INNOVATION 岡山ジム主催興行 5.21 豊洲PIT(レポ):花岡竜、HIROYUKIを決勝で下しNO KICK NO LIFEバンタム級T制覇「次は肘無しで活躍」。安本晴翔、2階級上で髙橋聖人に辛勝「フェザー級で一番になります」
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JAPAN KICKBOXING INNOVATION認定 第9回岡山ジム主催興行 岡山ジム創設50周年記念大会
2023年5月21日(日) 東京・豊洲PIT
レポート&写真:井原芳徳
「NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント」花岡竜が山田航暉とHIROYUKI下し優勝
「NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント」は肘有り・キャッチ制限無しの従来のキックボクシングルールで行われる8選手参加のトーナメント。一回戦は2月のNO KICK NO LIFE大田区総合体育館大会で行われ、4試合終了後のリング上での抽選の結果、準決勝は山田航暉 vs. 花岡竜、麗也 vs. HIROYUKIの組み合わせとなった。今回、岡山県の岡山ジムの創設50周年を記念した初の東京大会で準決勝と決勝が行われた。
トーナメントの優勝賞金は100万円、準優勝賞金は20万円。KO賞5万円(※キャリーオーバー式)、1ラウンドKO賞5万円が設けられ、ほかにも回転肘打ちKO賞10万円、肘打ちによるワンカットごと2万円といった、変わった賞金も用意されている。
第2試合 タムラグループpresents NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント準決勝(1) 3分3R(延長1R)
×山田航暉(キング・ムエ/元WMC日本スーパーフライ級王者)
○花岡 竜(橋本道場/RISEスーパーフライ級3位、元KNOCK OUT-BLACK同級王者、元INNOVATIONフライ級王者、岡山ジム主催ZAIMAX MUAYTHAI OFG着用53kgトーナメント’22優勝)
1R 1’31” KO (左飛び膝蹴り)
一回戦で山田は平松を3R右肘打ちでKO。花岡はサンチャイ・TEPPEN GYMにで切られるも判定勝ちした。
花岡のセコンドには、橋本道場出身でK-1ライト級王者の与座優貴がつく。1R、序盤から素早く両者の攻撃が交錯する中で、花岡が左ミドルを当てつつ、右肘も当て、山田の額を切り裂き、早くもドクターチェックが入る。
再開したがこれで花岡が主導権を握ると、近距離から左の飛び膝をクリーンヒット。山田は真後ろに倒れてダウンし、ダメージが大きく、レフェリーがストップ。花岡が初戦を無傷で幸先良く制した。
第3試合 タムラグループpresents NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×麗也(治政館ジム/元ISKAインターコンチネンタル&新日本フライ級王者)
○HIROYUKI(RIKIX/シュートボクシング日本バンタム級2位、元新日本フライ級&バンタム級王者)
判定0-3 (29-30/29-30/29-30)
一回戦で麗也は神助と5R引き分けに終わったが、公式記録外の延長Rに判定3-0で支持され準決勝に駒を進めた。HIROYUKIは國本真義の右ローに苦しみつつも判定勝ちしている。
1R、HIROYUKIがプレッシャーをかけ、麗也が距離を取り、お互いミドルとローを蹴り合うが、まだ均衡は崩れない。
2R、麗也が序盤に左右のボディを的確に当て、少し優位になるが、HIROYUKIは崩れず、ミドル、ローを随所で返す。麗也も膝やローを返し、五分で渡り合う。記者採点はここまでイーブン。2者はイーブン、1者はHIROYUKIを支持する。
3R、なかなか均衡が崩れなかったが、お互いじわじわ攻撃を増すと、終盤、HIROYUKIの右ハイがさく裂する。ひるんだ麗也に、HIROYUKIが肘も当てると、麗也は側頭部を切り出血する。記者採点はHIROYUKI。合計29-30でHIROYUKI。ジャッジ3者ともHIROYUKIを支持し、HIROYUKIが決勝に駒を進めた。
第1試合 タムラグループpresents NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント リザーブマッチ 3分3R(延長1R)
×神助(エムトーンジム/INNOVATIONバンタム級王者)
○平松 弥[わたる](岡山ジム/元INNOVATIONフライ級王者)
3R 0’46” KO (右フック)
リザーブの2選手とも一回戦で敗退した選手たち。神助は昨年12月のINNOVATION品川大会で山田に判定勝ちしている。平松は今大会を主催する岡山ジムに所属する。
1R、お互いロー主体で慎重な出だしだが、時折パンチの打ち合いに。2Rに入ると、打ち合いの頻度が上がり、神助は左ボディを効かせるが、平松も右フックを返して渡り合う。中間集計のジャッジは3者とも平松を支持する。
すると3R、序盤からの打ち合いで、平松が右フックでダウンを奪う。神助はダメージが大きく、平松がパンチラッシュで再び右フックでダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。
第9試合 タムラグループpresents NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント決勝 3分5R(延長1R)
○花岡 竜(橋本道場/RISEスーパーフライ級3位、元KNOCK OUT-BLACK同級王者、元INNOVATIONフライ級王者、岡山ジム主催ZAIMAX MUAYTHAI OFG着用53kgトーナメント’22優勝)
×HIROYUKI(RIKIX/シュートボクシング日本バンタム級2位、元新日本フライ級&バンタム級王者)
判定3-0 (福永49-48/川原50-47/神谷50-47)
※花岡が優勝、賞金100万円獲得
花岡とHIROYUKIは20年12月のNO KICK NO LIFEでの初対決では引き分け。昨年3月の岡山ジム主催ZAIMAX MUAYTHAIオープンフィンガーグローブ着用53kgトーナメントの準決勝で再戦し、花岡が判定勝ちし、決勝でも平松侑を1R KOし優勝している。今回はスタンダードなキックルールでの3度目の対決となる。
1R、HIROYUKIがプレッシャーをかけ、花岡が距離を取る構図が続き、HIROYUKIが右ストレートを当てれば、花岡も左ジャブ、右ストレートをお返しし、スリリングな攻防を繰り広げる。記者採点もジャッジ3者もイーブン。
2R、HIROYUKIが右ストレートを当てるが、花岡は右肘も振りつつ、左ボディを随所で当て、右ストレートにもつなげる。僅差だが花岡がヒットが多く優位に。記者採点は花岡につけるか迷ったがイーブン。ジャッジ2者はイーブンだが1者は花岡につける。
3R、今日合計6R目となるHIROYUKIは、さすがに少し動きが落ち、逆に花岡は軽快さを増し、左ジャブ、左ボディ、右ストレートのヒットを増やし、はっきり差をつけるように。記者採点もジャッジ3者も花岡。
4R、花岡は左ジャブ、フック、右ストレート、膝蹴りを度々当て、右のバックスピキックにもつなげる場面も。HIROYUKIも右カーフを効かせ、ハイも当て、花岡の動きが落ちる場面もあるが、HIROYUKIは攻撃数が伸びずに終わる。記者採点は花岡。
5R、HIROYUKIは前に出て必死に逆転を狙うが、力が入りきらず。花岡はステップでかわしながら、左ジャブ、ボディ、右ストレート等を当て続け、主導権を維持する。記者採点は花岡。合計50-47で花岡。ジャッジ3者も花岡を支持し、花岡が判定勝ちでトーナメント優勝を果たし、賞金100万円を獲得した。
花岡は「HIROYUK選手とは3回目で、強くて、心が折れかけたんですけど、過去一たくさんの応援のおかげで勝てました。これで肘有りバンタム日本一って言っていいですよね?次は肘無しでも活躍できるよう頑張りますので応援お願いします」とアピールした。バックステージでのインタビューでも「肘無しの方を重点的にやっていきたいです。RISEとK-1に適応できるスタイルにしていこうと思います」と話した。
敗れたHIROYUKIは3度目の対戦の花岡について「RISEに出るようになって、パンチ主体になって蹴りも混ざって来るので、やりにくかったです」と評し「麗也戦が終わってから左手が握れなかったです」と明かした。
安本晴翔、2階級上で髙橋聖人に辛勝「フェザー級で一番になります」
第8試合 ライト級 3分5R(延長1R)
○安本晴翔[はると](橋本道場/RISEフェザー級(57.5kg)5位、WPMF世界・WBCムエタイ日本フェザー級王者、元KNOCK OUT-REDフェザー級王者、元INNOVATIONスーパーバンタム級王者、元REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者)
×髙橋聖人[きよと](TRIANGLE/元NKBフェザー級王者)※真門ジムから所属変更
判定2-0 (川原49-49/福永49-48/センチャイ49-48)
所属団体のINNOVATIONの試合は久々となる安本。肘有りの通常のキックボクシングの試合も、昨年5月のNO KICK NO LIFE豊洲PIT大会で森井洋介を3R KOして以来1年ぶりとなる。その後はRISEを主戦場とし、3月のK-1 K’FESTAでのK-1とRISEの対抗戦ではRISE代表として参戦し斗麗に判定勝ちし、安定した強さを印象付けた。RISE・K-1ではフェザー級(57.5kg)で戦っているが、今回は2階級上で森井戦と同じくライト級(61.23kg)での試合となる。
髙橋聖人はNKBで活躍した髙橋三兄弟の三男。小学2年生から練習をしてきた真門ジムが2月末で閉鎖となり、三兄弟で自分達のジムTRIANGLEの所属になっての初戦だ。最近では2月のNO KICK NO LIFEで1年ぶりに試合をし、勝次と接戦の末に5Rドローで終わっている。
1R、安本は時折スイッチし、距離を取り、まだ慎重な攻めだが、中盤過ぎに左ハイを当て、パンチラッシュにつなげやや好印象な攻め。記者採点はイーブン。ジャッジ2者がイーブン、1者は安本につける。
2R、安本はロー、ミドルを散らしつつ、左フックのヒットを増やし、二段式の左ハイ、右肘も絡め、手数多く攻める。聖人は攻撃は少ないが、ミドル、ロー、ハイを随所で返す。記者採点は安本。ジャッジ2者はイーブン、1者が安本につける。
3R、途中まで安本の攻撃が目立つが、2Rよりは減る。聖人がミドルを散らしつつ、左右のロー、右カーフをコツコツ当てていると効き目を発揮し、終盤には安本がやや足を引きずるようなステップとなる。記者採点はイーブン。ジャッジは2者がイーブン、1者が意外にも安本につける。
4R、聖人は執拗にミドル、ローを当てるが、安本は右ミドルに合わせて左フックを当てて聖人をフラつかせ、その後も随所で左フックを当て、最後は右肘も当てやや好印象で終える。記者採点は僅差だが安本。
5R、聖人が執拗に右ローを当てていると、安本はスイッチを繰り返し、終盤には足が流れるように。最後は時間いっぱいまでなんとか耐える形で終了する。記者採点は聖人。合計49-48で安本。ジャッジ1者は49-49のイーブンとしたが、2者は記者と同じ採点で、安本が判定2-0で勝利をものにした。試合後のマイクでは「やっぱライト級は厳しいんで、フェザー級で一番になります」と話した。
バックステージでのインタビューで安本は「動きが重かったです。勝った感じがしないです。カーフが効きました。減量が全く無くて、試合感が無いので、緊張を持つためにもフェザー級が一番いいと思いました」と話し、ルールについても「K-1とRISEが盛り上がっているので、肘無しでやっていきたいです」と話した。
勝次、41歳のベテラン浅川大立の追い上げに苦しむも判定勝ち
第7試合 ライト級 3分5R(延長1R)
○勝次(藤本ジム/WKBA世界スーパーライト級王者、元新日本ライト級王者)
×浅川大立[ひろたつ](マイウェイスピリッツ/INNOVATIONスーパーフェザー級2位・元同フェザー級王者)
判定3-0 (48-47/48-47/48-47)
勝次は2月のNO KICK NO LIFEで髙橋聖人と5R引き分けて以来の試合。現在36歳。対する浅川も41歳のベテラン。網膜剥離の影響で昨年11月、約4年ぶりに試合に復帰し、同じINNOVATIONスーパーフェザー級のランカーのRISING大輝に判定負けし、今回が復帰2戦目となる。
1R、変則的な動きの浅川に対し、勝次は少し攻めにくそうにしていたが、強打はもらわず、終盤には右フックを当てるように。
2R、勝次が中盤に左ボディを効かせると、パンチラッシュで一気に浅川を追い詰め、右フックでダウンを奪う。さらに勝次は右フックでダウンを奪取する。だが浅川もパンチの打ち合いで当て返し、3ダウン目は免れる。ポイントは10-7とつく。
3R、勝次が右肘を連打する場面もあったが、浅川が積極的に攻め、右ローを絡めつつ、パンチの連打で時折勝次を追い詰め場内を沸かせる。ジャッジは1者がイーブンだが、2者が浅川につける。
4Rも浅川が随所でコーナーに勝次を詰めてパンチを連打して追い詰め、右のハイ、ロー等も絡め、優位を維持しする。
5R、浅川はバックスピンキックやハイを当て、場内を沸かせ、最後は笑顔を浮かべながらパンチの打ち合いを繰り広げるが、ダウンは奪えず終了する。結局2Rに2ダウンを奪い3点差をつけた勝次が1点差を守り切る形で判定勝ちした。
マイクを先に持った浅川は「41歳、一生青春、一生挑戦、まだまだ続けます」と宣言し、後で持った勝次は「今度飲みに行きましょう」と浅川を称えるように話し、最後は浅川と一緒に、勝利後恒例の「1、2、3、ハッピー」と叫んだ。なお、この試合はこの日のベストバウト賞を獲得している。
主催の岡山ジムの馬木樹里、北山善が勝利
第6試合 72.6kg契約 3分3R
×光成(ROCK ON/ジャパンキック・ミドル級王者)
○馬木樹里(岡山ジム/INNOVATIONスーパーウェルター級王者)
判定0-3 (28-30/28-30/28-30)
光成がオーソドックス、馬木がサウスポーで構え、お互いミドルとローを出すが、なかなか攻撃が増えず、均衡状態が続く。3Rに左ミドルの蹴り数を少し増やした馬木がポイント差を広げ判定勝ちした。
第5試合 肘無し 73kg契約 3分3R
○RYOTARO(龍生塾/RISEミドル級(70kg)7位)※大原道場から所属変更
×髙木覚清[かくし](RIKIX)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
髙木は岡山ジム出身で、岡山から来た観客から多くの声援が飛ぶが、厳しい試合に。1R、RYOTAROが髙木のプレッシャーをステップでかわしながら、左右のフック、左ボディを的確に当て、優位に進める。
2R、髙木も随所で右ローを返すが、RYOTAROは左ボディを強打し続け、最後に右フックで髙木をひるませ好印象を残す。
3RもRYOTAROが左ボディを当て続け、終盤には右フックのヒットも増やし、髙木を圧倒し、点差を広げ判定勝ちした。
第4試合 INNOVATIONフライ級王者認定試合 3分5R(延長1R)
×アン・ジンソップ(韓国/ソンタンTeam Ship/KICK HERO’Sスーパーバンタム級王者)
○北山 善(岡山ジム)
判定0-3 (能見43-50/川原42-50/福永43-50)
※北山が王者に
INNOVATION加盟ジムの岡山ジム所属の北山が勝利した場合INNOVATIONフライ級王者として認定される試合。団体外から招へいされたアンが勝っても王者にはならない。
北山が右カーフを効かせ、2R終盤に右ローキックでダウンを奪う。3Rにも北山が右ロー、左膝蹴りで2ダウンを奪う。4Rにも右ローでダウンを奪うが、ジンソップはしぶとく立ち上がる。累計5度のダウンでKOとなるルールだが、5Rはダウンを奪えず、判定勝ちで北山がベルトを巻いた。
オープニングファイト第2試合 アマチュア 56kg契約 2分2R
○YUSUKE(RIKIX)
×金光凌生(岡山ジム)
1R TKO
オープニングファイト第1試合 アマチュア 43kg契約 2分2R
×コトスック(治政館江戸川道場)※ゆっPー JSKから変更
○北山 恋(岡山ジム)
判定0-2