RISE 2.23 後楽園ホール(昼/レポ):大﨑孔稀×寺山遼冴、ローブローの負傷判定で無念のドロー。魁斗、梅井泰成との打ち合い制す。数島大陸・長谷川海翔、鮮烈KO勝ち
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RISE 165 -RISE 20th Memorial event-
2023年2月23日(木/祝)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳 (※夜のRISE 166のレポは別記事で掲載します)
大﨑孔稀×寺山遼冴、ローブローの負傷判定で無念のドロー
第11試合 メインイベント バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
△大﨑孔稀(OISHI GYM/RISE 2位、BOMバンタム級王者、元J-NETWORK&WMC日本スーパーフライ級王者)
△寺山遼冴[りょうが](フリー/RISE 12位、CKC 2021 -54kgトーナメント優勝)
3R 1’54” 負傷判定1-0 (豊永30-30/秋谷30-29/大沢30-30)
2003年2月23日に大森ゴールドジムでRISEの旗揚げ大会が開催されてから、ちょうど20年となるこの日、後楽園ホールでRISEの昼夜大会が開催された。孔稀は1999年生まれだが、寺山は2004年1月19日生まれで、RISE旗揚げ当時はまだ生まれていなかった。(上写真は大会に来場した歴代王者や主力選手たち。夜の部にも元選手が登場する)
大﨑兄弟の弟・孔稀は昨年3連勝後、10月のRISE大田大会でのバンタム級初戦で志朗と延長戦に渡る接戦を繰り広げ判定負け。12月の両国大会ではシュートボクシング(SB)ルールでSB日本スーパーバンタム級王者の植山征紀に判定勝ちしている。
寺山遼冴は元RISE QUEEN・寺山日葵の弟。TEAM TEPPENを離れ1年ぶりの復帰戦となった昨年10月のRISEの試合では、京介に判定勝ちしている。
寺山のセコンドには出稽古先のBeWellジムの志朗、フィジカルトレーナーのニック永末氏、姉の日葵がつく。1R、孔稀がオーソドックス、寺山がサウスポーで構え、お互いミドルをヒットする。序盤こそ孔稀の左フックが的確に命中していたが、中盤以降はパンチのヒットは減り、寺山が蹴り主体の攻防で渡り合う。記者採点はイーブン。
2R、孔稀が圧力を強め、右フック、右ボディのヒットをじわじわ増やす。寺山は攻撃が減ってしまう。だが中盤、孔稀が右インローを連打するとローブローとなり中断する。1Rも孔稀のローブローがあったため、2度目の中断となる。再開後も孔稀が前に出て、右ストレート、ミドルで積極的に攻めるが、クリーンヒットにはつなげられない。寺山はローブローのダメージが残っているか?終了ゴング後は少し気にするような動作をする。記者採点はイーブン。
3R、孔稀は変わらず圧をかけ続け、右ストレート、ミドルを随所で当てる。寺山は圧に押され回り続け、さすがに印象が悪い。だが中盤、またも孔稀の右インローがローブローとなってしまい中断する。寺山は椅子に座って休むが、顔をしかめ、両足が震えており、ダメージが大きい。結局ドクターストップがかかり、ここまでの内容で判定が行われた。記者採点は孔稀。合計30-29で孔稀。ジャッジは1者が30-29で孔稀につけたが、2者が30-30のイーブンとしドローとなった。寺山は姉の日葵に支えられリングを降りた。なお、伊藤隆代表は昼夜大会終了後の総括で「再戦させたい」と話している。
シュートボクサー魁斗、元RISEフェザー級王者・梅井泰成との打ち合い制し「チャンピオンに挑戦させてください」
第10試合 セミファイナル フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×梅井泰成(Mouton/RISE 1位・元王者)
○魁斗[かいと](立志會館/RISE 3位、SB日本1位、HOOST CUP日本王者、RKSスーパーフェザー級王者)
判定0-2 (長瀬29-29/秋谷29-30/豊永29-30)
梅井は昨年3月に平野凌我との第4代RISEフェザー級王座決定戦で判定勝ちし王者となる。その後TEAM TEPPENを離れ、8月に門口佳佑を相手に初防衛戦を行ったが、2度ダウンを奪われ判定負けした。今回はベルトを失ってから半年ぶりの試合となる。
魁斗は過去に兼田将暉、泰良拓也に勝利し、21年7月のRISE大阪大会では門口に判定勝ちしている。昨年4月のSB日本フェザー級王座決定戦で川上叶と6Rに及ぶ死闘を繰り広げた末に判定負けして以来の試合となる。
梅井のセコンドにも志朗と永末氏がつく。1R、梅井がサウスポー、魁斗がオーソドックスで構え、お互いストレートを的確に当てる。中盤、魁斗の右インローがローブローとなり中断するが再開する。再開後、お互いミドルやローを当てるが均衡状態が続く。記者採点はイーブン。
2R、魁斗の右ストレートをもらった影響か?梅井は押されてスリップされる場面が増える。だが梅井も左ミドル、ストレートを返し続け、五分の状態を維持する。記者採点はイーブン。
3R、接近戦でパンチが交錯する場面が増える中で、梅井は左ミドルを当てるが、魁斗は前に出続け、ややパンチの手数が上で攻め続ける。梅井は強打はそれほどもらわないが、パンチをもらい続けるうち、口からの出血が増え、印象を悪くする。記者採点は魁斗。合計29-30で魁斗。ジャッジ2者が魁斗を支持し、魁斗が判定勝ちした。
魁斗は「シュートボクシングから来ました魁斗です。RISE 20周年に呼んでいただきありがとうございました。倒せなかったですけど正直差はあると思います。1位倒したんでチャンピオンに挑戦させてください」とアピールした。
数島大陸、“神の左”でKO勝ち「僕置いてタイトルマッチありえないでしょ?」
第9試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
○数島大陸[りく](及川道場/RISE 1位)
×PRANDAM BRAVELY[プランダム・ブレイブリー](タイ/BRAVELY GYM)
2R 2’49” KO (左ストレート)
数島は昨年4月から開幕した初代RISEフライ級王座決定トーナメント一回戦で塚本望夢に判定勝ち。8月の大阪大会ではタネ♡ヨシキを1R KO。10月のトーナメント決勝では田丸辰に判定負けした。今回は1階級上のスーパーフライ級で戦う。
対するプランダムはタイのルンピニー、ラジャダムナンで戦い、昨年から大分のBRAVELY GYMに加入し、BRAVELY主催のムエタイ大会KODOに出場しており、昨年11月大会ではダイナマイト柿崎を右テンカオで1R KOしている。
1R、数島がサウスポー、プランダムがオーソドックスで構え、お互いミドルを当て合う状態が続く。中盤、数島が左ボディフックを効かせると、左ストレートの連打でプランダムをひるませる。以降は数島がパンチを度々当て、ダウン寸前まで追い詰める。
2R、数島は変わらず随所で左右のパンチをヒット。プランダムも右ミドルや膝を返して粘ったが、終盤、数島がプランダムを詰めて左ストレートをクリーンヒット。プランダムはダウンすると動けず、数島のKO勝ちとなった。
数島は「前回のタイトルマッチは僕の実力不足で負けましたけど、今日の内容見て、僕置いてタイトルマッチありえないでしょ?いつ組まれてもできます。今日は久しぶりに“神の左”がさく裂しました。必ず僕がフライ級を引っ張ります」とアピールし、最後は「キックボクサーは、泣かないぜ」の決め台詞で締めくくった。
17歳の長谷川海翔、2R KO勝ちで9戦無敗に
第5試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R
○長谷川海翔(誠剛館/DEEP☆KICK -53kg王者)
×黒田直也(ハーデスワークアウトジム/BEAST主催西日本統一プロKICK BOXINGバンタム級トーナメント優勝)
2R 2’23” KO (左膝蹴り)
長谷川は8戦7勝(6KO)1無効試合の17歳。昨年6月にDEEP☆KICK-53kg王座を獲得し、10月のRISE初戦では金子梓からダウンを奪い圧倒した。だが偶発的なバッティングで金子が試合続行不可能となりノーコンテストで終わっており、今回はきっちり勝利をもぎ取りたいところ。
1R、長身のサウスポーの長谷川が右のジャブを度々当てつつ、左ストレートや膝につなげ主導権。2R中盤には右ジャブと左ストレートの連打でダウンを奪うと、最後は左ストレートをもらって崩れた黒田に左膝を当てて豪快にKO勝ちした。
長谷川は「10月の試合の後、なかなか相手が受けてくれなくて。誰でもいいんで、いなければチャンピオンとやらせてください」とアピールした。
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○拳剛[けんご](誠剛館/RISEバンタム級4位、DEEP☆KICK 55kg王者)
×山元剣心(FAITH/RISEフェザー級9位)
判定3-0 (長瀬30-29/和田30-28/大沢30-28)
拳剛は長谷川海翔の叔父。1R、プレッシャーをかける山元に対し、拳剛が終盤にパンチをまとめ下がらせる場面もあったが、まだ差は小さい。
2R、拳剛が右のローを当て、山元を繰り返しスリップさせる。その後はパンチに偏ってしまい、ダウンを奪えないが、主導権は維持する。
3R、拳剛が終盤、左ボディを効かせ、山元を追い詰めるが、組んで膝を連打する反則を犯し、イエローカードをもらう。山元はダウンを免れ、右膝の連打から右フックで挽回して終了する。2Rと3Rに拳剛がポイントを取り判定勝ちした。
第7試合 ミドル級(70kg) 3分3R(延長1R)
○中島将志(新潟誠道館/RISEミドル級10位、ウェルター級2位)
×翔真(SEED GYM/RISEミドル級13位)
判定2-0 (和田29-29/大沢29-28/小川29-28)
1R、両者近い距離でパンチ、ロー、ミドルを打ち合う展開。中島の手数がやや上だがまだ大差はつかない。
2R、翔真が左ジャブ、右ストレートを当てやや優位となるが、中盤、翔真のファウルカップが落ちるアクシデントが発生し、付け直しで遅延行為と判断されイエローカードが出される。この影響で中島も回復し、ほぼ五分に戻ってしまう。
すると3R、中島がじわじわ左ボディのヒットを増やし、終盤は翔真をコーナーに詰めてパンチと膝を当て続け中島を追い詰める。ジャッジは2者が中島を支持し、中島が判定勝ちした。
第6試合 女子45kg契約 3分3R(延長1R)
○百花(魁塾/RISE QUEEENアトム級3位、元ミネルヴァ同級王者)
×松本徐倫[じょりん](ボスジム/KROSS×OVER KICK女子-45kg王者)
判定3-0 (小川30-28/秋谷30-28/大沢30-28)
1R、キャリアで勝る百花が左ジャブ、左インロー等を的確に当て続け主導権。2Rも同様で、松本も強引に詰めてパンチを当てる場面もあるが、まとめることができない。3Rは松本が圧力を強め百花の攻撃を封じパンチの数を増やし巻き返したが、百花が耐えきり判定勝ちした。
第4試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○翔[かける](REVOLT)
×藤井海人(EX ARES)
判定3-0 (佐藤29-28/秋谷30-28/和田30-28)
1R、藤井が終盤に左ジャブ、右ストレート、ロー、バックハンドのヒットを増やし、やや優位に。2R、中盤に翔が左ボディを効かせ、コーナーに詰めてのパンチ連打で藤井を追い詰める。3R、お互い消耗が激しいが、翔が左ボディ、膝を随所で強打して印象を残し判定勝ちした。
第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○都筑海杜[つづき かいと](TEAM 3K/RISE 10位)
×珅太郎[しんたろう](KRAZY BEE)
1R 0’56” KO (左カーフキック)
1R、開始すぐからの都築の左カーフキックが効き目を発揮し、珅太郎がダウンする。珅太郎は立ち上がるが戦意を喪失しており、10カウントの後にファイティングポーズを取るも続行。都築が再び左ローを当て、珅太郎を棒立ちにさせたところでようやくレフェリーがストップした。
第2試合 ライト級(63kg) 3分3R(延長1R)
○陽勇[ひゅう](TEAM 3K/RISEスーパーライト級10位、Stand Up King of Rookie 2022 -65kg優勝)
×吉岡龍輝(及川道場/RISEライト級16位、Stand Up King of Rookie 2022 -63kg優勝)
判定3-0 (豊永30-29/長瀬30-29/和田30-28)
両者サウスポーで構えパンチ主体の攻防で、吉岡が手数多く攻め続けやや優位だが、陽勇も時折右ストレートをクリーンヒットし、はっきりした差はつけさせない。3Rは中盤から陽勇がパンチのヒットを増やしてやや優位で終了する。僅差のラウンドが続いたが、ジャッジは陽勇の攻撃の的確さを評価し、陽勇の判定勝ちとなった。
第1試合 フライ級(51.5kg) 3分3R
○柊真[しゅうま](新潟誠道館/Stand Up King of Rookie 2022 -51.5kg優勝)
×平山龍馬(サクシードジム team EXCEED)
1R 2’35” KO (3ダウン:パンチ連打)
1R、序盤から柊真が左ミドルを効かせると、顔をしかめ後退した平山にパンチ主体のラッシュを仕掛け、右ミドルでダウンを奪う。その後もコーナーに詰めてのパンチ連打で2ダウンを重ね完勝した。
RISE 20周年の昼夜大会の昼の部の終了後には、レフェリー、ドクター、運営スタッフ、スタッフといった大会運営の裏方に対し、RISEの伊藤隆代表から感謝状が贈呈された。
RISE 2.23 後楽園ホール(夜/レポ):フライ級高校生トーナメントは松本天志が塚本望夢をKOし優勝。那須川龍心は初戦敗退。小林愛理奈 MISAKIに逆転判定勝ち