RISE 2.23 後楽園ホール(レポ):一馬、テーパリットを2R KOし直樹戦を熱望。宮﨑小雪、百花に判定勝ち。山川賢誠、復帰戦の森本“狂犬”義久をKO
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RISE 155
2022年2月23日(水/祝)後楽園ホール
レポート:井原芳徳 写真提供:RISEクリエーション
第11試合 メインイベント スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○一馬(MONSTAR GYM/RISEフェザー級(57.5kg)暫定王者)
×テーパリット・ジョウジム(タイ/JOE GYM/プロボクシング元WBA世界スーパーフライ級王者)
2R 1’10’ KO (3ダウン:パンチ連打)
一馬は昨年10月の石月祐作とのフェザー級暫定王者決定戦で5R KO勝ちして以来の試合。現在4連続KO勝ち中だ。テーパリットは33歳。プロボクサー時代の約10年前には亀田大毅、名城信男といった元世界王者に勝っている。昨年7月のRISEバンタム級(55kg)王者の鈴木真彦と57.5kgで対戦し判定負けして以来のRISE登場。今回は2階級上で、1階級上の暫定王者の一馬と対戦した。
一馬は身長175cm、テーパリットは160.5cmで、リング上で並んでも体格差は歴然としている。1R、テーパリットは圧を掛け、右ローを絡めつつ、右ボディを強打。だが一馬も左ボディと右ストレートの連打をすぐにお返しする。その後もテーパリットは左右のフックを単発ながら随所で当てるが、一馬はひるまない。記者採点はイーブン。
2R、テーパリットは前に出て、右フック、右ボディを積極的に放ち当てて先手を取ろうとする。だが一馬はひるまず距離を取ると、右ストレートでひるませてから、右ボディをクリーンヒットしダウンを奪う。さらに一馬はパンチのコンビネーションの中で左フックをクリーンヒットし、パンチの連打をさらにまとめスタンディングダウンを奪う。最後は一馬がパンチを連打し、テーパリットも耐えて右フックを返すが、小川レフェリーはテーパリットのダメージが大きいと判断しストップし、一馬のKO勝ちとなった。
マイクを持った一馬は「これで5戦連続KO勝利で、メインイベンターとしてしっかり仕事ができたと思います。枠あれば4月(2日の代々木大会に)出たいです。(フェザー級の正規王者で韓国人の)チャンヒョン・リーが来れないんで、今年はどんどん格上とやりたいです。直樹選手、次、王者対決が決まっているんですけど、その後、ぜひ僕とやってくれたらと思います」とアピールした。ライト級(63kg)王者の直樹はスーパーライト級(65kg)王者の山田洸誓と4月の代々木でスーパーライト級で戦うことが決まっている。RISEの伊藤隆代表も「直樹とキャッチウェイトでやっても面白いと思います」と話し、直樹と一馬の対戦実現に意欲的だった。
大会後のインタビューで一馬は「正直、階級差は感じました。(テーパリットのパンチが)アゴに一発入りましたけど、これいけるなと思いました」と振り返り、対直樹については「今(フェザー級世紀王者の)チャンヒョン・リー選手よりRISEで強い選手はいないじゃないですか。直樹選手は僕とタイプが似ていて、実力もあって巧くて、僕の上位互換って感じで、純粋に憧れを越えたいです。挑戦するからには63kgで、向こうの土俵でやりたいです」と話した。
第10試合 セミファイナル 女子アトム級(46kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○宮﨑小雪(TRY HARD GYM/RISE王者)
×百花(魁塾/RISE 3位、元ミネルヴァ・アトム級王者)
判定3−0(小川30-28/長瀬30-28/和田30-27)
1R、宮﨑はサウスポーに構え、圧を掛けるオーソドックスの百花から距離を取り、自分の左ミドルを的確に当て続ける。時折距離を詰めてはワンツーのパンチもヒットし主導権を維持する。記者採点は宮﨑だが、まだひるませていないため、イーブンでも不思議ではない。
2Rも宮﨑が距離を取り、左ミドルを度々当て、中盤には左ストレートで百花をひるませ好印象を作る。終盤、百花は鼻血を出しドクターチェックを受ける。再開後も宮﨑が右ジャブを的確に当て優位を維持する。記者採点は宮﨑。
3Rも変わらぬ構図。百花も時折右ミドルを当てるが、宮﨑に右に回られ続け、なかなか捕まえられない。中盤、再び百花の鼻血でドクターチェックが入る。再開後も宮﨑が左ミドル、インロー等を的確に当て続け優位を維持し終了する。記者採点は宮﨑。合計30-27で宮﨑。ジャッジ3者も宮﨑を順当に支持し、宮﨑が判定勝ちした。
第9試合 59kg契約 3分3R(延長1R)
○山川賢誠(Kickboxing Academy Sapporo/RISEフェザー級(57.5kg)8位)
×森本“狂犬”義久(BRING IT ONパラエストラAKK/RISEフェザー級9位)
2R 2’14” KO (パンチ連打)
森本は3連敗後に約1年半休んでの復帰戦。1R、山川がサウスポー、森本がオーソドックスで構え、長身の山川が伸びのある左ハイ、右前蹴りを放つ。すると森本が右のバックハンドブローを放つが、もつれたところで山川が右フックを当ててダウンを奪う。森本はすぐ立ち、ダメージは小さい様子。しかし右ストレートで突っ込むと、山川に右フックを合わされ、バランスを崩す。その後も森本は前に出て右のパンチを振るうが、山川が軽々とかわし続ける。終盤、森本はようやく右のオーバーハンドフックを当てるが、その先が続かない。山川の目の良さとバランスの良さが光る。
2Rも森本は前に出て右のパンチを振るい続ける。山川は時折被弾しつつも、回って距離を取り連打を許さず、頭を振ってかわす場面も目立つように。すると山川がワンツーでの右ストレートをクリーンヒット。その後も左右のストレートを当て続けて森本を苦しめ、右フックでダウンを奪う。森本はダメージが大きく、最後はパンチの連打で森本を棒立ちにさせたところでレフェリーがKOを宣告した。
マイクを持った山川は「ランキングは下だったんですけど、狂犬選手というタイトルマッチをやっていて名前のある強い選手だったので、初めて恐怖心があったんですけど、勝てて良かったです。勝ったり負けたり続いていたんですけど、フェザー級のタイトル戦線に食い込んでいけるよう頑張って行くので応援よろしくお願いします」とアピールした。
敗れた森本は大会後のインタビューで「負けたけど楽しかった」と話しつつも、ブランクの影響は「それが結果に出たのかな」と反省。今後については「腐ったら終わり。やるべきことは明確なんで、次行くかって感じ」「(次戦を)速攻やりたいね。マジで悔しい。こんな気持ちはちょっと前まで無かった」と、早くも再起に燃えていた。
第8試合 第3代RISEウェルター級(67.5kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×都木航佑[たかぎ こうすけ](ボスジムジャパン/KROSS×OVER -67.5kg王者)
○稲井良弥(TARGET/DEEP☆KICK -70kg王者)
判定0-3(秋谷28-29/小川28-29/長瀬27-29)
“ブラックパンサー”ベイノアが階級アップのため返上したRISEウェルター級王座を懸けた4選手によるトーナメントが今大会からスタートした。準決勝のもう1試合、中野椋太(誠至会/RISE 2位、S1世界ウェルター級王者)vs. 中島将志(新潟誠道館/RISE 1位)は3月27日のRISE 156で行われる。
1R、都木は時折サウスポーに切り替えつつ、中盤から左テンカオ、左インロー、右左のワンツーストレート等のヒットを増やす。それまで蹴り主体の攻防だったが、稲井は終盤、パンチ主体に切り替えるとヒットを増やし挽回する。記者採点はイーブンだが、ジャッジ3者とも都木につけたようだ。
2R、稲井は圧を強め、都木に距離を作らせず、自分のパンチを積極的にヒット。終盤、都木も左のテンカオを返すようになるが、手数差は縮まらない。記者採点は稲井。
3Rも稲井が前に出て来るが、都木はかわし、左右のパンチを連打して稲井をひるませ先手を取る。稲井は鼻血を出す。都木はパンチを当て続け、右ローも絡め、稲井を追い詰める。だが終盤、稲井が左フックを2連打しダウンを奪取。見事逆転に成功する。その後も稲井は左ストレートで都木を度々ひるませ終了する。記者採点は8-10で稲井。合計27-30で稲井。ジャッジ1名に集計ミスがあり、裁定が発表されるまで2分近く時間がかかるアクシデントがあったが、順当に稲井がジャッジ3者に支持され、決勝に駒を進めた。
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○門口佳佑(EX ARES/RISEフェザー級3位)
×小﨑貴誠[おざき よしのぶ](GREED GYM/元RISEバンタム級8位)
1R 1’51” KO (3ダウン:パンチ連打)
小﨑は約3年ぶりの試合。1R、門口がサウスポーに構え、打ち合いの中でのワンツーでの左ストレートをクリーンヒットし先手。その後も右ジャブ、左ミドルを的確に当てると、左ボディを効かせて圧を強める、左ボディから右フックのコンビネーションを度々決めると、コーナーに詰めてパンチと左のテンカオを繰り返し当てて小﨑を棒立ちにさせスタンディングダウンを奪う。門口はさらにパンチと左テンカオを繰り返しダウンを重ねる。小﨑は左まぶたがふさがり、ドクターチェックが入り、小﨑にとっては少し休むことができたが、流れは変わらず。再開後すぐ、門口がコーナーに詰め、パンチと膝のラッシュを続けたところでレフェリーがストップした。
第6試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×拓也(S-ROUND/RISE 5位)
○京谷祐希(山口道場/RISE 7位)
2R 0’49” TKO (コーナーストップ:左ストレートでダウン後)
1R、京谷がサウスポーで構え、圧を掛け続け、終盤に右アッパーと左ストレートのコンビネーションをクリーンヒットしダウンを奪う。京谷は左ボディ、左インローと攻撃を散らし、圧を掛け続け終了する。
2R開始前、拓也の左スネが腫れているためドクターチェックとなるが再開。京谷が変らず圧をかけ、容赦なく左のインローを拓也のスネに当て続けると、拓也は度々バランスを崩す。京谷が拓也をコーナーに詰め、左ストレートを連打しまたもダウンを奪うと、拓也陣営からタオルが投入された。
マイクを持った京谷は「今まで欲とか隠してたんですけど、6月、(天心×武尊の)ビッグイベント、僕呼んでも面白いと思います。どんな相手来ても完封します」とアピールした。京谷は武尊にキャリア唯一の黒星をつけた実績があるためだろうか。なお、大会後のインタビューでは「今、ボクシングジムに通っていて、そこで習っていることで倒しました、一発目のダウンは」と明かした。
第5試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R
×鳩[あつむ](TSK Japan/WMCインターコンチネンタル・バンタム級王者)
○翼(TARGET/元ジャパンキック・バンタム級王者)※ビクトリージムから所属変更
2R 1’11” KO (パンチ連打)
翼はジャパンキックボクシング協会のビクトリージムを離れ、RISEに出るためTARGETに移籍してからの初戦。1R、翼はサウスポーで構え、最初からプレッシャーをかけ、パンチを積極的に出し、左ミドル、ローも当てる。終盤、翼が右フックを当てると、圧力を強めて鳩をコーナーに詰め、左ストレートでのけぞらせダウンを奪う。
2Rも翼が圧をかけ続け、パンチ、左ミドルを積極的に出し、コーナーに詰めてのパンチの連打でまたもダウンを奪う。それでも鳩は立ち上がるがダメージが大きい。最後は翼のパンチラッシュで何発かもらう中で、押し倒されたところで、ようやく小川レフェリーがストップした。
第4試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×チャッピー吉沼(フリー/RISE 6位)※吉沼大樹よりリングネーム変更
○麻火佑太郎(PHOENIX/元TENKAICHI G ライト級王者)
判定 0-3(28-30/28-30/28-30)
第3試合 ヘビー級 3分3R
×チャン(MONSTAR GYM)
○針谷 耕(EX7)
判定1−2(30-29/29-30/28-29)
第2試合 ミドル級(70kg) 3分3R(延長1R)
○翔真(SEED GYM/RISE 11位)
×康輝(キング・ムエ)
判定3-0(30-29/30-29/30-28)
第1試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×嶋田将典(Stay Gold/RISE 5位)
○藤井重綺(トイカツ道場/Stand up King of Rookie 2021 -60kg級優勝)
判定0-3(25-30/25-30/25-30)