NO KICK NO LIFE 2.11 大田区総合体育館(レポ):海人、引退戦の緑川創を肘で切り裂き3R KO。緑川「スッキリです」。バンタム級T準決勝は麗也×HIROYUKI、山田航暉×花岡竜に
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OGUNI-GYM(オグニジム)
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NO KICK NO LIFE
2023年2月11日(土/祝)東京都大田区総合体育館
レポート&写真:井原芳徳
海人、引退戦の緑川創を肘で切り裂き3R KO。緑川「海人君に完膚なきまでやられてスッキリです」
第9試合 メインイベント 緑川創引退試合 70kg契約 3分5R
×緑川 創(RIKIX/元WKBA世界スーパーウェルター王者、元新日本ウェルター級王者、RISEミドル級(70kg)2位)
○海人(TEAM F.O.D/シュートボクシング日本スーパーウェルター級(70kg)1位・元同日本スーパーライト級(65kg)王者・S-cup 65kgトーナメント2018優勝、KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級(70kg)王者、RISEミドル級(70kg)1位)
3R 0’57” KO (パンチ連打)
緑川はNO KICK NO LIFEを主催するRIKIXの小野寺力会長の藤本ジム時代からの後輩にあたる。新日本キックで05年にデビューし、中量級のエースとして長年活躍し、近年はNO KICK、RISEを主戦場としてきた。昨年5月のNO KICK豊洲大会でT-98に判定勝ちすると「来年2月の大田区総合体育館大会で引退します」と表明していた。その後は8月のRISEでイ・ソンヒョンと、12月のRISEでリカルド・ブラボと対戦し、いずれも延長戦の末にドローに終わっている。
引退試合の相手、海人とは20年10月のRISE横浜大会で対戦し、判定2-0で海人が辛勝していたため、緑川にとってはリベンジマッチとなる。今回は肘有り・首相撲制限無しのルールだが、海人もSBでこのルールで戦いなれており、前回とは違った攻防で両者の味が出るだろう。
海人は緑川戦以降も連勝を重ね、現在15連勝中。昨年だけで6試合し、前半はチューチャイ、ベイノアをKOし、6月のTHE MATCHではK-1王者の野杁正明に延長判定勝ちし評価を大きく高めた。以降はサモ・ペティ、ケンダル・カラクァート、ストーヤン・コプリヴレンスキー相手に判定勝ち。フィジカルで勝るヨーロッパ勢相手に苦戦が続いているが、対緑川では肘も駆使し、レベルの違いを見せつけることに。
リングアナウンサーは福澤朗さんが務め、試合のゴング。1R、海人が開始すぐはサウスポーだが、すぐオーソドックスに戻し、左ジャブを突きつつ、右ロー、前蹴り、右肘等を的確に当て続ける。緑川もパンチを当てるが、海人の手数は落ちない。すると終了間際、緑川が右ボディを放ったタイミングで、海人が右の縦肘を合わせてダウンを奪う。
2R、緑川が下がりながらも随所で右フックを当て、見せ場を作り場内が盛り上がる。だが終了間際、海人は右の縦肘をまたもヒット。緑川は後方にフラつき、海人がパンチの連打につなげダウンを奪う。緑川は額から出血しておりドクターチェックを受ける。再開後は海人のラッシュで終わる。
3R、ダメージの溜まった緑川に対し、序盤から海人は容赦なくパンチと膝のラッシュを仕掛け、左の三日月蹴りでダウンを奪う。緑川は何とか立ち上がるがダメージが大きく、最後は海人がパンチラッシュで累計4度目のダウンを奪うと、秋谷レフェリーがストップし、同時に緑川陣営からもタオルが投入された。
マイクを持った海人は「これから世界に行くので、緑川さんの強さと覚悟を背負って戦います。皆さんも伝説を残した緑川選手のことを忘れないでください」と話し、緑川と抱き合った。
引退セレモニーで緑川は「僕の一人の力では何もできなかったです。海人君に完膚なきまでやられてスッキリです。海人君には世界に行ってもらって、応援したいと思います。本日はありがとうございました」と話し、10カウントゴングを聞いた。緑川の通算戦績は89戦56勝(25KO)21敗10分2無効試合。
森井洋介引退セレモニーでヨードレックペットがKNOCK OUTのベルトを森井にプレゼント
森井洋介(野良犬道場/元KNOCK OUTライト級王者、元全日本&Bigbangスーパーフェザー級王者、元WBCムエタイ&WPMF日本フェザー級王者)は長野県上田市出身の34歳。藤原ジムに加入し、08年2月9日に全日本キックでプロデビューし、Krushで勝利を重ねる。10年から通常のキックルールの試合主体となり、WPMFやWBCムエタイの日本タイトルを獲得した。KNOCK OUTに16年の旗揚げから参戦し、17年のライト級王座決定トーナメントでは町田光、勝次らをKOし優勝し王者となった。小野寺力氏がKNOCK OUTのプロデューサーを辞任した後に再開したNO KICK NO LIFEにレギュラー参戦し、21年7月大会では前口太尊の引退試合の相手を務め2R KO勝ちした。だが昨年5月大会では階級が下の新鋭・安本晴翔に3R KO負けを喫し、これが最後の試合となった。
引退セレモニーでは藤原ジムの先輩で引退までのトレーナーだった小林聡氏らが登場した。さらに18年のKNOCK OUTのタイトルマッチで敗れた相手であるヨードレックペットがタイから来日し、KNOCK OUTのベルトを森井にプレゼントした。ヨードレックペットは翌日のシュートボクシング後楽園ホール大会に出場するタイ人選手のセコンドとして帯同していたため、タイミング良く森井の引退式に参加できた形だ。
森井は「2008年にデビューしましたが、全日本キック、藤原ジム、ゴールデングローブが潰れましたが、小林さんのジムで最後を迎えました。野良犬人生が続く中、小野寺さんのオファーで(KNOCK OUTの)ライト級トーナメントに参加できました。2017年はキック人生で一番興奮し成長できた1年でした。優勝という輝かしい実績を残すことができましたが、翌08年には世界最強のヨードレックペットと戦い鼻が90度に曲がる骨折をし、翌年のチャンヒョン・リー戦でアゴを骨折し、さらに翌年の原口健飛戦では眼窩底骨折を負い、昨年の安本晴翔戦でも眼窩底と鼻を骨折しました。まさに天から地獄に落ちても這い上がってきましたが、昨年5月の試合の後、怪我が完治せず、長年のダメージの蓄積が抜けず、自分で限界を感じ、これ以上戦えないと思いました。通算戦績64戦47勝12敗5分30KOで、今、振り返ると、いい結果を出し、いい思い出ができました。思い切って好きなキック人生を戦えたのはファン、家族のおかげです。そして一人になっても自分を見守ってくれた小林さんのおかげです」と話すと涙を流し、最後は10カウントゴングを聞いた。
バンタム級トーナメント開幕。5月の1DAYトーナメント準決勝は山田×花岡、麗也×HIROYUKIに
「タムラグループpresents NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント」は8選手が参加し、今大会では一回戦4試合が行われ、準決勝・決勝は5月21日(日)岡山ジム創設50周年記念 東京・豊洲PIT大会で行われる。
昨年3月に行われた「岡山ジム主催53kg賞金トーナメント ZAIMAX MUAYTHAI オープンフィンガールール」では、花岡竜がHIROYUKIを準決勝で判定で下し、平松侑を決勝で1R KOし優勝を果たした。
花岡はその後、RISEを主戦場とし3連勝していたが、10月のRISE大田区総合体育館大会では翼のパンチに苦しんだ上、2R負傷判定負けに終わっており、同じ会場で2月、再浮上を図る形となる。
HIROYUKIは5月のNO KICK NO LIFE豊洲大会で平松侑を右三日月蹴りでわずか35秒でKO。昨年はシュートボクシングでも3勝し、9月には伏見和之の引退戦の相手を務めKO勝ちした。今回は藤本ジム時代からの先輩・緑川創の引退興行のため、HIROYUKIは勝って先輩に花を添えたいだろう。
第7試合 タムラグループpresents NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント一回戦 3分5R(延長1R)
○HIROYUKI(RIKIX/シュートボクシング日本バンタム級2位、元新日本フライ級&バンタム級王者)
×國本真義(MEIBUKAI/元WMCインターコンチネンタル・バンタム級王者)
判定3-0 (北尻50-47/秋谷50-47/ノップ49-48)
國本はホーストカップを主戦場とし、21年3月のRIZINでの佐藤執斗との愛知勢対決ではドロー。最近では昨年12月のホーストカップでの日本バンタム級(55kg)王座決定戦でDEEP☆KICK -55kg王者・翔磨に5R判定負けしている。一回戦で当たるHIROYUKIとは5年前の18年、当時のHIROYUKIのホームリングの新日本キックで対戦し引き分けに終わっている。
1R、HIROYUKIが随所で右ミドル、ローを強打するが、國本も中盤から右のカーフキックを当て続け、ダメージを与える。記者採点はイーブン。
2R、HIROYUKIはボディブロー、ミドル、ローを変わらず当てるものの、國本の執拗な右カーフをもらい続け、終盤には少しだがバランスを崩すように。HIROYUKIは試合後「2Rからローが効いていた」と明かす。記者採点はイーブン。
3R、國本は変わらず右カーフを当てるが、やや動きが落ち、蹴り数は低下する。HIROYUKIもミドル、ローを返し、國本もダメージが溜まってきたか?だがHIROYUKIも連打や強打で國本を追い詰めるほどにはならない。記者採点はイーブン。
4R、國本は左インローを増やすが、HIROYUKIが右ローを返しつつ、右ミドルを当てていると効き目を発揮する。HIROYUKIは右ミドルを何発も当て、腕にもらった國本は顔をしかめるようになり、攻撃が返せなくなる。記者採点はHIROYUKI。
5R、さすがに國本のローをもらうとHIROYUKIの足も流れがちだが、HIROYUKIは右ロー、ミドル、テンカオを度々当て、手数差をつけ好印象で終える。記者採点はHIROYUKI。合計50-48でHIROYUKI。ジャッジ3者もHIROYUKIを支持し、HIROYUKIが初戦を順当に突破した。
第6試合 タムラグループpresents NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント一回戦 3分5R(延長1R)
○花岡 竜(橋本道場/RISEスーパーフライ級3位、元KNOCK OUT-BLACK同級王者、元INNOVATIONフライ級王者、岡山ジム主催ZAIMAX MUAYTHAI OFG着用53kgトーナメント’22優勝)
×サンチャイ・TEPPEN GYM(タイ/TEAM TEPPEN/元ラジャダムナン認定ミニマム級王者)
判定2-1 (秋谷48-49/能見49-47/大成49-48)
花岡の一回戦の相手・サンチャイは34歳。過去に老沼隆斗、大﨑孔稀、石井一成に敗れ、白幡裕星、佐藤執斗から勝利。昨年8月のRISE大阪大会では大﨑一貴にKO負けしている。
1R、花岡がスピードを活かし、右ロー、ストレートを当て、崩しも絡めるが、サンチャイも右ハイ、肘、テンカオ等を随所で返し、五分を維持する。記者採点はイーブン。
2R、サンチャイは中盤あたりから口が開き早くも疲れが見え始める。すると花岡はボディ狙いのパンチ、膝のヒットを増やし、右ストレートを当て左ハイでも脅かし、はっきり差を示すように。記者採点は花岡。
3R、花岡が変わらずボディ狙いの攻撃でサンチャイを追い詰めるが、サンチャイが右肘を振るうと、花岡は左の側頭部を切られ出血する。記者採点はサンチャイ。
4Rも花岡がボディへのパンチ、ミドルを当てつつ、ハイやローも絡め優位だが、やや疲れが見え、攻撃が荒くなり、サンチャイを追い詰めきれない。記者採点は花岡。
5Rもその状態は変わらず、花岡が手数多く攻め続けるが倒せず終了する。記者採点は花岡。合計49-47で花岡。サンチャイの肘を評価したジャッジもおり、判定は割れたが、2者が順当に花岡を支持し、花岡が準決勝に進んだ。
第5試合 タムラグループpresents NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント一回戦 3分5R(延長1R)
△麗也(治政館ジム/元ISKAインターコンチネンタル&新日本フライ級王者)
△神助(エムトーンジム/INNOVATIONバンタム級王者)
6R 判定3-0 (秋谷10-9/大成10-9/ノップ10-9)
5R 判定1-1 (秋谷49-48/大成48-49/ノップ48-48)
※延長Rにジャッジ3者に支持された麗也が準決勝進出。公式記録はドロー
花岡・HIROYUKIがトーナメント優勝の有力選手となりそうだが、彼らを追いかけるポジションにいるのが新鋭の神助だろう。神助は12月4日のINNOVATION品川大会で山田航暉と対戦し、3R判定2-0で勝利したばかりだ。
麗也は前回5月のNO KICK NO LIFE豊洲大会で藤原あらしと5Rドロー、9月のジャパンキックでは平松弥と3Rドローと引き分けが続いている。
1R、麗也の左ローの直後、神助が右ストレートを当てると、麗也の腰が落ちる。その後はほぼ均衡状態だが、バックスピンキックや右ローも当てた神助の印象がやや上のラウンドに。記者採点は神助。
2R、麗也が動きを増やし、右ロー、左インローのヒットを増やしやや優位に。神助はまだひるまないが攻撃が返せなくなる。記者採点はイーブンだが麗也につく可能性はある。
3Rも麗也が随所で右ロー、左インローを的確に当て、右のバックハンドブローも絡めやや優位を維持する。中盤過ぎに神助も左インローをまとめたが、その後が続かない。記者採点は麗也。
4R、神助は圧を強め、右ローを返すが、麗也も蹴り数を増やし、ローだけでなくミドルのヒットも増やし、やや優勢の状態を維持する。とはいえ神助をひるませるような場面は無いため、ジャッジにはどう評価されるか。記者採点はイーブン。
5Rも接戦が続くが、残り1分、神助が圧力を強めパンチを連打しヒットを増やす。しかし麗也はひるまずブロックで耐えると、最後は右ストレート、左フックを的確に当ててお返しし、左ミドルを連打して攻撃数でも挽回して終える。記者採点は僅差だが麗也。合計49-48で麗也。ジャッジは三者三様でドローとなり、準決勝進出者を決める延長戦が行われる。
延長R、麗也のセコンドから「テクニック」「フィームー」といった声が飛ぶ中、神助の圧力をかわし、麗也が左右のロー、左ミドル、左フック、ボディを度々的確に当てる。神助は足が流れてバランスを崩し、最後はパンチをもらい続け、攻撃をほとんど返せず終わる。記者採点もジャッジ3者も麗也で、麗也が準決勝に進んだ。公式記録はドローとなる。神助は準決勝に進めなかったが、小野寺プロデューサーも大会後の総括で神助の素質を高く評価していた。
第4試合 タムラグループpresents NO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメント一回戦 3分5R(延長1R)
○山田航暉(キング・ムエ/元WMC日本スーパーフライ級王者)
×平松 弥[わたる](岡山ジム/元INNOVATIONフライ級王者)
3R 2’28” KO (右肘打ち)
昨年3月の岡山ジム主催大会で行われた53kg賞金トーナメントでは、花岡竜が平松侑を決勝で1R KOし優勝を果たしたが、同じ大会で侑の弟の弥はINNOVATIONフライ級王座を獲得している。山田は上記のとおり12月に神助に判定負けしている。
1R、お互いパンチを散らしつつ右ローにつなげる攻撃主体。5R制で両者ともムエタイがベースの選手のせいもあってか、まだやや慎重だ。記者採点はイーブン。
2R、序盤から平松が左ボディを当てるが、すぐに2発目の左ボディを放ったタイミングで、山田が右フックを合わせてダウンを奪う。平松はダメージは小さいが、その後反撃に持ち込めない。記者採点は10-8で山田。
3R、山田が蹴り主体の攻防で右ローを効かせると、終盤、首相撲で右膝を連打して意識を下に向けさせてから、右肘をアゴにクリーンヒット。ダウンした平松は立ち上がろうとしたがフラつき、能見レフェリーがストップした。
トーナメントの一回戦4試合が終わった後、一回戦で勝った4選手がリングに上がり、組み合わせ決定抽選会が行われた。箱の中に入ったボールを一回戦を突破した順に引き、ボールに書かれた数字の枠に入る形となり、最初の山田は1番、次の麗也は3番、その次の花岡は2番を引き、最後のHIROYUKIは4番となり、山田×花岡、麗也×HIROYUKIの組み合わせとなった(左の選手が赤コーナー)。
◆山田「3R KO勝ちできて良かったです。準決勝、花岡選手は強い選手なので、若い選手を倒して勝ちたいです」
◆花岡「切られて鼻も折られて満身創痍ですけど、トーナメントで唯一KO勝ちした山田選手が相手なんで、誰が相手でも強いんで、油断せず練習して優勝します」
◆麗也「今日の試合内容はダメで、誰ともやりたくなかったんですけど、HIROYUKI君とは8年ぶり5回目の対戦なので決着をつけたいです。優勝目指します」
◆HIROYUKI「トーナメントの中で一番糞みたいな勝ち方をしたと思うんで、もっと練習しないといけないと思いました 麗也選手とは5回やって1勝1敗3引き分けで、生年月日も同じ(1995年10月2日)で、文字通りライバルです。ここを最後で決着をつけたいです。花岡君と山田君、どっち上がっても強いんで、一生懸命やるしかないですね」
勝次×髙橋聖人はドロー
第8試合 セミファイナル 62.5kg契約 3分5R
△勝次(藤本ジム/WKBA世界スーパーライト級王者、元新日本ライト級王者)
△髙橋聖人(真門ジム/NKBライト級2位、元NKBフェザー級王者)
判定1-1 (大成49-48/能見48-49/北尻48-48)
勝次は緑川のいた藤本ジムに所属し、緑川と同学年の35歳。11月のBigbangで石田勝希に判定負けして以来の試合。髙橋3兄弟の三男・聖人は昨年1月のNO KICK NO LIFEでトン・フェロージムと引き分けて以来の試合。
1R、聖人が右ローを時折強打するが、勝次も右ローを返しつつ、時折パンチの連打で詰める。まだお互い有効打は少なく、崩れる状態にはならない。記者採点はイーブン。
2Rも似た構図で、聖人が右ロー等の蹴りを増やし、勝次の左足は赤くなるが、まだ持ちこたえている。勝次はパンチを振り回すが振りが大きく有効打は乏しい、記者採点はイーブン。
3R、聖人は前に出る勝次をかわしながら、右ローだけでなく左インローを絡めると、勝次がフラつく場面が増えるように。聖人は前蹴りやミドルも絡め優位を維持する。だが終了間際、前に出た勝次が右フックを当て、パンチラッシュでチャンスを作るが時間切れとなる。記者採点は僅差だが聖人。
4R、聖人が右のカーフキックを当てると、勝次はスリップしたり体が流れる。勝次は前に出続けるが、踏ん張りが効かず、パンチは空を切る場面が多い。記者採点は聖人。
5R、勝次は開始すぐから前に出てパンチを振るうと、疲れて来た様子の聖人はスリップする場面が目立つように。聖人はローが打てなくなり、勝次がパンチを度々当て巻き返して終える。記者採点は勝次。合計48-49で聖人。4~5R以外、僅差のラウンドが続いたせいもあり、ジャッジは三者三様となり、ドローとなった。
喜入衆、引退試合は健太に惜敗
第3試合 喜入衆引退試合 ウェルター級 3分3R
○健太(E.S.G/元WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者)
×喜入 衆[きいれ とも](NEXT LEVEL渋谷/元J-NETWORKスーパーライト級王者、元ムエタイオープン&LPNJウェルター級王者)
判定2-0 (大成30-28/能見29-29/ノップ29-28)
喜入は1979年5月24日生まれの43歳。2001年2月26日にプロデビューし、3本のベルトを獲得した。健太には12年6月にTKO負けしており、約10年ぶり2度目の対戦となる。
1R、お互い前に出てパンチ主体の攻めで右ローも絡める。最後に喜入が右ハイを当てるが、まだはっきりした差はつかない。2R、お互いローの比重が上がり削り合いとなるがどちらも崩れない。
ほぼ五分のまま突入した3R、健太が序盤から右ローを連打し、パンチの手数でもやや上の状態を維持する。終了間際には右フックをクリーンヒットしひるませる。記者採点は3Rに健太につけ30-29で健太。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者が健太を支持し、健太の判定勝ちとなった。喜入の通算戦績は72戦28勝(5KO)39敗5分。
第2試合 女子バンタム級 2分3R
×高橋アリス(チームプラスアルファ)※アリス 改め
○Melty輝[キラ](team AKATSUKI)
判定3-0 (能見30-28/秋谷29-28/大成30-27)
1R、Meltyが右ストレートを当てつつ、組んで膝を度々当て、崩しも絡め主導権を維持する。2RもMeltyのパンチの連打が決まるなどパンチが印象に残る展開に。3RもMeltyが右ストレートをクリーンヒットさせて優勢を維持し判定勝ちした。
第1試合 ミドル級 3分3R
○小原俊之(キング・ムエ/HOOST CUP 日本EXミドル級王者)
×髙木覚清(RIKIX)
判定2-0 (秋谷30-29/北尻29-29/ノップ30-29)
小原は昨年4月の地元名古屋でのMuayThai Super Fightで緑川と対戦し、肘で切りTKO勝ちしている。12月のホーストカップでチューチャイを肘で切り裂きTKO勝ちし、自身初のタイトルを獲得したばかりだ。緑川の後輩・髙木としては、敵討ちで先輩の引退に花を添えたいところだろう。
試合はサウスポーの小原が左ミドル、組んでの膝、髙木が右ミドル、ロー、右フック主体で、どちらもなかなか譲らぬ展開に。3Rも接戦だったが、小原が組む前に左フックを2度クリーンヒットしてやや好印象を残し判定勝ちした。記者採点は3Rに小原につけ30-29で小原。
オープニングファイト ライト級 3分3R
○大河内佑飛(RIKIX)
×須貝孔喜(VALLELY)
3R 1’59” KO