RISE 9.4 後楽園ホール:大﨑一貴、田丸辰からダウン奪い判定勝ちしスーパーフライ級王座奪取。弟の大﨑孔稀も快勝。前口太尊、森本“狂犬”義久との激戦制す
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RISE 142
2020年9月4日(金)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 メインイベント RISEスーパーフライ級(53kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
×田丸 辰(TRY HARD GYM/王者)※2度目の防衛戦
○大﨑一貴(OISHI GYM/RISE 1位、WMC日本&ルンピニー日本フライ級王者)
判定0-3 (豊永47-49/秋谷47-49/和田47-50)
※大﨑が王者に
田丸はRISEの“ポスト天心”として期待される18歳。昨年9月、1階級上の王者・鈴木真彦に敗れたが、それ以外のプロ11勝は全勝。今年からHIROYA代表のTRY HARD GYMに移籍し、7月のRISE on ABEMAでの再起戦では試合運びでも巧さを印象付け判定勝ちした。
対する大﨑一貴は他団体で多数の王座を獲得後、今年RISE初参戦し、2月にTEPPENの新鋭・風音、7月に田丸の初防衛戦の相手だった政所仁を撃破し、3戦目で王座挑戦に辿り着いた。
1R、田丸がサウスポー、一貴がオーソドックスに構え、互いに前手でフェイントをかけ合いながら、ミドル、ストレートを放つ。お互いヒットはあるものの、まだ少なく、均衡状態は崩れない。記者採点10-10。
だが2R、一貴が右のインローのヒットを増やし、じわじわ田丸をロープに詰めると、左のジャブのフェイントをかけ続けてからの左フックでダウンを奪う。田丸はダメージはさほど大きくない様子で、終盤は持ち直しパンチを返すが、この点差は大きい。記者採点は8-10で一貴。
3Rは均衡状態が続くものの、一貴はブロックされても右ミドル、ハイを積極的に出し続け、終盤には右のインローで田丸をスリップさせ、着実に田丸を削る。記者採点は10-10。
4Rも一貴が右ミドル、ストレート、バックスピンキックを絡めつつ、随所で右インローを当てて効かせる。田丸は時折崩れ、左ミドルを返すものの、糸口をつかめない。記者採点は9-10で一貴。
5R、後の無い田丸がパンチを連続で振り回すが、一貴はかわしてから右ストレートをクリーンヒットし、田丸をのけぞらせる。その後も自在に右ミドル、左右のローを当て続け、田丸の反撃を封じ終了。記者採点は9-10で一貴。合計46-50で一貴。一貴が完勝でRISE王座を奪った。
ベルトを巻いた一貴は「前回の政所選手との試合の内容が全然良くなくて、そこから会長をはじめ先輩や(弟の)孔稀が練習を見てくれて勝ててうれしいです。会長や親に恩返しができたと思います。孔稀がいい勝ち方で(=1R右ハイでKO勝ち)気合が入って、辛いところでも踏ん張ることができました。RISEのチャンピオンらしく続け勝ち続けたいです」とアピールした。
バックステージで一貴は作戦について「基本は前に出てプレッシャーをかけ続けることでした。政所選手との試合はよけられて固くなったので、よけられた後に攻撃を当てる練習をしたり、下からローとかボディとかで削って、5R戦い抜く作戦でした」と話し、ダウンを取った左フックについては「もともと左のパンチが得意で。当たらないだろうと半分捨てていたんですけど、いいタイミングで当てられて。ダウンを取れたのはびっくりしましたけど、うれしかったです」と振り返った。
第7試合 セミファイナル スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×森本“狂犬”義久(BRING IT ONパラエストラAKK/RISEフェザー級(57.5kg)2位)
○前口太尊(TEAM TEPPEN/元J-NETWORKライト級王者)
判定0-3 (佐藤26-29/豊永26-29/小川25-29)
森本は昨年5月、篠塚辰樹との因縁対決を制したが、7月のONEでジョシュ・トナー、9月のRISEでタリソン・ゴメスに判定負けし2連敗。減量苦だったことから、コロナの影響もあり1年ぶりとなった今回の試合では、57.5kgのフェザー級から60kgのスーパーフェザー級に階級アップ。RISE公式のZoomインタビューでは「早く試合したかった」「フィジカルトレーニングを死ぬほどやって来た」「太尊はファイトスタイルも好きだし前からやってみたかった」といい、心身ともに充実した様子だ。
対する前口は逆に階級を下げての戦い。RISE公式のZoomインタビューによると「61.5kgがベストだけど、RISEだと63kgか60kgしか無く、63kgだとキツいので、那須川(弘幸)会長にも『どっちかにしろ』と言われて落とすしかなかった」とのことだが「年齢も年齢なので(=33歳)ラストチャンス。60kgでもう一爆発したい」「王者のチャンヒョン・リーに挑戦したい」と気合十分だ。
1R、前口が序盤から軽快なステップで動き回りながら、右ロー、右ストレート、右バックスピンキックを度々ヒット。中盤、森本も右フックで前口をぐらつかせるが、終盤、森本が右のバックハンドブローの奇襲に成功しダウンを奪う。終盤にも右のフックでダウンを重ねる。
2R、前口は右フックの連打でダウンを奪う。だが森本はその後のラッシュを耐え、左のボディストレート等を少しずつ返して前口を削ると、終盤はロープに詰めて右フックを何発も当て続け、今度は前口をダウン寸前まで追い込む。
3Rもその流れが続き、前口が森本をコーナーに詰め、右フック、ストレートを度々ヒットし前口を苦しめる。だが前口は右ストレート、左ジャブ等を返しながら必死に耐え続け終了。前口が逃げ切る形で判定勝ちした。
前口はマイクを持つと「なんとか耐えて勝てました。60kgでも結構落ちるんで、若い奴とやりたいです。チャンヒョンとやってRISEチャンピオンになります」とアピールした。
バックステージで前口は「バックハンドブローの手応えがあったんですけど、ゾンビのように立ち上がって来ましたね。2Rのダウン取った後の(森本の)猛攻から、記憶が無いです。60kgに上げてきた選手なので、耐えられる自信はありました。でも試合後気持ち悪くて1リットルぐらい吐いてきましたよ。試合後吐いたのは初めてです。後輩の(酒井)柚樹も隣のトイレで吐いてて、後楽園ホールで2つのトイレをゲロまみれにしてすみません。延長で勝つことを想定していたので、想定内でしたが、本当に疲れました」とコメント。「大怪我もして連敗して、思い悩んだ時期もあったんですけど、一周通り過ぎて、自分のファイトスタイルは前に出ることだなって気付きました。前回の笠原戦は肘で切られましたけど、手応えを感じていました。今回ばかりは勝ちたくて、負けたら引退するつもりでした。TEPPENの夏合宿でも若い奴に絶対に負けない気持ちでやって、それが活きて良かったです」と話し、浮上の手応えを得た様子だった。
第6試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
×奥脇一哉(エイワスポーツジム/RISE 6位、元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
○大﨑孔稀(OISHI GYM/WMC日本&J-NETWORKスーパーフライ級王者)
1R 2’32” KO (右ハイキック)
1R、大﨑兄弟の弟・孔稀が、序盤から左右のロー、左の三日月蹴り、右ストレート、左ボディを確実に当て続ける。終盤、奥脇をコーナーまで詰めると、奥脇が大振りの右フックを放ったタイミングで、右ハイキックをクリーンヒットし、見事一撃でマットに沈めた。
孔稀は「お兄ちゃんにつなげられて良かったです。三日月が効いていて、ハイは流れで出した一発でした」とコメント。また、RISE参戦がコロナの影響で流れている石井一成との通算4度目の対戦については「3戦1敗2分なのでやりたいです」と話した。
第5試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×金子 梓(新宿レフティージム/RISE 5位)
○鷹介[ようすけ](魁塾)
1R 2’28” KO (右ストレート)
1R、鷹介が右テンカオ、右ローを当てつつ、次第に右ストレートのヒットを増やすと、連続で当てたところで金子がダウン。金子は立ち上がるがダメージが溜まっているようで、鷹介が右ストレートを2連打しダウンを奪うと、豊永レフェリーがストップした。
第4試合 52.7kg契約 3分3R
△片島聡志(フリー/WPMF世界スーパーフライ級王者)
△酒井柚樹(TEAM TEPPEN)
判定1-0 (秋谷30-29/大澤29-29/小川30-30)
第3試合 女子57kg契約 3分3R
○浅井春香(Kick Box/J-GIRLSフェザー級王者)
×村上悠佳(TEAM TEPPEN)
判定3-0 (30-28/30-28/30-27)
1R、サウスポーの村上に対し、浅井が左のジャブのフェイントからの右ストレートをヒット。終盤にその数を増やし好印象を残す。
2R、村上も左のインロー、右ローのヒットを増やし、巻き返したが、終盤、浅井が右左のストレートの連打をまとめて村上を下がらせ、完全に主導権を握らせない。
3Rも浅井がワンツーの右ストレートで度々村上をのけぞらせ好印象。残り1分こそ村上もパンチと蹴りの数を増やし挽回を狙うが、浅井も攻撃を返し続け終了。浅井がパンチテクニックを駆使し判定勝ちした。
第2試合 ライト級(63kg) 3分3R
○YA-MAN(TARGET SHIBUYA/2018年RISING ROOKIES CUPフェザー級準優勝)
×仙一(チームドラゴン)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第1試合 ライト級(63kg) 3分3R
○杉山豪基(鹿浜トップチーム)
×吉田怜央(Refre’K/JAPAN CUP 2019 -60kg級準優勝)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)