RISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵、股関節の負傷により引退「最後の最後まで天心は先輩でした」
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RISE QUEENミニフライ級王者の寺山日葵が3月15日の東京での記者会見で現役引退を発表した。
寺山は2001年1月19日生まれの21歳。アマ大会での経験を経て、高校1年生になった16年5月にプロデビュー。18年11月にMISAKIに判定勝ちしJ-GIRLSミニフライ級王座を獲得。19年7月に佐藤レイナに判定勝ちしRISE QUEENミニフライ級王座を獲得。20年秋のRISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENSトーナメントでもerika♡、sasori、紅絹を下して優勝。昨年5月にはAKARIに勝利してRISE QUEENミニフライ級王座を防衛していた。昨年9月にはRISE QUEENフライ級王者の小林愛三にも勝利。同階級のみならず近い階級の選手もことごとく撃破し、RISE女子のエースとして活躍し続けていた。
だが、寺山は股関節を痛め、昨年から練習や試合に支障が出始め、右股関節唇損傷(かんせつしんそんしょう)と呼ばれる、関節内の関節唇という軟骨が関節窩からはがれる病気と判明。小林戦で悪化し、歩くだけでも痛みが生じるようになり、今年1月に手術した。その入院に密着したドキュメンタリーが会見前日の14日にABEMAの公式YouTubeにて公開されていた。
15日の会見で寺山は「手術は成功したのですが、復帰に1年かかり、復帰しても左足も同じ症状が出る恐れもあり、それでまた手術をしたら2年ぐらい試合ができなくなることが理由の一つです。もう一つは愛三選手との試合で勝った後、今後の目標を質問され、普段だったらスラスラ出る言葉が出なかったので、この気持ちで選手を続けるのは違うと思ったからです。モヤモヤした気持ちでベルトを持ち続けるより、引退してその座を譲るべきだと思いました」と引退理由を説明した。寺山によると股関節唇損傷は40代から50代でなることが多く、蹴るために若いうちから足を酷使したことが影響しているのではとのことだ。
手術後も「リハビリしているので手術から2カ月、何も練習していないですし、パンチもしていない」といい、引退試合や引退エキシビションマッチは行わず、引退セレモニーのみ今後のRISEの大会で行う予定だ。今後も格闘技に関わる仕事をしたい考えだが「格闘技しかやったことがなくて、アルバイトもしたことがないのがコンプレックスなので、社会経験を積むために一回普通に働きたいです」と話した。RISEの伊藤隆代表(下写真左)は「今は栄養士の勉強をしているそうです(※短大で栄養士の資格を取得)。女子選手に対し、男子選手にできないようなサポートをしてくれると思います」と補足し「彼女がいたからこそ(女子大会の)RISE GIRLS POWERができました。夢を見させてもらいました。ありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。
寺山のプロ通算戦績は23戦20勝(1KO)2敗1分。選手生活で印象的な試合や場面について聞かれ「ベストバウトとなると難しいですけど、QUEEN of QUEENSの準決勝から決勝の前の練習期間が濃密で強く印象に残っています」「佐藤レイナ選手とはアマチュア時代から切磋琢磨し、プロでも戦ったことがきっかけで仲良くなって、ご飯に一緒に行くようになりました。格闘技をしなくなってもずっと仲良しでいると思います」とコメント。選手生活でやり残したことはと聞かれると「嵐に会えなかったことです」と、ジャニーズの大ファンの彼女らしい回答をして笑顔を浮かべつつ、「選手生活に後悔は無いんですけど、応援してくれた人たちへの恩返しが済んでいないので、別の形でお返ししたい」と話した。
今まで一緒に練習をしてくれたチームメイトや那須川会長への思いを聞かれると「会長には第二の父親のようにお世話になりました。辞めると伝えるときは緊張しました。会長は受け入れてくれて今後についても応援してくれました。チームメイトにはまだ言っていないんですけど、天心には電話で言いました。天心は『お前は自分で時代を作る人間じゃないけど、置かれた場所で精一杯輝くことができると思う。格闘技の経験は今後の人生に役立つと思うけど、困った時にはいつでも相談してくれ』と言われました」と秘話を明かしつつ「最後の最後まで天心は先輩でしたけど、できた人間過ぎて腹が立つなと思いました」と話して笑顔を浮かべた。
今週末の19日(現地時間)にベルギーでのGLORY女子スーパーバンタム級王座挑戦を控えた小林へのメッセージを求められると「愛三選手は国内最強だと思っていて、最後に試合できてうれしかったです。日本代表としてベルギーで勝ってください」とエールを送った。既にベルギー入りしている小林はそのメッセージに対しTwitterで「勝ちたい理由が増えました。約束します」と答え、会見後にそのツイートを見た寺山は涙を流した。