ONE Championship 11.9 シンガポール:上久保周哉、ONE 2連勝。徳留一樹と下石康太はTKO負け。ビビアーノ、ベリンゴンに惜敗
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ONE: HEART OF THE LION
2018年11月9日(金) シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 Photos by ONE Championship
第3試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
×ムハマド・アイマン[Muhammad Aiman](マレーシア)
○上久保周哉(TRY.H studio)
判定0-3
https://www.facebook.com/ONEChampionship/videos/575429516237400/
上久保は7月3日の中国大会でONEに初参戦し、インドネシア人のスノトに2R TKO勝ちしている。アイマンはONE 6戦5勝(1KO/1一本)1敗の23歳。9月に若松佑弥に勝ったダニー・キンガドに昨年4月に敗れたが、それ以降は3連勝中で、9月8日には中国のチェン・レイに、左ミドルを効かせてからの裸絞めで勝利している。身長は上久保より7cmほど長身の173cmで、長い手足を活かした戦いが特徴的だ。
1R、上久保がプレッシャーをかけ、タックルを狙うが、アイマンは切り、サウスポーからの左ハイ、左ストレートを狙う。1分過ぎに上久保が片足タックルでテイクダウンを奪うと、金網に押し付けながらトップをキープする。ハーフからマウントを狙いつつサイドポジションで押さえ、膝をアイマンの側頭部にヒットする。3分過ぎ、アイマンが体をひねって脱出するが、上久保はすぐ押し込み、グラウンドに戻す。上四方で押さえると、両足でアイマンの首を挟む。極まりが浅く、またもアイマンが逃げようとするが、またも上久保が押さえ込んでラウンドを終える。
2Rも上久保が20秒ほどで倒し、金網際でトップをキープする。2分ごろにアイマンが体をひねって立つと、すぐに飛び膝をその場で当てるが、これも上久保が押し込み、グラウンドに戻す。
3Rも上久保が寝技に持ち込み、1分ほどでマウントへ。肩固めを狙うと、アイマンは下からハーフガードの状態で足を挟んで必死に防御する。上久保は固執せずトップポジションで押さえる。残り1分には横三角絞めを仕掛けながらパウンドを落とし、最後は金網に押し込んで試合終了。上久保の完勝となった。
第12試合 MMA 73kg契約 5分3R
○クリスチャン・リー(シンガポール/イヴォルブMMA)
×徳留一樹(パラエストラ八王子/パンクラス・ライト級7位・元王者)
1R 3’07” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
https://www.facebook.com/ONEChampionship/videos/1974255499540931/
UFC参戦経験もある徳留は、7月のクアラルンプール大会でONEに初参戦。元ONEフェザー級(70.3kg)王者のジャダンバ・ナラントンガラグの相手に抜擢されたが判定負けに終わっていた。10月26日のヤンゴン大会でONE 2戦目を行う予定だったが、対戦相手のエミリオ・ウルティアの負傷欠場で、試合が中止となっていた。
11月9日のシンガポール大会のメインイベントでは、地元の人気選手・アンジェラ・リーが、2階級制覇を目指し、1階級上の女子ストロー級王者・ション・ジンナン(中国)に挑戦する予定だったが、アンジェラが腰の負傷で欠場することが大会4日前の5日に発表された。バンタム級王者のビビアーノ・フェルナンデスと同級暫定王者のケビン・ベリンゴンの王座統一戦がメインイベントに格上げとなると共に、アンジェラの穴埋めのような形で、弟のクリスチャン・リーと徳留の一戦が急きょ決まった。
クリスチャンは20歳。3年前にONEでプロデビューし9勝(5KO/4一本)3敗。去年12月に朴光哲、今年3月に横田一則に勝利し、5月にマーティン・ヌグエンのフェザー級王座に挑戦したが判定負けした。9月の上海でのエドゥアルド・ケリー戦も圧倒する展開だったが、1R中盤で反則負けとなっていた。今回はその無念を晴らすべく、また、姉の代役で大会を盛り上げるため、気合十分だろう。AbemaTVのインタビューで徳留は「クリスチャンも相手がなかなか決まらなかったみたいですけど、何のために僕がONEに来たかというと、強い奴とやるためだから」と、直前でもオファーを受けた理由を語っていた。だが試合は一方的に攻め込まれる展開に。
1R、開始すぐから、サウスポーの徳留に対し、オーソドックスのクリスチャンが距離を詰め、左の関節蹴り、右ストレートを当て、組み付いてすくい投げを出す等、積極的に攻める。クリスチャンがグラウンドに引き込むような動きを見せると、そのまま徳留は倒して上になる。しばらく押さえ込むが、クリスチャンは立ち上がり、徳留が押し込む。徳留は足を掛けて倒そうとするが、クリスチャンは耐えて突き放す。クリスチャンが伸びのある右ストレートをヒット。徳留は反応できない。さらにクリスチャンは左の関節蹴りを当ててから、またも右ストレートを当てると、徳留はついにダウン。クリスチャンはマウント、バックマウントに移行しながら、パウンドを連打したところでレフェリーがストップ。徳留は完敗に終わった。
第9試合 MMA ライト級(kg) 5分3R
○エイドリアン・パン(オーストラリア)
×下石康太(BLOWS)
1R 終了時 TKO (ドクターストップ:右まぶたのカット)
https://www.facebook.com/ONEChampionship/videos/2276076475996615/
下石は7月13日のマレーシア大会でONEに初参戦したがアリエル・セクストンに3R一本負けしている。
対するエイドリアン・パンは2001年から戦っている41歳のベテラン。06年には日本で中原太陽に勝っている。14年からONEに上がり、最初は2連勝したが、16年8月にエドゥアルド・フォラヤンに敗れて以降は、ロジャー・フエルタ、アミール・カーン、ホノリオ・バナリオ相手に4連敗中だ。だがいずれも判定決着。今年4月のバナリオ戦は、バナリオの消極的とも評価されかねない徹底したヒット&アウェーに手こずった結果の判定負けで、下石戦では前回のフラストレーションを解消したいところだろう。
1R、下石が30秒ほどで、パンチを振ってからタックルを仕掛けテイクダウン。サイドをすぐ奪う。だが下石はこの接触時に何か打撃をもらった模様で、右まぶたを出血している。下石は出血を気にして早めに仕留めたかったか?膝十字固めを仕掛けるが、パンは対処しトップを奪い返す。再び下石が足を取りに行き、パンに立たれても、下石がしがみついてアームロックを取りに行く。しばらく押し込み、下石がカニばさみを仕掛けるが、失敗して下に。パンは上からパウンド、肘を放つ。
下石の右まぶたの傷は深く、インターバルのドクターチェックでストップ。下石は不完全燃焼な形で連敗を喫してしまった。
第13試合 メインイベント MMA ONEバンタム級(65.8kg)王座統一戦 5分5R
×ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/王者)
○ケビン・ベリンゴン(フィリピン/暫定王者)
判定1-2
※ベリンゴンが正王者に
1R、1分半ごろ、ビビアーノがタックルを仕掛け、押し込んでテイクダウンに成功。金網際でハーフガードで押さえ込む。肩固めの体勢を作ろうとし、足を抜きかけたタイミングで、ベリンゴンが脱出する。ベリンゴンはバックスピンキックをビビアーノのボディと顔面に連続でヒットする。
2Rもベリンゴンはバックスピンキックを放つが、ビビアーノは右フックをすぐ当て返してから、タックルを仕掛けて、すぐにテイクダウンに成功する。1R同様、肩固めを狙って足を抜こうとしたところで、ベリンゴンが脱出する。1分ほどスタンドが続くが、ベリンゴンが右フックを放ったタイミングで、ビビアーノがタックルを仕掛けて倒し、すぐさまバックへ。ビビアーノが腕十字を素早く2度仕掛けるが、どちらもベリンゴンが間一髪で防御し、終盤はベリンゴンが上からパウンドを連打し反撃。場内は歓声に包まれる。
3R、スタンドの攻防が続くが、両者2R終盤の展開でエネルギーを使ったせいか、それまでよりスピードとパワーが低下している。3分半過ぎ、ビビアーノが胴タックルからテイクダウンに成功しハーフへ。30秒ほどでマウントを奪い、最後はパウンドを連打する。
4R、1分半ごろにビビアーノがタックルを仕掛けテイクダウン。金網際でサイドをキープする。マウント、バックと動き、腕十字をまたも仕掛けるが、ベリンゴンは体をひねって脱出してスタンドに戻す。静かな展開が続いたが、終盤、ビビアーノが右ローを当てた直後、ベリンゴンが蹴り足をすくってから右ストレートをヒット。ビビアーノは一瞬ダウン。ベリンゴンはラッシュを仕掛けるが、ビビアーノは時間いっぱいまで耐える。
5R、スタンドの攻防が続き、ビビアーノがプレッシャーをかける時間が長いが、お互いこれまでのラウンドのようなはっきりした攻めが無いまま試合が終わる。
記者採点はサブミッションで再三チャンスを作ったビビアーノ。だがジャッジは割れ、4Rに打撃でチャンスを作ったベリンゴンを評価し、ベリンゴンの勝ちに。ビビアーノは両手を広げて信じられないと言いたげな様子だったが、試合後のインタビューでは「ベリンゴンにおめでとうと言いたい」と新王者を称えた。
第11試合 キックボクシング 71kg契約 3分3R
○ジョルジオ・ペトロシアン
×ソーグラー・ペッティンディーアカデミー[Sorgraw Petchyindee Academy]
判定3-0
https://www.facebook.com/ONEChampionship/videos/283847342269176/
1R、ペトロシアンがサウスポーに構え圧力をかけ、左ミドル、ストレートを当て、元ルンピニー王者のソーグラーは右ミドルを返す。ペトロシアンはパンチのバリエーションが豊富で、残り30秒、金網際まで詰めると、右ストレートをクリーンヒット。ソーグラーは腰が落ちるが、金網にぶつかって倒れず、ダウンとはならない。
2Rも同じ構図の攻防が続き、ペトロシアンが度々左ストレートを当てるが、ソーグラーは耐える。ソーグラーが右ハイを空振りした直後、ペトロシアンが左ミドルをヒットすると、場内はどよめく。3Rもペトロシアンが的確にパンチを当て続け、ミドルや膝を織り交ぜて圧倒した。