皇治、K-1離れRIZIN参戦「モタモタしているなら、先に天心をブったろう思いますね」
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RIZINの記者会見が7月18日、東京・目黒のホテル雅叙園で行われ、K-1を主戦場にしてきた皇治(TEAM ONE/ISKA K-1ルール世界ライト級(61kg)王者)の参戦が発表された。皇治は「家買える」ぐらいの違約金をK-1側に支払って契約を解除し、RIZINへの参戦を決めたという。RIZIN再開2デイズの初日となる「RIZIN.22」(8月9日(日) 横浜ぴあアリーナMM)に那須川天心が怪我で出場できなくなったことから、RIZINの榊原信行CEOは早速、皇治に出場を公開オファーした。
皇治は18年12月のK-1大阪大会での武尊戦後あたりから「格闘技界を盛り上げたい」という思いの元、他団体との対抗戦を熱望。違約金を払って契約を解除してでも他団体勢と戦いたいという考えは常に公言しており、それをついに実行に移した。(※昨年10月の皇治のブログ参照)
RIZINの会見に皇治は、スーツケースを引きずりながら登場。「旅行先、間違えた。あれ?K-1の会見ちゃうの?」と冒頭からボケをかまし「いつも隣にミヤちゃん(=宮田充・元K-1プロデューサー)がいるけど、ミヤちゃんに変わってバラちゃん(=榊原氏)やから緊張するわ」と、大阪弁で物怖じせず軽妙に話し、さっそく皇治ワールドをRIZINに持ち込む。(下写真はK-1の広報誌K-STYLESの武尊と皇治が表紙になった号を榊原氏への土産として渡した皇治)
だが皇治自身の不退転の決意は真剣だ。「ここでこうやって俺が一丁前に喋れているのはK-1のおかげです。本当はK-1選手としてここ来たかったけど、野球でセ・リーグからパ・リーグに簡単に行けないのと一緒で、そこについてK-1に文句は無いです。なんで違約金を払って、31歳にもなってK-1から出たかというと、ファンが大切やからです。ここに来たのは武尊対天心ですね。どこが悪いとかという話じゃなく、アイツらに(戦えないことに)後悔して欲しくなくて、微力でも貢献できたらと思いました」と、移籍を決意した思いや狙いを語った。
皇治によるとK-1との契約は「タケポン(=武尊)とやったときぐらい」から3年契約だったといい、約1年半契約期間が残っていたことになる。違約金の金額は不明だが「家買えるんちゃうかな」「東京で」という額だという。「コロナがこんなに騒ぎなる前にK-1から抜けて、そこからRIZINさんとの話でした。K-1とも円満で喧嘩していないです」と説明し、「今日、旅行バッグを持って来たのは、RIZINでやることやって、またいつかK-1に戻ってK-1で引退できたらと思っているから」「K-1が悪いんちゃいますよ。記者さんも『皇治、K-1愛を語る』と見出しで書いてください」と、“K-1愛”を強調した。
皇治のRIZIN参戦の経緯について、榊原氏は囲み取材で「僕らは選手を抜いた、抜かれたということはしたくない。5月後半に皇治選手の弁護士を通じ、K-1さんとの契約はクリアできていると聞いていました。交渉の事前に、K-1サイドにも『こういう話が来ていますけど進めていいですか』と確認しましたし、今日発表をしていいかもK-1さんに確認し『全く問題無いです』『皇治選手の活躍を期待しています』という一言ももらいました」と説明し、K-1サイドへの配慮を強調。会見中に皇治の口から武尊と天心の話が出た後も「武尊天心について軽々に僕の立場から言うと(対戦実現を)遠ざけることになる」とフォローも忘れなかった。
皇治のRIZIN初戦について榊原氏は「8月16日の(皇治の地元の大阪の)大阪城ホール大会でメインを張ることになっていましたが、大阪大会ができなくなった」ことから「8月9日のメインかセミかに出て欲しいです」と公開オファー。「天心に9日の大会にオファーしていましたが、拳を痛めていまして(※天心のツイートでは右手首)、昨日MRIの診断結果が出て、全治6週間とわかり、参戦を断念することになりました。ピンチのRIZINのために、ここは頭を下げて、男を見せて欲しいなと思います」と皇治に出場を依頼した。
皇治は即答を避けたが、早くRIZINで試合をしたい思いは強い様子。実際にRIZINで何をやりたいかを聞くと「K-1にいる時から変わらないですけど、目立ってる奴、ブったろうって感じですね。タケポンと天心がモタモタしているなら、先に天心をブったろう思ってますし。勝敗予想なんかはどうでもいいんです。RIZINは『そことそこやらすか?』という試合を組むから面白いんで、寝技・立ち技、関係なく俺が盛り上げたいですね。ベッピン相手やったら寝技しますよ」とジョークを交えながら答えた。
近年は大阪から上京し、K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフを練習拠点にしていたが、K-1離脱と共に離れ、現在はシルバーウルフOBの左右田泰臣氏が運営するフィットネスジムで練習している。内山高志氏の元でのボクシングトレーニングは続けており「内山兄貴にはずっと教わっているんで、ダイナマイトパンチをRIZINで見せます。内山兄貴をRIZINに出したら盛り上がるでしょ」と話すと、榊原氏が「ここだけの話ですけど、オファーしたことがあります」と答える一幕もあった。