RISE 11.1 エディオンアリーナ大阪:那須川天心、引退戦の裕樹を2R飛び膝葬。志朗、鈴木真彦下し天心との再戦へ。寺山日葵がQoQトーナメント優勝
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Cygames presents RISE DEAD OR ALIVE 2020 OSAKA
2020年11月1日(日)エディオンアリーナ大阪・第一競技場
レポート:井原芳徳 写真提供:RISE
第15試合 メインイベント Mr.RISE Final Match(裕樹 引退試合) 58kg契約 3分3R(延長1R)
○那須川天心(TARGET/Cygames/RISE WORLD SERIES 2019 -58kgトーナメント優勝、RISE世界フェザー級(57.15kg)王者、ISKAフリースタイル世界フェザー級(57kg)王者、ISKAオリエンタル世界バンタム級(55kg)王者)
×裕樹(ANCHOR GYM/RISEスーパーフェザー級(60kg)1位、元同級・ライト級・スーパーライト級王者)
2R 1’56” TKO (3ダウン:左飛び膝蹴り)
約1年半ぶりとなるRISE大阪大会でのメインイベントでは、RISE元3階級制覇王者で「Mr.RISE」とも呼ばれる37歳・兵庫在住の裕樹が、キック36戦全勝の快進撃を続けるRISEのエース・那須川天心を相手に引退試合を行った。天心は9月27日のRIZINでの皇治戦での完勝が記憶に新しいところだが、それから約1か月とハイペースの試合に。裕樹は天心に合わせ、近年の60kgの階級よりも2kg落としての試合に。
裕樹は公開練習で「彼の前に作戦は通じない」と話すと共に「男と男の勝負」と発言。天心は8月の会見で「裕樹さんは僕がRISEでデビューする前から活躍していて、Mr.RISEといえば裕樹さんで、感慨深いですけど、格闘技なので、もう情は捨てています。有終の美を飾らせず、1Rから倒して、普通に終わらせます。感謝の意味を込めて、しっかり倒したいと思います」と話した。
試合は2Rに及んだが、大方の予想通り、天心のワンサイドゲームに。1R、天心がサウスポーに構え、開始すぐから左ストレート、左ハイを立て続けに当て、ボディから顔面へのコンビネーションも決めて早くも主導権。するとわずか30秒、裕樹がパンチで詰めて来たところで、天心がかわしながら左ストレートを当ててダウンを奪う。天心はその後も前に出る裕樹から距離を保ち続け、右ジャブ、左ミドル、左ボディストレート等を何発も当て続けて圧倒する。裕樹は得意の右ローを時折放つがヒットは少ない。
2R、開始すぐに天心が左ストレートでダウンを奪う。天心は左右のストレートでさらに追い詰め、アッパー、フック、膝の連打で下がらせてから、左ストレートの連打で裕樹を棒立ちにして2ダウン目を奪う。天心はノーガードで裕樹を挑発し、裕樹はパンチを当てるが、天心はかわしてポイントをずらしてクリーンヒットは免れる。
その後も天心が攻め続ける展開。樹は時折スリップしながらも立ち上がり続け、前に出て不屈の闘志を見せたものの、最後は天心が下がってから、左の飛び膝蹴りを裕樹のアゴに叩き込み、きっちりマットに沈めた。勝った天心はすぐにコーナー付近で正座し、座ったままの裕樹に向かって頭を下げて敬意を表した。
天心は「非常に感慨深いというか、裕樹さんにはずっとお世話になり、エキシビションマッチやセミナーで一緒になり、終わった後ご飯を食べたりしましたけど、引退試合ということで(気持ちを切り替えて)臨みました。戦ってくれた裕樹選手、ありがとうございます。格闘技界になかなかこれから裕樹選手みたいな選手は現れないと思います」と裕樹を称えた。そして裕樹の隣に息子と娘がいるのを見ると「ある記事で裕樹選手の息子さんが『お父さんは勝てない』と言っていたというのを見ました。君のお父さんは最高のファイターだよ。カッコ良かった?」と呼びかけ、最後は「最高の試合ができて良かったです。これからもまだまだ強くなるのでたくさんの応援お願いします」とアピールした。
対する裕樹は「こんなに素晴らしい舞台を用意してくれてありがとうございました。子供たちにカッコいい姿を見せたかったですけど、どうだった?パパ、カッコ良かった?」と子供たちに呼びかけて表情を緩めた。続けて裕樹は「16歳でリアルディールに入ってから、強くなりたい一心で戦い続け、最後に世界一の男と戦えてうれしく思います。夢に見ていたことは最後まで思い続ければ叶うと、少しは証明できた思います。最後に、20歳の頃から寄り添ってくれた妻に心から感謝したいと思います。最後はちょっとカッコ悪かったけど、おかげでずっと続けてこれました。楽しかったです。最高の格闘技人生です。ありがとうございました」と感謝の言葉を述べ、笑顔でリングを降りた。
裕樹の通算戦績は74戦46勝(30KO)26敗2分。
RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg ~那須川天心挑戦者決定トーナメント~
RISEでは今年、アジア圏の選手を集めての8人トーナメントで、那須川天心への挑戦者を決める予定だったが、コロナ禍で海外勢が来日できないことから、日本の4選手によるワンデートーナメントに切り替え、志朗 vs. 植山征紀、鈴木真彦 vs. 江幡塁の組合せになった。植山以外の3人は天心に敗れた過去がある。対・天心が誰になるかがテーマだが、純粋に楽しみなカードが並んだ。
第9試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○鈴木真彦(山口道場/RISEバンタム級(55kg)王者)
×江幡 塁(伊原道場/KNOCK OUT RED 55.5kg級王者、WKBA世界スーパーバンタム級王者)
判定3-0 (長瀬30-28/秋谷30-28/板坂30-28)
鈴木は5年前のBLADEのトーナメントで天心に負けてから19連勝。塁は昨年大晦日のRIZINで天心に敗れている。
1R、やや体格で勝る鈴木が圧をかけ、左インロー、左右フック、左ボディをヒット。塁は回って左ロー、カウンターの左フックを返す。中盤、鈴木の右ストレートで塁がのけぞると、鈴木は圧を強め左右のパンチを振るうが、塁もカウンターで左フックをお返し。終盤、お互い単発ながらパンチを当て合い、スリリングな攻防が続く。記者採点はイーブン。
2R、序盤の打ち合いで塁が右フックをヒット。中盤、鈴木は左ボディと右フックを立て続けに当てる。終盤、鈴木は右ボディ、右ストレートを当てると、さすがの塁も少し効いてきた様子。鈴木は左ボディ、左ジャブを的確に当て続ける。記者採点は鈴木。
3R、鈴木は序盤から右フックを立て続けにヒット。しかし塁も右ストレート、左ジャブを返し、まだスリリングな状況を作る。終盤、鈴木は左ボディ、右アッパーを強打。塁はそれでも耐えて右フックを返すが、鈴木の勢いは止められない。鈴木が手数差を保ったまま終了。記者採点は鈴木で合計30-28で鈴木。ジャッジ3者とも同じ採点で鈴木の勝利となった。
第10試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○志朗(BeWELLキックボクシングジム/ISKAムエタイ世界バンタム級王者)
×植山征紀(龍生塾ファントム道場/シュートボクシング日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
判定2-0 (秋谷30-29/大澤29-29/板坂30-28)
志朗は昨年9月のRISEで天心に判定負け。植山は8月のRIZINで塁に判定負けしている。
1R、志朗は植山の圧力をかわしつつ、右ボディストレートを随所でヒット。植山も左フック、左ボディを時折当てる。終盤、志朗は右ローを連打する。まだ均衡状態だ。
2R、志朗は圧をかけ返し、ボディへの左右のパンチをヒット。前蹴り、ローもうまく絡める。植山は中盤からは再びプレッシャーをかけるが、志朗が細かく右ロー、左前蹴りを返す。植山も右のカーフキックを当てるが、攻撃数では少し劣る。記者採点は志朗。
3R、植山の右のカーフキックで、少し志朗がバランスを崩す。だが志朗はすぐ持ち直し、右のボディストレート、右ロー、右ミドルをお返し。植山は圧をかけ続け、志朗の攻撃をもらっても崩れないものの、なかなかヒットにはつなげられない。記者採点はイーブン。合計30-29で志朗。僅差のラウンドが続いたため、判定はバラついたものの、2者が志朗を支持し、志朗が決勝に進んだ。
第8試合 リザーブマッチ 3分3R(延長1R)
○拳剛(誠剛館/DEEP☆KICK -55kg王者)
×拓也(蹴空ジム/RISEバンタム級(55kg)4位)
1R 1’55” TKO (2ダウン:パンチ連打)
1R中盤、長身の拳剛が距離を詰め、右ストレートでダウンを奪取。拓也は立ち上がったものの、拳剛がパンチを連打し拓也が防戦一方となったところで、レフェリーがストップした。
第14試合 セミファイナル 決勝 3分3R(最大延長2R)
×鈴木真彦(山口道場/RISEバンタム級(55kg)王者)
○志朗(BeWELLキックボクシングジム/ISKAムエタイ世界バンタム級王者)
判定0-3 (小川27-30/長瀬27-30/白神27-30)
※志朗が優勝。賞金500万円と那須川天心との対戦権利を獲得
1R、鈴木は序盤から圧を強め、右ボディストレート、左ボディをヒットし先手を取る。だが1分、鈴木が詰めて右ストレートを放つと、志朗はカウンターで右ストレートをクリーンヒットしてダウンを奪う。志朗は圧をかけ、ダメージの残る鈴木に左ジャブを着実に当て続ける。終了間際、志朗は鈴木をコーナーに詰め、右フックでふらつかせて終える。記者採点は8-10で志朗。
2R、鈴木は少し回復し圧をかけ返し、時折右ストレート、左ボディを当てる。志朗は途中まで左ジャブを当てていたが、攻撃が次第に減る。だが終盤、またも詰めて来た鈴木に、志朗が右フックを当ててひるませ、五分の印象に戻す。記者採点はイーブン。
3R、鈴木は鼻血を出しながらも前に出るが、志朗は左ジャブ、左インローを着実に当て、足払いでも何度かコカす。鈴木はそれでも前に出るが、志朗は主導権を譲らず終了。記者採点は志朗。合計27-30で志朗。ジャッジも当然志朗を支持し、志朗の勝利となった。鈴木は念願の天心との再戦まであと1勝で道が途絶え、涙を流しながら花道を退場した。
志朗は「那須川天心君に負けてから、自分の時間は止まったままなんですよね。このメンバーの中で優勝したので、自分が天心君と戦うのは文句無いと思います。天心君がボクシングに移籍する前に、自分が敗北の味を教えるので、皆さん楽しみにしてください」とアピールした。
また、天心がメインイベントで裕樹に勝利し、両者のマイクが終わって裕樹が退場した後、志朗がリングイン。志朗は「2人とも同じバンテージ職人のニック(永末)さんの下でお世話になっていて、また戦うのは運命だと思います。全てを懸けて勝負に挑むので覚悟していてください」と、勝利後のマイクよりは控えめにコメント。天心は「志朗君おめでとうございます。志朗君が勝ち上がると信じていて、その通りになってうれしいです。裕樹さんに勝って、僕がMr.RISEを背負って志朗君と戦うので、決着付けましょう」と呼びかけた。両者の再戦は来年3月頃となる模様だ。
RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020(女子47.6kg契約)
女子47.6kg契約のトーナメントは10月11日の横浜大会で一回戦4試合が行われ、今回は寺山日葵 vs. sasori、百花 vs. 紅絹の準決勝と決勝が行われる。sasoriは7月にRISEに初参戦し、寺山に敗れるものの、延長に持ち込んだ。トーナメント一回戦でもsasoriは平岡琴を圧倒。寺山はerika♡相手に苦戦の末勝ち残っており、寺山危うしのムードだったが…
第6試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○紅絹(NEXT LEVEL渋谷/RISE QUEENアトム級(46kg)王者、元J-GIRLSミニフライ級王者)
×百花(魁塾/ミネルヴァ・アトム級(46.26kg)王者)
判定2-0 (秋谷30-29/大澤29-29/宮本30-28)
両者は過去2度対戦しいずれも紅絹が勝利している。1R、紅絹はサウスポーに構え、左右に細かく動き、左インロー、左ミドルを的確に当て続ける。百花はパンチを振るうが空振りが多い。記者採点はイーブン。
2Rも同様に紅絹が左のローとミドルを的確にヒット。百花は左の内腿が赤く腫れる。百花はパンチを振るうが、カウンターで紅絹が左右のフックを的確に当てる。記者採点は紅絹。
3R、紅絹が序盤から右フックを当てるが、百花もすぐに左右の連打をお返ししようやく好印象。中盤は均衡状態に戻り、終盤はお互い差をつけようとパンチを打ち合いヒットさせるが、均衡は崩れない。記者採点はイーブン。合計30-29で紅絹。ジャッジは2者が同様に紅絹を支持し、紅絹が決勝にコマを進めた。
第7試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×sasori(テツジム/PRIMA GOLD/ミネルヴァ・ライトフライ級(48.99kg)王者)
○寺山日葵(TEAM TEPPEN/RISE QUEENミニフライ級(49kg)王者、J-GIRLSミニフライ級王者)
判定1-2 (大澤28-30/吉田30-29/小川28-30)
1R、sasoriはサウスポーに構え、プレッシャーをかけ、左のストレートを振るう。寺山は回ってかわしつつ、左の顔面狙いの前蹴り、右ジャブ、インロー、ミドルを的確に当てる。sasoriはしつこく前に出るが、攻撃が返せず印象が悪い。記者採点は寺山。寺山は前回7月の初対戦を踏まえた対策が良くできているようだ。
2Rも寺山が右ミドル、膝、ストレートを的確にヒット。中盤、sasoriは左ストレートを当て、寺山をのけぞらせるが、その後は続かず。終盤、寺山は右膝と左前蹴りをsasoriのボディに的確に当て続ける。記者採点は寺山。
3Rもsasoriは前に出続け、ボディから顔面につなげるパンチを当てる場面もあるが、寺山も動きを切らさず、前蹴りと膝を返し、逆転を許さない。終盤、クリンチが増え、お互いパンチを打ち合うが、均衡は崩れず終了する。記者採点はイーブン。合計30-28で寺山。ジャッジは意外にも1者が寺山に1ポイントもつけずsasoriを支持したが、2者が順当に寺山を支持し、寺山が決勝に進んだ。sasoriは寺山に連敗し、ここで姿を消したものの、トーナメントの陰の立役者となったことは評価されるべきだろう。
第5試合 リザーブマッチ 3分3R(延長1R)
○Ayaka(健心塾/ミネルヴァ・ピン級(45.36kg)王者)
×宮﨑小雪(TRY HARD GYM/2019年KAMINARIMON全日本女子-47kg級優勝)
判定2-0 (秋谷29-28/長瀬29-29/板坂30-28)
1R、サウスポーで距離を取る宮﨑に、Ayakaがうまく圧をかけ、右インローを着実にヒットするが、まだ宮﨑のステップも素早いままだ。お互いヒットは乏しい。2Rも同様にAyakaが圧をかける構図だが、なかなか均衡は崩れない。少しクリンチが増える。
3R、クリンチの中で、Ayakaが右膝を的確に当てて効かせ、宮崎は少し苦しそうな表情を浮かべるように。宮崎も右の前蹴りを返すが、Ayakaの勢いは止まらないまま終了。記者採点は3RにAyakaにつけ30-29でAyaka。ジャッジはバラついたが、2者が順当にAyakaを支持しAyakaの勝利となった。
第13試合 決勝戦 3分3R(最大延長2R)
×紅絹(NEXT LEVEL渋谷/RISE QUEENアトム級(46kg)王者、元J-GIRLSミニフライ級王者)
○寺山日葵(TEAM TEPPEN/RISE QUEENミニフライ級(49kg)王者、J-GIRLSミニフライ級王者)
判定0-3 (吉田28-30/大澤28-30/小川28-30)
※寺山が優勝。賞金300万円を獲得
紅絹と寺山は18年2月のJ-GIRLS、昨年11月のRISE GIRLS POWER旗揚げ大会で対戦し、いずれも寺山が判定勝ちしている。他団体の王者も参加した今回の8人トーナメントだったが、最終的にRISEの現王者2人が決勝に残った。
1R、小柄な紅絹がサウスポーで距離を取って右に回り続け、紅絹は右アッパー等のパンチ、寺山は左の前蹴りやミドルを当てる。まだお互いヒットは少ない。記者採点はイーブン。
2R、寺山の右テンカオ、右ストレート、左ミドル、前蹴りのヒットが少しずつ目立つように。紅絹が前に出ようとしても、寺山はうまく距離を取り攻めさせない。記者採点は寺山。
3Rも紅絹をかわしつつ、寺山が右ミドル、左前蹴りを着実に当て続ける。終盤、紅絹はバックハンドブローを当てるが、当たりは浅い。寺山は反撃を許さず終了する。記者採点は寺山。合計28-30で寺山。ジャッジ3者も寺山の蹴りを順当に評価し、寺山の判定勝ちとなった。
2試合とも自分のスタイルを貫いて優勝した寺山は「このトーナメントで凄く成長できました。(トーナメントで戦った)3選手がいたからこそ、ここまで来ることができました。今までずっと自信が持てず、自分が大嫌いだったんですけど、キックボクシングを始め、たくさんの仲間と応援して下さる人達と家族に支えられ、ここまで来れました。もっともっと強くなって、もっともっと上に行けるよう頑張ります。これからも寺山日葵とTEAM TEPPENをお願いします。メインイベントで天心が試合をするので応援お願いします」とさわやかにアピールした。
その他ワンマッチ
第12試合 スーパーライト級(65kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
×山田洸誓(正道会館KCIEL/RISEスーパーライト級王者)
○北野克樹(誠至会/WBCムエタイ日本統一スーパーライト級王者)
4R 判定0-2 (大澤9-10/吉田9-10/秋谷10-10)
3R 判定1-1 (大澤30-29/吉田29-29/秋谷29-30)
1R、山田がサウスポーに構えて左回りで距離を取り、お互いミドルを打ち合う。終盤、山田は少しオーソドックスに切り替え、蹴りを打ち合うが、まだ均衡は崩れない。
2R、山田はスイッチを繰り返し、両者蹴り合うが、なかなか均衡は崩れない。終盤、山田はパンチの比重を上げ、ボディにも当てると、少し北野のクリンチが増える。
3Rも北野はミドル等の蹴り主体を貫くが、山田は崩れず、ボディ狙いの前蹴りとパンチを随所で当てる。山田もなかなか北野を追い詰めるような攻撃を出せないまま終了。記者採点は3Rともイーブンで30-30。ジャッジは三者三様で延長にもつれ込む。
4R、お互い蹴り主体の攻防が続き、若干北野の蹴り数が多いが、相変わらず均衡状態が続く。終盤、山田が右フックを連打するが、北野はすぐ持ち直し蹴りを返す。記者採点はイーブン。RISEの場合、延長Rでもマスト判定ではないが、ジャッジ2者は北野を支持し、北野の勝ちとなった。山田はプロデビュー以来の連勝が11で止まった。
第11試合 61kg契約 3分3R
○中村 寛(BKジム/元DEEP☆KICK -60kg王者)
×魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS/修斗バンタム級(61.2kg)世界6位)
1R 2’45” TKO (3ダウン:右フック)
修斗・RIZINに出場している魚井フルスイングが、プロ初のキックルールで“人獣”中村寛と激突。裏メインとも言われるほど注目度の高い一戦となる。
1R、両者サウスポーに構え、魚井は重心を低くしてフルスイングの左フックを振るう。少しヒットするが、多くは空振りに。中村は圧をかけ左ローを的確に当てる。すると終盤、中村が魚井をロープに詰め、目線を下げながらの左フックでダウンを奪う。魚井は立つがダメージが残り、中村が再び左フックでダウンを奪取。最後は中村が右フックで3ダウン目を奪い快勝した。
中村は「右目見えへんわ。大晦日までに右目復活させて、完璧な状態に持って行けるなら、今日見に来てるんやろ?皇治?関西で絶対倒れへん男と、絶対倒す男で、関西から格闘技盛り上げるから。RIZINでオファーを断られるのもう嫌や。皇治、あ、皇治選手やな、俺と対戦してください」と、観戦に来ていた皇治に対戦を要求した。
第4試合 ミドル級(70kg) 3分3R(延長1R)
○憂也(魁塾/RISEウェルター級(67.5kg)6位、DEEP☆KICK -65kg級王者)
×籔中謙佑(KUMA GYM/RISEミドル級8位、DEEP☆KICK -70kg級王者)
1R 2’02” KO (右ストレート)
1R、お互いパンチ主体の攻防で、中盤、藪中の左フックのカウンターで、憂也が右フックを当ててダウンを奪う。藪中は立ち上がったが、ダメージは抜けず、憂也が右ストレートで再びダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。
第3試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○中野椋太(誠至会/RISEウェルター級5位、NJKFウェルター級王者、S1ジャパン65kg級王者)
×山口裕人(山口道場/WPMF世界スーパーライト級暫定王者、元WBCムエタイ日本統一同級王者)
判定2-0 (29-28/28-28/30-28)
1R、長身の中野がムエタイ式に高く構え、右ミドル、左フックをヒット、山口も右フック、ローを随所で返し、まだ差はつけさせない。
2R中盤、山口の右フックで一瞬中野の腰が落ちる。だが中野も右ストレート、左フックをお返しし、山口も少しふらつく。
すると3R、山口が前に出てパンチを振るい続けるが、かわした中野が左フックでダウンを奪い、ようやく差を付ける。山口も終盤、右のバックハンドブローを当てるが、中野はひるまず。終了間際、お互い右フックを当ててぐらつくが、耐えて終了。記者採点は3Rのみ中野につけ30-28で中野。中野がダウンで差をつけ勝利したが、ジャッジは2者が山口のパンチも高く評価していた。
第2試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○京谷祐希(山口道場/RISEバンタム級5位)
×鷹介(魁塾/RISEバンタム級6位)
判定3-0 (30-28/29-28/30-28)
1R、京谷はサウスポーに構え、右ジャブで距離を作りつつ、左ストレート、右ボディを的確にヒット。鷹介は時折右ミドルを返すが、もらう場面のほうが目立つ。
2Rも同様に京谷が主導権を維持し、中盤に左ストレートを効かせると、ボディ打ちを絡めた連打で追い詰める。だが終盤、鷹介も右ストレートをお返しし、印象を良くする。
3R、これまでよりも鷹介のパンチのヒットが増え、京谷も左膝、右フックを返し五分の状況が続く。終盤、鷹介の右ストレートのヒットの頻度が上がり、やや優位だが、京谷はひるまず膝を返す。記者採点は1Rのみ京谷につけ30-29で京谷。ジャッジ3者も京谷を支持した。
第1試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R
×寺山遼冴(TEAM TEPPEN/DEEP☆KICK -53kg級王者)
○有井渚海(及川道場)
判定0-2 (29-30/29-29/29-30)
1R、寺山日葵の弟・遼冴がサウスポー、有井がオーソドックスに構え、蹴りの攻防が続く。終盤、有井の右ストレートが炸裂する。直後、遼冴が組み付きクリンチとなると、レフェリーが両者にクリンチの注意をしたため、遼冴は回復ができ、有井は追撃のチャンスを逃す。
2Rも蹴りの応酬が続くが、有井は随所で右ストレートを当て、やや手数では上。3Rも有井が左ジャブ、右ストレート、右膝を的確にヒットし差を付ける。終盤はお互いパンチを当て合い終了。記者採点は3Rに有井につけ29-30で有井。昨年12月の対戦はドローだったが、今回はジャッジ2者に支持された有井が勝利した。
オープニングファイト3 バンタム級(55kg) 3分3R
○大森隆之介(EX ARES/JAPAN CUP 2019 -60kg級優勝)
×朝日慧仁(TARGET SHIBUYA)
1R 2’34” KO (中段後ろ廻し蹴り)
オープニングファイト2 バンタム級(55kg) 3分3R
×麻太郎(健心塾)
○力哉(BKジム)
1R 2’08” TKO (3ダウン:パンチ連打)
オープニングファイト1 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○匠朗(KSS健生館)
×日進丸(日進会館/第29回グローブ空手道選手権播州杯軽量級優勝)
2R 1’24” KO (左ボディフック)