RISE 3.27 後楽園ホール(レポ):梅井泰成、フェザー級王座獲得しMMA挑戦表明。大﨑一貴、田渕神太に判定勝ちし「6月に吉成名高選手とやりたい」。大﨑孔稀、フェザー級での再起戦で判定勝ち
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RISE 156
2022年3月27日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第9試合 メインイベント 第4代RISEフェザー級(57.5kg)王座決定戦 3分5R(無制限延長R)
×平野凌我(MTS/RISE 1位)
○梅井泰成(TEAM TEPPEN/RISE 6位)
判定0-2 (佐藤49-49/豊永48-49/和田47-48)
※梅井が王者に
工藤政英が引退により返上したフェザー級王座を懸けての一戦。梅井は2020年11月の平野戦から4連勝中で、最近では山川賢誠、宮崎就斗に2連続KO勝ち中だ。平野は昨年4勝(3KO)1敗で、YU-YA、手塚翔太、竹内将生相手に3連勝中だ。
梅井のセコンドには那須川天心がつく。6月の武尊戦をもってキックボクシング界から離れるため、こうやってセコンドにつくのも残りわずかだ。1R、梅井がサウスポーで構え、回って距離を取り、左ミドル、ローを当て続け主導権を握る。とはいえまだ連打をまとめるほどにはならない。記者採点はイーブン。
2R、序盤から梅井が左ミドル、ハイを効かせ、平野は顔をしかめ後退する。その後も度々左ミドルをヒット。終盤、平野も右ストレート、膝を返し盛り返すが、序盤の悪印象はぬぐえない。記者採点は梅井。
3Rも梅井が左ミドル、ハイを当て優勢。平野はローブロー、スリップ後の蹴りの反則の累積があり、小川レフェリーからイエローカードをもらう。スリップ後の蹴り直前にはローブローもあった。その影響もあってか、梅井は再開後の動きが冴えず、平野がパンチと膝で挽回する。とはいえ中盤までの悪印象を埋めるほどにはならない。記者採点はイーブンだが平野につく可能性はある。
4Rも平野の攻勢の流れが続くが、平野も次第に攻め疲れを見せる。中盤以降は頭を近づけてパンチと膝が交錯してからクリンチとなる展開の繰り返し。両者消耗し、攻めあぐねてしまう。記者採点はイーブン。
5R、両者雄たけびをあげながら頭を近づけパンチと膝を出し合うが、二人とも精度もパワーも落ち、ヒット自体は少なく、雄たけびのほうが多いような状態で終える。記者採点はイーブン。合計48-50で梅井。ジャッジは1者がイーブンで、2者が1点差で梅井を支持し、梅井の判定勝ちとなった。
平野への返り討ちを果たし、初のベルトを巻いた梅井は「ベルトを取ったのでMMAに挑戦したいです。バックボーンがレスリングなので自信があります」「来週のRISE ELDORADO、対戦カード全部決まってないでしょう?僕が出ます」とアピールした。
RISEの伊藤隆代表は「梅井は5Rやってダメージがあるので、ドクターはお勧めできないという話でした」と話しており、さすがに2週連続出場は難しそうだが、MMA挑戦については「サポートしたい」と話した。
第8試合 セミファイナル スーパーフライ級(53kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○大﨑一貴(OISHI GYM/RISEスーパーフライ級王者)
×田渕神太(拳聖塾/MA日本&ACCELバンタム級王者)
判定2-0 (佐藤30-29/小川30-30/豊永30-29)
大﨑兄弟の兄・一貴は、昨年7月のDoA -53kgトーナメント一回戦で石井一成を下すも9月のファイナルラウンド前に右足の関節外果骨折を負い欠場し、約8カ月ぶりの試合となる。
対する田渕は昨年4月、当時フェザー級王者の工藤政英に判定負けするなど、上の階級で戦うことが多いが、スーパーフライ級で本領発揮なるか。
1R、一貴がプレッシャーをかけ、お互い右カーフキックを多用する構図。一貴は左ボディ、右フックもじわじわ増やすが、まだ田渕もひるまず、はっきりした差はない。記者採点はイーブンだが一貴につく可能性はある。
2R、一貴が右カーフ、左右のロー、左ボディなどを度々ヒット。田渕は攻撃が減る。田渕は袴を履いているため、足の腫れの程度がわからないが、もらう量が増え印象が悪い。記者採点は一貴。
3R、一貴は軸足刈りのような右カーフを度々当て、田渕はサウスポーにスイッチする場面も。一貴は右カーフ、左ボディ、フックなどを度々当て差を印象付ける。記者採点は一貴。合計30-28で一貴。ジャッジは1者がイーブンで、2者が30-29で一貴を支持した。田渕の足が見える状態ならジャッジにもダメージがわかりやすく、もう少し差がついていた可能性はあるだろう。
一貴は「前回のトーナメントは怪我をして欠場してすみませんでした。今日、試合を見てもらえてうれしいです」と話した後、「内容がアレだったんですけど、6月の(天心×武尊の)ビッグイベント、吉成名高選手とやりたいんで、ぜひお願いします」とアピールした。
バックステージでは「体重は名高選手もやっているので53でいいと思います。向こうは肘ありでやりたいでしょうけど、僕もムエタイをやっていたので、ムエタイルールでもいいですし、RISEルールなら僕に分があると思います。そこは相談ですね。6月のビッグイベントにふさわしいカードだと思います」と話した。天心が肘無しで勝ってこそ値打ちのある選手なのと同様、今の吉成は肘有りで勝ってこそ値打ちのある相手だろう。
第7試合 第3代RISEウェルター級(67.5kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○中野椋太(誠至会/RISE 2位、S1世界ウェルター級王者)
×中島将志(新潟誠道館/RISE 1位)
判定3-0 (秋谷30-27/小川30-27/佐藤30-27)
ベイノアが階級アップのため返上したウェルター級王座を争うトーナメントが4選手参加で行われている。準決勝のもう1試合は2月の後楽園大会で行われ、DEEP☆KICK -70kg王者の稲井良弥が都木航佑に判定勝ちし決勝に進んだ。
中野は山口裕人、大和侑也、蛇鬼将矢、チャンスック相手に4連勝、3連続KO勝ち中と好調。中島は昨年8月大会で森興二を1R KOしたが、11月の大阪大会では海人に判定負けしている。
1R、中野が右のローキック、カーフキックを当て続けると、早くも効き目を発揮する。右ミドル、左フックも絡め、中島を追い詰める。中島も中盤に左右のストレートやジャブを返したが長くは攻撃が続かない。記者採点は中野。
2R、中野は右ローは減ったものの、左右のパンチ、ミドルなどを度々当てて主導権。とはいえ中島も耐え、時折顔面へのストレートを返し、場内をどよめかす。記者採点は中野。
3R、中野は右ローを再び増やし、中盤以降は左ミドル、ストレートも変わらず当て圧倒。とはいえダウンは奪えないまま終了。記者採点は中野。合計30-27で中野。ジャッジ3者も同じ採点で中野が判定勝ちした。
ダウンを奪えなかった中野は「決勝、KOで絶対勝ってチャンピオンになるんで注目してください」とアピールした。稲井もリングインし「どっちが勝っても興味なかったんで試合見てないです。こいつボコって優勝します」と、強気に宣言した。
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○大﨑孔稀(OISHI GYM/RISEスーパーフライ級(53kg)5位、BOMバンタム級王者、元WMC日本&J-NETWORKスーパーフライ級王者)
×龍翔[たつと](BLACK☆Jr/RISEフェザー級11位)
判定3-0 (小川30-28/佐藤30-28/秋谷30-28)
この日は大﨑兄弟が揃い踏み。弟の孔稀は昨年6月、RIZIN東京ドーム大会での那須川天心のボクシングエキシの相手に抜擢され注目を浴びる。だが9月のDoA -53kgトーナメントは計量オーバーで失格となり、今回は一気にフェザー級まで階級を上げ再起を図る。対する龍翔はこれまで基山幹太、澤谷大樹ら相手に6戦5勝(1KO)1分無敗の20歳。
1R、龍翔が左ボディを強打する場面もあるが、孔稀がスピードとテクニックを生かし、左ミドル、三日月、ジャブ、フックなどを的確に当て続け好印象。しかし体格差は隠せず、正味の与えたダメージはさほど無い様子で、龍翔はひるまない。記者採点は孔稀だがイーブンでも不思議ではなく、ジャッジ3者もイーブンとする。
2Rも孔稀が、圧を懸けながら随所で左ミドル、ジャブ、ストレート、左右のローを当て主導権を維持する。龍翔は反撃できない。記者採点は孔稀。
3R、孔稀が左ミドル、ボディを度々強打し龍翔を圧倒するが、体格差もあってかダウンは奪えず終了する。記者採点は孔稀。合計30-27で孔稀。ジャッジ3者とも30-28で孔稀を支持し孔稀の判定勝ちとなった。
マイクを持った孔稀は「来週の天心選手の最後の試合のELDORADO、怪我無いんで、チャンスをください。60kgでもなんでもいいです。誰でもいいです」と、既に全カードの決まっている4月2日の代々木大会出場をアピールした。
第5試合 ミドル級(70kg) 3分3R(延長1R)
×宮城寛克(赤雲會/RISE 7位、元TENKAICHIウェルター級&ミドル級王者)
○森田崇文(フリー/元RISE王者)
判定0-3 (佐藤27-30/秋谷27-30/和田26-30)
宮城は昨年6月大会で緑川創に判定勝ちして以来のRISEで、11月の地元沖縄でのRIZINではロペス薩摩を1R KOしている。森田は20年11月のビッグバンで高木覚清に判定負けして以来の試合。
1R、両者左ミドルを主体に、パンチも激しく打ち合う消耗戦。森田はリズムが単調ながらもパンチの連打を振るい続け、攻撃がやや多いが、まだ宮城も崩れない。記者採点はイーブンだが森田につく可能性がある。
2R、森田は変わらずパンチの連打を続け、中盤には左ミドルの連打も。荒いものの豊富な運動量で攻勢を印象付ける。記者採点は森田。
3Rも森田がパンチ、膝、ミドルを出し続ける。宮城は消耗し、クリンチが多いとしてイエローカード2枚累積のレッドカード減点1に。さらに点差が広がる形で、森田の判定勝ちとなった。記者採点は27-30で森田。
第4試合 54kg契約 3分3R(延長1R)
○京介(TOP DIAMOND/RISEスーパーフライ級(53kg)6位)
×翼(TARGET/RISEスーパーフライ級(53kg)11位、元ジャパンキック・バンタム級王者)
2R 0’30” KO (パンチ連打)
京介はここ2年、政所仁、大﨑孔稀、有井渚海といった上位勢に敗れているが、昨年11月から斉藤遼太とKING龍蔵相手に2連続KO勝ち中。翼はジャパンキックのビクトリージムからTARGETに移籍し、2月23日の後楽園大会でRISEに初参戦し、鳩に2R KO勝ち。2カ月連続での後楽園大会登場となる。
1R、京介が翼のガードが下がったところで左フックを随所で的確に当て、右膝も絡める。翼も終盤にはロープに詰めてのパンチの連打で巻き返す。記者採点はまだイーブンだが京介につく可能性はある。
すると2R、翼が右ローを連打した直後、京介の左フックが連続でクリーンヒットし、翼はダウン。翼のダメージは大きく、最後はパンチの連打で2ダウン目を奪ったところでレフェリーがストップした。京介は「次は55kg(=バンタム級)ランカーお願いします」とマイクアピールした。
第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×都筑海杜(キックボクシングジム3K/and lab/RISE 10位)
○山元剣心(FAITH)
2R 2’47” TKO (レフェリーストップ:左ストレートでダウン後)
第2試合 フライ級(51.5kg) 3分3R
○松本天志(HAWK GYM)
×KOUJIRO(ジムファイターズ/RKSフライ級王者)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×玲翔(Vigor Kickboxing Gym)
○白石 舜(TEAM TEPPEN)
2R 2’19” KO (右ストレート)