K-1 6.17 さいたまスーパーアリーナ:村越優汰、第2代フェザー級王座決定トーナメント優勝し「武尊選手とやりたい」
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K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~第2代フェザー級王座決定トーナメント~
2018年6月17日(日) さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ
レポート&写真:井原芳徳
K-1 WORLD GP 第2代フェザー級(-57.5kg)王座決定トーナメント
第2試合 一回戦(1) 3分3R(延長1R)
×小澤海斗(K-1 GYM EBISU FREE HAWK/元Krushフェザー級王者/57.3kg)※K-1ジムEBISUからジム表記変更
○ホルヘ・バレラ [Jorge Varela/ジョージ・バレラ](スペイン/ジーザス・カベロ・チーム/WKL世界フェザー級王者、ISKA K-1ルール欧州フェザー級王者/57.2kg)
1R 2’57” KO (2ダウン:左フック)
16年11月の同級初代王座決定トーナメントでは武尊がジェイミー・ウィーラン、ユン・チー、小澤を破り優勝。武尊は3月21日のK’FESTA.1のスーパー・フェザー級王座決定トーナメントに出場し優勝。同時に2階級のベルトを持てない規約により、フェザー級王座を返上したため、今回の王座決定トーナメントが用意された。
小澤は初代王座決定トーナメントの後、西京に2連敗し、Krushフェザー級王座から陥落するが、2月のKrushで里見柚己を左ミドルで一撃KOし、復活の狼煙をあげた。
対するバレラは初来日。94年7月7日生まれの23歳、身長は小澤より8cm大きい173cm。戦績55戦48勝(8KO)7敗。昨年、WKL世界とISKA K-1ルール欧州のフェザー級王座を獲得している。
1R、小澤がサウスポーに構え、左ミドル、左ローを順調に当てていたが、時折放つバレラの右のパンチは重く伸びがある。小澤の蹴りの打ち終わりに、バレラが前にさっと詰め、右ストレートを当ててダウンを奪う。まだ小澤はダメージは小さく、その後も左ミドル、三日月蹴りを当て、時折バレラも顔をしかめていたが、終盤、小澤がバレラをロープに詰めた際、パンチを放ったバレラに対し、小澤が打ち合いに応じると、バレラの左フックを2連続で被弾し、腰が落ちダウン。累積2ダウンを喫し、規定によりKO負けとなった。
第3試合 一回戦(2) 3分3R(延長1R)
○村越優汰(湘南格闘クラブ/元RISEバンタム級(-55kg)王者/57.3kg)
×エリアス・マムーディ(フランス/マムーディジム/WPMF世界フェザー級王者/57.4kg)
4R 判定2-1 (山根8-7/西村8-7/伊藤7-8)
3R 判定1-1 (山根27-28/西村28-28/伊藤28-27)
村越はRISE時代に小笠原瑛作、工藤政英、駿太ら他団体の王座獲得経験者から勝利し、那須川天心とも2度対戦経験がある。昨年から階級を上げると共に、K-1 JAPAN GROUPに戦場を移し、12月に元INNOVATION王者の芦澤に判定勝ちしたが、3月のKrush -58kg(現在のフェザー級)タイトルマッチで西京に延長戦の末に判定負けした。
対するマムーディは16年11月の初代王座決定トーナメントで戸邊隆馬に一回戦で判定勝ちしたが、準決勝では小澤に判定負け。昨年4月のKrushでも西京に判定負けしたが、1月14日に20歳になったばかりとまだ若く、昨年はムエタイのWPMF世界フェザー級王座を獲得し、伸び盛りといえよう。
1R、村越がサウスポーからの左ミドルを当てて先手を取るが、長身のマムーディが回転系の蹴り技を3連続で放って圧力をかけ、右ストレートでダウンを奪う。村越のダメージは小さく、その後も左ミドル、三日月を当て続けるが、ダウンは奪い返せない。採点は8-10でマムーディ
2R、村越が左ミドルを当てていると、マムーディは口が開き勢いが落ち、強引にマムーディが右ストレートで突っ込んだタイミングで、村越が右フックを合わせてダウンを奪い返す。採点は10-8で村越で五分になる。
3R、マムーディは疲れながらも詰めてパンチを当て、村越は左ミドルを返し、なかなか差がつかない展開。若干マムーディの手数が多いが、村越も終盤に右フックを当てて少しマムーディをぐらつかせ挽回する。記者採点は10-10。合計28-28。ジャッジは三者三様で延長に突入する。
4R、村越の左ミドル、左ボディ、マムーディの右フック、右膝の攻防で、接戦が続くが、終盤、村越がマムーディの左の飛び膝に右フックを合わせてダウンを奪取。だが終了間際にマムーディも左ストレートでダウンを奪い返す。記者採点も悩んだが、8-7で正味の有効打が少し多かったと思われる村越。波乱の展開となり、またもジャッジが割れたが、2者が村越を支持し、辛うじて初戦突破を果たすことに成功した。
第4試合 一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○芦澤竜誠(K-1ジム総本部チームペガサス/元INNOVATIONフェザー級王者/57.5kg)
×シルビュー・ヴィデズ [Silviu Vitez](ルーマニア/ヴードゥー・ジム・マドリッド/57.1kg)
1R 1’28” KO (右ストレート)
芦澤は16年にINNOVATIONフェザー級王座を獲得後、山梨から上京してチームペガサスに移籍し、K-1 JAPAN GROUPの大会では3勝3敗1分と苦戦している。村越に敗れ、西京と同じKRESTの大岩龍矢、桝本“ゴリ”翔也にも敗れているが、引退覚悟で臨んだ3月のKrushで佐野天馬に判定勝ちした。
対するヴィデズは初来日の23歳。身長は芦澤より5cm低い170cm。戦績22戦19勝(12KO)無敗3分。タイのオープンフィンガーグローブ着用のムエタイでも勝利し、パンチ主体の選手だという
1R、ヴィデズがサウスポーに構え、左ストレートを時折当てる。芦澤もステップを使って距離を取りながら右ミドル、ローを返すが、ヴィデズが左ミドルを当ててから距離を詰めると一気に試合が動く。ヴィデズがパンチの連打から左膝を当てた後、芦澤が突き放し、ヴィデズがコーナーを背負う形になってしまうと、その隙を逃さず、芦澤が左と右のストレートを連打してダウンを奪う。ヴィデズは10カウントまでに立ち上がり、足取りや表情も問題無さそうだが、芹沢レフェリーはダメージがあると判断したか?1ダウン目ながらもストップ。やや釈然としないフィニッシュながらも、芦澤が初戦を短時間で突破した。
第5試合 一回戦(4) 3分3R(延長1R)
○西京春馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Krushフェザー級王者/57.5kg)
×朝久裕貴(朝久道場/武林風WLF -60kg級王者/57.0kg)
判定2-1 (西村29-28/山根28-29/伊藤30-29)
西京兄弟の兄・春馬は前王者・武尊と同じKREST所属の20歳で、マムーディと同じく最年少。K-1甲子園’15 -55kg優勝者で、武居、朝久泰央、小澤、村越に勝っている。
対する朝久兄弟の兄・裕貴は小澤、佐野、大滝に勝利。桝本には過去3度敗れ分が悪いが、K-1 JAPAN GROUPの9試合で敗れたのはその3試合のみ。一昨年から中国の武林風でも活躍し、ハビエル・エルナンデスも参戦した3月10日の武林風の-60kg級王座決定トーナメントで3勝し優勝。武林風からの推薦で、一回戦のいわば外国人枠でのエントリーとなった。
1R、両者サウスポーに構え、前に詰める朝久に対し、西京が回って距離を取りながら、左ストレート、左ボディをタイミング良くヒットする。朝久も左ミドル、ロー、バックハンドブローをお返しし、まだ大差をつけさせない。若干西京優位だが記者採点は10-10。
2Rも朝久が圧力をかけ続け、随所で鋭い左ローを当てる。西京はステップは変わらないものの、終盤になってようやくパンチが当たり出す状態で、少し手数が落ちてしまう。若干朝久優位だがまた大差は無いため記者採点は10-10。
3R、朝久はこれまで同様に左ローを当てつつ、途中からオーソドックスにスイッチすると、右ロー、ミドル、ハイ、左の顔面への前蹴りを当て好印象。終盤、西京も左ミドル、左ボディを当て巻き返すが、中盤の悪印象をぬぐえたかというと微妙なところだ。記者採点は9-10で僅差だが朝久。合計29-30で朝久。ジャッジも評価の難しさを反映するように割れ、西京が2票獲得し勝利。朝久は負けを告げられると首をかしげていた。
第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R)
×大滝裕太(ネクサスジム/57.4kg)
○江川優生(POWER OF DREAM/57.4kg)
1R 1’28” KO (2ダウン:左ボディフック)
これまでトーナメントの勝者がリタイアした場合、リタイアした選手の対戦相手が第1優先、リザーブファイトの勝者が第2優先だったが、今回からリザーブファイトの勝者が第1優先となる。
1R、開始しばらくこそ大滝が圧力をかけてリズム良く右ローを当てていたが、江川が右フックを当てると、圧力をかけ返し、ロープに詰めて左右のボディ打ちも絡めて顔面へのパンチも効かせ、右フックでダウンを奪取。江川は再び右フックを当てて後退させると、ボディ打ちの連打で江川が亀になってふらついたところで梅木レフェリーがストップ。ブランクの長い大滝を、20歳の成長株・江川が圧倒する内容となった。
第9試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
×ホルヘ・バレラ [Jorge Varela/ジョージ・バレラ](スペイン/ジーザス・カベロ・チーム/WKL世界フェザー級王者、ISKA K-1ルール欧州フェザー級王者/57.2kg)
○村越優汰(湘南格闘クラブ/元RISEバンタム級(-55kg)王者/57.3kg)
4R 判定0-3 (山根9-10/伊藤9-10/西村9-10)
3R 判定0-0 (山根28-28/伊藤28-28/西村28-28)
一回戦は1R決着で無傷のバレラと、延長までおよぶ接戦を制した村越の準決勝に。1R、サウスポーの村越に対し、バレラが左ジャブを振ってから、伸びのある右ストレートでダウンを奪う。村越のダメージは小さいが、その後もリーチの長いバレラに得意の蹴りを当てることができない。記者採点は10-8でバレラ。
2Rもバレラは時折距離を詰めてパンチをまとめるが、少しスピードが落ち、村越も左ミドルを返し続けてバレラを削り、差を縮める。記者採点は10-10。
3R、村越が左のテンカオを当てていると効き目を発揮。バレラは後退し、コーナーに詰められ、テンカオの連打をもらって動きが止まったところでレフェリーがダウンを宣告する。その後も村越が左テンカオ、三日月蹴りを当てて続け圧倒する。記者採点は8-10で村越。合計28-28で、ジャッジ3者も同様で、延長に進む。
4R、インターバルでバレラは回復し、時折パンチをまとめて挽回するが、村越も右ジャブを突いて距離を取りつつ、随所で左のテンカオ、ミドルを返し続ける。僅差の内容ではあるが、少しヒット数で村越が上回る。記者採点は9-10で村越。ジャッジ3者も村越を支持し、村越が決勝に進んだ。
第10試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×芦澤竜誠(K-1ジム総本部チームペガサス/元INNOVATIONフェザー級王者/57.5kg)
○西京春馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Krushフェザー級王者/57.5kg)
判定0-3 (山根28-29/西村28-30/伊藤28-29)
芦澤は1R、西京は3R戦い準決勝へ。1R、サウスポーで西京が距離を取り、左ミドルを当てれば、芦澤は右ストレート、右ボディ、右ミドルで応戦。終盤、芦澤が右ミドルを当てたが、すぐさま西京は左ハイを返してクリーンヒットし、ダウンを奪う。記者採点は8-10で西京。
2R、お互いミドル主体の展開の中で、西京はカウンターでパンチも合わせ出すが、芦澤は前に出続け、顔を突き出して挑発する場面も。記者採点は10-10。
3R、西京は随所でパンチを合わせ、テクニシャンぶりを見せるが、逆転勝ちを狙う芦澤は前に出続け、左テンカオを効かせると、終盤は西京が下がり続け、芦澤がパンチ、膝で追い詰める。だがダウンは奪えず終了。記者採点は10-9で芦澤。合計28-29で西京。ジャッジ3者も西京を支持し、西京の決勝進出となった。
第15試合 決勝 3分3R(延長1R)
○村越優汰(湘南格闘クラブ/元RISEバンタム級(-55kg)王者/57.3kg)
×西京春馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Krushフェザー級王者/57.5kg)
1R 0’51” TKO (ドクターストップ:足の負傷)
※村越が王者に
村越は累計8R、西京は6Rを戦い決勝へ。3月のKrushでのタイトルマッチは延長戦の末に西京が判定勝ちしているが僅差で、評価の分かれる内容だった。
だが再戦はあっけない結末に。1R、両者サウスポーに構え、出方をうかがう状況の中、西京が右ローを当てるが、自ら痛めたような動きでバランスを崩す。試合は続くが、再びバランスを崩すと、梅木レフェリーがドクターチェックを要請した後にストップ。村越の優勝となった。村越はベルトを巻くと涙を流し「フェザーのベルトを巻いたので上の階級のチャンピオンの武尊選手とやりたいです」とアピールした。
◆村越「一回戦のマムーディは思ったよりリーチが長くてやりにくかったです。準決勝のバレラはパンチが強かったです。ベルトを巻けたことが夢みたいです。決勝はボロボロでした。最後は気持ちでした。西京選手は様子がちょっとおかしいなって感じでしたね。自分は蹴りが得意なので思いっきり蹴ることだけ考えていました。今日はチャンピオンらしくない危なっかしい戦いでした。もっと完璧な戦いを磨いて、武尊選手とやりたいです。(今日のダメージもあると思うが、9月大会で武尊戦と言われたら?)やりますね。決勝も延長行ってもいいぐらいで、最後は気持ちの強いほうが勝つと思っていたんで」
◆西京「初トーナメントでいい経験ができたと思います。試合自体楽しめたんで、いい勉強になった一日でした。朝久選手はああいう試合になるだろうなって覚悟はしていたので、怪我無く終わって、準決勝の芦澤選手は気持ちが強くて、何回も折れそうになりました。決勝も怪我なく行けたんですけど、色々アクシデントがありました。負けは負けなんで、絶対やり返したいです。
(決勝の怪我は?)一発目蹴った時に足が吊って、言うことが効かなくてガクガクしていました。吊ったのは両足のふくらはぎです。最初、軸足が吊って、伸ばして治ったら、二発目三発目を打ったら、完全に両足に力が効かなくなりました。今は大丈夫です。試合では初めてです。足を吊りやすい体質なんですけど、吊っちゃうのはメンテナンスができてないんだと思います」
ワンマッチ
第14試合 ライト級(-62.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○卜部功也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者/62.2kg)
×ブラックドラゴン [Arthur Sorsor](米国/ブラックドラゴン/タイガームエタイ/62.2kg)
2R 0’46” KO (左膝蹴り)
ブラックドラゴンは戦績31勝21勝(8KO)9敗1分の31歳。かつて日本の士魂村上塾に在籍し、2011士道館杯争奪ストロングオープントーナメント全日本大会で優勝。11年11月のMAキックでのライト級新人王トーナメント決勝では、当時高校生だった木村“フィリップ”ミノルに1Rに3ダウンを奪われKO負けしている。その後はタイのタイガームエタイを練習拠点とし、タイ、中国で試合を積んだ。今回のセコンドには士魂村上塾のモハン・ドラゴンがつく。
功也は3月大会でのライト級タイトルマッチで王者・ウェイ・ルイを2R左ストレートでKOし、スーパー・フェザー級に続く2階級制覇を達成して以来の試合だ。
1R、サウスポーの功也に対し、ドラゴンは右フック、右ミドルを強打するが、功也が左のテンカオを効かせて流れをつかみ、左フックの2連打でダウンを奪取。終盤にも右ハイでダウンを重ねる。採点は10-7で功也。2Rも序盤から左の飛び膝の連打でダウンを奪うと、ドラゴンは10カウント以内に立ち上がれず、山根レフェリーがストップした。
功也は「休憩前にゴンナパー選手が瑠輝也選手に勝ったので、どこかのタイミングでタイトルマッチお願いします。負けたままじゃ終われないです。ぜひ来てください。押忍!」と、力強くアピールした。
第13試合 スーパー・ライト級(-65kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○野杁正明(K-1 GYM EBISU FREE HAWK/王者/65.0kg)※K-1ジムEBISUからジム表記変更
×ヴィンセント・フォシアーニ [Vincent Foschiani](ドイツ/Bang Rajan Muay Thai/ISKA K-1ルール欧州ライトウェルター級(-65kg)王者/64.6kg)
2R 2’46” KO (左ボディフック)
野杁は3月大会で大和哲也をKOし王座防衛して以来の試合。初来日のフォシアーニは39戦33勝(15KO)6敗の29歳。
1R、序盤から野杁が圧力をかけ、サウスポーのフォシアーニに右の奥足狙いのローを的確に当て、終盤には右ミドルを効かせつつ、右ボディフック一発でダウンを奪うことに成功する。記者採点は10-8で野杁。
2R、フォシアーニはロープを背にしながらも左ミドルを返し、1Rよりも動けてきているが、野杁は執拗にボディ狙いの左右のパンチを当て、フォシアーニは苦しそうな顔を浮かべる。それでも耐え続けていたが、終盤、左ボディがクリーンヒットし、フォシアーニはうずくまるようにダウン。すぐさま山根レフェリーがストップした。
野杁は「動きは硬かったんですけど、チャンピオンとして最低限の仕事はできたと思います。父の日なので、一人の娘の父ちゃんとして一仕事できたと思います」とマイクアピールした。
第12試合 ウェルター級(-67.5kg) 3分3R(延長1R)
○木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス/67.3kg)
×山際和希(谷山ジム/元Bigbangウェルター級王者/67.2kg)
1R 2’48” KO (左フック)
メルシック・バダザリアンが練習中に右側肋骨剥離となり、ドクターストップがかかったため欠場。代わって出場の山際は6月3日のBigbangディファ大会で記村一成と対戦し3R判定勝ちした数日後にこのオファーを受け、わずか2週間間隔での試合となる。
1R、木村が開始すぐから圧力をかけ、多様なフェイントを仕掛けてパンチを狙い続ける。山際も時折右ミドルを当てるが、木村の圧力を前に力が入りきらない。そして中盤過ぎ、木村が右と左フックの連打でダウンを奪うことに成功。最後はコーナーに詰めて左フック一発で山際をマットに沈めた。
マイクを持った木村は「長いスランプ抜けたんで安心してください。またヤバい奴連れて来てください。たぶんああなるんで」と笑顔で話した。
第11試合 スーパー・ライト級(-65kg) 3分3R(延長1R)
○山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushスーパー・ライト級&ライト級(-62.5kg)王者/64.7kg)
×中澤 純(TEAM Aimhigh/Krushスーパー・ライト級王者/64.8kg)
判定3-0 (梅木29-27/岡田29-27/水谷30-27)
山崎は16年9月のゴンナパー戦で左膝を負傷し、昨年4月のゲーオ戦で悪化させ、長期欠場に突入。3月のK’FESTA.1に登場すると、6月大会の復帰を表明していた。対する中澤は山崎が返上したKrushスーパー・ライト級(-65kg)王座を昨年獲得し、初防衛戦で左右田泰臣に勝利。K’FESTAでの左右田との再戦でも勝利している。
1R、山崎は序盤から詰めてパンチを連打したり、ガードを下げて左ジャブを連打したりと、軽快な動きで好調をアピール。中澤もパンチを返すが、後手に回ってしまっている。記者採点は10-9で山崎。
2Rも山崎は左ジャブ、左ミドル等で攻め続け、掛け蹴りのヒットも増やし、中盤には右の横から入るような飛び膝を顔面に叩き込んだ後、パンチラッシュでダウンを奪う。その後も掛け蹴り、飛び膝を自在に当て中澤を圧倒する。記者採点は10-8で山崎。
3R、山崎は疲れが見え始め動きが落ち、中澤が前に出て左右のフックを当てて挽回する。終盤の打ち合いでは山崎も当て返し、中澤の反撃を最低限に封じ終了する。記者採点は9-10で中澤。合計29-27で山崎。ジャッジ3者も山崎を支持し、山崎が復帰戦を白星で飾ると「これから65kg戦線復活するんで、会場に足運んで応援してください」とアピールした。
第8試合 ライト級(-62.5kg) 3分3R(延長1R)
○ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックス/Krushライト級(-62.5kg)王者、WPMF世界スーパーライト級王者/62.2kg)
×安保瑠輝也(team ALL-WIN/62.4kg)※瑠輝也 改め。TRY HARD GYMから所属変更
2R 1’48” KO (左ストレート)
ゴンナパー×瑠輝也は2月12日のKrushライト級次期挑戦者決定戦で組まれていたが、瑠輝也の所属していたTRY HARD GYMとK-1 JAPAN GROUPの契約問題により、大会8日前に試合が消滅していた。ゴンナパーは同大会で瑠輝也の代役の石田勝希をKOして王座挑戦権を勝ち取り、4月22日のKrushで佐々木大蔵に完勝し王座を獲得。瑠輝也は弟の安保璃紅と共にTRY HARD GYMを離れ、大阪に新たなジムを作り、K-1 JAPAN GROUPの大会に継続出場する。瑠輝也は今回に備え2週間タイでハードトレーニングを積んできた。
1R、ゴンナパーがサウスポーに構え、圧力をかけ、左ミドル、ローを何発もヒットし終始主導権。右ボディ等パンチも当てて瑠輝也を痛めつける。瑠輝也も時折右ローを返すが、後手に回り続ける。練習環境が変わり、十分追い込めきれなかったか?動きのキレも今一つな感がぬぐえない。
2Rも最初からゴンナパーが瑠輝也をコーナーに詰めてミドル、ローを当て、右ストレートでダウンを奪取。瑠輝也は立ち上がるがダメージが大きく、その後も左ストレートで立て続けにダウンを奪われ、ゴンナパーの完勝に終わった。
ゴンナパーは「KOで勝ててうれしいです。次は王者の卜部功也選手とやらせて欲しいです。ヨロシクオネガイシマス」とアピールした。
第7試合 ウェルター級(-67.5kg) 3分3R(延長1R)
○城戸康裕(谷山ジム/元Krushスーパー・ウェルター級(-70kg)王者/67.3kg)
×マサロ・グランダー(オランダ/マイクスジム/67.3kg)
3R 2’30” 反則
城戸康裕は3月大会のイッサム・チャディッド戦で、終了間際に左ハイでダウンを奪い判定勝ち。対するグランダーは野杁正明・平本蓮に勝った過去があり、2年ぶりの日本での試合となる。
1R、グランダーが最初から詰め、パンチラッシュで猛攻を仕掛けるが、城戸はサウスポーに構え、少しずつ左ミドル、膝、ハイを返し、グランダーの体力を削ろうとする。記者採点は10-10。
2R、グランダーの圧力を前に、城戸は口が開いて疲れが目立つようになり、組み付いて膝を当ててしまう。グランダーも組んでしまいがちで、両者ともホールディングで警告を受ける。記者採点は10-10。
3Rもホールディングが多い展開となるが、その中でも城戸が膝を当てていると、グランダーは疲れの色が濃くなり、自ら組む状況が増え、西村レフェリーがイエローカードを2枚出す。城戸も膝を打つ際にグランダーの首元に手をかけてつかんでいるように見えるが、レフェリーは注意を出さない。最後は城戸が膝を当てた直後、グランダーにレフェリーがレッドカードを出し、反則負けという形で試合が終わった。
勝った城戸は「このまま行っても判定で勝っていた」と優勢の展開だったことを主張し、「これ勝ったら、9月タイトルマッチということなので、ありがとうございます。久保きゅん、株より城戸だぞ」と王座戦をアピールした。グランダーは「1Rは順調だったが、2R以降はレフェリーと城戸選手の2人と戦っているようだった」と皮肉を込めて不満を述べた。
第6試合 -90kg契約 3分3R(延長1R)
×上原 誠(士魂村上塾/元RISEヘビー級&ライトヘビー級(-90kg)王者/90.0kg)
○加藤久輝(ALIVE/元HEAT総合ミドル級(-83.9kg)王者、空道全日本体力別4連覇/90.0kg)
4R 判定1-2 (畑中10-9/芹沢9-10/梅木9-10)
3R 判定0-1 (畑中29-29/芹沢29-30/梅木29-29)
加藤久輝はフランス人とのハーフで、ハンドボールの実業団で活躍後、格闘家になり、着衣総合格闘技・空道の全日本大会を4連覇。通常のMMAでもRIZINやベラトールで勝利し、WBCムエタイ世界王者のジョー・シリングにMMAとキックの両方のルールでKO勝ちしている。同じ愛知在住の佐藤嘉洋氏の推薦でK-1に初参戦する。
この日の開会式の前には、4月7日に交通事故で急逝したKOICHIへの黙祷が行われた。その亡くなった日の記者会見で上原と加藤の一戦が発表され、KOICHIの練習仲間でもあった上原は「KOICHIさんの分も背負って戦いたい」と話していた。上原は昨年11月のK-1でのヘビー級王座決定トーナメント準決勝で優勝者のプラチバットにKO負けして以来の試合だ。
1R、加藤がサウスポーに構え、左の奥足狙いのロー、ミドル、上原が右インローを当て、まだ互角の展開。記者採点は10-10。
2Rも基本的に同じ構図だが、上原の蹴りが少し減り、加藤の蹴りが少し増える。まだ大差は無く、記者採点は10-10としたが、加藤についても不思議ではない。
3R、お互い蹴り数は伸びないものの、加藤のダイナミックな左ミドル、ローが少し目立つ展開。上原も左ボディ、左フックを当てるが、後手に回り続ける。記者採点は9-10で加藤。合計29-30で加藤。ジャッジは1者のみ加藤を支持し延長に突入する。
4R、加藤は開始すぐから前に出て上原をロープに詰めてパンチラッシュ。上原は耐えると、加藤の猛攻は収まるが、上原もなかなか攻撃を返せない。加藤は随所で左ミドル、ローをヒット。上原は終盤、残りの力を振り絞って右ロー、右フックを当て挽回する。記者採点は9-10で加藤。ジャッジは割れたが2者の支持を得た加藤が勝利した。
プレリミナリーファイト第4試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R
○伊澤波人(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/57.7kg→57.5kg)
×伊藤健人(K-1ジム目黒TEAM TIGER/57.5kg)
判定3-0 (30-26/29-26/30-26)
※1R右上段胴回し蹴り、3R右フックで伊藤に各1ダウン
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・ライト級(-65kg) 3分3R
△鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/65.0kg)
△近藤魁成(大成会館/K-1甲子園’17 -65kg優勝/65.0kg)
判定1-0 (29-28/29-29/29-29)
プレリミナリーファイト第2試合 ウェルター級(-67.5kg) 3分3R
○海斗(ポゴナ・クラブジム/67.5kg)
×渡邊俊樹(優弥道場/67.5kg)
1R 1’03” KO
プレリミナリーファイト第1試合 スーパー・フェザー級(-60kg) 3分3R
○横山朋哉(リーブルロア/60.0kg)
×久保一馬(FIGHT CLUB 428/60.0kg)
2R 2’05” KO