RISE 4.17 後楽園ホール:小林愛三、冷静ファイトで田渕涼香にリベンジし正規王者に。工藤政英は田渕神太に判定勝ち。伊藤澄哉&宮城寛克が豪快KO勝ち
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RISE 148
2021年4月17日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 メインイベント RISE QUEENフライ級(52kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
○小林愛三(NEXT LEVEL渋谷/暫定王者、WPMF女子世界フライ級王者)
×田渕涼香(拳聖塾/挑戦者、極真会館関西総本部 全日本少年少女空手道選手権2017 高校生女子軽量級優勝)
判定3-0 (和田50-49/豊永49-48/大沢49-47)
※小林が正規王者に認定。初防衛扱いに
小林は昨年9月、4選手参加の初代RISE QUEENフライ級王座決定トーナメント準決勝でKOKOZに判定勝ちし決勝へ進んだ。反対ブロックで勝った陣内まどかが12月大会の決勝を前に負傷欠場したため、小林は暫定王者と認定された。しかし小林のワンマッチの相手として緊急出場した田渕が、1Rから右ストレートでダウンを奪い、小林は必死に巻き返すも判定負け。まさかの波乱が起こった。
田渕は空手歴17年の20歳。セミファイナルに登場する田渕神太の妹だ。キック5戦4勝(3KO)1敗。2月のRISE ELDORADOでは、寺山日葵の相手のタイ人選手が来日困難なため、またも急きょ涼香が代役として抜擢されたが、寺山に持ち味を封じられ判定負けした。
小林と涼香の再戦はベルトを懸けての試合に。暫定王者の小林が勝てば正規王者として認定され、涼香が勝てば新しい正規王者となる。
1R、小林がオーソドックス、涼香がオーソドックス主体で度々スイッチし、お互い前手でフェイントをかけるが、その先の攻めはまだ乏しいまま終わる。どちらも少しローを当てる程度だ。2Rもその構図は変わらず、1Rよりもパンチ、ロー、ミドルのヒットは少し増えるものの、はっきりした差はない。
3Rもまだ手数は上がらないものの、涼香のパンチからうまく小林が距離を取り、終盤に小林がフックをクリーンヒット。右ミドル、ローも増やし、若干優位に。
4R、小林が右ロー、ミドル、フック、涼香も右ロー、前蹴り等を当てるが、お互いヒット数も伸びず、当たりも浅めで、均衡状態が崩れない。
5R、田渕が序盤に右フックをヒット。小林は口が開いて少ししんどうそうだが、随所で膝を当て、崩しも絡め、反撃を封じ終了する。記者採点は3Rのみ小林につけ50-49で小林。ジャッジ3者も1~2点差の僅差で小林を支持し、小林に勝利が告げられると、小林は涙を流して喜んだ。
これで小林は暫定王者から正規王者に格上げとなり、初防衛という扱いに。小林は関係者に感謝の言葉を述べ「もっとアグレッシブになって世界に通用する選手になりたいです」とアピールした。
バックステージで小林は「今日は行き過ぎず、冷静に戦えました。冷静さという言葉が今までの自分になかったんですけど、落ち着くってこういうことなんだと今日はわかりました」と勝因を語った。
さらに小林は「今度のRISEで(=5月15日の大田区総合体育館大会)オープンフィンガーグローブ(OFG)での試合をやるそうですけど、女子でもやりたい人もいそうなので、密かに心の中で燃えています」と、特別ルールの試合にも意欲を示した。「OFGでも落ち着いて戦えるか?」と聞かれると「OFGって血祭りの印象があるので、落ち着けるかなぁ?私の場合は人生自体も落ち着かないといけないです」と飄々と話し、周囲を笑わせた。
RISEの伊藤隆代表は小林について「今日はどうしても勝ちたい気持ちがあったと思いますけど、もっとやれる選手だと思います」と、今日の慎重なファイトには不満だった様子。今後については「彼女も『世界に通用する選手になりたい』と話していましたけど、日本人と経験を積ませて、世界に通用する選手に育てたいです」と話した。
第7試合 セミファイナル フェザー級(57.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○工藤政英(新宿レフティージム/RISE王者)
×田渕神太[かんた](拳聖塾/ACCEL&ABWバンタム級王者)
判定3-0 (豊永30-29/長瀬30-28/和田30-28)
セミファイナルには田渕涼香の兄・神太が登場し、RISE初参戦でRISEフェザー級王者・工藤政英の相手を務めた。神太も空手をベースとする21歳で、シュートボクシング、ホーストカップのリングでもそのセンスの高さを見せつけていた。工藤は最近強豪相手に癖んが続いたが、1月の後楽園大会でWBCムエタイ日本統一フェザー級王者の大田拓真に判定勝ちし、2連勝を目指す。
1R、神太が細かくステップしつつ、左ボディ等のパンチを当てて先手を取るが、バッティングで工藤が右まぶたを切り一時中断する。再開後、工藤は少しずつ右ロー、右ストレート等のヒットを増やして巻き返す。
2R、工藤が圧をかけ続け、左ボディと左のフックの連打を決め、左テンカオや右ローも当て、手数でやや優位に。神太は終盤、右フックをヒットを増やし巻き返し、差を縮める。
3R、工藤が右ローを当てていると、神太はスリップしたり足が流れるように。工藤は左テンカオも効かせる。神太も終盤のパンチの打ち合いで右フックを随所で当てて、タフさを印象付けるが、流れは変えられず終了。工藤の判定勝ちに終わったが、本来階級下の神太も光る一戦だった。次回は適正体重で見たい。
マイクを渡された工藤は「階級下なのに対戦を受けてくれた工藤選手、ありがとうございました。RISEの王者はKOしないといけないのに、すみません。初防衛戦が決まっているので、一から鍛えなおします」と話した。
第6試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×水落洋祐(エイワスポーツジム/RISE 8位、元WPMF世界ライト級暫定王者)
○伊藤澄哉(戦ジム/RISE 5位)
1R 1’21” KO (左ストレート)
1R、開始すぐから伊藤が右のカーフキックを当てると、水落はスリップする。その後も伊藤がサウスポーにスイッチしてからの左ストレートを当て、パンチでも優位に立つと、左ストレートをきっかけとしたパンチラッシュでダウンを奪う。水落は立ち上がるがダメージが大きく、最後は伊藤が左ストレートで2ダウン目を奪い、カウント中にレフェリーがストップした。
これでRISE 3戦3勝とした伊藤は「スーパーライト級、倒せるファイトをするのは自分しかいないので、すぐでもチャンピオン行けます」とアピールした。RISEの伊藤代表は伊藤澄哉について「3戦目とは思えないぐらい当て勘がいいので、今後育てば王者の山田(洸誓)に負けない選手になるでしょうね。山田と戦った選手とやらせて、あと2~3戦経験を積ませたいです」と話した。
第5試合 ミドル級(70kg) 3分3R(延長1R)
○宮城寛克(赤雲會/RISE 6位、元TENKAICHIウェルター級&ミドル級王者)
×森 興二(FJ KICKASS/元ZSTフェザー級(65kg)王者)
1R 2’55” KO (右フック)
1R、サウスポーで低めに構える森に、宮城が右のカーフキック、ローを当て、森はフラつく場面もあったが、宮城の右ローに左ストレートを合わせてダウンを奪う。その後も宮城が右ロー、森がパンチ主体で攻めていると、森の右フックのカウンターで、宮城が右フックをクリーンヒットしてダウンを奪い返す。森は立ち上がるがフラついていたためレフェリーがストップ。宮城が見事逆転KO勝ちした。
第4試合 53.5kg契約 3分3R(延長1R)
○金子 梓(新宿レフティージム/RISEスーパーフライ級(53kg)9位)
×鳩(TSK japan/MuayThaiOpenスーパーバンタム級王者、WMC日本バンタム級王者)
判定2-0 (小川30-29/秋谷29-29/大沢29-28)
1R、金子が右ハイを当てるなどやや優位だったが、鳩が右ローを当てていると効き目を発揮し、金子はサウスポーに切り替えるように。その後も鳩の右奥ローが随所で当たる。
2R、中盤以降は金子が鳩をコーナーに詰め、パンチ、ローを度々当てて優位に。鳩はローを随所で返すがコーナーから逃げることができない。
3Rも金子が長時間鳩をコーナーに詰め、パンチ、左ハイ等を当てて優勢。鳩も左フックを返すが金子の勢いは止まらず終了。金子が2R以降巻き返し判定勝ちした。記者採点は29-28で金子。
第3試合 女子アトム級(46kg) 3分3R
×平岡 琴(TRY HARD GYM/極真会館全日本女子選手権2014軽量級優勝)
○小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/正道会館全日本選手権2019軽量級優勝)
判定0-3 (和田29-30/大沢29-29/秋谷28-30)
1R、しばらくお互い慎重だったが、中盤過ぎにパンチが交錯すると、小林の左フックが炸裂し、平岡がひるむ。その後も小林の左が命中し優位が続く。
2R、平岡も蹴りを随所で返し、少し盛り返すが、終盤にまたも小林の左フックが炸裂し、平岡はその後ももらって印象を悪くする。
3R、平岡も反撃を狙って手数を上げ右フックを当てるが、小林の左フックのヒットのほうが目立つ状態が続き、小林が優勢を維持し判定勝ちした。記者採点は27-30で小林。
第2試合 女子ミニフライ級(49kg) 3分3R
○ERIKO(トイカツ道場)
×紗彩(ドージョー☆シャカリキ)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×杉山豪基(鹿浜TOP TEAM)
○龍翔[たつと](BLACK☆Jr)
判定0-2 (29-30/29-29/28-30)
- オシリス
- 清瀬汐希
- COCO
- 桜りん
- 髙橋凛
- CHIE
- HIKARU
- 星名美津紀