RISE GIRLS POWER 9.12 後楽園ホール:寺山日葵、小林愛三との接戦で判定勝ち。宮﨑小雪、伊藤紗弥に延長判定勝ち
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RISE GIRLS POWER.5
2021年9月12日(日) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 メインイベント QUEEN 49.5kg契約 3分3R(延長1R)
○寺山日葵(TEAM TEPPEN/RISE QUEENミニフライ級(49kg)王者、RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020(47.6kg)優勝)
×小林愛三(NEXT LEVEL渋谷/RISE QUEENフライ級(52kg)王者、WPMF女子世界フライ級王者)
判定2-0 (和田29-29/佐藤30-29/長瀬30-29)
RISEの女子大会シリーズ「RISE GIRLS POWER」は今年1月の新宿フェイス大会まで4度開催され、5回目にして後楽園ホールに初進出した。後楽園での女子だけのキックボクシング大会は全日本キック主催の大会以来26年ぶりとなる。
RISE女子選手の主力・寺山は5月のRISE on ABEMAでAKARIに判定勝ちし王座防衛。小林は4月の後楽園大会で田渕涼香に判定勝ちし王座防衛。寺山も小林も若く勢いのある挑戦者相手に盤石の強さを見せつけ、今度は階級を超えた戦いに臨む。
小林は19年7月、寺山が優勝したRISE QUEENミニフライ級(49kg)王座決定トーナメント準決勝&決勝の計量をオーバーし失格となった過去があり、その後はフライ級(52kg)に階級を上げて王者になったが、今回の契約体重の49.5kgのほうが「自分のベスト体重に近い」と6月の記者会見で話していた。
1R、小林が圧力をかけ、長身の寺山が回って距離を取る構図で、お互いパンチ、ミドルを出す。寺山のヒット数が多めだが、両者とも軽めの当たりが続く。クリンチも時折見られ、まだ差は乏しい。
2Rも基本的に同じ構図だが、クリンチも増え、中盤過ぎには小川レフェリーが両者にイエローカードを出す。その中で寺山は左右のミドルを随所でヒット。小林も右ストレートを強打し、ミドルも当てる場面もあるが、どちらも与えるダメージは小さいため崩れない。寺山が小林が突進してもうまくかわしたり、組み際等で細かくパンチを当てたり、やや上手く戦っている感はるものの、変わらず差は乏しい。
3R、お互い手数を上げ、寺山は左右のミドル、左の前蹴り、左フック、右ロー、小林は右ストレート、ボディストレート、ロー、左ミドル等を随所で当てるが、どちらも崩れず、はっきりした差がつかないまま終わる。記者採点は3Rともイーブンで30-30。ジャッジは1者が29-29でイーブンだったが、2者がヒット数でやや上回った寺山を支持し、寺山が勝利した。
寺山は「愛三選手が強くて思うように戦えなかったですけど、勝てて良かったです。TEAM TEPPENと女子キックをこれからも応援お願いします」とマイクアピールした。
バックステージで寺山は「愛三選手は蹴りが上手くて、私がお手本にしていただけありました。パワーも強かったです」「終わった時はドローと思って延長の準備をしていましたけど、パンチが評価されたのかなと思います」と試合を振り返った。今後の試合については「試合が決まればやります」と話し、大晦日のRIZIN参戦に関しては「オファーがあればやりますし、ジャニーズカウントダウンがあれば行きたいですし」と話して笑顔を浮かべた。
敗れた小林はインタビュー冒頭、試合の感想を聞かれ、1分近く考えてから「自分の実力不足です」と話し「寺山選手は引いたところでポイントを取るタイプとわかっていましたけど、私は行くときに行ききれず差がついたと思います」「格闘技なのに危険なところに行ききれなかったです」と反省した。
大会後、RISEの伊藤隆代表は初の後楽園での女子大会について「爆発的なものはなかったですが、試合前のビジュアル含め、女子らしい華やかな大会になったと思います」と評し、ベストバウトを聞かれると「平岡琴と奥脇奈々の試合はRISEらしい試合でした」とコメント。次のGIRLS POWERは新宿フェイスに戻り、若手育成主体の大会になる模様だが、「来年も後楽園を10回押さえているので、その中でもやりたいです」と話した。
また、19日のRIZIN初参戦を控えたKNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者・ぱんちゃん璃奈が、大晦日のRIZINでの寺山戦を希望していることについて、伊藤氏は「やりたければRISEに来ればいいんじゃないですか。昨年も(RISEのQUEEN of QUEENSトーナメントに)オファーしましたし、うちらはウェルカムです。別にRIZINのリングでやる必要はあるのかなと感じますね」と、かつて那須川天心が武尊戦を希望した際のK-1陣営のような答えを、宮田充プロデューサーのKNOCK OUT側に返した。
第7試合 セミファイナル QUEEN 46.5kg契約 3分3R(延長1R)
○宮﨑小雪(TRY HARD GYM/RISE QUEENアトム級(46kg)王者)
×伊藤紗弥(尚武会/BOM女子ピン級王者、元WPMF世界女子同級王者、WBCムエタイ&WMC世界女子ミニフライ級王者)
4R 判定2-0 (小川10-9/和田10-10/佐藤10-9)
3R 判定1-1 (佐藤30-29/和田29-30/小川30-30)
宮﨑姉妹の妹・小雪は3月の後楽園大会で紅絹に判定勝ちしアトム級王座を奪取して以来の試合。同級4位のAyakaとの対戦を希望したが、Ayakaは9月19日のNJKFでのerika♥とのミネルヴァ王者対決が決まっているため実現しなかった。
伊藤は昨年2月のRISE GIRLS POWERでAyakaにKO負けして以来のRISE参戦。今年4月、伊藤の所属する尚武会の主催興行・ムエロークでAyakaとムエタイルールで再戦し、ムエタイの経験豊富な伊藤が判定勝ちした。続く7月のBOMでのONEムエタイルールの試合で、伊藤はMIREYに判定勝ちしている。
1R、サウスポーの小雪は左右に細かく動いたり下がったりしつつ、フェイントも絡めながら随所で左ストレートをヒット。伊藤も右ミドルを時折当てるが、終盤はヒットが減る。とはいえまだはっきりした差はない。
2Rも基本的に同じ構図だが、小雪はパンチのヒットが減り、伊藤も右ミドルやストレートを時折当てるが、その先につながらず、均衡は崩れない。
3R、小雪は動きをより細かくし、左ストレート、伊藤も左ミドルを増やし、組んでの膝も当てる。伊藤のヒットが少し増えるが、変わらず均衡は崩れないまま終わる。
記者採点は30-30。ジャッジは三者三様で延長へ。伊藤は右ミドル、組んでの右膝のヒットを増やし、途中には崩しも決め、ムエタイスタイルを貫く。だが小雪はもらっても動きを止めず、終始前に出て左ストレート、右フック、膝、ミドルをお返しし、はっきりとした差のないまま終わる。記者採点はイーブン。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者が小雪の手数と積極性を評価した模様で、小雪の勝利となった。
小雪は「チャンピオンとして初めての試合で期待されることが多く、不安を乗り越え、今日は勝てて良かったです。延長で2-0で、チャンピオンとしてまだまだですけど、強さを証明できるようこれからも頑張ります」とアピールした。
バックステージで小雪は伊藤について「思った通りミドルが強くて、びびって入れなくて心のブレーキが入って、さすがチャンピオンという強さがありました」と評し「気持ちが先走って、組んでブレイクって展開になってしまって反省です。気持ちのコントロールが難しいと感じました」と悔しそうにコメントした。
第6試合 QUEEN フライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
×YAYAウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックス幕張/RISE QUEENフライ級(52kg)2位、J-GIRLSスーパーフライ級王者)
○AKARI(TARGET/RISE QUEENミニフライ級(49kg)1位、RISEミニフライ級NEXT QUEENトーナメント2021優勝)
2R 0’04” KO (左前蹴り)
AKARIは5月のRISE on ABEMAで寺山の王座に挑戦して敗れて以来の試合。YAYAは5月の後楽園大会で聖愛に判定勝ちした。AKARIは同じミニフライ級での相手が見つからず、1階級上のYAYAとの試合が組まれた。AKARIの師匠でRISE GIRLS POWERのアンバサダーでもある神村エリカ氏は8月の会見で「元々、AKARIは体格が恵まれているので、49kgと52kgのどちらも将来的に目指していこうねと話していたので、いい挑戦の機会になったと思います」と話していた。
1R、AKARIは階級を上げたとはいえリーチではYAYAを大きく上回り、前蹴りと左の前手で細かくフェイントをかけながら圧力をかけ続け、右ミドル、前蹴り、ストレートなどを何発も当てて主導権を握る。すると終了間際、AKARIが左ジャブを当てた直後、YAYAが突如倒れダウンが宣告される。YAYAは中盤、ロープを背負った状況で左の前蹴りを出し、当たったAKARIが前に出たことで、踏ん張った際に右膝を痛めた模様だ。YAYAは立ち上がるが、すぐインターバルに入ると、2R開始直後にドクターチェックが入る。それでもYAYAの希望により続行したが、AKARIが左前蹴り一発で軽々と吹き飛ばすと、痛そうな表情をしたYAYAを見たレフェリーがすぐさまストップした。
やや唐突な形ながらも、終始主導権を維持して勝ったAKARIは涙を浮かべ「目指すのは寺山選手で変わらないので、追いかけて追い越します。いい感じで寺山選手にプレッシャーを与えられたと思うんで、すぐやりたいです」とアピールした。なお、大会翌日にYAYAはTwitterで、医師の診断結果は右膝前十字靭帯損傷だったと報告している。
第5試合 QUEEN アトム級(46kg) 3分3R(延長1R)
○平岡 琴(TRY HARD GYM/RISE QUEENアトム級2位)
×奥脇奈々(エイワスポーツジム/RISE QUEENアトム級7位)
判定3-0 (長瀬30-28/大沢30-28/小川30-28)
1R、平岡がプレッシャーをかけ続け、奥脇は回りながらも右ストレート、左右のボディをヒット。終盤、平岡が右ハイ、左の三日月蹴り、右ストレート等のヒットを増やし、やや優位になるが、奥脇もパンチを返す。
2R、平岡が細かくローを当て続けていると、中盤、奥脇はスリップ。立ち上がった直後、平岡がバックスピンキックをボディに当てると、パンチを当て続け奥脇を追い詰め、ポイントを取る。
3Rも平岡が圧をかけ続けると、終盤に左ミドル、右ストレート、右バックスピンキックなどのヒットを増やして追い詰め、点差を広げ判定勝ちした。
連敗を4で止めた平岡は「最近なかなか勝てなくて限界かと思う時期もありましたが、たくさんの人に支えられ今日勝てました。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べ、「26年ぶりの女子だけの後楽園でのキックですが、ここはゴールじゃなくここからです。これからも応援お願いします」とアピールした。
第4試合 Spcialエキシビションマッチ 3分1R
―KINGレイナ(フリー)
―村上悠佳(TEAM TEPPEN)
勝敗無し
村上と対戦予定だった浅井春香が、新型コロナウイルス濃厚接触者となったため欠場し、レイナとのエキシビションマッチに変わった。レイナは柔道をベースとし、DEEP JEWELSを主戦場とするMMA選手だが、打撃スキル向上を目的に、JEWELS、シュートボクシングで立ち技の試合も並行している。
エキシながらレイナはいつも通り、リングの周りを1周して入場。ゴングが鳴ると、前に出るレイナを、村上がかわして右ミドルなどを当て続ける展開から始まる。中盤過ぎ、レイナは蹴り足をつかんで倒してパウンドを狙うが、村上はすぐに返して上になって抵抗して笑顔を浮かべ、MMA的な展開となり場内がどよめく。終盤は両者パンチ主体で打ち合い終了した。
エキシ後の挨拶でレイナは「前回シュートボクシングでやった未奈選手と10月23日に(DEEPで)やる予定です」と明かした。
第3試合 QUEEN フライ級(52kg) 3分3R
△山本知美(FAITH)
△辻井和奏(BRING IT ONパラエストラAKK/新空手JAPAN CUP 2021女子トーナメント優勝)
判定1-1 (和田29-30/長瀬29-30/小川29-29)
17歳の注目株・辻井は今回がデビュー戦。1R、山本の右ストレートを時折被弾するが、サウスポーからの左右のミドルや顔面への前蹴り、組んでからの右膝を的確に当て続けてやや優位。2Rも同様の構図で、辻井がやや優位だが、1Rよりは攻撃が減りクリンチが増加。すると3R、辻井は疲れが目立ち始め、山本が右ストレート等のパンチで苦しめ攻勢に。ジャッジは三者三様でドローとなった。
第2試合 QUEEN 45kg契約 3分3R
○坂田実優(FASCINATE FIGHT TEAM)
×菊地美乃里(GONG-GYM坂戸)
判定2-0 (小川30-29/大沢29-29/和田29-28)
第1試合 QUEEN 43kg契約 3分3R
×島田美咲(SQUARE-UP KICKBOXING道場)
○西原朱花(TEAM TEPPEN)
判定0-3 (28-30/28-30/28-30)