K-1 11.3 さいたまスーパーアリーナ:ゲーオ、大和哲也・左右田泰臣・佐々木大蔵を下しスーパー・ライト級王座奪還
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K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~第3代スーパー・ライト級王座決定トーナメント~
2018年11月3日(土/祝) さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ
レポート&写真:井原芳徳
K-1 WORLD GP 第3代スーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント
第2試合 一回戦(1) 3分3R(延長1R)
○佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushライト級(62.5kg)王者/65.0kg)
×サム・ヒル[Sam Hill](ニュージーランド/シティ・キックボクシング・ニュージーランド/WMCウェルター級王者/64.9kg)
判定3-0 (岡田30-28/畑中30-27/豊永30-27)
Krushが母体のK-1実行委員会による新生「K-1 WORLD GP JAPAN」シリーズが2014年11月3日の代々木競技場第二体育館大会でスタート。その大会では初代スーパー・ライト級王座決定トーナメントが行われ、ゲーオが山崎秀晃、久保優太、左右田泰臣を下し優勝した。それから4周年の日に、野杁正明が返上した王座を賭け、トーナメントが行われる。王座奪還を目指すゲーオは一回戦で大和哲也と対戦。最近のゲーオは野杁と平本蓮に敗れており、このトーナメントで復活なるか?対抗する日本勢がどこまで活躍できるかが注目ポイントとなる。
佐々木大蔵は5月、ゲーオの後輩・ゴンナパーに敗れKrushライト級王座の3度目の防衛に失敗。7月のKrushでの64kg契約での中国人選手との試合で判定勝ちし、今回1階級上のスーパー・ライト級に本格進出する。
対するサム・ヒルはK-1初参戦の27歳で。ムエタイの試合が主体で、戦績47戦34勝(9KO)11敗2分。ウェルター級でタイトルを取っているが、体格は佐々木より小柄な印象だ。
1R、お互いロー主体の攻防で、佐々木が左の奥足狙いのローを集中し、若干優勢。まだヒルは崩れない。2Rはお互い距離が縮まりパンチの比重が上がる。3R、佐々木が左ボディ、左奥ローを効かせ、コーナーを詰める時間が長くなる。ヒルも時折パンチを返し、大差はつけさせない。記者採点は3Rのみ佐々木につけ30-29で佐々木。ジャッジは2者が意外にも30-27とはっきり差をつけ、佐々木の判定3-0での勝利となった。
第3試合 一回戦(2) 3分3R(延長1R)
○中澤 純(TEAM Aimhigh/元Krushスーパー・ライト級王者/64.8kg)
×ショーン・クランシー[Sean Clancy](アイルランド/サイアム・ウォリアーズ/ISKA英国スーパーライト級王者/64.4kg)
1R 1’09” KO (パンチ連打)
中澤は左右田泰臣に2連勝したが、大和哲也と山崎秀晃には完敗しており、トーナメントで復権したいところ。当初、一回戦でメルシック・バダザリアンと戦う予定だったが、バザダリアンは左肩を負傷し欠場した。
代役のクランシーは2年前にタイファイトでムエタイの強豪・センチャイともグローブ無し・バンテージのみのルールで対戦し、センチャイのテクニックに翻弄されTKO負けしている。地元アイルランドで2年前に大月晴明と対戦し、ローを効かせ追い詰めるが、3Rに大月をローでスリップさせた後、右足で大月の顔面を蹴る反則を犯し失格となっている。
1R、クランシーが序盤から圧力をかけてパンチとローをテンポ良く当てる。だが中澤はパンチの打ち合いの展開に持ち込むと、次第にヒットを増やし、クランシーを後退させ、ボディと顔面に何発も当て続ける。最後はコーナーに詰めて連打していたところで、芹沢レフェリーがストップした。クランシーはふらついてはいなかったが、セコンドも本人もストップには納得している様子だった。
第4試合 一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○左右田泰臣(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/元RISEスーパーライト級王者/64.7kg)
×モー・アブドゥラマン[Mo Abdurahman](南アフリカ/Look Borai/64.7kg)
4R 2’31” KO (2ダウン:右膝蹴り)
3R 判定1-0 (岡田30-29/豊永29-29/山崎29-29)
左右田は中澤に2度敗れたが、7月のKrushの日中対抗戦では左ボディでKO勝ちしている。対するアブドゥラマンはイギリス在住の22歳。戦績39戦30勝(19KO)9敗。GLORYでも活躍し、度々構えを切替え、ジャブと前蹴りで距離を取り、ボディにパンチと膝を効かせるのが得意とする。
1R、アブドゥラマンがスイッチを繰り返しつつ、頭を振って細かく動きながら、右アッパー、左膝を叩き込む。左右田は戦いにくそうだが、終盤にはボディと顔面にパンチを当てて挽回する。
2Rもその流れで、左右田が右フック、左右のボディのヒットを増やし攻勢に。アブドゥラマンも時折左の飛び膝や右フックを返すが、左右田の攻勢は崩れない。
3Rも左右田が左ジャブ、右ストレートを当て続け、度々アブドゥラマンをぐらつかせ攻勢。だが終了間際、アブドゥラマンの左フックで一瞬左右田の腰が落ちてしまう。
記者採点は1Rがアブドゥラマン、2Rが左右田、3Rが10-10で合計29-29。ジャッジも2者がドローで延長へ。左右田が詰め、接近戦で両者ともパンチの打ち合いを繰り広げ、一歩も引かない展開が続くが、左右田がボディへの右膝を効かせると、アブドゥラマンの動きが止まり、左右田がパンチラッシュを続けると、山根レフェリーがダウンを宣告する。左右田はさらにラッシュを続け、最後は右膝を叩き込み、アブドゥラマンが崩れ落ち、左右田のKO勝ちとなった。
第5試合 一回戦(4) 3分3R(延長1R)
×大和哲也(大和ジム/元WBCムエタイ世界スーパーライト級王者、K-1 WORLD MAX -63kg 2010日本トーナメント優勝/64.8kg)
○ゲーオ・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者/64.8kg)
1R 1’32” KO (左ハイキック)
哲也は昨年K-1に復帰し2連続KO勝ちしたが、今年3月に野杁正明の王座に挑戦しKO負けした。8月の地元名古屋のKrushでは中国の選手をKOしている。タイ人との対戦経験が豊富なため、ゲーオ攻略をどうするか見ものの一戦だ。
1R、開始すぐからゲーオがサウスポーからの左ミドルを当てるが、哲也は右ミドルをお返し。一発一発に重みがあり、順調に滑り出しに見える。セコンドからも「左ハイに気を付けて」という声も飛んでいたが、ゲーオは右ジャブを振りつつ、哲也がパンチを狙おうとしたタイミングで左ハイをクリーンヒット。哲也は立ったがフラついたため、山根レフェリーがストップ。ゲーオが危機説を払拭する快心のKO劇を見せた。
第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R)
○松下大紀(K-1ジム川口TEAM SIRIUS/64.8kg)
×FUMIYA(ポゴナ・クラブジム/64.7kg)
1R 2’40” KO (右ストレート)
1R、FUMIYAは回って距離を取りながら左右のローを着実に当てるが、松下はじわじわ圧力をかけ続け、蹴りで応戦しつつ、右ボディストレートを効かせて動きを止めた後、顔面への右ストレートでダウンを奪う。FUMIYAは立ったが、松下が再び右ストレートでダウンを奪い、1Rできっちり終わらせた。
第9試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushライト級(62.5kg)王者/65.0kg)
×中澤 純(TEAM Aimhigh/元Krushスーパー・ライト級王者/64.8kg)
判定3-0 (山根29-28/水谷30-28/畑中30-27)
1R、パンチ主体の攻防の中で、佐々木は左ジャブからの右ストレート、中澤は顔面とボディにパンチを散らして連打し、時折右テンカオや右ローを絡める攻撃が主体。まだ大差はない。記者採点10-10。
2Rも互角の展開が続いたが、佐々木が右のテンカオをボディに当て続けた後、顔面狙いの右膝を当て、ダウンを奪取。その後も佐々木が右ストレート、前蹴り等で優位を維持しする。記者採点10-8で佐々木
3Rも佐々木が左ジャブを軸にしつつ、右ストレートも随所で当て、主導権を維持。中澤は耐えるも、攻撃をほとんど返せなくなり終了。記者採点10-9で佐々木。合計30-27で佐々木。佐々木がダウン分の差を守り勝利したが、6R戦った上での決勝進出のため、体力とダメージが気になるところだ。
第10試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×左右田泰臣(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/元RISEスーパーライト級王者/64.7kg)
○ゲーオ・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者/64.8kg)
4R 判定0-3 (水谷9-10/畑中9-10/山根9-10)
3R 判定0-1 (水谷29-30/畑中30-30/山根30-30)
1R、ゲーオがサウスポーに構え、パンチ等を絡めつつ、左ハイを時折り放って来るが、左右田は反応しブロック。左右田も右ストレートを返し、ゲーオがニヤリと笑う。両者ジャブを突いて攻撃機会をうかがう時間が長く、まだ攻撃は少なく、均衡状態だ。
2Rもジャブを突き合う時間が長く、ゲーオは左ハイ、左ミドル、テンカオ、左右田は左ボディ、右膝を当てるが、ヒットは少なく、均衡は崩れない。
3R、ゲーオは左ミドルを当てるが、左右田もパンチを返すと、ゲーオはクリンチが増え、そこから膝を当てる場面が繰り返され、豊永レフェリーから警告を受ける。均衡状態は崩れないまま終わる。。記者採点は3Rとも10-10。ジャッジ2者も同様で本戦では決着がつかない。
延長R、お互い膝を当てていると、ゲーオはクリンチが増えまたも警告を受けるが、うまく休むと、中盤、左ハイを当て、ロープを背負いながらのパンチの打ち合いで的確にヒット。逆に左右田のパンチを頭を振ってかわし続け、手数差をつける。記者採点9-10でゲーオ。ジャッジ3者もゲーオを支持し、ゲーオが辛うじて勝利をものにした。
第15試合 決勝戦 3分3R(延長1R)
×佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushライト級(62.5kg)王者/65.0kg)
○ゲーオ・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者/64.8kg)
判定0-3 (豊永29-30/岡田29-30/西村28-29)
※ゲーオが王者に
1R、ゲーオはサウスポーに構え、右ジャブを振ってフェイントをかけつつ、左ハイ、左飛び膝を度々当てる。佐々木は反応できておりクリーンヒットはもらわないが、後手に回り続けてしまう。記者採点9-10でゲーオ。
2Rもゲーオが右ジャブ、左ハイ、左ストレートを随所で当て主導権。佐々木のパンチもかわし続ける。ようやく佐々木の右ストレートが残り30秒で炸裂するが、その先には続かない。記者採点10-10。
3R、ゲーオは疲れが見えて来るものの、前蹴り、ジャブで突き放し、時折クリンチで休み、前に出る佐々木に反撃の糸口を与えず、随所で左ミドルを強打する。記者採点10-10。合計29-30でゲーオ。ジャッジ3者も同様で、ゲーオが老獪さも見せて佐々木を完封し、悲願の王座奪還を果たした。
ゲーオは「今日は勝ててうれしかったです。34歳になりますが、まだ全力で戦えます。これからも応援お願いします」と話した後、「左右田選手、リベンジしたかったらぜひお願いします」と、延長までもつれ込んだ左右田との、ダメージの無い状態での決着戦に意欲を示した。
大会後のインタビューで左右田は「ゲーオは一回戦1R KO勝ちで、僕は延長まで行って、準決勝でゲーオとも延長まで行ったので、焦らずこのカード決定を待ちます」と話し、今回のゲーオ戦については「一緒に練習をしていて、向こうも手の内をわかっているので、駆け引きが多かったと思います」と、戦いにくい状態だったことをほのめかした。
ワンマッチ
第14試合 フェザー級(57.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
×村越優汰(湘南格闘クラブ/王者/57.4kg)
○アレックス・リーバス[Alex Rivas](スペイン/Team Jesus Cabello/57.2kg)
判定0-3 (山根28-29/岡田28-29/西村28-29)
村越は6月の第2代フェザー級王座決定トーナメントで優勝して以来の試合。リーバスは準決勝で村越と戦ったホルヘ・バレラと同じジムの17歳。村越は「バレラ戦は伸びのある右ストレートでダウンしてしまった。リーバスも似ている部分がある」と警戒していたが、最初からもらってしまうことに。
1R、村越はサウスポーから左ミドルを当てるが、リーバスはすぐに詰めて右フックを当ててダウンを奪取する。その後も村越の蹴りの後にパンチを狙い続ける。記者採点8-10でリーバス。
2Rも同様の構図だが、リーバスは蹴り足のキャッチも多く、梅木レフェリーから注意を受ける。村越は少しずつ左膝、ミドルを当ててダメージを与えているが、まだリーバスは崩れない。記者採点10-10。
3Rも村越は左ミドル、膝を当て続けると、残り1分を切ってからの左テンカオが効き目を発揮。リーバスがコーナーに下がり、村越はパンチと膝のラッシュでダウン寸前まで追い詰める。記者採点10-9で村越。合計28-29でリーバス。ジャッジ3者も同様で、村越がノンタイトル戦ながらも黒星を喫してしまった。
勝ったリーバスは「57.5kg王者に勝ったので、次は階級を下げて55kg王者の武居由樹と戦いたい」と話した。
第13試合 68kg契約 3分3R(延長1R)
○ジョーダン・ピケオー(オランダ/マイクスジム/Krushスーパー・ウェルター級(70kg)王者/67.9kg)
×木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス/Krushウェルター級(67.5kg)王者/68.0kg)
3R 1’29” KO (右膝蹴り)
ピケオーは9月30日のKrushで和島大海に判定勝ちした後、木村に対戦要求し、K-1のリングでのKrush王者対決が実現した。会見で木村は「舌戦したからどうかとかは今は好きじゃない」「世界のキックボクシングを体現できるのがいないと、あまり良くない、スポーツとして」と、最近の舌戦が盛り上がる傾向に釘を刺し、「ピケオー選手となら世界のキックボクシングを体現できる」と話していた。結果としてそれを示すような激闘となったが、ピケオーとの差が明白に出る内容に。
1R、木村は距離を取りつつ、時折一気に詰めてパンチを顔面とボディをヒットする。だがピケオーは動じず、終盤には木村をコーナー詰めると、左ジャブを振ってからの右ストレートをクリーンヒットしてひるませ、右のパンチと膝をボディに連打しダウンを奪う。
2R、木村が果敢にパンチを連打するが、ピケオーは圧力をかけ返し、ロープに詰め、右ボディストートと右フックの連打でダウンを奪う。木村はそれでも果敢に打ち合いに臨むが、右ストレートをもらってダウンしてしまう。
3R、それでも木村はパンチラッシュを仕掛けるが、ピケオーはブロックして耐えると、顔を突き出し笑顔を浮かべる。そして最後はパンチラッシュで木村の動きを止めると、右膝をボディに叩き込み、またもダウンを奪取。木村は立ち上がれずKO負けとなった。
ピケオーはマイクを持つと「木村はタフでしたが宣言通りKOしました。久保優太選手、ぜひ試合をしましょう」とアピール。するとK-1ウェルター級王者の久保もリングに上がり、ピケオーとの対戦を承諾した。城戸康裕の王座挑戦が内定していたが、ピケオーがこれだけのファイトを見せてしまった以上、挑戦者変更の可能性が一気に高まってしまった。
第12試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○卜部弘嵩(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元K-1 WORLD GP&Krushスーパー・フェザー級(60kg)王者/57.5kg)
×芦澤竜誠(K-1ジム総本部チームペガサス/元INNOVATIONフェザー級王者/57.3kg)
3R 2’28” KO (右フック)
卜部兄弟の兄・弘嵩はフェザー級に階級を下げての初戦。7月のKrushでは58.5kg契約で中国の選手に勝利している。婚約者でモデルの高橋ユウさんも食事面でサポートしており、心身ともに充実した状態だ。芦澤は9月の小澤海斗戦での舌戦で話題を呼んだ上に勝利している。
1R、弘嵩は左ミドルを当て続ける展開。芦澤はまだ攻撃は少ないが、随所で右ロー、右ストレート、右膝を返す。まだ均衡は崩れない。
2Rも弘嵩は左ミドルを主体にしつつ、右ローも織り交ぜるが、芦澤は崩れず、右膝、右ローを返す。だがお互い決定的な攻撃やダメージを大きく与える攻撃を出せない状態が続く。
3R、一気に試合が動く。弘嵩が圧力を強めるが、芦澤は右ジャブ、左膝を連打し効かせると、弘嵩を下がらせる。すると芦澤は顔を突き出して一気に前に出てプレッシャーをかけ返すと、バックハンドブローと左の前蹴りで弘嵩をふらつかせ、ロープにもつれた弘嵩に左ハイを当ててダウンを奪う。しかし弘嵩はダメージは小さく、引き続き圧力をかけてパンチを当て続けじわじわ挽回すると、右フックでダウンを奪取。芦澤はダメージが大きく、再び弘嵩が右フックでダウンを奪うと、芦澤は立ち上がったものの、フラついており梅木レフェリーがストップした。
見事な逆転勝利の弘嵩は、マイクを渡されたが「特に言うことはありません。この試合結果が次へのメッセージだと思っています」とシンプルに王座挑戦に向けアピールした。
第11試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○城戸康裕(谷山ジム/元Krushスーパー・ウェルター(70kg)級王者/67.5kg)
×ジョナサン・トゥフ[Jonathan Tuhu](パプアニューギニア/The fight center Brisbane/67.2kg)
判定3-0 (鶴和30-28/豊永30-27/伊藤30-28)
城戸は昨年からウェルター級に階級を落とし、初戦は木村に敗れたが、以降はイッサム・チャディッド、マサロ・グランダーに連勝している。今回、久保優太の王座挑戦がプランされたが、久保の負傷で延期となった。対するジョナサン・トゥフはKO率が高く、飛び回し蹴りで立ったまま相手を失神させた試合動画も話題になった選手だ。
1R、城戸がサウスポーに構えて左回りでトゥフの圧力をかわし続ける展開が続く。終盤、トゥフが飛び回し蹴りを放ち、空振りに終わるが、場内がどよめく。
2R、城戸はスイッチしつつ、距離を取りながら、時折右の膝、ローを当て、着実にダメージを与える。トゥフは回転系の蹴りを多用し続けるが、ヒットにはつながらない。
3Rも城戸は回って距離を取り、右ロー、膝を当て続ける。決定打がなかなか出なかったが、終盤、トゥフの集中力が落ちたところで、コーナーに詰めてのパンチと膝のラッシュで追い詰める。記者採点は3Rに城戸につけ30-29。ジャッジ3者はより城戸につけ、城戸の判定勝ちとなった。
第8試合 女子-50kg契約 3分3R(延長1R)
○KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/Krush女子フライ級(50kg)王者/50.0kg)
×ヨセフィン・ノットソン[Josefine Knutsson](スウェーデン/Allstars training center/IFMA世界女子フライ級王者/50.0kg)
判定3-0 (山根29-27/水谷29-27/太田30-28)
KANAはヘウヘス戦、ペトゥホーヴァ戦、タウンゼント戦と判定決着が続いたことを反省し、実戦力を磨くため7月に約1か月イギリスでスパーリングを重ね、8月はリュウ・シーベイにKO勝ちしている。対するノットソンは22歳ながら30戦と経験豊富だ。
1R、ノットソンは前蹴り、ミドルを自在に出し、右のスーパーマンパンチを2度クリーンヒット。KANAも右のロングフック、右ハイを当て返すが、ノットソンはひるまず、攻撃を出し続ける。記者採点10-10だが9-10でノットソンでも不思議ではない。
2R、ノットソンはホールディングが多いため岡田レフェリーから注意を宣告される。次第にKANAのローのヒットが増え、中盤にはバックスピンキックと左フックが連続で決まる。だがノットソンも終盤に右のスーパーマンパンチと左ハイを返し大差はつけさせない。記者採点10-10だが10-9でKANAか迷う展開だ。
3RもKANAがパンチ主体でやや押し気味の展開を続けると、ノットソンはクリンチが増えるが、そのタイミングでKANAが左ボディをヒット。するとノットソンは背中を向けて下がり、KANAがパンチをまとめたところでダウンが宣告される。結局これが決め手となりKANAの勝利。敗れたがノットソンはなかなかの実力者で、今後も招へいして欲しいと感じた選手だった。
第7試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
○加藤久輝(ALIVE/元HEAT総合ミドル級(83.9kg)王者、空道全日本体力別4連覇/89.4kg)
×RUI(K-1ジム蒲田チームキングス/89.6kg)
1R 1’59” KO (左フック)
加藤はMMAのベラトールの試合の試合スケジュールとの兼ね合いで、9月のクルーザー級初代王座決定トーナメントを辞退したが、試合を観て奮起し今大会出場を志願した。RUIはトーナメントのリザーブファイトで古田太一を3R膝蹴りでKOしている。王者となったシナ・カリミアンも会場で今回の試合を見守る。
1R、両者サウスポーに構え、慎重な様子で、その中で加藤が左の奥ローを時折りヒット。じわじわ圧力をかけ、一瞬動きを止めてから詰めると、左フックをヒット。RUIはブロックしていたが効き目は十分で、RUIはダウンすると立ち上がれず、加藤のKO勝ちとなった。マイクを持った加藤は「挑戦者、僕しかいないと思います」と話した後、英語でカリミアンに対戦を呼び掛けた。
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○江川優生(POWER OF DREAM/57.5kg)
×覇家斗(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/57.4kg)
4R 判定3-0 (鶴和10-9/山根10-9/水谷10-9)
3R 判定1-1 (鶴和30-29/山根28-29/水谷29-29)
武居由樹の後輩・江川は6月のフェザー級王座決定トーナメントのリザーブ戦で大滝裕太を88秒でKO。覇家斗はスーパー・フェザー級から階級を落としての初戦だ。
1R、江川が序盤からボディ、顔面へと散らし、パンチを的確に当て続け攻勢。覇家斗が一瞬腰が落ちて後退する場面も。
1R終盤から覇家斗は少しずつ右ローを返すようになり、2Rには右ローのヒットを増やし挽回する。左ジャブと頭を振っての動きで圧力をかけ、江川は手数が低下する。
3Rも覇家斗の優勢が続き、右テンカオのヒットを増やし、時折詰めてパンチの連打もまとめ攻勢に。江川は崩れないが攻撃が少ない。
記者採点は1Rが江川、3Rが覇家斗で29-29。ジャッジは三者三様で延長にもつれ込む。江川が序盤から左アッパーで覇家斗をのけぞらせるが、中盤以降はほぼ互角。終盤は覇家斗も右のテンカオ等のヒットを増やし挽回するが、江川は崩れず。結局序盤の一撃が決め手となり、江川の勝利となった。
K-1カレッジ2018 -65kg決勝 2分3R(延長1R)
×古河拓実(明治大学 キックボクシング部・3年)
○山本真一郎(同志社大学 日本拳法部・2年)
判定0-3 (27-29/28-29/28-30)
※1R右フックで古河に1ダウン
K-1カレッジ2018 -60kg決勝 2分3R(延長1R)
○提髪和希(神奈川柔道整復専門学校・1年)
×下地 涼(拓殖大学 キックボクシング部・4年/昨年大会準優勝)
3R 1’25” KO (左ミドル)
K-1カレッジ2018 -55kg決勝 2分3R(延長1R)
○松本日向(明治大学 キックボクシング部・2年)
×岩本元太郎(産業能率大学・2年/ドラゴンジム東京)
2R 1’29” TKO (タオル投入:パンチと蹴りの連打)
プレリミナリーファイト第2試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
×優谷(ウィラサクレック・フェアテックスジム西川口/60.0kg)
○横山朋哉(リーブルロア/60.0kg)
1R 0’36” KO (左ストレート)
プレリミナリーファイト第1試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R
×高下由暉(Fighting Kairos/64.9kg)
○迅也(北斗会館浅科道場/第6回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -70kg優勝/64.8kg)
3R 0’43” KO (パンチ連打)