RIZIN 9.27 さいたまスーパーアリーナ:那須川天心、皇治を終始圧倒し判定勝ち。朝倉海、昇侍を1R KO。RENA「あと2・3試合」で引退へ
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Yogibo presents RIZIN.24
2020年9月27日(日) さいたまスーパーアリーナ
レポート&写真:井原芳徳
第11試合 キックルール(つかんでからの攻撃は1回) 58.5kg契約 3分3R
○那須川天心(TARGET/Cygames/RISE WORLD SERIES 2019 -58kgトーナメント優勝、RISE世界フェザー級王者、ISKAフリースタイル世界フェザー級王者、ISKAオリエンタル世界バンタム級王者)
×皇治(TEAM ONE/ISKA K-1ルール世界ライト級王者)
判定3-0 (片岡30-27/豊永30-27/和田30-27)
天心の試合は7月12日のRISEで笠原友希に1R KO勝ちして以来。皇治の試合は昨年11月のK-1で川原誠也に2R KO勝ちして以来となる。
皇治は7月18日、K-1との契約を解除しRIZINに参戦することを表明。8月9日のRIZIN横浜大会ではリングに上がり天心に対し「神童を泣かしたろうと思います。今年中にやろう」とアピールし、呼びかけに応じ登場した天心も「いつやるかわからないですけどボッコボコにしてやります」と回答していた。
早速両者の一戦が組まれ、8月26日の会見で天心は「11月にも試合が決まっていて(※11月1日のRISE大阪大会での裕樹戦)、2連戦になりますけど、しっかり勝って、格の違いを見せて、格闘技の根本というか原点をしっかりわからせたいです」と抱負。皇治については「みんなが幻想を抱いていると思う」と話し、「物凄い打たれ強いイメージがあると思うので、そこを克服したいと思うので、1Rからバチバチ行きたい」と、早期決着を示唆し、「テレビでやるってことで、スペシャルな技をやります」と予告した。
1R、天心がサウスポーに構えてプレッシャーをかけ、左ミドルを序盤から強打。左ストレート、左飛び膝、左ハイ等も何発も当て、皇治を圧倒する。天心は終盤コーナーに詰め、パンチを連打して追い詰める。
2Rも天心ペースで、右ジャブ、左ストレート、左ハイ、飛び膝を度々ヒット。皇治が右フックを一発当てると、皇治の応援団「皇治軍団」から大声援が起こるが、以降は続かず、天心が何発も当て続け主導権を維持する。
3Rも天心が左ボディ、左ストレート、左飛び膝等を当て続けるが、皇治は倒れず。皇治はクリンチが増え、投げも出し注意1を受ける。最後まで天心ペースは変わらず終了。階級上の相手ということもあり倒せなかったものの、天心がフルマークの判定勝ちを果たした。
天心は「試合前から煽られてムカついていましたけど、勝てて良かったです」と話し、皇治軍団の応援にも感謝の言葉を述べた。試合前の紹介映像で、キックはあと10戦以内でボクシング転向という発言がピックアップされたが、そのことについて話を振られると「打ち合いましたけど、もうちょっと冒険して打ち合ったほうが良かったですね。打たれ強いと言われていましたけど、打たれ強かったです。でも、ほぼほぼ何ももらわなかったので良かったです」とだけ話し、最後は「11月、12月と試合が続きます。何か夢を持って前に進むことが大事です」とアピールした。
プレスルームでのインタビューで、天心は皇治について「打たれ強かっただけですね」と評し、ムカついた理由について聞かれると「格闘技の本質を思い出してほしいですね。盛り上げて、それだけじゃダメなんですよ。僕的には絶望を与えることがテーマでした。皇治さんを応援している人は、皇治さんに希望を乗せていたと思いますけど、そうじゃないんですよね。温度差を見せつけたいと思って試合しました。皇治選手が立ってただけで凄いと言われますけど、そこじゃないんですよ。試合が成立していないんですよ。試合前から皇治選手が立っていられるかとか言われていましたけど、そこに腹が立ちましたね」とコメントした。またボクシング転向については「期限を決めないとなあなあになる」としつつも「(発言が放送で)使われちゃったけど、そこはあまり掘り下げて欲しくないです。時が来たら発表します」と慎重だった。なお、試合前に予告した「スペシャルな技」は出せなかったといい、最後のドロップキックはそれとは違い、最近のYouTubeでプロレスラーの清宮海斗に教わったものだったという。
皇治は「ファイターとして反省します。今日は珍しく悔しいです。『よく倒れなかったね』と言われましたけど、そこは目標にしていないですよ」と話しつつも「武尊戦とか去年11月の(川原との)試合みたいに記憶は飛ばなかったです。スピードがズバ抜けて速かったですけど、パンチとか蹴りは全然強くないですよ」と天心を評し、武尊との比較を聞かれると「武尊のほうが強いですよ。武尊は一切逃げていないと思うんで。いつかやってくれたらいいですよね。そういうことを天心に話しました」と語った。
RIZINの榊原信行CEOは大会後の総括で、今後の展望について「大晦日まで何もないというのはちょっと寂しいなと。その前に新機軸となるようなチャレンジを今年中にしておきたいです。10月の早いタイミングには発表したいです」「大晦日はまだ決めていないです。今日は5000人、満員札止めでした。このままの規制が続くなら、30、31日と5000人ずつ2日続けてやります。上限が無くなるなら、さいたまスーパーアリーナのスタジアムバージョンなら本来4万入りますから、半分の2万人にすることも考えます。政府や地方自治体の方針を待ちたいです」と話した。
(9月29日追記:大会の模様はフジテレビで当日夜20時から21時54分に放送され、関東地方の平均視聴率は6.2%、瞬間最高視聴率は生中継された天心 vs. 皇治の21時過ぎの8.9%だった。いずれもビデオリサーチ調べ)
第10試合 MMAルール(肘有り) 61kg契約(バンタム級相当・ノンタイトル戦) 5分3R
○朝倉 海(トライフォース赤坂/RIZINバンタム級王者、元THE OUTSIDER 55-60kg級王者)
×昇侍[しょうじ](トイカツ道場/元パンクラス・ライト級王者)
1R 2’37” KO (顔面への左膝蹴り)
朝倉兄弟の弟・海は、8月10日の横浜大会で扇久保博正に1R TKO勝ちし、RIZINバンタム級王座を獲得し、1カ月半間隔での試合に。
対する昇侍はRIZIN初参戦。06年にプロデビューしキャリア15年目となる37歳のベテラン。08年にパンクラスでライト級王座を獲得し、同年にはDREAMにも出場し山崎剛に判定負け。その後はDEEPを主戦場に王座戦線で活躍。途中、約4年のブランクもあったが、17年にGRACHANで復帰後はコンスタントに試合をこなす。近年はDEEPのバンタム級で戦っており、最近では8月23日のDEEPでCOROに3R終了間際の左フックでKO勝ちし、現在2連勝中。海よりも短い試合スパンだが、キャリア最大の一番のオファーを受けた。
1R、昇侍が圧力をかけるが、海は左ジャブを突きつつ回って距離を取り、左インローを着実にヒット。左ハイ、右ストレートも随所で当て、主導権を握る。すると中盤、昇侍の右フックのカウンターで海が右ストレートをヒット。止まった昇侍に、すぐさま海が右ストレートをすぐさま追撃してダウンを奪う。海は倒れた昇侍の顔に左膝を当て、最後にサッカーボールキックを当てようとしたところでレフェリーがストップした。
海は「今、コロナで大変で、日本中いいことないですけど、僕の戦いで少しでも盛り上げられてと思って戦いました。昇侍選手も急なオファーで対戦してくれて感謝しています。これからも格闘技の魅力を伝えていきます」と話した後、「あともう一つ最後、大事なんですけど、YouTubeのチャンネル登録お願いします」とアピールし、場内を和ませた。
第9試合 MMAルール(肘有り) 71kg契約(ライト級相当) 5分3R
○武田光司(BRAVE/DEEPライト級王者)
×川名雄生(Y&K MMA ACADEMY/修斗ライト級世界王者)
判定2-1 (松宮=武田/田澤=川名/長瀬=武田)
武田は18年10月のDEEPで北岡に勝利しDEEPライト級王座を獲得。昨年4月にRIZINに初参戦し、ダミアン・ブラウンに判定負けし、プロ9戦目で初黒星を喫した。川名はRIZIN初参戦。ZST、米国のPFLで経験を積み、7月の修斗大阪大会での修斗ライト級世界王座決定戦でキャプテン☆アフリカを1R KOし王者になったばかりだ。
1R、武田がサウスポー、川名がオーソドックスに構え、パンチをお互いヒットするが、お互いひるまず。終了間際、川名が押し込み、武田が耐える状態が続く。2Rも基本的に同じ構図で、五分の打撃戦が続く。
3R、中盤まで川名がパンチのヒット数でやや上回るが、終盤は武田がヒット数で盛り返し、川名も随所で返し、差のほとんどないまま終了。記者採点も困難な試合となり、ジャッジも割れたが、武田が2票を獲得し勝者となった。ほぼ引き分けに近い内容で、両者とも他のライト級勢との顔合わせに今後期待したい。
第8試合 MMAルール(肘有り) 71kg契約(ライト級相当) 5分3R
○久米鷹介(ALIVE/パンクラス・ライト級王者)
×北岡 悟(ロータス世田谷/パンクラスイズム横浜/元DEEP&戦極ライト級王者)
判定2-1 (松宮=久米/片岡=北岡/田澤=久米)
久米は昨年4月、パンクラスでライト級王座を獲得。10月のONE Championship両国大会でのパンクラスと修斗の王者対抗戦に出場し、修斗世界王者(当時)の松本光史に判定勝ちし、今回RIZINに初参戦する。北岡は7月に自身が主催したiSMOS.1でZSTライト級王者の小金翔と対戦。終始金網に押し付ける展開で優位に進めるも、規定により時間切れドローとなっている。
1R、序盤から北岡が右ストレートを当ててから組み付いて、倒してハーフで押さえ続ける。中盤、久米がスタンドに戻すと、右フックを当てて北岡をふらつかせる。だが終盤、久米が組み付くと、北岡が引き込んでギロチンを極め、久米を追い詰める。
2R、久米が圧をかけパンチを振るい、北岡が下がって久米がコーナーに押し込み、和田レフェリーがブレイクする展開が繰り返される。終盤は久米の右フックも当たり、北岡は苦しい展開に。
3Rも同じように久米が右フックをヒットし、押し込む展開を繰り返す。北岡も倒れ際にギロチンを狙うが、極まりは浅く、久米が押さえ続け、最後も久米が右フックを当てる等して優位を維持し終了。記者採点は久米。北岡も1R最後のギロチンでフィニッシュに近づいたためジャッジは割れたが、2者がパンチで優位な場面を度々作った久米を支持した。
第7試合 キックルール(つかんでからの攻撃は1回) 60kg契約 3分3R
×北川裕紀(ZERO ONE GYM/シュートボクシング日本スーパーフェザー級(60kg)3位)
○平塚大士(チームドラゴン)
2R 0’27” KO (左フック)
第6試合 MMAルール(肘有り) 61kg契約(バンタム級相当) 5分3R
×金太郎(パンクラス大阪稲垣組/パンクラス・バンタム級3位)
○瀧澤謙太(フリー/パンクラス・バンタム級2位)※EXFIGHTから所属変更
判定1-2 (和田=瀧澤/松宮=金太郎/片岡=和田)
両者とも長年、パンクラスを主戦場とし、昨年王座に挑戦した点で共通。昨年3月、瀧澤が当時のバンタム級暫定王者・ハファエル・シウバに挑戦したが、序盤からテイクダウンを奪われ、1R裸絞めで一本負け。翌月、石渡伸太郎の王座返上でハファエルが正規王者となり、7月に金太郎がハファエルに挑戦し、1Rに肘とパウンドで追い詰めたが、2Rに肩固めで一本負けしている。
その後、瀧澤は11月のパンクラスで修斗のランカーの石井逸人に3R飛び膝蹴りでTKO勝ち。金太郎は今年2月の浜松大会でRIZINに初参戦し、修斗のランカーの加藤ケンジに1R裸絞めで一本勝ちしている。同じ日に新木場スタジオコーストでパンクラスが行われる中、RIZINの舞台でパンクラスのランカー同士が対戦した。
金太郎は入れ墨を隠すためか、ラッシュガードを着用して試合をする。1R、金太郎がサウスポー、瀧澤がオーソドックスに構え、お互いミドル、ストレートを当てるが、均衡状態は崩れない。瀧澤が終盤攻撃を増やすが、まだ金太郎も攻撃を返している。2Rも基本的に同じ状態で、瀧澤が右ハイ、金太郎が左ストレートをクリーンヒットする場面もあるが、すぐ均衡状態に戻る。
3R、両者とも勝負に出て手数を上げると、瀧澤が右テンカオを効かせつつ、パンチの連打で金太郎を追い詰める。金太郎は耐え、タックルで倒して上になる。瀧澤は立ち、金太郎はコーナー際で組んでテイクダウンを狙い続けるが、倒せず終了。記者採点は3Rにパンチで攻め込んだ瀧澤。ジャッジ2者が順当に瀧澤を支持し、瀧澤がパンクラスランカー対決を制した。
第5試合 MMAルール(肘有り) 女子53kg契約(ストロー級相当) 5分3R
○RENA(シーザージム/シュートボクシング女子世界フライ級(51kg)王者)
×富松恵美(パラエストラ松戸/元DEEP JEWELSストロー級(52.2kg)暫定王者)
判定3-0 (片岡=RENA/松宮=RENA/和田=RENA)
RENAは昨年大晦日のRIZINでリンジー・ヴァンザントに3R TKO勝ちし、ヴァンザントへのリベンジに成功して以来の試合。
富松はRIZIN初参戦。朝倉海と戦う昇侍同様プロデビューは06年で年齢は38歳。DEEP JEWELSを主戦場とし、14年にはDEEP JEWELSストロー級暫定王座を獲得。同年大晦日のDEEPさいたまスーパーアリーナ大会にも出場し、藤野恵実に判定負けしている。昨年10月にはRIZINにも出場した前澤智の持つDEEP JEWELSアトム級王座に挑戦したが判定負けしている。
1R、終始スタンドの攻防。RENAが圧力をかけ、積極的に右のパンチを振るうが、富松は回って距離を取り続け、まだRENAの射程距離に入らない。お互い慎重なラウンドで終わる。
2R、富松が組み付き、中盤にテイクダウンに成功すると、マウント、バックと移行し、裸絞めを狙うが、極めの形にはできない。RENAは対処して下に落とし、最後はパウンドを放つが、そこまでの劣勢をはねのける展開には持ち込めずラウンドが終了する。
3R、富松がタックルで倒しにかかると、切ったRENAは足をロープの外に出してしまい、コーナー際で脱出しにくい状況に。富松は顔面に膝を当てる。RENAは中盤に脱出すると、顔面とボディへのパンチの連打で富松を追い詰める。終盤、富松は力なくタックルを繰り返してそのまま寝る、猪木アリ状態が繰り返され終了。記者採点は3Rに富松をパンチで追い詰めたRENA。ジャッジ3者もRENAを支持しRENAの判定勝ちとなったが、直前のオファーの影響もあってか、精彩の欠くファイトとなってしまった。
RENAは「RIZINで5年間お世話になり、厳しい時期を経験させていただきましたが、あと2・3試合で、このリングから降りようと思っています」と表明した。
第4試合 MMAルール(肘有り) 66kg契約(フェザー級相当) 5分3R
○芦田崇宏(BRAVE/元DEEPフェザー級王者)
×萩原京平(SMOKER GYM)
1R 4’25” アームロック
朝倉未来を軸に初代王座争いが計画されているフェザー級相当の試合。萩原は8月のRIZIN.22でRIZINに初参戦し、白川陸斗にTKO勝ちし、高い打撃センスを印象付けた。芦田は昨年末にRIZINの協力で開催されたBELLATOR JAPANに出場し、キックルールで平本蓮に敗れており、今回は本職のMMAルールでRIZINに初登場した。
1R、芦田が序盤からタックルで倒し、コーナー際で上に。萩原は下になったまま対処できない。芦田がマウントを狙ったタイミングで、萩原は脱出して上になるが、芦田は落ち着いて下になりながら足を登らせ、三角絞めを狙う。芦田はそこからオモプラッタに近い形に足を動かし、アームロックを極めてタップを奪った。
格の違いを見せつけた芦田は、マイクを持つと「ユーチューバーだろうがキックボクサーだろうが誰でもやるんで、大晦日よろしくお願いします」と、対・未来を意識するようなアピールをした。
第3試合 MMAルール(肘有り) 120kg契約(ヘビー級相当) 3分3R
○スダリオ剛(フリー/112.85kg)※貴ノ富士 改め
×ディラン・ジェイムス(ニュージーランド/ランズエンドプロレスリング/107.65kg)
1R 終了時 TKO (ドクターストップ:顔面の骨折)
スダリオは大相撲の元十両・貴ノ富士で23歳。父は日本人、母はフィリピン人で、スダリオは母方の姓。昨年9月に付け人への2度目の暴力行為が発覚し大相撲引退につながり、10月11日に引退届を提出。今年7月にMMA転向を表明していた。MMAはKIDのMMA転向直後の指導者でもあったエンセン井上氏に学んでいる。
ディラン・ジェイムスは全日本プロレスで活躍するニュージーランド人プロレスラーで29歳。中学・高校時代にアマチュアレスリングを経験している。両者ともMMAデビュー戦。ジェイムスはスダリオと違って特段MMA指向というわけではないようだ。
試合時間は3分3Rと短めの設定に。1R、パンチの打ち合いの後、ジェイムスがタックルを仕掛けると、スダリオは潰し、がぶりの状態から膝を当て続け、最後は上からパウンドと肘を連打して追い詰める。ジェイムスは鼻血を出す。すると2R開始前のドクターチェックでストップがかかり、スダリオの勝利となった。主催者発表によると顔面の骨折でのドクターストップだという。
第2試合 キックルール(つかんでからの攻撃は1回) 55kg契約 3分3R
○江幡 睦[むつき](伊原道場本部/WKBA世界スーパーバンタム級王者)
×良星[らすた](平井道場/RISEバンタム級1位、元Bigbangスーパーバンタム級王者)
判定3-0 (和田30-26/片岡30-26/豊永30-26)
江幡睦は江幡塁の双子の兄で新日本キック所属。昨年10月まで過去4度、ムエタイの2大王座の1つであるラジャダムナン王座に挑戦し、いずれも敗れている。近年、塁はRIZINやKNOCK OUT等の他団体に比較的上がるようになったが、睦も後を追うように打倒ムエタイ路線から一旦シフトチェンジし、他団体に進出する。
良星はBigbangの元王者で、現在はRISEを主戦場とする。RISEの11月1日のエディオンアリーナ大阪第1競技場大会でのDEAD OR ALIVE 2020 -55kgトーナメント一回戦で志朗と戦うことが決まっており、同じトーナメントには江幡塁も出場する。良星は約1か月間隔で最大3試合を行うハードスケジュールとなる。
1R、序盤から良星が前に出て、勢いよく右フックを振るうが、振りが大きくほとんど睦に読まれ続ける。逆に睦は正確に右ストレートを当て続け、終盤に右ストレートで2ダウンを奪う。2Rも基本的に同じ構図で、良星も何発か当てるが、後が続かず、睦が正確に当て続け、やや優位な状態を保つ。
3Rも良星は積極的に攻めるが、大振りの攻撃が続き、睦がしっかり読んで左ミドル、膝、右ストレートを随所で当て、反撃を許さず終了。文句無しの判定勝ちとなった。
第1試合 MMAルール 71kg契約(ライト級相当) 5分3R
×矢地祐介(KRAZY BEE/元修斗環太平洋&PXCフェザー級王者)
○大原樹里(KIBAマーシャルアーツクラブ)
判定1-2 (片岡=大原/長瀬=矢地/田澤=大原)
矢地は8月9日のRIZIN.22でホベルト・サトシ・ソウザのマウントパンチで1R TKO負けし、1か月半の間隔で早くも次戦へ。大原はDEEPを主戦場にしてきた選手で、DEEPで2度王座挑戦経験があるがいずれも敗れ、昨年12月にはライト級王者の武田光司に一本負けした。今年8月のDEEPでは、蹴り上げからのグラウンドパンチで鈴木啄仁にわずか57秒でTKO勝ちし、RIZIN初参戦につなげた。
1R、矢地がサウスポーからの左ミドルを積極的に当てていたが、少しずつ大原がタイミングを合わせて右ストレート、右ミドルを当てていると、矢地は中盤後退。大原がパンチの連打からの右飛び膝でダウンさせる。大原は上からパウンドを連打。矢地は眉間から大量に出血しピンチに陥る。
だが大原が仕留めきれずにいると、2R、勢いが落ち、矢地が距離を取って左ストレートを当て続け、大原に反撃。終盤には左ストレートでダウンさせ、サッカーボールキックも当て、大原を追い詰める。
3R、スタンドの攻防が続き、両者消耗が激しく決定打が出せない状態が続く。すると残り1分、矢地がタックルで倒し上になり、マウントを取ろうとして最後の勝負に出たが、大原が返して上になると、パウンドの連打で矢地を追い詰め、最後に好印象を残して終了。記者採点は2度フィニッシュのチャンスを作った大原。2Rも矢地がフィニッシュのチャンスを作ったため判定は割れたが、2者が大原を支持し、大原が判定勝ちした。