K-1 3.12 代々木第一体育館(レポ/Part2):玖村将史、志朗に続き鈴木真彦からもダウン奪い判定勝ちし対RISE 2連勝。金子晃大&軍司泰斗、タイ勢に判定勝ちし王座防衛
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K-1 WORLD GP 2023 ~K’FESTA.6~
2023年3月12日(日)東京・国立代々木競技場 第一体育館
レポート&写真:井原芳徳
(KANA・石井一成ら登場の第1~8試合はPart1、軍司×ヴュー・金子×コンペットやRISEとの対抗戦が並ぶ第9~15試合はPart2、朝久泰央×与座や野杁・ジョムトーンら登場の第16~21試合はPart3と、3ページに分けてお伝えします)
THE MATCHの熱狂から半年。K-1のリングにRISEが乗り込み対抗戦第2章開幕
那須川天心 vs. 武尊をメインイベントとして行われた昨年6月のTHE MATCH 2022東京ドーム大会以来となるK-1とRISEの対抗戦。当初K-1の中村拓己プロデューサーは「スタンスは変わらないです。今回は特別です」と話し、今回限りの交流と明言していたが、あれから半年経ち「ファンの皆さんの声や選手の色んな思いや声を聞いていて、対抗戦への熱を感じ」“開国”に踏み切った。今回は3試合で、RISE ELDORADO 3月26日 有明アリーナ大会でも対抗戦3試合が行われる。上写真は2月10日の対抗戦発表会見。下写真は今回の代々木第一大会の観戦に訪れたRISEの伊藤隆代表(左)とシュートボクシング協会の緒形健一氏(右)。
玖村将史、志朗に続き鈴木真彦からもダウン奪い判定勝ちし対RISE 2連勝
第13試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/元Krushスーパー・バンタム級王者)
×鈴木真彦(山口道場/RISEバンタム級(55kg)王者、元WBCムエタイ日本&ホーストカップ日本同級王者)
判定3-0 (水谷30-28/箱崎30-28/梅木30-27)
THE MATCHでRISEの志朗からダウンを奪って判定勝ちしたK-1の玖村将史と、K-1王者の金子に勝ったRISE王者の鈴木による、55kgトップ対決が実現した。1R、両者ロー、ミドルを当て合いつつ、時折左のフックの相打ちも。片方がパンチを当てれば、すぐもう片方もパンチを返し、どちらも引かないハイレベルな攻防となる。記者採点はイーブン。
2R、玖村は鼻血を出しているが、序盤から鈴木の右フックのタイミングで左ジャブを合わせて鈴木をフラつかせると、さらにもう一度左ジャブをカウンターで当てダウンを奪う。その後も左ジャブを当て続け、右ストレートでも鈴木をフラつかせる。だが鈴木も圧力を強めパンチを返し、右のカーフで玖村をフラつかせ、勝負をわからなくする。スリリングでスピーディーな攻防に、場内はこの日一番の盛り上がりとなる。記者採点は10-8で玖村。
3R、鈴木が必死に前に出て右フックを当てるが、中盤、玖村は左ジャブを立て続けに当てて、鈴木の反撃を封じる。終盤、それでも鈴木は必死に前に出てパンチを振るうが、玖村は耐えて終了する。記者採点はイーブン。合計30-28で玖村。玖村がダウン分の点差を守り切る形で判定勝ちし、RISEとの対抗戦を2勝1敗で終えた。
今大会ベストバウトと言えそうな好勝負を制した玖村は「鈴木選手と志朗選手のRISEの55kgのツートップに勝ったんで、僕が55kgで一番強いってことでいいですよね?55kgだけじゃ物足りないんで、これからもっとK-1の強さをK-1ファイターみんなで見せたいです。次、金子選手、コンペット選手、この2人と僕がどっちが強いか比べてください。K-1が最強なのでこれからもそれを証明します」とマイクアピール。リングを降りると、交際中のタレント・ゆうちゃみさんの元に歩み寄り、一緒に勝利を喜んだ。
RISE安本晴翔、K-1寧仁太・アリも勝利。対抗戦はホームのK-1勢が2勝1敗で勝ち越し
第12試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×斗麗[とうま](WIZARDキックボクシングジム)
○安本晴翔[はると](橋本道場/RISEフェザー級(57.5kg)6位、WPMF世界・WBCムエタイ日本フェザー級王者、元KNOCK OUT-REDフェザー級王者、元INNOVATIONスーパーバンタム級王者、元REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者)
判定0-3 (西村28-29/豊永29-30/水谷28-30)
1R、安本が蹴り足をつかむ行為を2度して梅木レフェリーから注意されるが、中盤以降は随所で手数を上げてパンチとローをヒット。だが斗麗も右ストレート等を返し、ほぼ五分で渡り合う。記者採点はイーブン。
2R、安本のローが効き目を発揮したか?斗麗はサウスポーにスイッチする場面が増える。安本は構わず左右のロー、ミドルを当て続け、攻撃数で上回る。斗麗はパンチはさほどもらわないが、自分の攻撃が少ない。記者採点は安本。
3R、接近戦でパンチが交錯すると、斗麗は2度押される形でスリップする。消耗とダメージで力が入りきらなくなっている様子だ。だが中盤、安本もじわじわ勢いが落ちると、斗麗が次第にパンチのヒットを増やし、安本を下がらせて終える。記者採点はイーブン。合計29-30で安本。ジャッジは3者とも安本を支持し、安本の判定勝ちとなったが、斗麗の巻き返しも光る内容だった。
第11試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○寧仁太[アニンタ]・アリ(ガーナ/K-1ジム総本部チームペガサス/Krushウェルター級王者)
×實方[さねかた]拓海(TSK Japan/RISEウェルター級1位、元WMC日本・ルンピニー日本・J-NETWORKスーパーライト級王者)※実方拓海から表記変更
判定3-0 (箱崎30-28/豊永30-28/梅木30-28)
1R、サウスポーの實方に対し、寧仁太がプレッシャーをかけ続け、右ミドル、ローを随所で当てる。實方も左ロー、フックを時折ヒット。まだはっきりした差はつかない。
2R、實方もボディに膝を効かせたが、終了間際、寧仁太が左フックを当てダウンを奪う。寧仁太がコツコツ当てた左インローが効き目を発揮した面もあるだろう。
3R、實方も左ボディ、左フックを当てる場面もあったが、寧仁太が右ミドル、膝を返し続け、反撃を封じ判定勝ちした。
K-1 MVP軍司泰斗、ムエタイ強豪ヴューを圧力で封じ初防衛
第15試合 K-1 WORLD GPフェザー級(57.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/王者、K-1フェザー級世界最強決定トーナメント2022優勝、元Krushバンタム級王者、K-1甲子園2016 -55kg優勝)
×ヴュー・ペッコウーソン[View Petchkoson](タイ/ペッコウーソンジム/挑戦者、BBTVフェザー級王者、元プロムエタイ協会バンタム級王者、元オムノーイ認定スーパーフライ級王者)
判定2-0 (梅木30-30/豊永30-29/岡田30-29)
※軍司が初防衛
軍司は昨年8月のフェザー級世界最強決定トーナメントで優勝。12月にはワン・ジュングァンに勝利し、2022年は5戦5勝(2KO)の好戦績を残し、「K-1 AWARDS 2022」ではMVPに選ばれた。挑戦者のヴューは初来日。今大会で金子晃大と対戦するコンペットにも3勝1敗と勝ち越している。
1R、軍司が開始すぐからプレッシャーを強め、ヴューを度々ロープに詰め、右フック、左ボディ等を当てる。ヴューはまだ耐えており、終盤には左ジャブ、右ローのヒットを少し増やす。記者採点はイーブン。
2R、ヴューは1R終盤にも見せていたが、ガードを低くし、ボクサー寄りの構えになり、回って距離を取りながら、左右のパンチのヒットを増やし、右ミドル、膝も絡める。軍司は時折左のボディ等を当てるが、手数では劣ってしまうように。記者採点はイーブン。
3R、軍司は変わらず前に出続け、ヴューは回り続けるが、ヴューは少し攻撃が減り、軍司のヒットがやや上に。終盤には左フックでヴューを少しふらつかせる場面が目立つように。記者採点は軍司。合計30-29で軍司。接戦のためもあってか、ジャッジ1者は30-30としたが、2者は記者と同じ採点で軍司を支持し、軍司の判定勝ちとなった。
軍司は「今日はKOして圧倒的に強いフェザー級王者と見せたかったけどできなくて凄く悔しいです。今回RISEと対抗戦をやっているんですけど、今年はフェザー級の世界最強を目指しているんで、K-1じゃなくても他団体の選手ともやりましょう」とアピールした。
金子晃大、コンペットとの接戦制し初防衛
第14試合 K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級(55kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/王者、元Krush王者)
×コンペット・シットサラワットスア(タイ/シットサラワットスアジム/元ルンピニー認定バンタム級&フライ級王者、元プロムエタイ協会ライトフライ級王者、元BBTVフェザー級・フライ級・ライトフライ級王者)
判定2-0 (箱崎30-30/豊永30-28/西村30-29)
※金子が初防衛
金子は昨年2月の第3代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメントの決勝で玖村将史に勝利して王者になり今回が初防衛戦。6月のTHE MATCHではRISEの鈴木真彦に判定負けしたが、9月と12月の試合では海外勢に連勝した。コンペットは昨年9月にK-1に初参戦し玖村に判定勝ちし、今回の王座挑戦につなげた。
1R、金子がプレッシャーをかけ、時折右のカーフキックを強打する。だが攻撃はまだ少なく、連打にはつながらず、コンペットは耐える。コンペットも回り続けるが攻撃が乏しい。記者採点はイーブン。
2R、金子は変わらず前に出て、右のカーフ、左インローを当て続ける。しっかり効いてきているが、コンペットは耐え、右ロー、ミドルのヒットを増やし、攻撃数ではコンペットがやや上の状態に。記者採点はイーブン。
3R、金子は右カーフを当てつつ、中盤からは圧力を強め、左右のフックを振るい倒しにかかる。コンペットはある程度かわすが、時折被弾し少し印象が悪い。終盤、金子はカーフも絡めてから、最後もパンチを振るい、やや押し気味で終える。記者採点は金子。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者は1~2点差で金子を支持し、金子が判定勝ちで初防衛を果たした。
金子は「コンペット選手が一番最初に来た時(に戦った場合)はたぶん勝てなかったですけど、トレーナーのおかげで勝てて良かったです。でも自分がまだまだだとわかったんで、強くなってきます。僕の前に鈴木選手が玖村選手に勝ったんで、僕は防衛してもっと強くなったところを見せたいです」とアピールした。
90kgのクルーザー級戦線はラテスクと星龍之介がKO勝ち
第10試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
×谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○ステファン・ラテスク(ルーマニア/スコーピオンズ・ヤシ)
2R 2’50” KO (パンチ連打)
ラテスクは昨年12月のK-1大阪大会でマハムード・サッタリをKOしK-1に連続出場した。1R、序盤からラテスクが左ボディ、左フックを効かせダウンを奪う。ラテスクはパンチを振り回すうちに勢いが落ち、谷川が右のローを執拗に当てると、終盤にはラテスクの足が止まるように。
2R、谷川が執拗に右ロー、カーフをヒット。ラテスクはダメージが溜まり、サウスポーに切り替えるように。すると終了間際、谷川ははっきり差をつけようとしたか?ラテスクをコーナーに詰め、右膝、ボディフックを当て追い詰めようとするが、ラテスクはブロックで耐えてから、カウンターの左フックをクリーンヒット。続けて右フックも当てて谷川をダウンさせると、谷川は立ち上がれず、ラテスクのKO勝ちとなった。
第9試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
×AKIRA Jr(フィリピン/若獅子会館 総本部/元RKSクルーザー級王者、元蹴拳スーパーミドル級王者)
○星龍之介(POWER OF DREAM/極真会館世界大会2019 6位)
3R 1’08” KO (右ストレート)
星は昨年キックデビューし3戦3KO勝ち中。1R、蹴りの応酬で、お互い右ロー、カーフを当てる。終了間際、星が右ストレートからのパンチ連打でAKIRAを追い詰める。だがAKIRAもパンチを返し、スリリング展開に。記者採点は星。
2R、お互い見合い慎重な攻防が続くが、随所で星が右ローを当て、終盤にはパンチとローの数を増やして攻勢を印象付ける。記者採点は星。
すると3R、星はプレッシャーをかけ、ワンツーからの右ストレートをヒット。AKIRAをひるませると、同様に右ストレートを当ててダウンを奪う。AKIRAは立ち上がるがファイティングポーズが取れず、星のKO勝ちとなった。
K-1 3.12 代々木第一体育館(レポ/Part1):KANA、KO勝ちで王座防衛。菅原美優、パヤーフォンとの混戦制す。石井一成、ヨーシラーに疑惑のダウン奪われ判定負け