RISE 12.18 後楽園ホール:憂也、緑川創との延長戦制す。一馬、前口太尊をKO。プロ4戦目の田渕涼香、小林愛三から金星
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RISE 144
2020年12月18日(金)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 メインイベント ミドル級(70kg) 3分3R(延長1R)
×緑川 創(RIKIX/RISE 1位、元WKBA世界スーパーウェルター級王者)
○憂也(魁塾/RISE 7位、元DEEP☆KICK-65kg王者)
4R 判定0-3 (豊永9-10/和田8-10/長瀬8-10)
3R 判定0-1 (豊永29-30/和田29-29/長瀬29-29)
緑川は新日本キックの中量級のエースとして長年活躍し、アンディ・サワーにも勝利。今年7月からRISEに参戦し、RISEウェルター級王者の“ブラックパンサー”ベイノアから2ダウンを奪い判定勝ちした。10月の横浜大会では海人に敗れたが接戦を繰り広げた。
憂也は大阪のDEEP☆KICKの元王者で、国内の数多くの団体に出場。RIZINでもキックルールで2戦1R KO勝ち。11月のRISE大阪大会ではDEEP☆KICK 70kg王者の籔中謙佑を1R KOしている。
1R、長身の憂也が左ジャブを突きつつ、右ストレート、フック、ロー、ハイ、左前蹴り等を随所でヒット。緑川も右ロー、右ストレートを返すが、攻撃数で差が開く。
2Rも憂也が左ジャブを軸に主導権を維持していたが、次第に緑川の圧力が強まり、憂也をロープに詰め、ボディから顔面への連打を当てる場面が目立つように。憂也もパンチを返すが、緑川の手数が上回る。ポイントはこれで五分か。
3Rもパンチの激しい打ち合いが続く。緑川のヒット数がやや上だが、憂也も随所で返しており、はっきりした差はつけさせず終了。記者採点はイーブンで29-29。ジャッジ2者も同様で延長へ。
すると延長R、緑川が開始すぐから前に詰めてパンチを振るって来ると、憂也がカウンターで軽く合わせるように右フックをクリーンヒットし、緑川がダウンする。緑川はその後、必死に前に出てパンチを当てて挽回するが、憂也も時折打ち合いに応じつつ耐えて終了。憂也が死闘を制した。
憂也は「来年、DEAD OR ALIVEトーナメントのミドル級が開催されると聞いているんで、僕、決定でよろしいでしょうか?ミドル級にはリベンジしたいベイノア選手もいるんで、みんな倒して優勝したいです。ミドル級、盛り上げて行くんで応援よろしくお願いします」とアピールした。
第7試合 セミファイナル スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○一馬(MONSTAR GYM/RISE 2位)
×前口太尊(TEAM TEPPEN/RISE 3位、元J-NETWORKライト級王者)
3R 1’32” KO (右フック)
一馬は18年6月に白鳥大珠に1R KO負けしたが、続く昨年5月の試合で竹内皇貴に1R KO勝ちし、試合はそれ以来1年7か月ぶり。コロナ禍の影響で久々の試合となった。前口は9月の後楽園大会で森本“狂犬”義久と激闘を繰り広げ判定勝ちしている。
1R、長身の一馬が右ストレート、左ジャブを随所でヒットする。前口はヒット数では劣るが、右フックを随所で返し、まだはっきりした差はつけさせない。
2Rも一馬がパンチのヒット数でやや上回る状況が続く。終盤、前口は打ち合いに持ち込み、カウンターで当てるるものの、逆に被弾が続き苦しい状況に陥る。終了間際には一馬の左フックでややダウン気味に倒れてしまう。
3R、ダメージの溜まった前口に対し、一馬が右ストレートを当ててダウンを奪う。前口はそれでも打ち合いで活路を見出そうとするが、表情は虚ろ。最後は前に出て左右のフックを振るうが、一馬が下がってかわしながら右フックを当てて2ダウン目を奪ったところで、大沢レフェリーがストップした。
第6試合 女子フライ級(52kg)(ノンタイトル戦) 3分3R
×小林愛三(NEXT LEVEL渋谷/RISE QUEENフライ級暫定王者、WPMF女子世界フライ級王者)
○田渕涼香[すずか](拳聖塾/極真会館関西総本部 全日本少年少女空手道選手権2017 高校生女子軽量級優勝)
判定0-2 (佐藤28-30/小川28-28/大沢28-29)
小林は今大会で陣内まどかとRISE QUEENフライ級(52kg)王座決定戦を予定していたが、陣内の負傷欠場で流れ、今回の計量をクリアしたことで同暫定王者に認定された。対する田渕は空手をベースとしプロ3戦3勝3KOの20歳。RISE初参戦で波乱を起こす。
1R、田渕が素早いステップで距離を取り、前蹴りやミドルを当てる。中盤、小林の右フックのタイミングで、田渕が右ストレートをクリーンヒットすると、小林は片膝をつき、秋谷レフェリーはダウンを宣告する。小林はダメージ自体は小さく、右ストレートを終盤返すが、ダウンは奪い返せない。記者採点は8-10で田渕。
2R、小林が積極的に攻め、細かくパンチ、膝を当て続ける。田渕はクリーンヒットはもらわないものの、少しずつもらううちに鼻血を出し、動きが鈍くなり印象が悪い。記者採点は小林。
3Rも小林が手数多めに攻めていたが、中盤から田渕は胴廻し回転蹴り、バックスピンキックをヒットし挽回。終盤には左右のフックを随所でクリーンヒットし、好印象を残す。記者採点は田渕。合計27-29で田渕。小川ジャッジのみRISE初参戦の田渕に厳しい採点となったが、他のジャッジ2者は順当に田渕を支持し、田渕が暫定王者から金星を奪うことに成功した。
田渕は「小林選手の試合をYouTubeで見て、圧力とパンチの連打に警戒した」といい、ダウンを奪った右ストレートは「空手時代から得意で、流れで出た」とのこと。「RISEのベルトが欲しい」と語りつつも「今回は上の階級で戦ったので、一つ落として戦わせていただきたいです」と話した。RISEの伊藤隆代表は「小林とタイトルマッチでやらせたい」としつつも、田渕の今後の階級についても「考慮したい」とのことだった。小林のフライ級の一つ下のミニフライ級(49kg)の王者は寺山日葵で、寺山と田渕が絡んでも面白くなりそうだ。(写真左は兄の田渕神太)
2020年最後のRISEは、緑川、前口、小林が実績で下回る相手に敗れる波乱続きで幕を閉じた。来年の後楽園大会のスケジュールは既報通りだが、大箱大会について伊藤代表は「2月と9月に関東、6月と11月に大阪で行います。2月については近々発表できると思います」と話した。
11月の後楽園大会の終了後、伊藤氏は「那須川天心と志朗の再戦は、来年2月28日に関東の1万人以上の規模の会場で行います。会場は来週には発表できると思います」と話したが、その後全く発表は無いままだった。伊藤氏の発言の翌週、フロイド・メイウェザー・Jrがエキシビションマッチを行う「MEGA2021」が2月28日に東京ドーム大会で開催されると発表され、RISEの動向も注目されていた。
12月18日の後楽園大会後、伊藤氏は「MEGA2021についてはRIZINの榊原(信行)代表に聞いていますが、主催者の方には会っていません。我々は我々でやることがあります。2月(28日)の会場は来週中に発表したいです」と話し、予定通り2月28日にRISEを開催することを明言した。2月28日は日本の選手主体となり、海外選手を招いてのRISE WORLD SERIESは6月大会からを計画しているとのことだ。
第5試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
○松谷 桐(VALLELY KICKBOXING TEAM/RISE 5位、元NJKFフライ級王者)
×佐藤九里虎(FAITH/RISE 12位、WMC日本スーパーフライ級王者)
判定3-0 (秋谷29-28/大沢30-28/小川30-28)
1R、松谷がサウスポー、佐藤がオーソドックスに構え、蹴り主体の攻防が続いたが、後半戦でお互い右ストレートを当てるように。
2R、均衡状態が続くが、中盤、佐藤の右ストレートが炸裂。流れが傾くも、終盤、松谷が右ボディ、ローを効かせて詰めると、パンチの連打で佐藤を追い詰め、佐藤は下唇の舌から出血するように。3Rも松谷が優位を維持し、右ストレートも効かせて追い詰め、点差を広げ判定勝ちした。
第4試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R
△鳩(TSKjapan/MuayThaiOpenスーパーバンタム級王者、WMC日本バンタム級王者)
△酒井柚樹(TEAM TEPPEN)
判定1-0 (秋谷29-29/長瀬29-28/大沢29-29)
1R、サウスポーの鳩が距離を取り、左ミドル、右テンカオ、左フック等を当て続ける。だが2R、酒井の右ローから中盤から効き目を発揮し、流れが変わる。3R、鳩も前に出て、パンチの打ち合いとクリンチが繰り返され、どちらも引かないまま終了する。ジャッジは2者が3Rをイーブンとしドローとなった。
第3試合 バンタム級(55kg) 3分3R
○知花デビッド(エイワスポーツジム/元WMC日本フェザー級王者、元WMC日本&WBCムエタイ日本統一バンタム級王者)
×内藤凌太(BELLWOOD FIGHT TEAM/元DEEP☆KICK-55kg王者、シュートボクシング日本スーパーバンタム級2位)
3R 2’59” KO (左ストレート)
2Rまでお互い決定打の出ない状況が続く。3Rに内藤が手数を上げ、ペースを握ったが、終盤、知花が左ストレートを効かせると、内藤を下がらせ、終了間際に左ストレートでKOした。
第2試合 女子ミニフライ級(49kg) 3分3R
×ユリカ・グラップリングシュートボクサーズジム(グラップリングシュートボクサーズ/シュートボクシング日本女子ミニマム級(48kg)4位)
○AKARI(TARGET/2018年KAMINARIMON全日本女子-52kg級優勝)
判定0-3 (28-29/28-30/28-30)
第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○YUU(リアルディール/RISE 11位)
×青木朋哉(和術慧舟會駿河道場)
判定3-0 (30-29/30-28/30-28)