ONE Championship 6.29 ミャンマー:長谷川賢、地元の英雄エヌサンとの死闘の末5R KO負け
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中野トイカツ道場
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ONE Championship「ONE: SPIRIT OF A WARRIOR」
2018年6月29日(金) ミャンマー・ヤンゴン:トゥウンナ・インドア・スタジアム
レポート:井原芳徳
メインイベント ONEミドル級(93kg)チャンピオンシップ 5分5R
○アウン・ラ・エヌサン [オングラ・エヌサン/Aung La N Sang](ミャンマー/王者、ライトヘビー級王者)
×長谷川賢(フリー/挑戦者、元DEEPメガトン級(+100kg)王者)
5R 3’40” KO (右アッパー)
※エヌサンが初防衛
エヌサンは1985年5月21日生まれの33歳。03年に米国に移住し、05年にMMAデビューし戦績は33戦22勝(8KO/12一本)10敗1無効試合。KOTC、ROC等の米国のローカル大会でコンスタントに試合をこなし、12年にはベラトールでも1勝。14年からONEに参戦し、ONEでは7勝1敗。昨年1月、ジャカルタ大会でヴィタリー・ビグダシュのミドル級王座に挑戦し判定負けしたが、6月のヤンゴン大会で再挑戦し5R判定勝ちし王座を獲得。今年2月大会のONEライトヘビー級初代王者座決定戦ではアレッシャンドリ・マシャドに56秒でTKO勝ちし、2階級を制覇している。
長谷川は1987年2月26日生まれの31歳。大学時代に全日本柔道強化選手に選ばれたことがあり、2010年にMMAでプロデビューし、13年2月にDEEPメガトン級(+100kg)王座を獲得。15年の大晦日のRIZINで敗れるまで13戦負け無しだった。16年からウェルター級に階級を落とし、DEEPウェルター級GPに出場し、昨年7月の決勝まで進んだが、バッティングで無念の事故判定負け。怪我の療養を経て今年2月のDEEPではミドル級に上げ、林源平を1R肩固めで下していた。海外での試合は14年10月のフロリダのタイタンFCで判定勝ちして以来。ONE初戦でいきなり大きなチャンスが巡って来た。
1R、長谷川はサウスポー、エヌサンはオーソドックス主体にしつつ時折スイッチ。お互い慎重に探り合い、ミドル、パンチを振る。長谷川が左ミドル、ハイを当て、エヌサンは右ミドル、右フックを当てるが、まだ大差は無い。
2Rも同様の構図がしばらく続いたが、少しずつ長谷川がパンチの連打をまとめるように。エヌサンもパンチを返すと、大きな歓声が起こる。手数では長谷川だが、エヌサンも的確に当てており、まだわからない状態だ。
3R、パンチの打ち合いとなり、エヌサンが右アッパーを当てると、少し長谷川はのけぞる。左目にも当たり、長谷川は少し気にする素振りを見せるが、タックルで倒して一休みする形に。1分ほどでスタンドに戻り、後半はお互いパンチを打ち合う消耗戦が続く。手数では長谷川だが、エヌサンは耐え、右ストレートをお返し。両者ともまぶたを腫らし、酸欠状態になってきた。AbemaTVの中継によると、会場はエアコンがついていないという。この時間のヤンゴンの気温は26度、湿度は92%と非常に蒸し暑い。
Aung La N Sang knocks out Ken Hasegawa in the fifth round of an EPIC clash to retain his ONE Middleweight World Championship! #SpiritOfAWarrior #Yangon #MartialArts pic.twitter.com/ooadNEoaui
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2018年6月29日
4R、30秒ほどで長谷川はタックルに行くが切られ、3R同様の打撃戦に。お互いフラフラだが、エヌサンが押し倒し、バックに回ろうとし、長谷川はピンチに。長谷川は朦朧とした状態ながらも脱出。エヌサンも抑え込む力が無く、スタンドに戻る。だが残り1分に、またもエヌサンが足払いで倒し、長谷川の背後から押さえ込む。エヌサンは少しパウンドを当てるが、追撃するパワーも尽きている状態だ。とはいえONEの判定基準では、フィニッシュに近づいた選手が勝ちとなるため、この4Rのエヌサンの攻勢は大きい。
5R、後の無い長谷川だが立っているのがやっと。エヌサンは足払いで倒すが、長谷川は立ち上がる。しかし反撃の余力は無く、エヌサンがパンチを当てて下がらせた後、右アッパーを当てると、長谷川はついに力尽き、前のめりでダウンし、すぐさまレフェリーがストップ。エヌサンが死闘を制すると、地元ミャンマーの観客の大歓声で会場が包まれた。
生きてます。
負けました、すみせん。
負けると毎回入院してる気がします。応援ありがとうございました。 pic.twitter.com/I5AUo3Dxvb
— 長谷川賢 (Ken Hasegawa) (@kenhasegawa0226) 2018年6月29日
第3試合 フェザー級 5分3R
×ハファエル・ヌネス(ブラジル)
○山田哲也(タイガームエタイ/Y&K MMAアカデミー)
2R 4’05” TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる額のカット)
山田は16年からONEに上がり、ONEでは2勝2敗。最近では5月12日の大会でエリック・ケリーに1R3分で一本勝ちしている。ヌネスも1月にケリーに2R一本勝ちしているが、14年のONE初戦で安藤晃司に一本負けしている。
1R、金網際で押し合う展開で、山田は下になるが、アームロックを仕掛けながらリバースし、アームロックから洗濯バサミに移行し、チャンスを作る。
2R、1分過ぎに山田がテイクダウンに成功。何度か下になっても引っ繰り返し主導権を維持する。3分半過ぎには上になると、左肘をヒットし、ヌネスは額から大出血。ドクターチェックでストップがかかり、山田の勝利となった。