K-1 12.8 エディオンアリーナ大阪:皇治圧倒の武尊、那須川天心戦を「実現させるだけじゃなくて、僕は勝つ気でいます」。林健太、ライト級トーナメント優勝。野杁正明、ピケオーに宣戦布告
K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K-1ライト級世界最強決定トーナメント~
2018年12月8日(土) エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)第1競技場
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
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レポート:井原芳徳 写真提供: (C)M-1 Sports Media
スーパーファイト
第14試合 K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級(60kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者、元バンタム級&フェザー級王者/60.0kg)
×皇治(TEAM ONE/挑戦者、ISKA K-1ルール世界ライト級王者/60.0kg)
判定3-0 (西村30-25/岡田30-25/山根30-25)
※武尊が初防衛
2014年11月3日からスタートしたM-1スポーツメディア主催のK-1が、K-1発祥の地ともいえる大阪で初開催された。そのメインイベントでは現K-1のエース・武尊が、地元大阪府池田市出身で人気上昇中の皇治を相手に、スーパー・フェザー級王座の初防衛戦を行った。
武尊は今年からスーパー・フェザー級に階級をアップ。大雅の王座はく奪で急きょ3月のさいたま大会で開催された王座決定トーナメントで、スタウロス・エグザコスティディス、郷州征宜、小宮山工介を下して優勝した。同じトーナメント一回戦で、武尊の先輩で元同級王者の卜部弘嵩に判定勝ちしていたのが皇治。トーナメント前の会見から再三、武尊を「タケポン」と呼ぶ等して挑発し続け、大阪大会の開催が3月に発表されて以降、大阪での武尊との決戦を熱望。9月のさいたま大会ではスタウロスと対戦し、苦戦の末に延長判定勝ちを果たし、武尊もダニエル・ピュータスに1R KO勝ちし、連勝を30の大台の乗せると、「決まったら皇治の地元でぶっ潰します」と宣言した。
10月13日に大阪での会見で対戦が正式発表されると、前売りチケットは即完売に。11月3日のさいたま大会のリング上でも公開調印式が行われ、公開練習、前日計量でも舌戦を展開してきた。
一方で武尊は9月の試合前に渡米し、元UFC王者のリョート・マチダの元で練習し、自身の原点である空手の技術の重要性を再確認。皇治も今年に入ってから上京し、K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフの大宮司進トレーナーの元で猛特訓。両者とも舌戦だけで終わらず、リングの中での戦いで全てを示す思いで共通している。
この日のエディオンアリーナ大阪の入場者数は主催者発表で8千人・超満員札止め。皇治はそのうち4分の1となる約2千枚のチケットを一人で手売りしたといい、場内は皇治への声援のほうが大きく、武尊が珍しくアウェーのような雰囲気となる。1R、開始すぐから皇治は圧力をかけるが、武尊は落ち着いた様子で左ミドル、バックスピンキック、右テンカオを当て続ける。左ジャブを当てると皇治はのけぞり、右ボディ、テンカオもヒットが増える。皇治もパンチを返すが当たりは浅い。そして40秒過ぎ、武尊が右テンカオを効かせた後、再び右テンカオを放ち、これをフェイントにしながら、後退した皇治に右フックを当ててダウンを奪う。記者採点10-8で武尊。
2R、皇治はパンチの連打から左ハイにつなげるが、武尊は防御して笑顔。それでも果敢に皇治はパンチを振るい、左フック、左ボディを返す。武尊は下がらず圧力をかけ続け、左右のテンカオ、左右のフックをヒットし続ける。終盤の打ち合いで皇治も当てるが、武尊が右フックの連打で皇治をコーナーまで下がらせる。記者採点10-9で武尊。
3R、武尊が左テンカオを当てると、皇治は右フックを返すが、武尊は笑顔を浮かべ、パンチッラッシュでフラつかせ、スタンディングダウンを奪う。武尊はパンチを当て続けるが、皇治も地元ファンの声援を受けて意地を見せて、耐えてパンチを時折返す。場内は歓声と悲鳴に包まれる中、リング中央で殴り合い終了。ゴングが鳴ると武尊は笑顔でコーナーに登って喜ぶ。結果が告げられると、両者握手しお互いを認め合う。皇治は涙を浮かべつつ、観客に頭を下げて退場した。
マイクを持った武尊は「新生K-1初の大阪大会にご来場いただき、ありがとございました。いつもの東京の会場と違って、大阪の熱は違いましたけど好きになりました。皇治選手の応援が大きかったけど、僕のパワーになりました。試合前、色々言い合いましたけど、皇治選手の実力があるのもわかっていたので、3階級を取った3月のトーナメントと同じ追い込み時間を過ごして挑みました。完璧に仕上げた僕と戦って、ここまで粘られたのは初めてです。皇治選手の気持ちを感じて、やる前よりもリスペクトが上がりました。皇治選手の僕に勝ちたいだけじゃなく、K-1を盛り上げたい、格闘技界を盛り上げたい気持ちを、殴り合って感じたので、僕がそれを実行しないといけない立場だと思っているし、ずっと言い続けてきたんで…」と話す。
そして「やっぱり団体の壁とか色々あるんですけど…」と話し始めると、場内は空気が変わってどよめき、「天心!」という声も飛ぶ。武尊は名前こそ口に出さなかったが、長らく対戦が待望されている那須川天心のことを意識し、こうマイクで話した。
「正直わかってますよ。正直、実現するのは滅茶苦茶難しいことなんですよ。(「天心とやれ」いう声に)わかってますよ。全く実現できない状況でそのことを発言したら、ファンの人たちのことを裏切ることになってしまうんで、僕は中途半端なことは口にしたくないんですよ。格闘技界を背負う、変えるとずっと言っているんで、時期はわからないですけど、僕は必ず実現させようと思っているんで(場内拍手)。そして実現させるだけじゃなくて、僕は勝つ気でいます。そして、ずっと僕が言っている、K-1最高、K-1最強を僕が証明するんで。これからも皆さん、来年も再来年もK-1についてきてください。絶対に損はさせません。これからも応援お願いします。K-1最高!」
第12試合 スーパー・バンタム級(55kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○武居由樹(POWER OF DREAM/K-1 WORLD GP王者)
×ヨーブアデーン・フェアテックス [Yodbuadaeng Fairtex](タイ/元ラジャダムナン認定ミニフライ級王者・現バンタム級)
4R 判定3-0 岡田10-9/伊藤10-9/太田10-9)
3R 判定1-1 (岡田30-30/伊藤29-30/太田30-29)
13連勝・4連続KO勝ち中の武居と対戦するヨーブアデーンは初参戦。16年8月の新日本キックで瀧澤博人と対戦し左肘による右まぶたのカットで3R 終了時 TKO勝ちしている。構えは武居と同じサウスポーで、ヨーブアデーンの強烈な左の蹴りで苦しむことになる。
1R、ヨーブアデーンは伸びのある左ロー、ミドルを度々ヒット。武居はまだ距離が遠く慎重なファイトに。左ミドル、右ボディを少し当てるが、当たりは浅く攻め辛そうだ。記者採点10-10。
2R、ヨーブアデーンはムエタイ式でこのラウンドから積極性を増すが、距離が縮むと、武居は左ボディと顔面へのパンチの連打を決めるように。中盤には右フックと左ミドルを連打すると、一瞬ヨーブアデーンが膝をつく。ヨーブアデーンが左ローを当てると、武居も少しバランスを崩し、スリリングな展開に。武居は右ボディ、右アッパーを当てるが、ヨーブアデーンは耐える。記者採点10-10。
3R、ヨーブアデーンは執拗に左ローをヒット。左ミドルのヒットも増やす。武居はひるまないものの、攻撃がなかなか出せず、パンチもなかなかうまく当てられない。残り1分、武居が右ボディ右アッパーを当てるが、ヨーブアデーンは耐える。終盤にはヨーブアデーンが左ミドルを連続でヒットする。記者採点は10-10としたが、9-10でヨーブアデーンとつけられても不思議ではない内容だ。
記者採点は30-30。ジャッジは三者三様で延長へ。武居はボディ狙いでパンチを連打するが、ヨーブアデーンはひるまず、重みのある左ミドルを着実にお返しする。だが中盤過ぎ、武居が左ボディを当てると、少しヨーブアデーンは苦しそうな表情を浮かべるように。武居は左ミドルを当て返し、右アッパーも当ててヨーブアデーンを下がらせる。記者採点は10-9で武居。ジャッジ3者も同様で、武居は判定勝ちしたものの、苦戦したため笑顔は無かった。
マイクを持った武居は「足立区から来た武居由樹です。ヨーブアデーン選手、本当に強くて、もっと強くなって出直します。ヨーブアデーン選手、ありがとうございました。大阪大会、初めて来たんですけど、楽しく試合ができました。3月、K’FESTA(さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ大会)があるので来てください」と、さわやかにアピールした。ヨーブアデーンは敗れはしたが、クリンチや蹴り足キャッチといった反則が少なく、K-1ルール向きの選手で、今後も引き続き参戦すれば、日本勢の好敵手となりそうだ。
第11試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○野杁正明(K-1 GYM EBISU FREE HAWK/元K-1 WORLD GPスーパー・ライト級(65kg)王者)
×松岡 力(K-1ジム五反田チームキングス)
1R 1’57” KO (右フック)
野杁はスーパー・ライト級王座を返上し階級アップ。ウェルター級では久保優太が王座を保持し、城戸康裕が挑戦権を持っているが、スーパー・ウェルター級からジョーダン・ピケオーも階級を下げて参入し、11月大会で木村“フィリップ”ミノルをKOしており、混沌とした状態となっている。
1R、野杁がローを当てつつ、じわじわプレッシャーをかけ、左ジャブを効かせると、接近戦で右フックを2連続でクリーンヒットしダウンを奪う。松岡は腰から崩れ落ち、ダメージが大きい。野杁はさらに左ジャブを連打した後、右のショートフックをクリーンヒット。松岡が再びダウンすると、山根レフェリーはすぐにストップした。
圧巻の勝利の野杁はマイクを持つと「僕はウェルター級に階級を上げましたけど、今、久保選手、ピケオー選手、城戸選手がいて盛り上がっています。来年3月のK’FESTA、誰と見たいですか?久保選手も強いですけど、チャンピオンよりも強いと思っているピケオー選手とやりたいです。(対日本人無敗の)ピケオー倒せるのは僕しかいないです。決定でお願いします」とアピールした。
第10試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushライト級&スーパー・ライト級王者)
○安保瑠輝也(team ALL-WIN)
4R 0’14” KO (左ハイキック)
3R 判定0-0 (伊藤28-28/山根28-28/岡田28-28)
山崎はゴンナパー、ゲーオとの戦いで左膝を痛め長期欠場し、6月大会で1年2か月ぶりに復帰し、中澤純に判定勝ち。11月のスーパー・ライト級王座決定トーナメントは左膝のコンディションを考慮し辞退していた。今回は故郷の京都の隣の大阪での試合で気合が入る。
安保兄弟の兄・瑠輝也は兵庫出身。今年に入って神奈川のTRY HARD GYMを離れて関西に戻り、大阪で弟の璃紅と共にALL-WINジムをスタート。今回の試合からスーパー・ライト級に階級を上げるが、180cmとこの階級でも長身で、山崎を見下ろす形となる。
1R、瑠輝也はいつもと逆にサウスポーに構え、左ロー、関節蹴りを山崎の古傷のある左膝に当てる。山崎は詰めてパンチラッシュで攻めるが、瑠輝也はロープを背にしてかわし、左フックでダウンを奪う。記者採点8-10で瑠輝也。
2Rも瑠輝也は左インローをヒット。左ハイ、ミドルも当ててから詰め、左フックを振り回す。山崎もパンチを振り回すと、左フックでダウンを奪い返す。瑠輝也はダメージは小さい様子で、胴回し回転蹴りや左フックをヒット。逆に山崎は右瞼を腫らして痛々しい。記者採点10-8で山崎。
3R開始すぐに、山崎にドクターチェックが入る。再開し、山崎は必死にパンチを振るい、瑠輝也は前蹴り、ローを返す。なかなか均衡が崩れず、終盤に瑠輝也が右ストレート、左フックを当てるが、山崎は耐える。記者採点10-10。合計28-28でドロー。
延長に突入するが、開始すぐにいきなり結末が訪れる。瑠輝也はサウスポーからの左ハイをヒット。山崎はガードしていたが、右目が見えにくく、脳にダメージが溜まっていた影響か、そのままダウンする。西村レフェリーはすぐさまKOを宣告。延長Rは14秒でフィニッシュした。瑠輝也はこの勝利で、王者ゲーオとの一戦に大きく近づいたといえよう。
第7試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×安保璃紅(team ALL-WIN/元Krush王者)
○朝久泰央(朝久道場)
判定0-3 (山根26-30/山崎26-30/豊永28-30)
1R、朝久兄弟の弟・泰央が、スイッチしながら細かく動き、璃紅のパンチをかわし、ミドル、インロー、ストレートを着実に当てる。サウスポーからの左インローが効き目を発揮し、璃紅は少しバランスを崩すように。終了間際には左右のストレートも当てる。記者採点9-10で泰央。
2Rも泰央が的確の左インローを当て続け、顔面への前蹴りも当てるように。璃紅は踏ん張りが効かず、自らバランスを崩す場面も。泰央は左ローがローブローに3度なってしまい、芹沢レフェリーから警告が出される。記者採点9-10で泰央。
3Rも泰央が左ロー、左右のミドルを着実にヒット。璃紅はパンチが空を切り続ける。泰央は試合前に3R2分59秒で仕留めると公言していたが、終了間際に左ストレートでダウンを奪う。KOとならなかったが点差を広げる。記者採点8-10で泰央。合計26-30で泰央。ジャッジ2者も同じ点数をつけた。ローブローはあったものの、泰央が元Krush王者に完勝した。
第6試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
―玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元NJKFバンタム級王者)
―林 勇汰(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
1R 無効試合
1R、玖村が蹴り、林がパンチ主体の展開が続くが、林が左ボディで詰めた際にバッティングになり、玖村が右まぶたを大きく切りドクターストップがかかる。いったん山根レフェリーから林が勝ち名乗りを受けたが、有効打ではない上、1Rが終わっていないため、ノーコンテストに訂正された。
K-1 WORLD GP 2018ライト級(62.5kg)世界最強決定トーナメント
第2試合 一回戦(1) 3分3R(延長1R)
○林 健太(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangスーパーライト級王者)
×ニコラス・ギャフィー[Nicolas Gaffie](スペイン/マーベラ・ファイト・スクール)
判定2-1 (西村28-29/伊藤30-28/岡田30-29)
ギャフィーは初来日の22歳。戦績50戦45勝(13KO)5敗。1R、やや小柄なギャフィーがスイッチも時折しつつ、距離を取って回りながら、顔面とボディへのパンチの連打から右ローにつなぎ主導権を握る。林は圧力をかけ続け、左前蹴り、右テンカオを当てて少しずつダメージを与える。記者採点10-10。
2Rも同様な構図で、林はボディ狙いで攻撃を続けるが、なかなかギャフィーの動きが止まらない。林のヒット数が上ではあるが、まだ大差は無い。記者採点10-10。
3Rも同様だが、林が左ボディを当て、時折ギャフィーの動きを止め、やや優位な印象を残す。記者採点10-9で林。合計30-29で林。ジャッジは2-1で割れたが、林が手こずりながらも初戦を突破した。
第3試合 一回戦(2) 3分3R(延長1R)
○篠原悠人(DURGA/Krushスーパー・ライト級(65kg)王者)
×ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/Krushライト級(62.5kg)王者)
1R 0’25” KO (2ダウン:左フック)
1R開始すぐ、ゴンナパーがサウスポーから前に詰め、左ミドルを放ってくるが、篠原は下がらず、左ミドルに合わせて左フックを当ててダウンを奪う。狙いすました一撃でいきなりゴンナパーに大きなダメージを与えると、ゴンナパーは必死にパンチを連打してくるが、篠原はさらに左フックで2ダウン目を奪いKO勝ち。下馬評を覆し、篠原が無傷で初戦を突破した。
第4試合 一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○恭士郎(士魂村上塾/元Bigbangスーパーライト級王者)
×インディゴ・ボイド[Indigo Boyd](オーストラリア/ビースト・ファイト・クラブ)
3R 2’15” KO (2ダウン:右ストレート)
元々、ライト級王者の卜部功也が出場予定だったが、功也の負傷欠場で、リザーブファイトにエントリーしていた恭士郎が繰り上がりとなった。ボイドは初来日の25歳。戦績24戦16勝(4KO)6敗2分。
1R、近距離で両者打ち合う展開で、恭士郎が鋭い右ロー、左ボディを当て、ボイドは左右のミドル、上下のパンチで応戦する。記者採点10-10。
2Rも同様の構図だが、じわじわと恭士郎の攻撃が効き目を発揮し、終盤に右ストレートをクリーンヒットし追い詰める。記者採点10-9で恭士郎。コーナーに戻るボイドは苦しそうだ。
3Rも恭士郎が圧力をかけ続け、左ボディを効かせつつ、コーナーに詰めての右アッパーのダウンを奪う。最後はボイドの左ジャブをかわしてからの右ストレートをクリーンヒットし見事マットに沈めた。
第5試合 一回戦(4) 3分3R(延長1R)
○大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB)
×リュウ・ウェイ(中国/2015年中国英雄伝説-64kg級アジア王者)
判定2-0 (岡田30-29/豊永29-29/山根30-29)
ウェイは11年のKrushで当時Krushライト級王者の梶原龍児と対戦し判定負け。その後中国の大会で経験を積み、現在戦績は44戦31勝(18KO)12敗1分。身長180cmでなおかつサウスポーだ。
1R、ウェイはリーチを活かし、右ジャブ、右前蹴りを振りつつ、左ミドル、左テンカオをヒット。大沢も左ボディ、右ストレートを時折当てるが、終盤はロープを背負い続け手数が落ちてしまう。記者採点10-10。
2R、序盤こそ大沢が攻撃を返したが、リュウは圧力を落とさず、左ストレートのヒットを増やして大沢をぐらつかせる。だが大沢は耐えると、コーナーに詰めてのボディと顔面へのパンチ連打でリュウを追い詰め、リュウはマウスピースを吐き出して時間稼ぎをする。記者採点10-9で大沢。
3R、両者ともボディと顔面にパンチを当てるが、なかなか均衡が崩れないまま終了する。記者採点10-10。合計30-29で大沢。ジャッジ2者も大沢を支持し大沢の勝利となったが、大沢は首を振ってリュウに頭を下げ、抱え上げてリュウを称えた。
第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R)
×東本央貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○川崎真一朗(月心会ラスカルジム)
4R 判定0-3 (9-10/9-10/9-10)
3R 判定0-0 (28-28/28-28/28-28)
東本がサウスポー、川崎がオーソドックス。1Rに東本が左ストレートで1ダウンを奪うが、2R終盤、川崎がパンチの連打から左フックを当てて1ダウンを奪い返す。3Rも延長Rも接戦となるが、延長戦終盤に川崎が左右のストレートの連打をまとめて好印象を残し勝利した。
第8試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○林 健太(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangスーパーライト級王者)
×篠原悠人(DURGA/Krushスーパー・ライト級(65kg)王者)
1R 2’31” KO (2ダウン:右ストレート)
1R、篠原が左のフェイントからの右ストレートを序盤からヒット。右ボディも当てると、林が打ち合いに行き、お互いパンチを当てるように。やや篠原のヒットが多いが、少しずつ林のパンチを被弾していると下がり気味になり、林がコーナーに詰めて左ジャブを当ててから、左と右ストレートの連打でダウンを奪う。篠原はダメージが大きく、林が右ストレートで再びダウンを奪いKO勝ちし、決勝にコマを進めた。
第9試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×恭士郎(士魂村上塾/元Bigbangスーパーライト級王者)
○大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB)
2R 2’00” KO (2ダウン:右フック)
両者は今年3月のKrushで対戦し、大沢が延長戦の末に判定勝ちしている。1R、大沢はいつもと違ってサウスポーに構え、左ミドル、左テンカオをヒット。恭士郎は想定外だった様子で少し攻め辛そうだが、時折詰めて右ストレートを当てる。記者採点10-10。
2Rも大沢はサウスポーを貫き、左ミドル、右ボディアッパー、左ボディを執拗にヒット。ボディに意識を向けさせた後、顔面狙いの左膝蹴りでダウンを奪う。大沢はボディと顔面へのパンチラッシュ。右アッパーを連打した後、コーナーに詰めての右フックで恭士郎をマットに沈めた。
第13試合 決勝 3分3R(延長1R)
○林 健太(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangスーパーライト級王者)
×大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB)
3R 1’52” KO (右ストレート)
※林が優勝
決勝はおそらく誰もが予想しなかった組み合わせに。大沢は左まぶたを腫らし、左膝をテープで固め、ダメージが大きい様子だ。林も右まぶたを少し腫らしている。
1R、両者オーソドックスで構え、大沢は少し頭を沈めた後、飛び込んでの左フックで開始すぐからダウンを奪う。不意を打たれた林はダメージはさほど無く、苦笑いを浮かべる。大沢はガードを下げ、回って距離を取り、左右にパンチを散らす。記者採点8-10で大沢。
2R、林は圧力を強めてパンチを連打するが、大沢はブロックとステップで防御し、時折左フックを返す。中盤過ぎ、大沢は右フックを振って前に出るが、直後に林が打ち下ろしの右ストレートを当てると、大沢は膝をついてダウンをしてしまう。さらに林は右ストレートの連打で2ダウン目を奪取。大沢は足に力が入りきらないが、パンチ戦で逆転を狙う。記者採点は10-7で林。
3Rも大沢はパンチを連打するが、林が左ストレートでダウンを奪取する。大沢はダメージが大きいが試合は続行。大沢はパンチ戦で逆転を狙うがが、中盤過ぎ、リング中央で足が止まると、林が右ストレートをヒット。大沢の腰が落ちると、芹沢レフェリーがストップ。林は涙を流して大喜びした。
優勝した林は「人生でこんなに最高な日、無いです。皆さんの応援がなければ勝てなかったです。パンチ効いちゃってあんまりわかんないんで、バックステージでゆっくり喋ります」と、少しボーっとした様子でコメントした。
プレリミナリーファイト
第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×倉崎昌史(GET OVER)
○TETSU(月心会チーム侍)
判定0-3 (27-30/28-30/27-30)
※3R左フックで倉崎に1ダウン
第2試合 ライト級(62.5kg) 3分3R
○SEIYA(MAD MAX GYM/DEEP☆KICK -63kg級1位)
×鈴木孝司(K-1ジム蒲田チームキングス)
判定3-0 (30-29/30-28/30-27)
第1試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
△蒼士(昇龍會)
△黒田勇斗(隆拳塾)
判定1-1 (29-30/29-29/30-29)