としてきた26歳。シャードッグでのMMA戦績は18戦11勝(3KO/4一本)6敗1無効試合。ONEでは1勝1敗の選手。
1R、青木がサウスポーに構え、15秒ほど経つとしがみつき、飛びつき腕十字を狙って引き込んで、すぐさまリバースして上に。北岡悟のアドバイスを聞きながら、肩固めとパスガード狙いの両方でプレッシャーをかける。そして中盤、ヤカイエフを脱出させながら下になりつつ三角絞めを極める。ヤカイエフが右のパウンドを落とすと、その腕も一緒に極めたところでヤカイエフがタップした。(公式記録は三角絞め)
ライト級(77.1kg) 5分3R
○エドゥアルド・ フォラヤン(フィリピン/元王者)
×ハルン・アトランゲリフ [Kharun Atlangeriev](ロシア)
判定3-0
ライト級(77.1kg) 5分3R
○アミール・カーン(シンガポール)
×イ・スンジョン(韓国)
2R 3’39” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)