ONE 8.25 ルンピニー(レポ):小笠原瑛作、ONE初戦は31秒KO勝ち。リカルド・ブラボ、ルンピニー王者を2R KO。小川翔、ロッタンの後輩にダウン奪われ判定負けも好勝負。日本からの3選手とも140万円ボーナス獲得
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
リバーサルジム久喜WINGS
未経験者でも大丈夫!様々な年代の方がキック 柔術 MMA等を楽しくトレーニング!今なら入会金等無料!
ONE FRIDAY FIGHTS 30
2023年8月25日(金)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship
小笠原瑛作、ONE初戦はわずか31秒KO勝ち
第5試合 ムエタイ 132ポンド(59.87kg)契約 3分3R
×ヨードウィッタヤ[ヨッドウィッタヤ]・ペッチョンプー(タイ)
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級(57.5kg)王者・元同スーパーバンタム級(55kg)王者、WPMF世界スーパーバンタム級王者、元ISKA K-1ルール世界バンタム級王者)
1R 0’31” KO (右フック)
ONEが毎週金曜夜にルンピニースタジアムで開催している「ONE FRIDAY FIGHTS」シリーズに、今回は日本から小笠原瑛作、リカルド・ブラボ、小川翔が参戦した。
瑛作はONE参戦経験のある小笠原裕典の弟で27歳。11年にプロデビューし51戦43勝(21KO)7敗1分。長年REBELS・KNOCK OUTの主力として活躍し、16年には内藤大樹にも勝った実績がある。コロナ禍が落ち着いてきた昨年秋からの3試合はタイ人選手との試合が続いている。12月にはラジャダムナンのランカー・チャーパヤックからローキックと右フックでダウンを奪うが、肘をもらって逆転TKO負け。3月の代々木大会では元ルンピニー3階級制覇王者で昨年のタイ・スポーツ庁認定ムエタイMVP選手のロンナチャイを圧倒して判定勝ち。6月には在日タイ人のトンミーチャイに判定2-0で勝利している。今回ONE初戦で、なおかつ初のオープンフィンガーグローブでの試合のため、ジムの後輩でRIZINで活躍中の鈴木千裕からOFGでのパンチの打ち方を習ったといい、それが功を奏する形に。
1R、瑛作が開始すぐ、サウスポーからの左インローをヒット。ヨードウィッタヤも右ミドルを当てるが、瑛作は打ち終わりに左インローを返す。瑛作は体格では劣るものの、細かいステップで的を絞らせず、離れたところから踏み込んで、さらに左インローを当てる。
するとヨードウィッタヤは早くもステップがぎこちなくなり、前に出て右ミドルを放ってから右フックにつなげる。瑛作は後退するが、右フックを返すとこれがクリーンヒット。ヨードウィッタヤの動きが止まると、さらに瑛作が右フックをもう一発アゴにクリーンヒットすると、ヨードウィッタヤは伸びた状態でダウンし、すぐさまレフェリーがストップした。
The “Speed Actor” Eisaku Ogasawara stops Yodwittaya in just 31 seconds! @eisakulaion#ONEFridayFights30
Live TV broadcast in 190+ countries (check local listings)
Also available on ONE YouTube and ONE Facebook (geo-restrictions may apply)
Also available on… pic.twitter.com/zlorywop75— ONE Championship (@ONEChampionship) August 25, 2023
ONE初戦でわずか31秒でKO勝ちした瑛作は、笑顔で勝ち名乗りを受けた。勝利者インタビューでは「初めてのONEでKOで勝ててうれしいです。相手は強いですけど、自分の実力はこんなもんじゃないです。もっと強い選手と戦いたいです。KNOCK OUTという日本の団体のチャンピオンなんですけど、世界に広めたいです」とコメント。ONEルンピニー恒例の35万バーツ(約140万円)のボーナスがチャトリ・シットヨートンONE CEOから授与されることが発表されると、瑛作はタイ語で観客に感謝の言葉を述べた。
リカルド・ブラボ、ルンピニー王者を2R KO
第4試合 ムエタイ 165ポンド(74.84kg)契約 3分3R
○リカルド・ブラボ(アルゼンチン/ウィラサクレック・フェアテックス/RISEミドル級(70kg)5位、M-1世界スーパーウェルター級王者、元新日本ウェルター級王者)
×デンパノム・プラン26(タイ/ルンピニー認定ミドル級王者)
2R 1’48” KO (左ストレート)
ブラボは23歳。17歳の時にアルゼンチンから来日し、新日本キックの伊原道場に加入。29戦24勝(19KO)3敗2分と高い勝率とKO率を誇る。昨年ウィラサクレックに移籍し、世界進出を見据えてRISEに参戦し、12月の初戦では緑川創を追い詰めるも延長戦となりドロー。今年2月にはサーシャ・タダヨニ(イラン)を2R KO。5月に憂也と戦う予定だったが、試合前日に脱水症状により救急搬送され、計量に参加できず不戦敗となっていた。RISEではミドル級(70kg)だが、7月9日のNO KICK NO LIFEでは5kg重い75kg契約で出場し、キム・テヒョン(韓国)を1R KO。今回も75kgに近い体重での試合となる。今回の試合に備え、ウィラサクレックだけでなく世田谷のBattle Boxにも出稽古し、木村“フィリップ”ミノル、宇佐美正パトリックといった同階級のハードパンチャーと練習してきた。
対戦相手のデンパノムは6月にルンピニーのミドル級王者となったばかりの選手なせいか、試合前には両者のワイクルーが披露される。1R、デンパノムが左右のミドルを当てるが、体格で勝るブラボはひるまず前に出てパンチを放つ。中盤、ブラボは左ボディフックを強打するが、デンパノムは表情を変えず距離を取る。終盤、距離が詰まり、デンパノムはパンチ主体になるが、左ミドルも織り交ぜ、全体のヒット数では上回って終える。記者採点はデンパノム。
2R、前に出るブラボに対し、デンパノムは的確に左右のミドルを当て続ける。デンパノムは右ハイにもつなげるが、クリーンヒットにはならない。ブラボは頭へのダメージが無いため、勢いは落ちず、圧力をかけ続けていると、中盤過ぎ、ガードの隙間から左フックをヒット。少しデンパノムの動きが落ちると、ブラボはこのチャンスを逃さずパンチを連打し、左ストレートをデンパノムのこめかみあたりにクリーンヒット。するとデンパノムはダウンし、這いつくばったまま立ち上がれず、レフェリーがストップした。
Ricardo Bravo swarms Denpanom for the big second-round KO! #ONEFridayFights30
Live TV broadcast in 190+ countries (check local listings)
Also available on ONE YouTube and ONE Facebook (geo-restrictions may apply)
Also available on https://t.co/eBUfsOlZOd… pic.twitter.com/aukkrGnARV— ONE Championship (@ONEChampionship) August 25, 2023
ブラボは勝利者インタビューの最中、35万バーツ(約140万円)のボーナスが授与されることが発表された。ONE初戦でルンピニー王者をKOしたインパクトは大きく、今後もONE継続参戦は確実だろう。
小川翔、ロッタンの後輩にダウン奪われ判定負けも激闘評価され140万円ボーナス獲得
第3試合 ムエタイ 138ポンド(62.60kg)契約 3分3R
×小川 翔(OISHI GYM/HOOST CUP日本スーパーライト級(63kg)王者、RISEライト級(63kg)5位、元WBCムエタイ日本統一&REBELS-MUAYTHAIライト級王者)
○ペットガーフィールド・ジットムアンノン[Petgarfield Jitmuangnon](タイ)
判定0-3
小川はK-1甲子園2012優勝者で30歳。66戦36勝(10KO)26敗4分。20年には白鳥大珠と重森陽太に判定負けするも延長戦まで持ち込んだ。21年12月の北井智大以降1年間5試合は負け無しだったが、5月のKICK BOXING WORLD CUP大田大会でチョ・ギョンジェに判定負け。6月16日のONEルンピニーで初参戦すると、トンサヤーム・ゲッソンリット(タイ)に判定負けしたものの、3Rにトンサヤームをロープに詰めてパンチを連打し、観客を沸かせており、ONEから再びオファーが舞い込んできた。
今回の相手のペットガーフィールドはONE初参戦だったが、ペットガーフィールドは同門の先輩・ロッタンを彷彿とさせるアグレッシブファイトを繰り広げる。
1R、右ローの蹴り合いの後、首相撲の展開となり、小川は膝を当てるが、ペットガーフィールドは左右の肘を返す。中盤、小川が左右のボディフックを連打するが、ペットガーフィールドは首相撲からの肘打ちをお返し。終盤、小川が左フックを当てると、ペットガーフィールドの腰が落ちるが、ペットガーフィールドは持ち直すと、左の縦肘を当ててダウンを奪う。小川はすぐ立ったが、最後もペットガーフィールドが右フックとハイで攻めて終える。
Rollercoaster Round 1 between Petgarfield and Sho Ogawa! #ONEFridayFights30
Live TV broadcast in 190+ countries (check local listings)
Also available on ONE YouTube and ONE Facebook (geo-restrictions may apply)
Also available on https://t.co/eBUfsOlZOd… pic.twitter.com/gGm1bR1SMI— ONE Championship (@ONEChampionship) August 25, 2023
2R、ペットガーフィールドが肘を当てるが、小川も肘を返し、ボディへのパンチも絡める。ペットガーフィールドは疲れが溜まり口が開くように。終盤、小川が右フックも当てるが、ペットガーフィールドが突如スイッチが入ったように、ボディ打ちから右フックのコンビネーションを繰り返し、小川を後退させる。このあたりロッタンを思わせる反撃だ。このラウンドもペットガーフィールドがポイントを取る。
3R、挽回を狙う小川は序盤から前に出て肘を放ち続けると、ペットガーフィールドは頭部の左側をカットする。ペットガーフィールドはまたもスイッチが入ると、ボディと顔面にパンチを当て、左右の肘も当てる。小川が右フックを当てても、ペットガーフィールドは勢いが止まらず、大歓声に押されるようにパンチと肘を当て続ける。小川はロープに詰められる時間が続くが、最後までひるむことなく応戦を続け、驚異的な打たれ強さをタイの試合でも発揮し、そのまま試合終了する。
Sho Ogawa has an iron chin #ONEFridayFights30
Live TV broadcast in 190+ countries (check local listings)
Also available on ONE YouTube and ONE Facebook (geo-restrictions may apply)
Also available on https://t.co/eBUfsOlZOd (geo-restrictions may apply) pic.twitter.com/3Aj2V1ykdG— ONE Championship (@ONEChampionship) August 25, 2023
判定の結果、ペットガーフィールドが3者に支持され勝利した。だが小川も試合後のインタビューの時間が設けられ、35万バーツ(約140万円)のボーナスが授与されることが発表された。小川は「チームに協力してもらってのボーナスだと思うので、ありがとうございます」と話し、安どの表情を浮かべた。これで小川はONE 2連敗となってしまったが、2戦連続で観客のハートをつかみ、今回はボーナスも獲得しており、引き続きONEに参戦することになりそうだ。