RISE 4.24 後楽園ホール(レポ):QUEENミニフライ級王座決定トーナメントはAKARIとerika♡が決勝進出。田丸辰×空龍、1R無効試合に。数島大陸、塚本望夢に逆転勝利
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RISE 157
2022年4月24日(日)後楽園ホール
レポート&写真:久保与志 試合見所紹介:井原芳徳
第10試合 メインイベント 初代RISEフライ級(51.5kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
―田丸 辰[とき](TRY HARD GYM/RISEスーパーフライ級(53kg)4位・元王者)
―空龍[くうりゅう](空修会館)
1R ノーコンテスト(偶然のバッティングにより田丸が試合続行不可能となったため)
新設のRISEフライ級の王座を懸けた4選手によるトーナメントが今大会からスタートした。体重は51.5kgで、女子のフライ級の52kgとは違う体重になっている。田丸が最年長の20歳、平均年齢18歳と、若さあふれるメンバーで、トーナメントの実戦を通じての選手たちの成長も期待できる。
田丸はこれまでスーパーフライ級で王者になるなど活躍したが、20年9月に大﨑一貴に判定負けしベルトを失うと、昨年7月の53kgトーナメント一回戦では政所仁に判定負け。2連敗となり、階級を下げて再浮上を図る。空龍は17歳でこの春から高校3年生。昨年9月のKNOCK OUTで花岡竜に敗れるも接戦を繰り広げ注目度を高め、1月のRISE初戦では今回のトーナメントの反対ブロックにいる数島に判定勝ちしている。
1R、共にサウスポーからインロー、アウトローを飛ばして出方を窺う立ち上がり。田丸は階級を下げてのトーナメント参戦ということもあってか空龍より体のフレームが一回り大きく感じる。田丸は左カーフキックも盛んに飛ばす。だが田丸が左フックで詰めた際、空龍がダッキングしながら右フックで迎え撃ったところでバッティングとなり、田丸は苦悶の表情を浮かべる。
ドクターチェックが入り、鼻骨骨折の疑いがありドクターストップが告げられると、田丸は悔し涙を浮かべて崩れ落ちた。試合は1R終了前のストップとなったため、ルールによりノーコンテストの裁定となり、トーナメントの扱いは主催者預かりとするとアナウンスされた。
RISEの伊藤隆代表は大会後「ドクターに聞いたら(田丸は)2~3カ月、試合が不可能ということなので、王座決定戦は延ばします。再戦を組んでから王座決定戦に持って行きたいと思います」と話し、田丸の回復を待ち、もう一度空龍との準決勝を行う考えを示した。
第9試合 セミファイナル 初代RISEフライ級(51.5kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○数島大陸[りく](及川道場)
×塚本望夢[もうむ](team Bonds/DEEP☆KICK -51kg王者)
判定2-0(30-29/29-29/30-29)
19歳の数島は昨年7月、RISE緊急出場でラジャダムナン王者の竜哉・エイワスポーツジムからダウンを奪い引き分けている。1月大会では空龍に判定負けした。塚本は16歳でこの春から高校2年生。大阪のDEEP☆KICKを主戦場とし、DEEP☆KICK -51kg初代王座決定トーナメントでは11月にタネ♡ヨシキを、3月に空龍を破り優勝し、プロ5戦全勝でRISE初参戦を果たす。
1R、相手の様子を見ながらも鋭いパンチを繰り出していく両者。数島がキャッチから右フックを狙えば、塚本もシャープな右ストレートで反撃する。塚本はサウスポーにスイッチするが、右ストレートに反応出来てないと見たか、セコンドは「オーソドックスに戻せ」と指示。その通りオーソドックスに戻すと、右ストレートで数島のガードの合間を打ち抜くと、さらに右をクリーンヒットして先制のダウンを奪う。ダメージの大きい数島に、塚本は猛然とラッシュを仕掛けるが、一気に仕留めようと大振りになったところ、数島が左ストレートを当ててダウンを奪い返す、白熱の展開に。記者採点は10-10のイーブン。
2Rも軽量級ならではのスピードで打ち合いが繰り広げられるが、互いに倒せる一発を狙う、スリリングな攻防が続く。特に塚本の右ストレートはガードを割ってヒットを重ねていく。しかし数島は前進を続け、ラウンド終盤に左ストレートを効かせて、塚本をロープ際に詰めて連打で脅かす。記者採点は10-9で数島。
3R、数島は左ミドルに前蹴り、距離が詰まると左ヒザと蹴りも駆使してプレッシャーを強めていく。塚本はロープ際に追い込まれる場面が増えてくるが、それでも右ストレートの脅威は健在で、上下に散らして応戦する。数島のヒザ蹴りがローブローになってしまい中断が入り、再開後に塚本が勝負をかけるようにラッシュをしかける。右ストレートを被弾して追い込まれた数島も左を当て返し、最後は両者真っ向から激しく打ち合い試合終了のゴング。
記者採点は9-10、トータルスコア29-29のイーブン。ジャッジの判定は30-29、29-29、30-29の2-0で数島に軍配。数島が1Rの絶対絶命のピンチをひっくり返して塚本とのノンストップバトルを制した。
第8試合 第2代RISE QUEENミニフライ級(49kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×宮﨑若菜(TRY HARD GYM/1位)
○AKARI(TARGET/3位)
判定0-3(29-30/29-28/29-28)
寺山日葵(TEAM TEPPEN)が股関節の負傷により3月に引退を表明するとともに、返上したRISE QUEENミニフライ級のベルトを懸けての4選手によるトーナメントが今大会からスタートした。
宮﨑姉妹の姉・若菜は過去2度AKARIに敗れており3度目の対戦。2月には当時ランキング1位のerika♡に判定勝ちし1位まで上がった。AKARIは昨年12月にerika♡に判定負けしている。この春に高校を卒業しての初戦だ。なお今回、AKARIのトレーナーの神村エリカ氏は産休のためセコンドにはつかない。
1R、リーチに勝るAKARIが右ミドル、前蹴りで宮﨑のストップしながら、打ち下ろしの右ストレートをヒットさせていく。宮﨑も左ミドル、左ストレートを起点に距離を詰めようとするが、蹴りに阻まれ、AKARIは打ち終わりを狙って着実に攻撃を当てていく。記者採点は9-10でAKARI。
2Rになると宮﨑は入りの左ストレートを顔面、ボディと打ち分けるなど詰め方を変え、続けざまの右フックを再三ヒットさせて手数で押し込んでいく。後手に回り始めたAKARIはヒザ蹴りで対処しようとするが、宮崎の連打を止めるには至らない。記者採点は10-9で宮﨑。
3R、なおも前進して連打をまとめる宮﨑に、AKARIは組みヒザに切り替えて攻撃を遮断するが、ホールディングの形が増えてしまいイエローカードが出される。再開後はAKARIも前蹴りと右ストレートで前に出て、宮﨑も迎え撃って一進一退の攻防が続きタイムアップ。
記者採点は10-9、トータルスコアは29-28で宮﨑。判定は0-3、3者共に1ポイントの僅差ながらAKARIが3度目の対決にも勝利したが、自らの戦いに納得がいっていない様子で勝者をコールされても笑顔はなく「こんなんじゃエリカ先生が安心して赤ちゃんを産めないので、私自身がもっと強くならなければいけないと思います」と決勝戦での飛躍を誓った。
第7試合 第2代RISE QUEENミニフライ級(49kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○erika♡(SHINE沖縄/2位)
×大倉 萌(大道塾吉祥寺支部/4位)
2R 2’42” TKO(レフェリーストップ:ボディへのヒザ蹴り)
erika♡は12月にAKARIに判定勝ちしたが、2月に宮﨑若菜に判定負けした。大倉は2月にエミNFCに判定勝ちしている。
1R、大倉はステップワークを使いながら右ミドル、前蹴りを先手で蹴って上手く距離をコントロールしていく。erika♡はパンチで詰めようとするが間合いが遠く、攻撃も単発で終わってしまう。
2Rに入るとerika♡は歩きながらの左ストレートやインローと入り方を工夫し、ショートレンジでの攻防が増える。大倉は次第にロープに詰まる場面が増え、erika♡の左フックを被弾すると防戦一方に。erika♡は一気にパンチの連打で畳みかけ、さらにボディへのヒザ蹴りも突き刺すと、大倉は崩れ落ちるようにダウンを喫する。何とか立ち上がってファイティングポーズはとったものの、ダメージの深さを鑑みてレフェリーが試合をストップした。
erika♡はTKO勝ちで決勝に駒を進め「絶対に沖縄にベルトを持って帰ります」とベルト奪取を宣言した。この次の試合でAKARIが勝利し、決勝はAKARI対erika♡の組み合わせとなった。
第6試合 バンタム級(-55kg) 3分3R(延長1R)
×良星(FIGHT CLUB 428/Team Bull/4位、元Bigbangスーパーバンタム級王者)
○大森隆之介(EX ARES/9位)
2R 0’38” TKO(コーナーストップ)
1R開始のゴングと共に良星がジャンピングハイキックで奇襲を仕掛けると、大森もすぐにブラジリアンキックをリターンして応戦する。パンチから右カーフのコンビネーションで攻める良星に、大森はリーチ差を活かすようにヒザ蹴りで良星の顔面を狙う。良星が潜り込むようにボディショットを狙えば、大森も打ち下ろしの右ストレートで脅かす。
2Rも良星が距離を詰めてショートレンジでの打ち合いとなるが、大森が右アッパー、ヒザ蹴りを突き上げると、良星の動きが止まる。大森はチャンスを逃さずパンチの連打で畳みかけ、最後は右ストレートを打ち込むと良星がダウン。何とか立ち上がろうとする良星だが、足元がフラついている様子を見てセコンドがタオルを投入し、大森がキャリアで大きく上回る良星を相手に会心のTKO勝ちを収めた。
第5試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×SEIDO(LARA TOKYO/3位)
○小野幹晃(IGGY HANDS GYM/7位)
判定1-2(28-30/29-28/29-30)
第4試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○澤谷大樹(HAWK GYM/5位、DEEP☆KICK -60kg王者)
×戸井田大輝(戸井田ジム/MA日本スーパーバンタム王者)
判定3-0(30-26/30-26/30-26)
第3試合 フライ級(51.5kg) 3分3R(延長1R)
×酒井柚樹(TEAM TEPPEN)
○KING TSUBASA(ROYAL KINGS)
判定0-2(29-30/29-29/29-30)
第2試合 女子ミニフライ級(49kg) 3分3R(延長1R)
○ERIKO(TKDJ市川式/6位)
×永尾音波(AACC)
判定3-0(30-28/30-28/30-28)
第1試合 女子フライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
×エミNFC(ナゴヤファイトクラブ)
○山本知美(FAITH/6位)
判定0-3(26-30/26-30/26-30)
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