RISE 1.30 後楽園ホール:直樹、秀樹から2ダウン奪いライト級王座奪取も「まだ胸張ってチャンピオンと言えない」。山田洸誓がスーパーライト級王座防衛
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RISE 145
2021年1月30日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 第7代RISEライト級(63kg)王座決定戦 3分5R(無制限延長R)
×秀樹(新宿レフティージム/1位、K-1 REVOLUTION FINAL -65kg級世界王者)
○直樹(BRING IT ONパラエストラAKK/2位、RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント準優勝)
判定0-3 (長瀬46-48/豊永46-48/和田45-48)
※直樹が王者に
原口健飛が返上したRISEライト級王座を懸け、同級1位の秀樹と2位の直樹が3分5Rで激突した。秀樹はこれまで2年連続で年始の試合がタイトルマッチ。だがいずれも白鳥大珠、原口健飛に敗れており、3度目の正直としたいところ。1年前に原口にKO負けした後は麻原将平、北井智大に連勝中だ。
対する直樹は初のタイトルマッチ。10月の横浜大会でのDEAD OR ALIVEトーナメントの準決勝で白鳥大珠から膝蹴りでダウンを奪い、額を切り裂き1R TKO勝ちし波乱を起こした。決勝で原口に敗れ優勝は逃したが、近年の成長は著しい。このタイトルマッチの勝者が、再び白鳥と原口に絡む可能性は高い。
1R、秀樹がサウスポー、直樹がオーソドックスに構え、お互いロー主体の慎重な展開。小川レフェリーは開始30秒足らずから何度も「攻める攻める」「アクション」と連呼するが、両選手とも気にかけず、派手に打ち合おうとはしない。だが終盤、直樹が左ジャブを当てつつ、伸びのある右ストレートをクリーンヒットしダウンを奪取する。
2Rもお互い蹴り主体の攻防。直樹は1R同様に右ストレートを振るうが、秀樹は防御する。両者長期戦も意識してか、まだ慎重だ。
3R、秀樹は随所で左ミドルを当てるが、直樹陣営は「左ハイ来るよ」と直樹に警戒させ、なかなか秀樹も左ハイにはつなげられない。終盤、直樹は右ストレートを連続で当てるが、ダメージはまだそこまで大きくない様子だ。
4R、秀樹の左ローがローブローとなり一時中断。再開後、秀樹が圧力を強め、左ミドルを積極的にヒット。直樹は下がる時間が続いたが、秀樹の攻撃が少し減ってきた終了間際、右ストレートを合わせて、またもダウンを奪って点差を広げる。
5R、後の無い秀樹は必死に左ミドルを放つが、直樹に決定打を与えられず。直樹もリスクは取らず、最後は逃げ切る形で終了し判定勝ちし、王座初挑戦でベルトを巻いた。
直樹は「これで一応RISEチャンピオンになったんですけど、前回、原口選手にコテンパンにされています。まだ胸張ってチャンピオンと言えないです。原口選手、2月28日、世界最強の男(=GLORYフェザー級王者のペットパノムルン)と決まっていますが、勝ってくれると思います。僕も勝ち続けるので、もう一度原口選手とワンマッチが見たいと言ってもらえるような選手になります」とアピール。最後は「このベルトが宇宙一欲しがっていた人がいます」と話し、ジムの大池正昭代表にベルトを巻いて記念撮影した。
バックステージでのインタビューで直樹は「タイトルマッチという意気込みは無くて、普通に強い秀樹選手に勝ててホッとしています。(ダウンを奪った右ストレートについて)5Rあるので逆に力みが無かったのが良かったですね。その前のジャブのほうが当たった感覚があって、秀樹選手の顔が腫れて来て、ゴツゴツ当たった感覚があります。4Rのダウンも相手が前に出てくれて、右ストレートが上手く当たってくれた感じです」と試合を振り返り「これから仮チャンピオンとして勝ち続け、最強対最強と銘打ってリベンジできるよう精進します」と話した。
第7試合 セミファイナル RISEスーパーライト級(65kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
○山田洸誓(正道会館KCIEL/王者)
×実方拓海(TSKjapan/2位、WMC日本&ルンピニー日本スーパーライト級王者)
判定3-0 (和田49-48/小川49-48/豊永49-48)
※山田が初防衛
山田は11月の大阪大会でのノンタイトル戦で北野克樹に敗れ、プロデビュー以来の連勝が11でストップ。実方は11月の後楽園での挑戦者決定戦でタップロンからダウンを奪い勝利している。
1R、実方がサウスポーに構え、オーソドックスの山田の圧力をかわしつづける構図。お互いミドル、ロー等を当てるが、まだ攻撃は少ない。
2R、山田がロープに詰めてパンチの連打をまとめるが、クリーンヒットとはならず。その後も右ミドルを随所で当てるが、実方も左の顔面狙いの膝蹴りや左ミドルを随所で返し、まだ明確な差をつけさせない。
3R、実方が序盤に左ハイを当てるが、ひるんだ山田はクリンチでごまかし、中盤以降はパンチのヒットを増やしやや優位に。
4R、山田は終始圧力をかけ、随所で左右のフックをヒット。実方はひるまないものの、攻撃自体が少なくなってしまい印象が悪い。5Rも山田が度々ロープ、コーナーに詰め、連打の中で左右のパンチを当てて好印象を残し、差をつけ判定勝ちした。
初防衛を果たした山田は「北野君、またRISEでベルト賭けてもいいんで、試合しましょう。SNSでグダグダ言うのを嫌いなんで、やりましょう」とアピールした。
バックステージでのインタビューで山田は「(前回の敗戦まで)とんとん拍子で来て、キックは簡単な世界やとナメたところがあったかもしれませんけど、北野選手もですし、実方選手もですけど、ベルトをいくつも取っていて、ベルトを取っている選手は気持ちがあると思いました」「向こう(=北野)は勝ち逃げしたいかわからんですけど、負けたままは嫌なんで、こういう状況下ですけど、落ち着いたらやりたいです」と話した。なお、北野は「やりましょ」とツイートしている。
第6試合 フェザー級(57.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○工藤政英(新宿レフティージム/RISEフェザー級王者)
×大田拓真(新興ムエタイジム/S1ジャパン55kg級王者、WBCムエタイ日本統一フェザー級王者)
判定3-0 (豊永30-28/小川30-28/秋谷30-28)
1R、大田はサウスポーを主体に度々スイッチするが、工藤はお構いなしに、左右のボディを度々ヒット。左ジャブ、右ローも絡め、優位に進める。
2R、工藤は右ミドルのヒットを増やし、左ボディを随所でヒット。大田はサウスポーに固定し、左ミドル、左ローを随所で返すものの、まだ工藤の攻撃が多い状態だ。
3R、お互い近距離で打ち合う場面が増えるが、工藤は中盤から手数蹴り数を上げ、随所でパンチの連打をまとめて好印象を残し、RISE初参戦のムエタイ2冠王・大田を退けた。
工藤は「向こうが右クロスを狙っていて、パンチで来たってことはパンチで勝てるって思っていると思うので、ナメられていると感じましたけど、勝ちに徹し過ぎましたね」と試合を振り返り、竹内将生とのタイトルマッチについては「この試合は1Rから全開で勝ちに行きます。KOにこだわります」と話した。
第5試合 RISEフェザー級(57.5kg)次期王者挑戦者決定戦 3分3R(無制限延長R)
×門口佳佑(EX ARES/1位)
○竹内将生(エイワスポーツジム/3位、Bigbangフェザー級王者、元MA日本スーパーバンタム級王者)
判定0-3 (小川29-30/大沢28-30/秋谷28-30)
1R、門口がサウスポーに構え、左ミドル、ハイを的確にヒット。時折スイッチを織り交ぜ、蹴り主体で主導権を維持する。2Rも中盤まで門口ペースだったが、次第に竹内も距離とタイミングをつかみ、右ミドルのヒットを増やし、終盤には右ボディも当てて好印象を残す。
3R、門口が序盤は距離を詰め右フック、アッパーを当ててやや優位に。だが竹内が組んでの膝のヒットを増やし主導権を握る。ジャッジは3者とも竹内を支持し、竹内が王座挑戦権を獲得。門口はプロ10戦目で初黒星を喫した。
マイクを持った竹内は「今日は3位の試合じゃなかったです。改善点を直して、工藤(政英)選手のタイトルマッチで勝てるようつなげたいです」と話した。
第4試合 ライト級(63kg) 3分3R(延長1R)
○北井智大(チームドラゴン/3位)
×小川 翔(OISHI GYM/4位、WBCムエタイ日本統一ライト級王者、ホーストカップ日本スーパーライト級王者)
判定3-0 (29-26/29-26/29-26)
1R、小川が左右のローを着実に当て続けるが、北井がカウンターで右フックを当てると、下がらせてから左フックを当ててダウンを奪う。小川も左フック、右テンカオで挽回するが、打ち合いで北井がまたも左フックを当て、ダウンを重ねる。
だが2R、小川が左インロー、右アウトローを効かせると、北井は足を引きずり気味になり、小川がパンチと蹴りの手数を上げ優位に。
3R、小川が度々北井をロープに詰め、パンチの連打で追い詰める。だが北井も右アッパーをお返し。終盤の打ち合いではじわじわ盛り返し、最後は小川をダウン寸前まで追い詰めて終え、逆転を許さず判定勝ちした。RISEの伊藤隆代表は「北井選手と小川選手は見ごたえがありました。今日のベストバウトと思います」と大会後の総括でコメントした。
第3試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
×京介(TOP DIAMOND/3位)
○大﨑孔稀(OISHI GYM/6位、WMC日本&J-NETWORKスーパーフライ級王者)
2R 0’37” TKO (レフェリーストップ:右カーフキック)
1R、京介が左右のボディを連打するが、孔稀が左ボディを強打してお返しすると、以降は重みとスピードのある右ローとカーフキック、左ミドル、左ボディ等を当て続けて追い詰め、右ストレートでダウンを奪う。すると2R、孔稀はコーナーに詰めて左ボディを効かせつつ、右のカーフキック一発でダウンを奪い、立ち上がれないと判断した豊永レフェリーがストップ。孔稀がレベルの違いを見せつけた。伊藤代表は「大﨑選手はルールに適応していて、53kgで誰が勝つんだろうと感じました。今後定期的に組みたいです」と話した。
第2試合 女子57kg契約 3分3R
○浅井春香(Kick Box/J-GIRLSフェザー級王者)
×ライカ(RIGHT THING ACADEMY/パンクラス女子フライ級(56.7kg)3位、プロボクシング元IFBA世界スーパーライト級王者、元WIBA世界フェザー級&ライト級王者)
判定3-0 (30-28/30-28/30-27)
近年はMMA主体のライカは6年ぶりRISE出場。1R、ライカの圧力をかわし、浅井が左ジャブ、右膝蹴り、右ストレートを的確に当てて主導権。2Rも同様に浅井がタイミング良く攻撃を当て続ける。3Rも右膝を主体に右ストレートもクリーンヒットして反撃を封じ完勝した。
第1試合 ライト級(63kg) 3分3R(延長1R)
○KENTA(HAYATO GYM/9位)
×武巳(Aim high)
判定3-0 (30-29/30-29/30-29)