NO KICK NO LIFE 7.22 USEN STUDIO COAST:前口太尊、引退戦は森井洋介に2R KO負け。緑川創×憂也、再戦はドロー
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
RIKIX主催「NO KICK NO LIFE 新章 ~唯我独尊~」
2021年7月22日(木/祝) 東京・USEN STUDIO COAST
レポート&写真:井原芳徳
※NO KICK NO LIFEの通常ルールは肘有り・つかんでからの攻撃は1回のキックルール。
第6試合 メインイベント 61.5kg契約 3分5R
○森井洋介(野良犬道場/元KNOCK OUTライト級王者、元全日本&Bigbangスーパーフェザー級王者、元WBCムエタイ&WPMF日本フェザー級王者)
×前口太尊(TEAM TEPPEN/RISEスーパーフェザー級2位、元J-NETWORKライト級王者)
2R 3’02” KO (右回転肘打ち)
小野寺力・RIKIX代表のプロデュースするキックボクシング大会「NO KICK NO LIFE」が昨年10月から再開し、2月大会を経て今回が再開後3度目。過去2大会の第1試合に登場し、翔貴、永澤サムエル聖光に連勝した森井洋介が今回はメインイベントに登場し、前口太尊の引退試合の相手を務めた。(上写真は開会式で向き合った両者)
両者とも17年のKING OF KNOCK OUT初代ライト級王座決定トーナメントに揃って参戦し、前口は一回戦で山口侑馬をKOしたが、準決勝で勝次にダウンの応酬の末にKO負けし、森井は決勝で勝次をKOしベルト獲得した。現在、前口は34歳、森井は32歳の同世代。前口の指名で、最初で最後の対戦が実現した。森井のセコンドには小林聡氏、前口のセコンドには那須川天心がつく。試合前には勝次が両選手に花束を贈呈する。
1R、お互い序盤からバックスピンキックの応酬を見せるが、まだ慎重で、遠い距離から蹴りを狙う展開が続く。終盤、森井が圧力を強め、少しパンチを増やすが、前口も突進してパンチをお返しする。
2R、前口が左ジャブを当てると、森井は鼻血を出す。動きが上がってきた前口に対して森井は慎重な状態が続くと、森井のセコンドの小林氏から「行けよ、オラ!」という声が何度も飛ぶように。すると森井は右フックのヒットをじわじわ増やし優位に。左右のフックも連続で当て、前口を下がらせる。
前口のセコンドの天心から再三バックハンドブローの指示が飛ぶと、前口は右のバックハンドブローを放つ。場内は湧き上がるが、森井はブロックすると、直後にお返しとばかりに右のバック肘をクリーンヒット。前口はダウンすると、立とうとしたが力が入らず、森井のKO勝ちとなった。
勝った森井は立ち上がった前口を称えると、場内は暖かい拍手に包まれた。森井は「気迫が滅茶苦茶伝わって、ちょっと危なかったですけど、ありがとうございます。同世代でしのぎを削った選手の引退は寂しいですけど、新たな人生、頑張ってください」と話し、最後は「もうライバルじゃないので、良き先輩として飲みに連れてってください」と付け加えると、場内は笑いに包まれた。
引退セレモニーでは天心、TEPPEN GYMの那須川弘幸会長、前口のPHOENIX時代のトレーナーだった加藤督朗氏や前口の夫人らが花束を贈呈。前口は「前のジムを離れて引退を考えたんですけど、那須川会長に『まだやりきっていないだろ』と言われ、続けることができました。ジムには若い子が多かったんですけど、僕のキャッチフレーズが『永遠の反抗期』なので、みんなと馴染みやすい生活を送れました。森井選手、強かったです。最後に指名して、戦ってくれてありがとうございました」等と話し、最後は夫人や両親に感謝の言葉を述べ、10カウントゴングを聞いた。
試合後の前口は「行き過ぎないがテーマで、1Rはうまく戦えました。バック肘を警戒していたにも関わらず、もらっちゃって。一発の怖さを伝えることができましたね、負けましたけど。ダウンしてもいつも立てたんですけど、最後立てなかったのは、神様が『もう辞めとけ』ということだったんだと思います。記憶が飛んだのも初めてです。凄い効きました。気持ち良かったです、逆に」と、時折笑顔を浮かべながらコメントした。
今後については「4本ロープの勝負は終わったんで、これからは3本ロープで勝負したいです」と話し、近年並行していたプロレスに本格進出する意向。さらに「ご縁で役者の勉強もさせていただいているんで、そちらも頑張りたいです。キックボクサー・前口太尊は引退しますけど、前口太尊は辞めない感じです」と話した。
第5試合 70kg契約 3分3R
△緑川 創(RIKIX/RISEミドル級3位、元WKBA世界スーパーウェルター級王者、元新日本ウェルター級王者)
△憂也(魁塾/RISEミドル級2位、元DEEP☆KICK-65kg王者)
判定0-1 (大成29-30/能見29-29/秋谷29-29)
昨年12月のRISEでの両者の対戦は、延長Rに憂也が右フックでダウンを奪い判定勝ちしている。NO KICK NO LIFEは組んでからの攻撃が1回のみでRISEと同じだが、肘が有効で延長は無い点が異なる。肘有りの経験では緑川、RISE式のルールの経験は憂也が上だが、再戦はどうなるか。
1R、緑川が左ストレートを当てる場面もあるが、憂也がパンチのコンビネーションからの左右のフック、右ボディストレート等のヒットでやや上回る。記者採点は憂也。
2Rも序盤から憂也が右フックを当てていたものの、中盤からの打ち合いで緑川も相打ちになる場面もありながらも右フックをお返し。緑川は右ローも絡め、トータルのヒット数でやや上回り挽回する。記者採点は緑川だが、憂也も攻撃を返しまだ崩れていないため、イーブンでも不思議ではない。
3R、緑川の流れが続き、ローを当てつつ、左右のボディの連打も増やす。少し疲れてきた憂也に、右フックや肘も当て好印象だ。憂也も左右の膝蹴りで印象を残すが、やや押され気味で終わる。記者採点は緑川。合計29-28で緑川。ジャッジは1者が緑川に1ポイントも付けず29-30で憂也を支持したが、2者がイーブンでドローで終わった。
第4試合 53.5kg契約 3分3R
○HIROYUKI(RIKIX/元新日本バンタム級&フライ級王者)
×鳩[あつむ](TSK japan/ムエタイオープン・スーパーバンタム級王者、元WMC日本バンタム級王者)
2R 2’58” KO (右ハイキック)
1R、HIROYUKIが随所で右ローをヒット。右ミドルも強打し、崩しも時折決める。まだ慎重だが、鳩に攻撃をさせず、主導権は握っている。
2R、鳩も時折右ミドル、肘を当て、やや攻撃を増やす。だがHIROYUKIは圧力をかけ続けると、終盤、スピードのある右フックでダウンを奪取。さらに右ミドルを当て続けた後、右ハイをクリーンヒットし、見事KO勝ちした。
試合後のインタビューでHIROYUKIは「9月にも大きい大会が決まっているので、また頑張りたいです」と話した。大会後のインタビューでは今後戦いたい相手について「この間のRISEで志朗選手とやった滉大選手に興味があります。肘有りでやってくれるかわからないですけど、タイプが似ているのでやってみたいと思いました」と話した。
第3試合 56kg契約 3分3R
○花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)
×ウィサンレック・MEIBUKAI(タイ/MEIBUKAI/元ルンピニー認定フライ級&バンタム級王者、元ラジャダムナン認定バンタム級王者)
判定3-0 (秋谷30-28/ノップ30-28/大成30-28)
17歳の花岡竜は今大会を欠場した道場の先輩・宮元啓介の代わりに出場し、2~3階級上のウィサンレックと対戦した。
1R、花岡が距離を取り、時折サウスポーになりつつ、ジャブ、前蹴りで距離を取りながら、右ミドル、ボディ、ストレート等を随所でヒット。体格で劣る分、スピードを活かした戦いでやや優位に進める。
2Rも同様に花岡が攻撃を当て続けると、中盤には近距離での左ハイでウィサンレックをぐらつかせる。終盤にはバックスピンキックをウィサンレックの足と顔に当て、攻勢を印象付ける。
3R、ウィサンレックは花岡の蹴り足をつかんでからの肘や、組んでの膝で挽回。今までの試合で感じたことの無いパワー差を感じたという花岡だが、随所で左ボディを当て返し、完全に流れを作らせず。1Rと2Rのポイントを取り判定勝ちした。
第2試合 59.5kg契約 3分3R
○岩城悠介(PCK連闘会/WPMF世界&聖域統一スーパーフェザー級王者)
×児島真人(DANGER GYM Feet KOK/INNOVATIONスーパーフェザー級6位)
判定3-0 (秋谷30-28/大成30-28/北尻29-28)
両者は過去2戦し、岩城が2勝。山浦俊一が体調不良を理由に欠場し、児島の代役出場が大会4日前に発表された。試合はサウスポーの児島に、岩城が右ストレート、左右のボディ、右ミドル等を度々当て、終始攻め続ける展開となり、岩城の判定勝ちとなった。
第1試合 55kg契約 3分3R
○加藤有吾(RIKIX/WMC日本スーパーバンタム級王者、岡山ZAIMAX MUAYTHAI 55kg賞金トーナメント2021優勝)
×翼(ビクトリージム/ジャパンキック・バンタム級王者)
判定3-0 (能見29-27/大成29-27/北尻29-27)
小野寺力氏の弟子・加藤は2月の宮元戦で連勝が9でストップ。1月のINNOVATION岡山大会のトーナメントで3試合戦ってから5週間間隔だったが、今回はそれから5カ月経過し、成長ぶりを示したいところ。翼は昨年11月のジャパンキックで、WBCムエタイ日本統一王者の一航に判定負けしている。
1R、加藤がサウスポーの翼に対し、右ストレート、右ボディを強打し好印象。2R、翼も左ミドルを返すが、加藤が右ボディを効かせてから、ロープに詰めてのパンチと右肘のラッシュでダウンを奪う。続けて右ストレートで2ダウン目も奪うが、翼も打ち合いで左フックを返し、スリリングな展開に。
3R、やや攻め疲れした加藤に、翼が左ミドル、左ハイを当て、左肘もヒット。翼がやや優位に進めるが、大逆転の糸口はつかめず、加藤の判定勝ちとなった。
なお、大会後の総括で小野寺力プロデューサー(下写真左)は、次回大会を11月頃に開催予定だと話した。前口のセコンドついた那須川天心から「もっと(大会を)やるべきですよ。もっと大きい会場でやってください」と激励されたことを明かし、「天心も昔、デビュー前の中学生時代にNO KICKでエキシビションマッチをやったことがあるので、天心的にもこの大会に思い入れがあるようですね。これからも年3回ぐらい、お祭り的にやっていきたいです」と話した。
オープニングファイト2 53kg契約 3分3R
△義由亜JSK(治政館)
△平松 弥(岡山ジム/INNOVATIONフライ級9位)
判定0-0 (29-29/29-29/29-29)
オープニングファイト1 70kg契約 3分3R
×ダイチ(誠真ジム)
○大島優作(RIKIX)
3R 1’03” TKO (左ハイキック)