RISE 8.26 大田区総合体育館(レポ/前半):大﨑孔稀、加藤有吾との打ち合い制し鈴木真彦のバンタム級王座挑戦権獲得。宮﨑小雪が10連勝「他団体の王者とやりたい」。魁斗、安本晴翔に逆転勝利。政所仁がKO勝ち
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ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2023 2nd Round
2023年8月26日(土)東京都大田区総合体育館
レポート&写真:井原芳徳
※大会後半(第9試合以降)は別記事でお伝えします。
大﨑孔稀、加藤有吾との打ち合い制し鈴木真彦のバンタム級王座挑戦権獲得
第8試合 RISEバンタム級(55kg)王座次期挑戦者決定戦 3分3R(無制限延長R)
○大﨑孔稀(OISHI GYM/1位、BOMバンタム級王者、元J-NETWORK&WMC日本スーパーフライ級王者)
×加藤有吾(RIKIX/4位、WMC日本スーパーバンタム級王者)
判定3-0 (長瀬30-29/北尻29-28/和田29-28)
大﨑兄弟の弟・孔稀は昨年3連勝後、10月のRISE大田大会でのバンタム級初戦で志朗と延長戦に渡る接戦を繰り広げ判定負け。12月の両国大会ではシュートボクシング(SB)ルールでSB日本スーパーバンタム級王者の植山征紀に判定勝ちした。今年2月の寺山遼冴戦は負傷判定ドローに終わったが、5月の再戦では2Rに右膝蹴りでKO勝ちした。試合後のマイクでは「RISE 55kgの不動のチャンピオンの鈴木(真彦)選手を、僕が絶対倒して新しい時代を作ります」とアピール。その大会後の総括でRISEの伊藤隆代表は孔稀と加藤の次期挑戦者決定戦を組むことを明言しており、ようやく8月のWORLD SERIESの中で実現する。
加藤は昨年5月のNO KICK NO LIFEで肘有りルールで孔稀と対戦したことがあり、肘の応酬の末に加藤が肘で切られ血だるまになり、孔稀が5R TKO勝ちしていた。その後の加藤は昨年8月の大阪大会でRISEに初参戦し翔磨に勝利し、12月に大森隆之介を下し、今年2月には京谷祐希をKO。6月に鷹介に判定勝ちし連勝を4に伸ばすと「1年前に負けているんで、大﨑君と組んでください」とアピールしていた。
1R、加藤が細かくステップしながらプレッシャーをかけ、序盤から右ボディフックを強打。積極的にパンチを振るい、中盤には返しの左フックも当てる。孔稀もパンチを返し、大差はつけさせないが、やや後手で攻撃が伸びないまま終わる。記者採点は加藤。
2R、挽回を狙う孔稀は序盤から積極的にパンチを出しつつ、つかんでの左右の膝をボディ、顔面にも当て、優位に立つ。加藤もパンチを返すが攻撃が減り、終盤にはクリンチで休むように。記者採点は孔稀。
3R、加藤が圧力をかけ、孔稀がロープを背負う時間が長くなるが、パンチの打ち合いではお互い当て、ほぼ互角な状態が続く。両者ともスピーディな打ち合いをノンストップで繰り広げ観客を沸かせる。その中で孔稀が左膝蹴りを絡め、終了間際には右ストレートを立て続けに当て、やや優位で終える。記者採点は孔稀。合計29-28で孔稀。ジャッジ3者とも孔稀を支持し、孔稀が判定勝ちした。
王者の鈴木はリング付近の席で観戦後、リングに上がると「最高でしたね。僕も滅茶苦茶楽しみになりました。でもRISEのベルトの重さと、鈴木真彦が一番強いということを証明します。伊藤代表、大きい会場でタイトルマッチお願いします」と話した。
鈴木への挑戦権を獲得した孔稀は「加藤選手が強いのがわかっていたし、バチバチになると思っていて、お互いベルトが挑戦したい気持ちが出て面白い試合になったと思います。正直、今の内容じゃ鈴木選手に勝てないと思いますけど、ベルトを奪います。ABEMAじゃなくて会場で見てください」「僕がベルトを巻いてお兄ちゃん(=一貴)を泣かせます」とアピールした。
宮﨑小雪、タイ人選手を1R KOし10連勝「他団体のチャンピオンとやりたい」
第7試合 女子アトム級(46kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○宮﨑小雪(TRY HARD GYM/RISE QUEENアトム級王者)
×ジュムリアット・スラーターニーラーチャパッド[Jumliat Suratthani Rajabhat](タイ/ペットシームエン)
1R 3’00” KO (左ミドルキック)
宮﨑姉妹の妹・小雪は、12月のRISEとSBの合同大会ではSBのMISAKIとの王者対決で判定勝ちし、3月のRISE ELDORADOでビョン・ボギョンに判定勝ちし9連勝中だ。対するジュムリアットは初来日で24戦20勝4敗。小雪と同じ20歳。
1R、サウスポーで前に出る小雪に対し、ジュムリアットが回って距離を取りつつ、右ミドル、膝蹴りを当て続け、主導権を握る。小雪は攻めあぐねるが、前に出てパンチを振り続ける。すると終盤、ジュムリアットはクリンチが多いとして、大沢レフェリーから注意を受ける。再開後、小雪は前に出て左ボディフックをクリーンヒット。ジュムリアットはダメージが大きく、立ったまま半身でうずくまると、小雪がさらに左ミドルを当てて倒す。ジュムリアットは動けず、レフェリーがストップした。
マイクを持った小雪は「10連勝、2連続KOできて凄くうれしいです。でもそろそろ相手がいなくなってきたので、他団体のチャンピオンとやりたいです。トーナメントでもワンマッチでもいいので、女子格闘技を盛り上げたいです」とアピールした。RISEの伊藤隆代表は大会後の総括で、他団体王者との対戦について「彼女が望んでいることもあるので、少しずつ進めたいです」とコメントしている。
魁斗、安本晴翔から逆転のダウン奪い判定勝ち。門口の王座挑戦熱望
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○魁斗[かいと](立志會館/RISE 1位、SB日本2位、HOOST CUP日本王者)
×安本晴翔[はると](橋本道場/RISE 5位、WPMF世界・WBCムエタイ日本フェザー級王者、元KNOCK OUT-REDフェザー級王者、元INNOVATIONスーパーバンタム級王者、元REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者)
判定3-0 (大沢29-28/和田29-28/小川29-27)
魁斗は過去に兼田将暉、泰良拓也に勝利し、21年7月のRISE大阪大会では門口佳祐に判定勝ち。今年2月大会ではRISEフェザー級元王者で1位の梅井泰成に判定勝ちすると「1位倒したんでチャンピオンに挑戦させてください」とアピールしていた。
安本はKNOCK OUT等で王座を多数獲得し、昨年後半からRISEに主戦場を移し、昨年10月には山川賢誠を1R KO。12月の両国大会ではSBルールで川上叶に延長判定負けを喫したものの、3月のK-1に参戦するとK-1の斗麗に判定勝ちした。5月には肘有り5Rで2階級上の髙橋聖人に判定勝ちし、試合後はフェザー級・肘無しでの試合を希望していた。魁斗とは7月2日のRISE大阪大会で対戦予定だったが、安本の髙橋戦での左足の負傷の回復が間に合わず延期となっていた。
1R、安本がサウスポー主体で、左フック、左ボディ等を度々当て主導権。終盤には右ボディを効かせ、魁斗は少し苦しそうな表情を浮かべる。記者採点は安本。
2R、魁斗は序盤から右のカーフ、ボディフックを当てて巻き返す。安本もスイッチし続け、ボディ、顔面にパンチを当てるが、魁斗も返し続け五分の状態となる。記者採点はイーブン。
3R、安本が左のインロー、奥ローを効かせ、魁斗をひるませる。だが安本も体力を消耗しており、集中力の落ちて来た終盤、魁斗が右フックを当てると、不意を打たれた安本はまさかのダウンを喫する。安本はダウンのダメージは小さいが反撃できず終了。結局最後のダウンが決め手となり、魁斗が逆転で判定勝ちした。安本はSBルールでは2度負けているが、それ以外のルールではプロ初黒星。3敗の相手は全てSB勢となっている。
魁斗は「内容は微妙かと思うんですけど、勝ったんで、門口君やらせてください」と、門口のRISEフェザー級王座挑戦を希望した。RISEの伊藤代表は大会後の総括で「内容的に悪くなかったので、挑戦者でいいと思います」と話している。
チャド・コリンズが1R KO勝ち。原口とペットパノムルンに対戦要求
第5試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○チャド・コリンズ(オーストラリア/ストライクフォース/2位、WMC&WBCムエタイ世界スーパーライト級王者)
×チョ・ギョンジェ(韓国/ジョンウジム/MAX FC -65kg王者)
1R 2’17” KO (左ハイキック)
コリンズは不可思、海人、中野椋太、直樹に勝ったことがあり、昨年12月の両国大会でSB王者の笠原弘希に判定勝ちして以来のRISEの大会出場。最近では5月のKICK BOXING WORLD CUP大田大会でラーチャシンに延長判定勝ちしている。
ギョンジェは41戦35勝5敗1分の24歳。RISE初参戦だが日本で戦っており、4月のBOM主催のROAD TO ONEでは高橋幸光に判定負けしたものの、5月のKICK BOXING WORLD CUPでは小川翔に判定勝ちしている。
1R、サウスポーのギョンジェに対し、序盤からパンチ主体で攻め、右ボディを効かせると、右フックでダウンを奪う。ギョンジェはダメージが大きく、コリンズがさらに左ハイでダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。
試合後のマイクでコリンズは「今28歳で一番強いです。原口やペットパノムルンと戦って、世界のベルトを取りたいです」とアピールした。RISEの伊藤代表は大会後の総括で「ペッチ(=ペットパノムルン)と世界タイトルマッチでもいいと思う」とコメントしている。
政所仁、リザーブマッチでKO勝ち
第4試合 RISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメント リザーブマッチ 3分3R(延長1R)
×ルベン・セオアネ(スペイン/ムエスペイン)
○政所 仁(魁塾/WBKF世界スーパーフライ級王者、RISEスーパーフライ級4位)
2R 1’55” KO (3ダウン:左ストレート)
セオアネは12戦10勝(1KO)2敗の21歳。7月2日の大阪大会での-54kgトーナメント一回戦で志朗に判定負けしたが、大会後にRISEの伊藤代表は「1点差で志朗が勝ったと思いましたけど、ルペンはいい選手だったので、8月のリザーブファイトに入れたいです」と話していた。政所は大阪でのリザーブマッチでの風音との再戦で判定勝ちしている。昨年12月の滉大戦に続き2連勝中だ。
1R、お互いやや慎重だが、終盤に政所が左フックを効かせ、コーナーに詰めて攻撃をまとめる。まだ大差はないがやや政所が優位に。記者採点は政所だがまだイーブンもありうる。
すると2R、政所が積極的に攻める中で、左ボディを効かせてセオアネをコーナーに詰めると、左ストレートをクリーンヒットしダウンを奪う。セオアネはダメージが大きく、その後も政所が左ストレートで2ダウンを重ねKO勝ちした。マイクを持った政所は「志朗選手はルベン選手に判定勝ちでしたけど、僕はKO勝ちでした」とアピールした。
花岡竜、ニコラス・リヴァースを圧倒し判定勝ち
第3試合 54kg契約 3分3R(延長1R)
○花岡 竜(橋本道場/RISEスーパーフライ級(53kg)3位、NO KICK NO LIFEバンタム級トーナメント’23優勝、ZAIMAX MUAYTHAI OFG 53kgトーナメント’22優勝、元KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王者、元INNOVATIONフライ級王者)
×ニコラス・リヴァース(フランス/ファイトセンターワン/RING OUT-54kg級王者)
判定3-0 (豊永30-27/長瀬30-27/秋谷30-27)
花岡はINNOVATION、NO KICK NO LIFE、KNOCK OUT等で肘有りルール主体で活躍し、昨年6月からRISEに参戦。滉大、政所仁を破り2連勝したものの、10月の大田大会の翼戦で負傷判定負け。今年2月から5月に行われたNO KICK NO LIFEバンタム級トーナメントでは、サンチャイ・TEPPEN GYM、山田航暉、HIROYUKIを下し優勝を果たすと「これで肘有りバンタム日本一って言っていいですよね?次は肘無しでも活躍できるよう頑張ります」とアピールしていた。
リヴァースは4月のRISEで大﨑一貴とISKAオリエンタルルール世界フライ級王座を争い、4Rに後ろ回し蹴りでKO負けした選手。2Rまで左ボディ、右ロー等で積極的に攻め、一貴を手こずらせた。
1R、リヴァースが前に出て、コーナーに詰めて左右のストレートを当てるが、花岡が右のカーフをコツコツ当てつつ、左ボディフックも絡めると、効き目を発揮し、中盤にはリヴァースをパンチの連打で追い詰める。
2R、花岡はミドル、パンチを度々当て、バックスピンキック等も絡め、リヴァースを圧倒する。
3R、花岡は何発も攻撃を当て、右ロー、飛び膝も絡め、度々リヴァースをフラつかせ引き続き圧倒する。ダウンは奪えなかったが、点差を広げ判定勝ちした。
麻火佑太郎、KENTAに判定勝ちし3連勝
第2試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○麻火佑太郎(PHOENIX/4位)
×KENTA(HAYATO GYM/9位、元DEEP☆KICK -63kg王者)
判定3-0 (豊永30-29/長瀬30-28/北尻30-27)
麻火は昨年12月に北井智大に判定勝ちし、今年5月にマサ佐藤を1R KOし、ベテラン相手に2連勝中。KENTAは昨年12月のDEEP☆KICKで足利也真登、3月のRISEで安彦考真、5月に山畑雄摩に判定勝ちし3連勝中だ。
1R、麻火がサウスポーからの左ミドルを当て続け、右の前蹴り等も絡め、蹴り主体で主導権を握る。中盤には左フックも当て、終盤にはテコンドー仕込みのサイドキックも当てる。KENTAも右ミドルを返すが、攻撃数で差をつけられる。記者採点は麻火。
2R、中盤まで麻火が蹴り数で勝っていたが、KENTAが左右のローを前足にコツコツ当てていると、麻火はやや動きがぎこちなくなり、攻撃が減り、左ミドルを放った後にスリップしてしまう場面も。記者採点はイーブン。
3R、麻火はローを嫌ってステップで距離を取り続けつつ、随所で左ミドルやジャブを当て、前に出るKENTAの反撃を封じて終了する。記者採点はイーブン。合計30-29で麻火。ジャッジは1~3点差でバラついたが、3者とも麻火を支持し、麻火が判定勝ちした。
那須川龍心が第1試合で判定勝ち
第1試合 フライ級(51.5kg) 3分3R(延長1R)
○那須川龍心(TEAM TEPPEN/RISE 5位)
×JIN(楠誠会館/MA日本&ジャパンカップキック・バンタム級王者)
判定3-0 (和田30-28/北尻30-28/長瀬30-27)
那須川天心の弟・龍心は17歳。昨年4月に高校進学と共にプロデビューし7戦5勝2敗(1KO)。最近では6月に相沢晟に判定勝ちしている。
JINはRISE初参戦。龍心と同じ17歳だが3月9日生まれのため学年は1つ上。大阪出身でDEEP☆KICKなど関西の大会で試合を重ね10戦8勝(2KO)2敗。昨年11月に溜田蒼馬に判定勝ちしジャパンカップキックボクシングの王座を獲得し、3月のDEEP☆KICKの吉田亮汰朗戦では2R KO勝ちし、7月23日に上村雄音に判定勝ちしMA日本バンタム級王座を獲得している。
1R、龍心が距離を取って素早く動きつつ、左ジャブ、ボディ、フックを随所で的確に当てる。主導権は握っているが、まだ手数と与えたダメージは乏しい。記者採点はイーブン。
2R、JINもミドル、ロー、膝を当てるようになるが、龍心も右フック、ボディのヒットを増やし、差を広げる。記者採点は龍心。
3R、龍心は中盤に左フックを強打してJINをひるませ、その後もパンチを的確に当て続けて主導権を維持する。記者採点は龍心。合計30-28で龍心。ジャッジ3者も龍心を支持し、龍心が判定勝ちした。
オープニングファイト3 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
×東 蒼馬(MONSTAR GYM)
○戸田龍将(TRY HARD GYM/RISE Nova 全日本大会2022 -65kg級優勝)
2R 1’52” KO (左ハイキック)
オープニングファイト2 女子アトム級(46kg) 3分3R
△坂田実優(FASCINATE FIGHT TEAM)
△小林穂夏(NEXT LEVEL渋谷)
判定1-1 (30-29/28-30/29-29)
オープニングファイト1 女子53kg契約 3分3R
×Hotaru(Continue)
○加藤乃々夏(全真会館)
判定0-2 (28-30/29-29/28-30)